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オヤジィーなつぶやきを淡々と。

昨日読み終えた小説。


謎の企業が開発するクラインと呼ばれるゲーム。

シュミレーション、ロールプレイング、シューティング、アクション、そしてサスペンスと、全てが統合されたゲーム。

ただしそれは、マシン(クラインの壺)の中へ裸で入り込み、仮想世界の中で自分の体と五感全てを使って体験をするという、ゲーム界の常識を覆すもの。

そのプログラムはデータ量がギガの1000倍のテラの、更に1000倍のペタの領域。


主人公は、自分が書いたゲーム用小説がその製品に採用されたことによって、ゲーム開発にテストプレーヤとして加わることになる。

しかし・・・、テストを繰り返すうちに現実と仮想の境界がわからなくなってゆき、最後は・・・

結末は読者にとってモヤっとしたまま終わってしまう。

わからないのが面白いというか、怖さという余韻を残すのだけれど・・・。


この小説、なんと約20年前のもの。

世界観はマトリックスに似ているけれど、マトリックスよりもずいぶん前に書かれているから驚くばかり。

テラとかペタなんて言葉がその時代に出てくることだけでも、作者のすごさってのが見えてくる。

なので、今の時代でも全く違和感無く、言われなければそこまで古い作品だとはわからない内容。

唯一違和感があったのは、人同士の連絡手段としてケータイが出てこないってことかな・・・。


とにかく、一気に読みたくなるおもしろさがあって、これもかなりオススメ。

近々、同じ作者の本を貸してもらえる予定で、こっちも楽しみなのであーる( ̄▽+ ̄*)

北森 鴻の作品を読むのは2作目。

そして毎回登場するのがビアバー「香菜里屋」。


店先には、のびやかな字体で香菜里屋と書かれた等身大のぼってりとした提灯がある。

マスターは、ヨークシャーテリアの刺繍のあるワインレッドのエプロンをし、

そのヨークシャーテリアによく似た顔の「工藤」。

短編だが、いずれもこの工藤が名探偵ぶりを発揮するところに面白みがあるわけでね。


それにしても、工藤の生い立ちみたいな話は無いんだろうか・・・

年齢不詳だし、マスターとしての振舞いしかほとんど話に出てこない。

一体どんな過去を持つのだろうと、興味を持ってしまうわけであーる。


できれば長編版があれば読みたいんだけど・・・、なさそうだね( ̄_ ̄ i)

著者が「さだまさし」の小説のタイトル。


やはり、さすが文才のある人だなという印象。

もう小説家だよね、完全に・・・。

文章が書ける云々以前に、「感性」が凡人とは違うってことが大きいんだろうけどねぇ・・・


この小説を読んで思ったのは、

「生きる」のと「生活する」のとは、似ているけど違うわけで、

生活はしていても、生きていることを意識するのを忘れてしまいがちだったりするのだ、

ということを、教えてくれているような気がする。


まぁ、オレなんかは、この年になるまで、かなりムダに生きてきたところがあるという自覚があるし、

人生について語れるような経験もないんだけどさ・・・(* ̄Oノ ̄*)



ともあれ、オススメの小説のひとつになりましたとさ (@°▽°@)