刺青和彫 5 | 黄色い涙〜Storm〜

黄色い涙〜Storm〜

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黄担当で大宮をひどく拗らせてお話書いてます(。-ㅅ-。)
はじめましての方はテーマ→蓮のトリセツの必読を!






物語の1番最初はこちらから







こちらを先に読んでね











※妄想中







5 和也






涙 ━━



ごめんなさい…

ごめんなさい…

ごめんなさい…


こんなことして

どうしよう


我に返って

どうしたら

いいのか

わからなくなっていた


取り返しのつかないことをしてしまった

自分の手で

ぐしゃぐしゃにしてしまった

絵を

一生懸命に

手で伸ばしても


元通りになるはずもなく

溢れる涙を

何度も何度も

手で擦るのに

泣きたくないのに

溢れてくきてしまう


「やだ…ごめんね。ごめんなさい」


絵に罪はないのに

どうしょう…


ぎゅっぎゅっと

汚れる手も気にせず

それを伸ばしていたら


「どうした?」


ビクッと反応してしまう

優しい智兄の声


僕は

振り返る

そこには

お風呂上がりの智兄


濡れた髪も

着替えた浴衣も

どれもこれも

かっこよくて


また

それに泣けて


震える声で


「ごめんなさい」


こればかり

バカみたいに言って

どうしょうない絵を

伸ばしていたらに


智兄は

僕をみて

笑ってその手を止める


「もういいから、な?」


肩にかけていた

手ぬぐいで

僕の手を拭いてくれる


「ふは、こんなに汚して…あ、ココも」


手を拭いたら

次は

頬を拭ってくれる


止まらない涙をみて

智兄が


「よいしょっ」


僕を抱っこしてくれた

その暖かさにまた泣ける


黒い漆黒の瞳が

僕を見つめ


「ほら、目瞑れ…」


目尻を拭って

頬も拭って


あぁ…智兄

いま、智兄の瞳に僕がうつる


さっきまでは

僕が

ぐしゃぐしゃにした

花魁の絵を見つめていたのに





※赤ずきんさんの絵





それに嫉妬して僕は


こっち見て?


ねぇ、こっち…


って思っていた

その映り込みたかった

瞳に僕がいる







好き…

好きだよ

智兄…







どうしたらいい?


良い子の弟で

いられない


その瞳が

その唇が


僕は欲しくて欲しくて

たまらないんだ…


また

はらはらと

涙が溢れていた


ゆっくりと

智兄の顔が近づいてくる


笑って

僕の目尻に唇が触れ


ちゅっと

優しく拭ってくれた








続く







次は和子ちゃんのお部屋

11時26分