【映画】銀蝶渡り鳥(1972) : 70年代の銀座を堪能できる 梶芽衣子 東映映画主演1弾 | Bokuと映画  Chackn'sBlog

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東映映画の梶芽衣子さん主演作第1弾

 

監督は「ずべ公番長」シリーズの山口和彦

 

 

渾沌の時代70年代初頭の銀座の風景も必見

 

 

「銀蝶渡り鳥」

 

 

 

 

1972年公開 / 87分 / 日本 (米題:Wandering Ginza Butterfly)

 

監督: 山口和彦
脚本: 松本功・山口和彦
企画: 吉峰甲子夫
音楽: 津島利章
主題歌: 梶芽衣子『銀蝶渡り鳥』
撮影: 仲沢半次郎
編集: 長沢嘉樹
製作会社: 東映東京撮影所
配給: 東映

 

キャスト

梶芽衣子/渡瀬恒彦/小山明子/南原宏治/梅宮辰夫/石井富子/植田峻/渡辺やよい/由利徹/五木ひろし/フラワー・メグ/園佳也子/丹羽又三郎/清水元他

 

梶芽衣子が、小粋な啖呵、腰をおとして仁義を切る任侠路線で東映映画に初主演!新橋の不良グループの女番長だったナミは、リンチを受けた仲間の仕返しに、やくざ幹部を殺して刑務所へ。それから三年後、出所したナミはその罪をつぐなうために、銀座のホステスに身を転じて、給料のほとんどを遺族に送っていた。やがて売れっ子のホステスとなるナミだったが、金と暴力で銀座の盛り場を乗っ取ろうとする暴力団に怒り爆発。その身を挺して立ち向かう! 現代的な装いの中にも、情に厚く、義理にモロい主人公の女渡り鳥・ナミ役に、梶芽衣子が体当たり!義理と意地に命を懸けて和服姿でダイナミックにドスを振りかざすクライマックス、名人級の玉突き賭博を見せ場に、女侠・梶芽衣子の魅力が炸裂する。また、ヤクザあがりの夜の手配師に渡瀬恒彦、銀座の男に梅宮辰夫が扮してドラマを盛り上げるほか、五木ひろしが本人役で出演。「ずべ公番長」シリーズの山口和彦監督が描く現代女やくざ映画

(東映ビデオHP寄り抜粋)

 

 

併映:『望郷子守歌』

 

 

 

東映ビデオHP

 

 

 

Wikipedia:銀蝶渡り鳥

 

*****

 

先日アップした「望郷子守唄」の併映がこの作品だったようで

 

こちらのほうもアゲてみましょう

 

 

東映の当時看板女優だった藤純子さんが引退を表明したため

 

「ポスト藤純子」として梶さんを売り出す第1弾となる

 

とはいえ下火であった任侠路線

 

大まかな話の流れは任侠ものではあるが時代設定は当時の銀座である

 

 

監督として任されたのは「ずべ公番長」シリーズを撮り

 

後の志穂美悦子主演の怪作「女必殺拳」シリーズや千葉真一主演の「けんか空手」シリーズを手掛ける山口和彦

 

70年代の「影」の部分も少しだけ見せながら、テンポの良い演出で

 

梶さんの「さそり」の陰の部分は抑えつつ姐御肌的な梶さんを魅力的に撮られていて

 

色んな表情の梶さんが見られます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

冒頭は女刑務所から始まる

 

 

初登場からいきなり仁義を切るナミ=梶芽衣子

 

名前は「さそり」と同じくナミ。

 

 

 

 

タイトルが現れ

 

銀座に3年ぶりに帰ってきたナミ

 

 

 

 

街のトーンは若干暗めだ

 

景気の停滞気味だった70年代初頭

 

華やかな「銀座の蝶」(銀蝶)というより

 

懸命に生きる当時の若者を映し出している

 

 

 

ビリヤード場で出会うゴロマキの隆=渡瀬恒彦

 

馴染みのビリヤード場の店主原田=清水元

 

 

 

ナミはここでビリヤードの腕を磨いた

 

 

 

 

訳あってナイトクラブのブロンコを訪ねると

 

隆に連れてってもらう

 

 

 

 

隆はスカウトを生業にしている

 

 

隆がスカウトしたユカ=フラワーメグ!に街で遭遇

 

