高齢親の囲い込み解消コンサルタント 白岩俊正、公認会計士・税理士です。

 

 

高齢になって認知症や病気が進んで判断力や思考力、行動力が落ちて、子どもたちの介護を受けるようになった親を、子どもたちの一人が囲い込み、他の子どもたち(きょうだい)に会わせないようにしている方のご支援をしています。

 

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本当は“誰に”怒っているのか?感情の整理法――怒りの奥にある「真のターゲット」を見つめる

 

導入:怒りの理由が自分でもわからないとき

 

「なんであの人にこんなに腹が立つんだろう」
「今朝の一言が許せない。でも本当にそれだけが理由?」

 

そんなふうに、怒りに飲み込まれてしまうことは、誰にでもあるものです。
 

特に家族間のトラブルや、感情のもつれが絡んだ場面では、「怒りの矛先」が本来向かうべき相手とは別のところに飛んでしまうことがあります。

 

この記事では、
「本当は誰に怒っているのか?」
という問いを手がかりに、怒りの正体を探り、感情を整理する方法をお伝えします。

 

 

 

 

なぜ「怒りの的」がずれるのか?

 

怒りという感情は、表面的には「今、目の前にいる相手」に向かっているように見えても、実は別の人物や出来事に対する怒りの代理表現であることが多々あります。

 

たとえば:

  • 職場で上司に理不尽に叱られた → 家に帰って配偶者に八つ当たり
  • 兄に親を囲い込まれて悔しい → 無力な自分に腹が立つ → でもそれを認めたくない → 弁護士や第三者に苛立ちをぶつける

このように、怒りの「矛先」がズレる理由には、次のような心理的メカニズムがあります。

 

1. 怒りの“本丸”が怖い・手が出せない存在だから

 

たとえば親、上司、きょうだいなど、力関係で自分より上にある存在に対しては、怒りを直接ぶつけるのが難しいと感じやすいものです。

心理学では、これを「置き換え(転位)」と呼びます。
本当は親に怒っているのに、それを認めると罪悪感が出てしまう。
だから無意識に、自分が怒っても問題が起きにくい「別の誰か」を選んで怒ってしまうのです。

 

2. 怒りの下に、もっと深い感情が隠れている

 

怒りという感情は、しばしば“感情のふた”として使われます。
怒りの奥には、次のような感情が潜んでいることがあります:

  • 悲しみ:「わかってもらえなかった」
  • 不安:「これからどうなるのか怖い」
  • 無力感:「どうせ何も変えられない」
  • 愛情の欠乏感:「もっと大事にされたかった」

こうした感情を見つめるのは、時にとても痛みを伴います。
だからこそ、怒りという強いエネルギーでそれを覆ってしまうのです。

 

 

 

 

 

感情整理の第一歩:「誰に」怒っているのかを問う

 

怒りを感じたとき、次のような問いを自分に投げかけてみましょう。

  • 私は本当に、この人に怒っているのか?
  • この怒りの“火種”は、いつからあった?
  • 今の出来事が、過去のどんな体験を思い出させる?
  • 本当は誰に「わかってほしかった」と思っている?

 

この問いはシンプルですが、深く掘り下げると強力な気づきをもたらします。

 

具体例:親を囲い込んだ兄への怒りのケース

 

ある相談者の方は、「兄が親を囲い込んで会わせてくれない」と憤っていました。
たしかに、兄の行動は一方的で不適切なものでした。

 

しかし、その怒りを深く見つめていくと、実はこんな感情が隠れていたのです。

 

「母は、私より兄の言うことばかり聞いてきた。私はずっと我慢していた」
「母に一度でいいから、『あなたの気持ちもわかる』と言ってほしかった」

 

つまり、本当は母親に理解してもらえなかった悲しみや寂しさが、怒りとなって兄に向かっていたのです。

この気づきを得たことで、相談者の方は「兄を攻撃すること」よりも、「母への思いを自分の中で整理すること」に焦点を移すことができました。

 
 

 

怒りの感情を健全に扱う3つのステップ

 

怒りを無理に消そうとすると、逆に抑圧された怒りが別の形で爆発します。
大切なのは、怒りのエネルギーを「自分のために使う」こと。

 

以下の3ステップで整理してみてください。

 

 

ステップ1:感情をそのまま書き出す

 

紙でもスマホでもOKです。
怒っている理由を、思いつくままに書き出してみましょう。誰にも見せる必要はありません。

ポイントは、「〜べき」「どうしてわかってくれない」という思いを遠慮なく吐き出すこと。
これは、感情の「見える化」です。

 

 

ステップ2:「誰に」「何を」求めていたのかを探る

 

次に、自分がその相手に何をしてほしかったのか?を考えます。

  • わかってほしかったのか?
  • 認めてほしかったのか?
  • 守ってほしかったのか?
  • 自由にしてほしかったのか?

自分の本当の願いに気づくことで、怒りの裏にある「希望」や「痛み」にも触れられます。

 

 

ステップ3:その願いをどう叶えるか、自分に問い直す

 

たとえば「母にわかってほしかった」という思いがあったとします。
それがもう難しいなら、「今の自分が自分を理解してあげる」ことができます。

  • セラピーを受ける
  • 同じような経験を持つ人と語る
  • 手紙にして、自分宛に書く(相手に出さなくてよい)

怒りのエネルギーを、「自分の心を整える行動」に転換する。
これが、感情に振り回されないための力になります。

 
 
 

おわりに:怒りは、自分を守ろうとする力

 

怒りは、決して悪い感情ではありません。
それは、あなたの「大切にされたい」という願いの表れでもあります。

ただ、そのエネルギーの矛先が間違うと、自分自身も相手も傷つけてしまう。
 

だからこそ、「本当は誰に怒っているのか?」という問いを持ち、感情の整理をしていくことが大切なのです。

あなたの怒りの奥にある「本当の声」を、ぜひ大切に聴いてあげてください。
その声に寄り添えるようになれば、怒りに振り回される人生から一歩自由になれるはずです。

 

 

 

 

ブログのご紹介

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2. 高齢親の囲い込み 解放アドバイザー  ~ 介護が必要になった高齢親が自分以外のきょうだいに囲い込まれて会えなくなった方へ~

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