フェルメールの「眠る女」と同じ額。同じような顔の傾け方をしているから、案外この作品の女を倣ったのか。母親ではなく下女中なのか?この髪型って下働きの女に多いかも。
1650-65年にかけて「A Boy Bringing Bread 」 (パンをもらう少年)という作品がウォレスコレクションにある。その家の子ではないようだ。パンを恵んでもらうために訪れているのだろうか。同じウォレスコレクションの「リンゴをむく女」(A Woman Peeling Apples The Wallace Collection)は、サンフランシスコ美術館の「幼児に授乳する女性と子供と犬」(1658-66)に似た構図。
この作品は「恋文 」(1669-71)に引用されている作品のひとつ。記事「 サミュエル・ファン・ホーホストラーテン フェルメールの時代 」(フェルメール「恋文」は記事の後半に)からみてください。
そうして、もう一枚の「男と女とオウム」が描かれた作品はあのイヴ・サン・ローラン( Yves Saint Laurent)のコレクションだった。
このサンローランが所有していた「鸚鵡に餌を与える女」とサミュエル・ファン・ホーホストラーテンの「室内の情景」、もしくは「部屋履き」(スリッパ) の作品を枠としてできあがったのが「男と女とオウム」かも。
さて、ピーテル・デ・ホーホ(1629年-1684年)は透視画法(遠近法)をフェルメールより10年先に作品に取り入れていたらしい。
この「男と女とオウム」(オウムと男女)は、wikiに「絵にはピンの穴があり、画面上に任意の一点を定めて消失点とし、消失点を通って水平になるよう左右に設定した遠隔点にもピンを打って細いチョークをまぶしたひもを張ってそれをはじいてキャンバスに薄い線を引いたのではと考えている。」とあった。
1657年の「訪問」と同じ構図で、ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵の作品「楽しい仲間たち」(1658年)の作品。
中庭の女と召使 1660-61 ロンドン・ナショナル・ギャラリー
同じ構図で、同じ制作年の「オランダの庭」(二人の男と酒を飲む女) というタイトルの作品が、ワシントン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されている。
アムステルダム国立美術館にあるのはタイトルが「裏庭の三人の女と一人の男
」(1657-59)になっている。
フェルメールの「小路
」(1658-59)は、このデ・ホーホの「デルフトの中庭」に刺激されたらしい。デ・ホーホの場合は室内の延長にある「中庭」を意識しているが、フェルメールは「戸外」を意識しているとあった。
デ・ホーホは、よく似た「あずまやのある中庭で酒を飲む人々」(Figures Drinking in a Courtyard)を描いている。
主題が流行だった「手紙を書く女」、「手紙を読む女」(窓辺で手紙を読む女 )は、メツー 、テル・ボルフ 、フェルメールも競って描いた。そして、フェルメールの「天秤を持つ女 」も、この当時の金貨を測るという日常の習慣を、非日常的な宗教性を強調した作品になっている。
僕はこの作品を見て、なぜか「牛乳を注ぐ女
」のほうを連想してしまった。そのくらい日常的な場面に見えるからだ。デ・ホーホは、そうした毎日の生活の一瞬を作品にしている。
フェルメールはそうした作品から、非日常的な場面を構成しようと試みる。
「金貨を量る女」の主題は、マリーヌス・ファン・レイメルスワーレの「両替商と妻」(1538)からもわかるように経済発展の商売を象徴したもので、よく知られているのはマセイスの「両替商と妻」(1514のマセイスの作品。”ヴィレム・ファン・ハーヒトの「コルネリス・ファン・デル・ヘーストの収集室」 ”に描かれている1枚。リンク先から見て(記事の一番下)。
このデ・ホーホの作品も日常的な家計簿をつける女性を描いているようなわけで、ハブリエル・メツーの作品と比べてみた。
天秤はどの作品も目を凝らさないとよく見えない。世俗的な場面だけれど、デ・ホーホの女性は「よき家庭生活を守る女」としての仕事の中で、家計に気を配る女性を描いたように思える。
さて、年代に関係なく作品画像をアップしているが、1661年にアムステルダムに移り住んで以降、優雅な室内や服装の人々が多くなっている。
ピーテル・デ・ホーホってこの手の作品は結構多いから、この作品とは断定しないけれど、僕はこの構図を利用したピーテル・デ・ホーホの作品から、フェルメールの「二人の紳士と女」、「紳士とワインを飲む女」、「稽古の中断」 に取り入れたのだと思う。
ちなみに中央の画中画なんだけど。レンブラント(Rembrandt van Rijn)っぽい。ドレスデン国立美術館所蔵の「ガニュメデスの誘拐」(1635)に似てる。
アムステルダム国立美術館 Rijksmuseum, Amsterdam 1663年
アスパラガスの仕入先?
母親の義務-母の膝にあたまを預ける子供
この作品は、いかさまをしている娼婦のトランプ遊び。遠近法において、サミュエル・ファン・ホーホストラーテンの「室内の情景」、もしくは「部屋履き」(ルーヴル美術館所蔵)と比較できる。
デ・ホーホの作品
Soldier Offering a Woman a Glass of Wine Hermitage Museum
Intérieur hollandais Le Musée Ingres, Montauban, France
Binnenhuis met moeder en kind, 'Moedervreugd' Amsterdams Historisch Museum
Man reading a letter to a woman The Kremer Collection
まだ掲載したい作品はいっぱいあったけど、結構画像取り込むのに時間かかったので、この次に更新でもしようかと。
この子供はヨーロッパの風習で少女のドレスを着ている少年である。あのルイ14世とかもね。奥の小部屋に、なぜ男性の肖像画があるのか。地下の食糧貯蔵の場所に、小部屋があるといってもね。
さてこの子供は大変裕福らしい。
頭にかぶる室内帽は金銀の刺繍のようだ。だが、もっと下の部分をみると、オットー・ファン・フェーンのエンブレム集から描いたとされるフェルメールの「ヴェージナルの前に立つ女」、「牛乳を注ぐ女」にも描かれているタイルの絵が、この作品にもみられる。
「アムステルダム市庁舎、市長室の内部」、「家に届けられた手紙?」にも子供の姿が描かれているが、この少年は、日常にいる普通のこどもだ。「家に届けられた手紙?」の入り口にたつ少女は、なぜか異界の子供に見えてしまう。
むこうを流れる川で釣りでもするのか、釣竿のようなものを手にもち、不適な笑みを浮かべる少女に見える。手前の犬がなんと愛らしいことか。
フェルメールの作品では見られない、「子供と動物」が登場している。
現在オークションにでているデ・ホーホの作品
この作品は遠目でみると、フェルメールの「恋文」のように、中央の女が描かれている部分だけが明るく見える。画像は大きくなるのでよく見てみて。デ・ホーホの光と影の技法がしっかり作品にあらわれている。お金のある人、これは買いだと思いますよ。
これなんかも面白い。個人的な趣味だけど、画面に迫力あるもんね。「女と子供と使用人」シリーズだな。






