ユカは昼は学生、夜はホステスとして銀座に居座っている

 

 

ブロンコのママさんには小山明子

 

 

 

品の良いママさんだ

 

 

専属の歌手に五木ひろし(役名多分そのまま)

 

 

五木さんは実際に銀座のクラブで無名時代に唄っていらしたのでした。

 

 

お客様には由利徹

 

 

 

ナミは矢島小枝子というホステスを訪ねるも体調を崩し休んでいるという

 

 

 

看病にいつも来ているのは「人造人間キカイダー」のハンペンこと服部半平を演じた上田峻さん

 

ナミはこのブロンコで働くことにする

 

稼いだ金は小枝子さんに渡してほしいと隆に頼む

 

 

 

ナミと小枝子の関係とは・・・

 

 

と、物語は進んでいきますが

 

ナミが務所帰りなのがホステスらにバレて

 

喧嘩し店を出ていくところ、隆が止めてナミの頬をたたく

 

地面に倒れるナミ

 

 

 

 

ワザとカメラは銀座の汚い地べたにピントを合わせる

 

舗装されてなくタバコの吸い殻が落ちてる

 

身元がバレ、投げやりになり

 

地べた(底辺)に倒れたナミ

 

見上げた瞳は潤んでいる

 

表面は強がっていても助けを求めている目だ

 

 

 

 

 

隆は厳しくもあるが優しい言葉もかけてくれるし、

 

ママさんも店に居てほしいと言う

 

ナミはここに留まることにする

 

 

この物語にはもう一人重要な人物がいる

 

それが「コマシの紳」こと松平紳之助=梅宮辰夫

 

 

 

序盤で登場するやいなや

 

いきなりキスしてきたクレイジーなアニキ

 

 

 

しかし皆から慕われ頼りがいのある男だった

 

 

 

 

 

そしてママさんの男でもある

 

 

 

 

これに敵対する大和田興業というヤクザ連中がいる

 

 

 

社長には南原宏治

 

ブロンコの店を乗っ取ろうと計画する

 

 

店をかけてのビリヤード対決があり、

 

 

 

 

 

ナミと対する男は、

 

三ッ玉の竜こと、ブラック将軍丹羽又三郎!

 

 

 

シャブ中のハスラー

 

 

 

 

 

 

何とか勝負に勝つも、

 

紳之助が銃に撃たれ死んでしまう

 

 

 

 

 

 

雨の中番傘を差し復讐に向かうナミ

 

 

 

 

 

 

 

向う最中、隆がまっている

 

 

 

 

そして討ち入りが始まる

 

 

 

 

 

「あんたが生きてちゃ銀座のネオンが曇るんだよ」

 

なんて渋いセリフでござんしょう

 

 

大和田興業のやつらは皆殺しにしてw

 

 

 

 

敵を討ち、夜明け前の銀座の街へ

 

 

 

 

パトカーがやってきて連行される二人

 

 

「渡り鳥はネグラへ帰らなきゃ」

 

いや堪まりませんわ。

 

 

 

パトカーに乗り去っていく時に

 

仕事を終えた屋台とすれ違う

 

恐らくガチな屋台のリアカーと思われ、

 

これまた70年代当時の思い出として

 

町の屋台を思い出さずにいられませんでした

 

 

街はまだ薄暗く

 

1972年夜明け前の銀座の物語でした

 

 

72年はこの後に「女囚701号/さそり」があり、

 

梶さんの代表作となります

 

この「銀蝶」シリーズも同年に2作目

 

「銀蝶流れ者 牝猫博奕」が製作され

 

こちらでは「隆ちゃん」は千葉真一に変更

 

「サニーチバ」と「メイコ・カジ」の任侠ものとして

 

海外でもカルト作として海外マニアには知られているようです

 

 

 

 

こちらはビリヤードの設定はなくなり

 

博徒ものとして製作されております

 

 

 

 

 

こちらも面白いのですが

 

個人的には1作目のほうが好きかな

 

 

梶さんの他の作品は

 

いくつか記事にしていますが

 

「さそり」と「野良猫ロック」は1作品ごとにやり直したいかなと思っておりますので

 

また観返すことがあればやりましょう

 

 

今回はこれでお仕舞

 

 

 

では。