ケニア国立公文書館に行ったが……。 | Que sais-je? ク・セ・ジュ――われ何を知る

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エルサルバドルに単身赴任中。
気候がいいので日本よりよほど健康的な生活を送っています。
ドライブ旅行をぼちぼちしていますが、
この国で最も注意しなければならないのは交通事故。
今や治安以上に大きなリスクです。

なおヘッダーは2020年に新潟県長岡市にて撮影。

5月1日(土)。労働の日、いわゆるメーデーで休日。日本のように5月には大型連休はなく、しかも休日が土曜日で振り替えもなく(この国は日曜日も振り替え休日があるのかどうか分かりませんが)、結局ただの週末です。

前週のナイロビ・ギャラリーについで、市内観光で似たような場所を訪れることにしました。

連続した週末に不要不急の外出をするのも少し間隔が短い気もしましたが、翌週の週末(つまり5月8日・9日)はたまたまラマダン期間の最後になるので、テロリスクが高くなるとのこと。2016年7月1日にバングラデッシュでレストラン銃撃事件が起こり、日本人も7名の方が亡くなりましたが、あれもラマダン期間の最終金曜日に当たっていたそうです。イスラムではヒジュラ暦という太陰暦を使っていますので、期間は毎年少しずつ(前に)ずれるのです。

それはともかく、行先はケニア国立公文書館 (National Archives) 。3月だったか、タクシーの車内で運転手とナイロビ観光の話になり、その時に彼から教えてもらいました。何でそんな施設が観光の目的地になるのか不思議でしたが、公式サイトを見て納得。公文書保管・閲覧サービスのほかに、ムルンビ・アート・ギャラリー (Murumbi Art Gallery) が併設されており、ムルンビ元副大統領のコレクションが展示されているとのこと。

そうなんです。前週に行ったナイロビ・ギャラリーに展示されていたのは彼のコレクションのほんの一部で、他の一部はこちらに展示されているのです。それ以外でも、郊外にあるアフリカン・ヘリテッジ・ハウス (African Heritage House) にも彼により(彼の協力で?)収集された物品があるそうで、一体どれだけ膨大なコレクションがあるのか想像できません。

資料閲覧室の開館は平日のみですが、公式サイトによると、ムルンビ・アート・ギャラリーの方は週末も休日も開いていることになっています。

なお、日本にも国立公文書館があります。そちらの公式サイトを当たってみると、「国立公文書館概要」のページ、「沿革」のところに「今日では、公文書館は図書館、博物館とともに、文化施設として三本の柱の一つとなっています」とあります。全然知らなかった。

 

北の丸公園の、東京国立近代美術館と科学技術館の間にあるそうで、美術館と科学技術館は行ったことがありますが、公文書館は完全に見過ごしていました。閲覧や貸し出しなど、一般の利用も可能ですが、現在は東京に緊急事態宣言が出されているため休館中。

では、当地ナイロビの公文書館へと行きましょう。

 

 

タクシーを降りた場所はナイロビの中心街、いわゆるセントラル・ビジネス・ディストリクト (Central Business District, CBD) のまさにど真ん中。特に週末や休日は人でごった返しています。

ナイロビでは、公共の場はテロ防止のため撮影禁止という話も聞きましたが、後から係員に「写真を撮っていたね」とは言われたものの、特に咎められることもありませんでした。むしろ撮影中にカメラをひったくられないように細心の注意を払いました。バックパックからさっと出して、さっと撮って、さっとしまい、そしてパックパックは前に抱えて歩きます。

どこが入口だか分からず、建物を一周すると、どうも写真を撮影した面が入口のある正面のようでした。

しかしゲートも玄関の扉も閉まっています。そこにいた警備員にゲート越しに聞くと、どうも休館のようです。しかしゲートの鍵はかかっておらず、手で押すと簡単に開きました。そこでフェンスの中に入ってもう少し事情を聞こうとしたのですが、この警備員、休館していることは私にも理解できたものの、あとは英語がほとんど通じない。

すると係員がやって来て、今日はどうもコロナのせいで休館なのであって、休日だからということではないようです。だったらちゃんと公式サイトにて通知しておいてくれよと思いましたが、そこが途上国です。

同じ国営施設のナイロビ・ギャラリーは先週開いていたので、本当にコロナのせいなのか、それとも書庫整理などで休館なのか、はっきりしませんでしたが、とにかく休館は休館。

……と思ったら、「明日の日曜日に来るか?」と。「少々払ってくれたら案内するよ」

これはいつもの「袖の下」ですな。そんな裏の手段を使って後ろめたい気持ちで見学したくはありません。公式に開館していないのであれば入る気がしなかった私としては、「一般大衆に開いているのか? (Is it open to the public?)」という聞き方で問い返すと、「とにかく明日もう一度来なさい」とごまかす。

明日が良くて今日がダメな理由もよく分かりません、……でしたが、この日の晩に、本日からコロナ規制が緩和されたと日本大使館からのメールで知りました。なので、ことによると、本日は急なのでダメだが明日なら再開ができるということだったのかもしれません。それなら「袖の下」の意味は何なんだという気もしますが。

 

よく分からない。

正直に言うと、今日この場で入れてもらえるのであれば、あるいは少々心付けをして、後ろめたい気持ちで入館していたかもしれません。しかしコロナのことが気になってあまり頻繁に外出したくない私としては、翌日に出直す気はありませんでした。

 

この界隈は物騒です。スリやひったくりが雑踏の中にうようよしていそうな所ですから、ぐずぐずすることなく、すぐにウーバーを呼んで退散です。

前週はナイロビ・ギャラリーの帰りに日本居酒屋レストラン CHEKA に寄ってテイクアウトの料理を購入しましたが、本日は日本食材店の陣屋に寄って、麺つゆ(1リットル2本)、干しシイタケ、豆腐、油揚げ(冷凍)、さつま揚げ(冷凍)、納豆(冷凍)、キムチ、ラーメンの乾麺、かぶを買いました。合計5,068シリング、約5,100円。

 

 

ちなみに冷凍食品の3つはこんな感じでパッキングしてあります。左から、納豆、さつま揚げ、油揚げ。油揚げは前回来た時にも買いましたが、日本のようにぺらぺらしたものではなく、厚揚げに近いです。

これだけの金額の買い物をしたので、往復のタクシー代1,700シリング(約1,700円)はある程度払った甲斐があるというものです。それに、公文書館に入れなかった上に手ぶらで帰るのは、いかにも虚しい。お金や時間以上に、わざわざ不要不急の外出をした意味がなくなるので虚しいです。

さあ、何から手を付け始めるかな。巻き寿司を作ってみようかと思っていましたので、ネタに納豆が加わったわけです。

その後、手巻きを最初に作ったのは5月6日でしたが、結局その日は納豆を使いませんでした。その時のネタはキュウリ、アボカド、オクラ、そしてスモークサーモン。スモークサーモンは今一つでしたが、スーパーで売っている生のサーモンは高いですし、生のままで食べて大丈夫かどうかも分かりません。

公文書館の方はいつ行こうか。最初に書いたように、翌週は巣ごもりです。もうしばらく間をおいてからになるでしょうか。開いているかどうか、行く前に電話で確かめたいと思います。

とにかくお預け。

すいません、今回はこんな感じでメインの目的は未達成で、ついでに寄った店の話をくっつけて、なんか収まりの悪い記事でした。いずれ公文書館の中身をご紹介できればと思います。