エイジレスの273回 放射性セシウムの吸収を大幅に低減できるイネ

 

 

 「259回 ラベンダーやパクチーに 放射線防護効果」で、食べ物で、放射線を防御できる方法をお伝えしたのですが、そもそも、体内に放射性物質を入れないのが一番です。

 

 福島の原発事故だけでなく、元々、自然界には、微量の放射線がそこかしこに存在します。

 

 その多くは、宇宙からやってくるものですが、ラジウム温泉など自然界にも放射性物質が存在しています。

 

 で、今回のお話は、放射性物質の一つ「放射性セシウム」を吸収しにくい稲(イネ)を開発したというお話です。

 

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 セシウムとカリウムは性質がよく似ているため、カリウムの輸送経路を通して植物は、セシウムを吸収していると長らく考えられてきました。

 

 しかしながら、植物の生育にとって非常に重要な栄養であるカリウムは吸収経路が数多く存在し、どの経路によってセシウムが取り込まれているのかは今まで明らかにされていませんでした。


 頼助教らの研究グループは、突然変異を誘発させた 10000 個体近くのイネ変異体(遺伝子組換えでない)を栽培した結果、その中に極端にセシウムを吸わない個体があることを発見しました。

 

 この個体の遺伝子解析の結果から、カリウム輸送体の一つ(OsHAK1)が、イネの根が土壌からセシウムを吸収するときの最も重要な輸送経路であり、その他の輸送体を経由した吸収は極わずかにすぎないことが明らかになりました。


 この遺伝子の機能を失ったイネは根からセシウムを大幅に吸わなくなり、現地圃場での栽培試験の結果、玄米についても放射性セシウム濃度が親品種(あきたこまち)の 10%以下と、放射性セシウムを大幅に低減できることが証明されました。

 

 開花期の若干の遅れなどの影響もみられますが、収量については現在までの栽培試験で親品種とほぼ同等に維持されています。

 

 今回得られた成果は今後、米への放射性セシウムの吸収抑制策として活用されることが期待されます。

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 普段、よく食べるお米ですので、超微量と言えども、長年食べ続けていると、体内に放射性物質がたまって、体内被曝し続けるなんてこともあるかもしれません。

 

 ということで、気になる方は、低セシウム米が発売されたら、お求めください。