高齢親の囲い込み解消コンサルタント、公認会計士・税理士の白岩俊正です。


私は、高齢になり介護を受けるようになった親を、きょうだいの一人が囲い込み、他のきょうだいに会わせない――いわゆる「高齢親の囲い込み」でお困りの方をサポートしています。

 

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23.弁護士に相談すべき?高齢親囲い込みの判断ポイント

 

1. はじめに ― 「親に会えない」状況が長引く前に

 

ある日を境に、高齢の親と連絡が取れなくなった。
きょうだいの一人が親の生活や財産を管理し、電話や面会を断られる。
 

こうした「囲い込み」は、感情のもつれだけでなく、法的にも複雑な問題を含んでいます。

 

しかし、多くの人はすぐに弁護士に相談せず、時間だけが経ってしまうのが実情です。
 

「家族の問題だから話し合いで…」
「法律沙汰にしたら親が悲しむのでは」
「費用が心配」
 

こうした迷いが、行動を遅らせてしまいます。

 

ところが、囲い込みは長引くほど、親の体力・判断力が低下し、事態が不利になるリスクが高まります。では、どの段階で「弁護士に相談すべき」と判断すればよいのでしょうか。

 
 

 

2. 囲い込みトラブルで相談を検討すべき典型的な場面

 

(1) 面会や連絡を一方的に遮断された

 

「忙しいから会えない」「医者が面会禁止と言っている」と言われ、親と会えない状態が続く場合。
医学的根拠や本人の意思確認が不十分なまま面会を遮断する行為は、親の意思権・家族との交流権を侵害するおそれがあります。
この段階で弁護士に相談すれば、事実関係の確認や記録の残し方を教えてもらえます。

 

 

(2) 財産や重要書類の所在が不明になった

 

通帳や権利証、印鑑、年金証書などがきょうだいの一人の手元に集中し、他のきょうだいが一切確認できない状況は要注意です。
後から使途不明金や不正引き出しが発覚するケースも多く、証拠保全のためには早期の専門家介入が有効です。

 

 

(3) 親の判断能力が低下してきた

 

認知症や病気で判断力が落ちると、本人の意思確認が難しくなります。
その状態で遺言書の作成や財産移転が行われると、後で争いになる可能性が高まります。
成年後見や保佐・補助などの制度利用も視野に入れるため、弁護士相談が必要です。

 

 

(4) 他のきょうだいとの関係が完全に断絶している

 

情報が一切入らず、相手方が「こちらとはもう話さない」と宣言している場合、自力での情報収集は困難です。
弁護士を通して公的書類や医療記録の開示請求、家庭裁判所での調停申立てなどの手段を取ることができます。

 
 
 

 

3. 囲い込みケースで弁護士に相談するメリット

 

メリット1:法的な介入で状況を動かせる

当事者同士の話し合いが行き詰まっても、弁護士が入れば「第三者の公的な立場」として要求や確認を行えます。
これにより、相手が無視や拒否を続けることが難しくなります。

 

メリット2:証拠保全と制度選択の助言

囲い込みの証拠は時間とともに失われます。
弁護士はメール・録音・面会拒否の記録などをどう残すかを具体的に指示し、必要に応じて成年後見や面会交流調停などの制度を提案してくれます。

 

メリット3:精神的負担の軽減

親に会えない苦しみは、感情的な消耗を伴います。
弁護士が窓口となれば、直接相手方とやり取りするストレスから解放され、冷静な判断がしやすくなります。

 

 

4. 囲い込み相談の前に準備しておくべきこと

  1. 時系列の記録
    最後に会えた日、その後のやり取り、面会拒否の理由などを時系列でまとめます。
  2. 証拠資料
    メール・LINE・録音データ、医療機関からの書面、通帳のコピーなど。
  3. 自分の希望
    「定期的に面会したい」「財産の動きを確認したい」など、ゴールを明確にします。

これらを整理しておくことで、初回相談から実践的な助言が得られます。

 

 

 

5. 相談を迷うときの判断サイン

 

次のような状態が1つでも当てはまれば、早めの弁護士相談が望ましいです。

  • 面会拒否が1か月以上続いている
  • 親の財産管理状況が不明
  • 医療や介護方針を全く共有してもらえない
  • 親の意思を直接確認できない
  • 相手方が一方的に連絡を絶っている

これらは事態が固定化する前の“黄色信号”です。

 

 

6. ケース別・弁護士が取り得る対応例

  • 面会交流調停
    家庭裁判所を通して、定期的な面会や連絡方法を取り決める。
  • 成年後見申立て
    親の財産管理・身上保護を第三者後見人に委ねる。
  • 証拠保全手続き
    財産や医療記録を裁判所を通して確保。
  • 不正行為の差止め
    無断での財産処分や契約を防ぐための法的措置。

こうした手段は、一般の人が自力で進めるには制度や書式が複雑で、期限管理も必要なため、弁護士のサポートが不可欠です。

 

 

 

7. まとめ ― 早期相談が「親の権利」と「自分の後悔」を守る

 

高齢親の囲い込みは、親の生活の質や家族関係に深刻な影響を与えます。
そして、時間が経つほど証拠は失われ、親の判断力も低下します。

 

弁護士への初回相談は、費用はかかっても「今後の行動指針」「必要な証拠」「使える制度」が明確になります。
 

迷っている間にも状況は進行してしまうため、次のように考えてください。

 

「早すぎる相談はない。遅すぎる相談はある。」

 

親の尊厳と家族のつながりを守るために、動き出すなら今です。

 

 

 

 

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2. 高齢親の囲い込み 解放アドバイザー  ~ 介護が必要になった高齢親が自分以外のきょうだいに囲い込まれて会えなくなった方へ~

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