学生証の更新と
履修の相談を兼ねて
久々に大学へ。



雨上がりの 雲の切れ間から延びる
光を帯びて

長い坂に並ぶ
桜の花が

新しい春を
僕に 教えてくれる


いつのまにか

僕は此処で
3度目の春を 迎えていた。





雲が流れていく様に

風が凪いでいく様に

世界は 僕の知らぬ間に
確実に 進んでいる




新しい毎日は
もう 始まっているのに



何故か

其処に 僕の居場所は無い様な


そんな気さえ しているんだ。





抜け墜ちた 何かは

見つからないまま 次の季節





振り返らずに歩いたら

居場所は 見つかるんだろうか



問い掛けた その声はいつも


坂の途中で 途絶えてしまう


返らない応えを

僕はもう 待つ気になれなかった。


咲き急ぐ桜が 街の景色に
いつの間にか 馴染んでいて

季節の速度に
僕はまた 驚かされた



時々 滞りながら
それでも流れていく 僕等の毎日は

この季節に
急激に速度を上げていく



雑踏

会話

足音


全てに 僕等の昨日が
染み込んでいて



新しい毎日で
僕等は何を 築いていけるだろう

降り積もった 記憶や感情に

新しい僕等を 塗り重ねながら

僕等は 暮らしていく





新しい街

新しい朝

新しい風

新しい毎日で

僕等 それぞれが見つける


新しい 僕等。
このままこうして
居られたらいいななんて
言葉にならなかった

白い息 錆びかけた
鉄塔の向こう側から
明日の声がする

雨上がりの朝の
誰もいないプラットホーム
旅立ちに相応しい
歌でもあればなぁ

飛び立ってく鳩の群れ
未来を見つけたんだろう?
それを追って 掴むだけ

『ごめんね』は
聞きたくないし
言いたくもないから
何も言えなくなるんだよ



今日から『僕等』は
それぞれに 誰でもない
『君』と『僕』になるんだ
季節は温もりを欲しがる
思い出なら
逃がさず閉じ込めて

ちょっとの頼りなさと
素直じゃない仕草で
さよならも言えない
二人は気付いてた

飛び立ってくタメの羽根
イメージのまま飛ぶんだよ
風に乗って 進むだけ

『ごめんね』に
嘘などないし
言ってしまいたいけど
巧く笑えなくなるよ


雪解けとともに桜や梅が咲き始め。
肌を刺すような北風はいつしか温もりを与えてくれる。



そんな季節に大切な人を見送り、新しい人と出逢う。




さようならとありがとう、はじめてとよろしくの交差地点。




どこかぽつりと穴が空いた気分と上の立場になっていく圧迫感がまとわりついてくる。


そして、





またこの季節が来たのかと感じるのだろう。

長い夢の後の
静かで 冷たい夜の匂い



何かの終わりは 何かの始まりで
それはいつだって 頼りない
さよならの後だった



これから来る 季節に
胸踊らせながら
アスファルトに囲まれた
煙たい街で 僕等は生きてく



触れたら 壊れそうでも
目を閉じたら 消えそうでも

失くならないで
欲しいものがある




もっと
ここに居たいって

そんな風に思えたんだ。