自転車世界横断!!TERU-TERU project-Budapest01

ポルトガルを目指すのであれば西へ向かうべきなのに、
見たい景色が東にあるので一路東へと走る。

しばらく続いた丘陵地を越えると平地が広がり、
ドナウ川沿いを北東へ走りブダペストへと入った。

ドナウ川沿いに作られた首都は川を挟んで、
山がちな西側を「ブダ」、東側を「ペスト」と呼ばれ、
その二つの地区を繋ぐ橋が何本もかかり、
その一つ一つが個性的なデザインで美しい。

その中でももっとも有名で、街のシンボルでもある
『クサリ橋』を渡り、ブダ側からペスト側に入った。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Budapest06

1849年に国の英雄セーチェニ伯爵によって、
10年の歳月を費やして造られたクサリ橋は、
重厚な姿のまま、当時のハンガリーの強さを今に残す。

ブダ側の丘の上に建つ王宮や、ペスト側の国会議事堂や
オペラ劇場、温泉場をはじめ、古く芸術的な街並みが残る
ブタペストは街全体が世界遺産に登録されており、
街の何処に目を向けても新たな美しさを発見できる。

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↑ハンガリーの国会議事堂
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↑中央ヨーロッパ最大のシナゴーグ(ユダヤ教会)
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ザグレブを出発して5日間休み無く走ったせいで、
流石に疲れもたまり、筋肉痛も激しかった為、
ブタペストでは筋肉痛が癒えるまで滞在する事にした。

ブダペストは温泉でも有名な街なので、
温泉に入っては、奮発してアロママッサージを受けた。

有名な宿のアンダンテホステルに宿泊し、
今後のルートを検索し、情報を得た上で更に進む。

映画『シンドラーのリスト』の舞台となった、
ポーランドの旧首都『クラクフ』を次の目的地とし、
疲れを癒し、満を持して再び走り出すのだった。

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山道は本当に大変でつらいのですが、
これからスロヴァキアの山地へと向かいます。
自転車世界横断!!TERU-TERU project-Cycling after a long time07

中央ヨーロッパの風にはまだ夏の暖かさが残る。

ロンドンから厚着のままクロアチアへと戻り、
空港を降りて生ぬるい風を感じた瞬間に、
3ヶ月前の感覚や意識がフラッシュバックした。

相棒の自転車とも再会を果たし、荷物を改めてまとめてみると、
以前よりもその重量が増えており、積荷の重さに不安がよぎる。

少々風邪気味ではあったが、クロアチアに戻り、
ザグレブで再びダラダラするのは避けたかったので、
2日間滞在の後、身支度を整えてハンガリーを目指した。

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自転車世界横断!!TERU-TERU project-Cycling after a long time02

見渡す限りのトウモロコシ畑を通り過ぎ、
小さな田舎町に何度も立ち寄っては
国境にまたがる山地をゆっくりと北へ進む。

北からは山を下って向かい風が吹き、
雲ひとつ無い晴天の中、汗で手が湿る。

90km走りクロアチア北部の小さな町に辿り着き、
「久々のロングランは体に堪えた。」と、言うのもあるが、
熱っぽさが残っている事もあり、少々高めのホテルに泊った。

国境付近の特に何があるわけでもない、
外国人旅行者が立ち寄る事もないだろう町で、
旅再開の初日を終え、疲れた体を癒したのだが、
脳が興奮状態にあるのか、寝つきが悪かった。

翌朝も熱っぽさは残り、筋肉痛も始まったのだが、
そのまま走り出し、国境を越えてハンガリーへ入国。

何故かクロアチアの出国スタンプが押される事は無く、
ハンガリーの入国スタンプだけが押され、
ついにシェンゲン協定実施国内へ入った。

ここからはシェンゲン協定実施国内は3ヶ月間しか滞在できない。

無事ポルトガルまで走りぬけることが出来るのか?

それともどこかで期限が切れて、第三国へ3ヶ月間出国するのか?

今の所定かではないのだが、なんとなく後者の可能性が高く感じる。

そうなると、日本への一時帰国は更に先延ばしになり、
その間は何処で何をしよう?

そんなまだ先のどうなるか分らない事をぼんやりと考えながら、
マイペースにペダルをこいでは、ハンガリーの田舎を走った。

クロアチアに比べると物価は3分の2程で安く、
生活費には大して困りそうも無いのだが、
ハンガリーの生活水準はそれに比例して決して高くない。

それよりも、想像していたよりも経済は疲弊しているようで、
ゴーストタウンのような寂しい町が多い。

ハンガリーは、中欧ではチェコとオーストリアと共に、
最も早くEUに加盟のだが、まだまだ発展途上段階にある。
インフラ整備や地方格差などの問題を抱えており、
生活水準はセルビアとボスニアの中間位に感じる。

方向や目的地を現すサインも大雑把で、非常に分りにくく、
交通マナーもヨーロッパ圏内に入った中ではもっとも悪い。

横断歩道を渡ろうとしても車は止まらず、
挙句の果てには、横断歩道を渡っている者に対して、
クラクションを鳴らして車が突っ込んで来る事もある。

こんな事は今までには決してなかった事で、
ましてはヨーロッパにおいては信じられない。

街中ではあまり良い印象を持つ事が出来ないのだが、
田舎の景色はのどかで、緩やかな丘陵の果てまで、
どこまでも牧草や畑が続いている。

『バラトン湖』の湖畔にあるサイクリングロードを、
対岸を眺めながら多くのサイクリストがダラダラと、
湖から吹く心地よい風を受けて走る。

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自転車世界横断!!TERU-TERU project-Cycling after a long time03
↑バラトン湖は中欧最大の淡水湖で、
東京23区がすっぽり入るくらいの大きさ。


