ロシア・プルコヴォ天文台の宇宙研究室長ハビブロ・アブドゥサマトフ氏(Habibullo Abdussamatov)の研究室で、太陽放射量(TSI)の約200年周期の変動を解析した結果、20世紀の温暖化の原因は20世紀後半の太陽活動の極大(Grand Maximum)による熱の蓄積にあると結論付けました。 そして、21世紀前半からこの太陽熱放射は減少を始め、2050〜2060年頃には「マウンダー極小期(17世紀の寒冷期)」に匹敵する深層極小期を迎え、2100年の地球は2000年時点より著しく気温が低下し「新・小氷期」が到来すると予測しました。
アラスカ大学名誉教授の赤祖父俊一氏は、現在の地球温暖化などの気候変動議論の多くは、人為的要因による温室効果の影響を過大評価していると主張します。1910-1940年の急上昇はあくまで1700年代-1800年代前半の「小氷期(寒冷期)」から現在にかけての〝自然な回復局面〟に過ぎず、1940-1970年の停滞・低下は、CO₂排出量の変化(1940年以降に急増)と整合しないと喝破、人為的なCO₂の影響は極めて限定的と主張します。
イギリスの天文学者でノーザンブリア大学の磁気流体力学専門のヴァレンティナ・ザルコヴァ教授(Valentina Zharkova)は、太陽内部の異なる層で発生する2つの磁場ダイナモ波(Double Dynamo)の相互作用をモデル化しました。 このモデルによれば、2020年代から2050年代にかけて両方の磁場波は互いに打ち消し合う「位相同期」を起こし始め、太陽活動は現在の約60%に減退する「グランドソーラーミニマム」が発生すると算出しました。その結果、地球規模での寒冷化が進み、地球は小氷期に入ると予測しています。
Valentina Zharkova
デンマーク国立宇宙センターの宇宙線物理学ヘンリク・スヴェンスマルクと、イスラエル・ヘブライ大学の気候学者ニール・シャビヴ(Henrik Svensmark & Nir Shaviv)の研究では 「銀河宇宙線」が地球の大気中で雲(下層雲)を形成する核になるという宇宙線・雲相関説(スヴェンスマルク効果)が提唱されています。太陽磁場が弱まると地球に飛来する宇宙線が増加し雲が増え、地球は冷却され(日傘効果)気温は低下、さらに太陽活動が低下すると地球は寒冷化フェーズに入ると予想します。
Henrik Svensmark & Nir Shaviv
気候学における数十年単位で繰り返される海洋と大気の循環(内部自然変動)「大西洋数十年規模振動(AMO)」と「太平洋数十年規模振動(PDO)」によれば、海洋の熱循環や雲の覆い方の変化といった自然のサイクルについて、以下のような周期が認められています。
・1860年頃〜1910年頃:寒冷・低迷期
・1910年頃〜1940年代:温暖・上昇期
・1940年代〜1970年代:寒冷・停滞期
・1970年代〜2000年代:温暖・上昇期
・2000年代〜2010年代:上昇の停滞期
イギリス気象庁とUEA大学で共同開発したHadCRUTなどによる気候観測分析により、地球の気候環境における気温の上下パターンは〝約60年(山から谷までが約30〜40年)周期〟のフェーズがあることがデータにより裏付けられました。私はこの「60年」というサイクルは、太古より日本を含む東アジアに伝わる「陰陽五行説」や「還暦」の〝60年周期サイクル〟と見事に接続する、とても興味深いシンクロニシティと注目しています。
AMO & PDO 60年周期(AI-genarated by Remember)
上のグラフは「大西洋数十年規模振動(AMO)」と「太平洋十年規模振動(PDO)」の、1860年から現在までのデータに基づき2100年までの予測をAIによりグラフ化したものですが、ベースとなる気温の変化をどう加味するかでグラフ全体の傾きは変わります。温暖化の原因を「人為起源温室効果ガス」とする、いわゆる地球温暖化主流派のIPCCパネルモデルでは、この気温上昇は+2℃〜+4℃とかなり高くなります。一方で赤祖父俊一教授モデルの「小氷期からの自然回復」では上昇幅は+0.1℃ 〜 +0.5℃と低くなり、アブドゥサマトフ、ザルコヴァ、スヴェンスマルク、シャビヴら「太陽物理学・宇宙気象学」のモデルでは、さらに0℃未満 〜 -1.0℃以下とマイナスに転じます。
私は今から約半世紀前の学生時代に『氷河期が来る』という著書を読みました。当時は「地球温暖化」など全く騒がれておらず、むしろ寒冷化への警鐘が鳴らされていました。1970年代当時は大気汚染(エアロゾル粒子)による日光遮断効果や自然の氷河期サイクルへの転換という観点から、世界中のメディアも科学本も「寒冷化の危機」ばかり大きく取り上げ、異常気象については「地球寒冷化」が主流でした。
AI-Genarated by Remember
それが80年代に入ると、同じ気候学者たちや各メディアもこぞって温室効果ガスのデータをかき集め始め、メディアの論調はあっという間に「地球温暖化」一辺倒になりました。このようにある時期は「氷河期が来る!」と大騒ぎしていたメディアが、ある時を境に一転して「地球灼熱化に向かう!」とする気候危機に鞍替えする。そんな滑稽なメディアやTV出演する学者たちの姿を見ると「また同じ手口で恐怖を煽っているだけか」と呆れるしかありません。
メディアは構造上、極端なストーリー(危機か、陰謀か)」でしか情報を売ることができないようです。過去の寒冷化フィーバーも、現在の温暖化フィーバーも、この浅薄な「メディアの劇場化ビジネス」に根ざしています。地球全体としての平均トレンドと各地域が直面する「局地的な猛暑や猛寒波」は同時に起こり得るのです。「危機煽り」に踊らされることなく、歴史を踏まえたメディアリテラシーを身につけ、どちらか一方を拡大解釈する恐怖に陥ることなく、我々は〝複雑なエコシステムにおける大きな揺らぎの中にいる〟ということを冷静に受けとめ、この大宇宙の片隅に存在する地球の環境変化と上手く賢く付き合いたいものです。
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