映画『からかい上手の高木さん』を鑑賞してきました〜٩( ᐛ )و !!
私にはこれまで劇場で封切られる映画は、それなりの「制作費」や「時間や手間ひま」、製作者側の「思い入れ」を傾注して作られる〝大作〟であるべきで、『構想○年!!』『制作費△億円!!』という謳い文句がその作品の価値を高め、それでこそ劇場で鑑賞する価値があるという思いがありました。そのためこれまでは、人気テレビドラマのスピンオフのような、いわゆる『劇場版○○』とか『映画△△』という類いの映画を、わざわざ都市部の劇場まで足を運び鑑賞する気にはなれませんでした。
ところが昨今、ショッピングモールなどの「シネコン映画館」が家の近くに増えてきたおかげで、自転車で気軽に劇場に足を運べるようになったこと、また「シニア55」「夫婦50割引」などシニア向けサービスが使えるようになり、またコロナ禍を堺にシートのパーソナルスペースがゆったりし、プレミアムシートなど長い映画を鑑賞するための快適な環境も充実したことで、休みの日に劇場に足を運ぶハードルが以前よりかなり低くなりました。
気軽に通えるようになったシネコン
そんなこともあって、今年鑑賞した名作映画『ゴジラ-1.0』は私の『同一映画リピート鑑賞回数』の新記録〝10回鑑賞〜😳!👏👏👏〟の金字塔を打ち立ててしまいました🎉🎉そうして何度も劇場に足を運ぶうちに、本編の『ゴジラ-1.0』同様にいつしか何度もリピートして観ていたのが、毎回上映前に流れていた、この映画『からかい上手の高木さん』の予告編CMでした。
予告編ではドラマ版をしっかりオマージュ
これまでは劇場映画上映前のジャンルを問わない予告CMほど退屈な時間はなく、何故お金を払ってCMまで見なければならないのかと思っていました。ところが昔と違い昨今のシネコンでは座席の事前予約がスマホで簡単にできるようになり、昔のように大劇場で観やすい席を確保するため早くから並ぶ必要もなくなったおかげで、CMの時間も苦ではなくなりました。また、ノンビリ家を出るようになり劇場到着が開演時間ギリギリになった場合などに、この予告編の時間のおかげで飲み物を買うことができたなど、ありがたみも享受するようになりました。
(上)テレビアニメ版 (下)実写ドラマ版
〜以下、ネタバレ注意〜
実写版映画『からかい上手の高木さん』は、原作シリーズ全20巻累計1200万部の人気コミックを、TBS深夜テレビで全8話実写ドラマ化したストーリーの「10年後の物語」を描いた新作書き下ろし。主人公ふたりのピュアなやり取りに、鑑賞中何度も胸をきゅんきゅんさせられ、大いに笑ったり思わず泣きそうになっている自分がいました。鑑賞前にはこの歳になってこんなに純心な気持ちに立ち返るなどとは思ってもおらず、観終わったあとには劇中の小豆島の美しい自然の景色や島の純朴な生徒たちに触れたことで、心に爽やかな風が吹き込んでくるような、そんな穏やかでほんわかした気持ちで劇場をあとにすることができました。
小豆島の景色が幼かった頃の自分の田舎の風景と重なる
ところが、今回のこの映画『からかい上手の高木さん』は、全編通じて劇場で心穏やかに過ごすことができ、かといってストーリー展開に飽きることはなく、全編にわたって純粋でピュアな雰囲気にずーっと浸ることができました。いつしか主演の永野芽郁に、一度でいいから自分のことを『西片!』と呼んでほしい…そんな妄想に心ときめかせていました。また、ピュアな純愛物語の中にも、最近の若者や学生気質でよく取り沙汰される〝不器用な人づきあい〟〝傷つきやすい心〟〝学校の多様性や存在意義〟といった、今の日本の社会的なテーマについても考えさせてくれました。
今の時代性に合ったテーマも織り交ぜつつ
どんな大人も一度は経験したことのある、純粋な子供時代や青春時代の甘く切ない初恋の気持ちに最初からの最後まで、そしてエンドロールの最後の最後の差込みカットまで没入させてくれた2時間でした。こんなに心に優しくふわふわとした軽やかな気持ちで劇場をあとにしたのは初めての経験だったかもしれません。それはまさに、映画の中にいた純粋な登場人物たちのような昔の同級生に再会しただけでなく、自分の中にいたピュアな心とも久しぶりに再会できたような、そんな甘酸っぱい感覚を味わえる映画でした。
鑑賞後に映画好きの知人に鑑賞の報告をしたところ、TVerでドラマ版『からかい上手の高木さん』の第1話と第2〜6話のダイジェスト、最終話が観られると教えてもらいました。実はこれまで漫画もアニメもドラマ版も全く観たことのなかった私は帰宅後早速見返しました。映画の設定の「10年前」を演じた主演の月島琉衣と黒川想矢のさらにピュアな演技が新鮮で、最初は第1話だけのつもりだったのが、いつしか最後まで完走していました。このTVerを観てから劇場に足を運べば、オマージュシーンにも気づけてもっと何倍も楽しめたのにと少し後悔しました。それにしても永野芽郁と高橋文哉は、月島琉衣と黒川想矢がドラマ版で創り上げた世界観をまったく損なうことなく、見事にピュアな2人の10年後の姿を新たに創り上げていたことに感服しました。
劇場で公開される映画は〝制作費や時間や手間ひま、製作者側の思い入れを大上段に振りかざして作られるべきだ〟という、これまで私が持っていた偏見のような思い込みを根底から覆し、高木さんと西片くんの切なくももどかしい心の描写がとても素敵な映画『からかい上手の高木さん』是非オススメです!!
Aimerの主題歌「遥か」にも心揺さぶられます