カフェで休んでは、湖で獲れた魚を食べる。

ハンガリーはワインの産地としても有名で、
夜にはレストランで魚料理と共にワインを飲む。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Cycling after a long time05

土地の物をその場で食する事の喜びは、
土地にある文化を知る事にもつながり、
あまりケチケチしていると、
決して得る事が出来ない幸せでもある。

節約のつもりだろうが、毎日冷たいパンにハムばかりを食べたり、
観光にすらお金を使わない旅人を大勢見てきたが、
それではその国や土地の事を何も理解できることは無く、
目に見える表層の一部を撫でているに過ぎない。

世界に出てまで世界を縮める程の愚行は無いだろう。

無駄遣いをするつもりはないが、
好奇心の赴く方向に身を委ね、
それをこれからも体験し続ける。

延々と続く好奇心のループが旅の醍醐味であり、
それがあるから自転車で走り続けてるのかもしれない。

ハンガリーの広大な自然の中に延びる道路の上。

忘れかけてた感覚は、ペダルを踏む度に思い出され、
安っぽい地図だけを頼りに、適当な目的地を設定し、
ただそこに向かって走るのだった。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Cycling after a long time04


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流石に三ヶ月ぶりの走行は体に堪えます。
再びブログも更新しますので、乞う御期待!
自転車世界横断!!TERU-TERU project-Lake district in UK03

イングランドの北西部に広がるイギリス最大の国立公園は、
山々に囲まれた緑深い森林の中に無数の湖が存在する。

地形的に平坦で起伏の少ないイングランドにおいて、
ここ湖水地方だけは、大自然の中に様々な表情を見せる。

羊や牛達は広大な草原をゆっくりと歩き、
澄んだ空気は湖上では白く煙る霧を作り、
朝靄の中で湖は空をより青く映し出す。

ここを訪れた誰もが、その美しさを賞賛する事を裏付けるように、
湖水地方周辺の自然は、『ワーズワース』、『ビアトリクス・ポター』
をはじめ、幾多の作家や詩人に多大な影響を与え続けた。

湖水地方北部の『ケズィック』の駐車場で一夜を明かし、
翌朝から南北に広がる湖群をいくつか回った。

湖周辺には古くから作られた小さな町が数多く存在し、
現在ではホテルやペンションの数が急増しているものの、
昔ながらの趣は残り、味わいのある田舎町がそこにはある。

休日であった為に観光客の数が多く、トレッキングや
ウォーキング、サイクリストの姿をよく目にした。

早朝の湖は湖面が凍りついたかのように静かで、
磨ききった鏡のように風景を反射する。
逆さまに映る世界は空の高さと同じ深さまで、
どこまでも湖の奥底まで潜り込んでいた。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Lake district in UK06

ケズィックからすぐ近くにある、サールミア湖は
訪れる者も少なく、近くの農場に車を停めては、
牧草を食べる羊達を眺め、のんびりと時を過ごす。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Lake district in UK02

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Lake district in UK04

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Lake district in UK05

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Lake district in UK07


イギリスに対するイメージは人それぞれあると思うが、
意外にも自然が豊かで、都市的なイメージを持つ事は少ない。
一度ロンドンを離れてしまえば、あちこちに街は存在するが、
未だ多くの自然を有し、また自然を尊重し共存している。

都市の中においても、公園や庭で思い思いの時間を過ごし、
休日や休憩時間に、緑の中に身を置く彼等のライフスタイルは、
湖水地方やその他のカントリーサイドを訪れるとよく理解できる。

これらは現在の日本人にはあまり馴染みの薄い行為であり、
自然を心の拠り所としていなくてはそう言った習慣は生まれない。

僕も休日を公園で過ごしてみたりはしたのだが、
彼らの様に、長い時間何もせず芝に座っていることは出来ず、
なぜかソワソワと居心地の悪さを感じてしまう時がある。

ただ、こう言った大自然の中で、「何もしない事しか出来ない。」
と、言う環境に身を置くことにより、雑念や今日の予定すら忘れ、
風景の中に一体となって、時を過ごす事ができるのだろう。

ロンドンでの生活に慣れ、久々のカントリーサイドを訪れた時、
視界に飛び込んで来る雄大な自然と澄んだ空気の中で、
旅の再開が近づき、気持ちが高揚するのを感じたのであった。

自転車世界横断!!TERU-TERU project-Lake district in UK01
↑この湖はスコットランドのグラスゴー近郊にある
スコットランド最大の湖「ローモンド湖」の北部。
南北に長く40kmに渡り広がり、山々に囲まれた北部には
「妖精が住む」と詩に謳われている。

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ついに9月20日にクロアチアへと戻ります!
この後はハンガリーへ向けて中欧を走り抜ける予定。
しかし体が鈍ってるので、かなり不安が一杯です。