CHAPTER1:始めの場面
~10段目の階段を下ると、そこは今見るべき前世の世界です。
誘導の声に従って一段一段階段を下る間に
わたしにはすでにぼんやりとイメージが見えていた。
髪を2つに結んで赤いスカートをはいてしゃがんでいる
小さな女の子の後ろ姿。
~足元はどんな感じですか?靴ははいていますか?
誘導に従ってひとつずつ順番に答えていくと、
ぼんやりしたイメージにディティールが加わっていく。
その小さな女の子は赤い靴をはいていて
白い靴下がくるぶしのところでくるくるっとまるまっている。
半袖の薄いピンクの丸襟のシャツはガーゼみたいなやわらかい素材。
髪は黒かこげ茶。
目は小さい。瞳も黒かこげ茶色。
今いる場所はまるで今朝歩いてきた原村の風景のような
色とりどりの花が咲く野原。
まわりは木々で囲まれていて、森の中にぽっかり空いた空間。
頭上には青空が広がっている。
その子はそこで一人でしゃがんで
きれいなお花を見ている。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240630/23/reikoyamazumi/a9/8a/j/o1080060715457893104.jpg?caw=800)
その日は前世療法講座の3日目、朝
本当なら昨日のうちに受けるはずだった
受講生同士の交換セッションの第1回目。
最初のペアになったお相手は、
初日の朝の初対面からやけに親近感を感じていたKちゃん。
いくつもある原村のペンションの中で
偶然同じ宿を取っていて
そこにもご縁を感じていた。
昨日わたしがKちゃんに提供したセッションが思いのほか長引いて
その日はそのまま終了となった。
・
まるで朝練のように、講座の始まる時間よりも早く来て
ゲストハウスのオーナーにお願いして朝食も一緒に早めてもらって
とても気持ちの良い原村の朝
天国のような花咲く道をリングリンクホールまで約5分
それで窓際のリクライニングチェアに腰かけて
そのセッションは始まった。
・
その時、わたしの顕在意識では
うーん、講座開始まで2時間ないくらいか…
何か簡単な、さらっとした内容が出てきてくれたらいいな。
そんなことを気にしていた。
・
前日にじゃんけんで勝ったわたしは
講師の西田普さんのデモセッションを受けていたので、
ワークショップで見た簡易的なものも含めると
今日のセッションで前世療法は3回目。
自分が提供する初めての経験も経ていて、流れも把握している。
それでもやっぱり、催眠に入るときは少し緊張した。
もしうまくイメージが浮かばなかったら
これは記念すべきKちゃんにとっては初回のセッション。
うまく協力できればいいんだけど。
顕在意識。催眠誘導を受けながら
そんなことも気にしていた。
・
しかしもちろん、顕在意識の影響力は微々たるもので
わたしの表面上の意識や心配なんてどこ吹く風
この時、超意識が見せてくれた前世は
非常に印象深いものだった。
・・・
その子はそこで一人でしゃがんで
きれいなお花を見ている。
楽しい。きれいだなー。そんな気持ち。
一人で?
…そう口にした後で、なんとなく後ろからの視線を感じる。
最初にぼんやりと浮かんだイメージも後ろ姿だった。
…お母さん?
するとクリーム色の長いスカートをはいた
髪の長い女性がしゃがんでこちらを見ているイメージが浮かぶ。
そうだ、お母さんが後ろで見ていてくれるんだ。
だからわたしは安心してお花を見ていられる。
「一人じゃなくて、後ろにお母さんがいます」
そう伝えると、誘導の声は人格交代へと移った。
・・
CHAPTER2:人格交代
~わたしが3つ数えると、お母さんの中に入ることができます。
お母さんの中に入ると、お母さんが思っていることがよーくわかりますからね。
ではいきますよ。1,2,3…
そのような誘導の声にしたがって
お母さんの中に入る。
これはワークショップの時に行った簡易的な台本にはなかった項目で、
そして、この前世療法の醍醐味のひとつと言っていい。
~1,2,3…お母さん!あなたは娘さんのことをどう思っていますか?
誘導の声にそのように言われると
不思議でしょうがないけれど、その時わたしはお母さんになっている。
「この子とここに来れて幸せです。
ちょっと引っ込み思案なところがあるので
もう少し他のお友達とも仲良くできたらいいのにな、と思うんですけどね」
お母さんの人格になったわたしの口からは
さっきまでは浮かびもしなかったこんな言葉が
すらすらと出てくる。
~お母さんは娘さんのことをなんて呼んでいらっしゃるんですか?
「…ちえです」
そしてやっぱり不思議だけれども、
名前も、少し待っていると浮かんでくる。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240630/23/reikoyamazumi/62/8f/j/o0607108015457893112.jpg?caw=800)
ちえちゃん。
それが今回の主人公の名前。
ちょっと引っ込み思案。お花が好き。
どうやらこの森の中の野原がちえちゃんのお気に入りの場所で
他のところには行きたがらないようだ。
お母さんにお願いして、いつもここに連れてきてもらっている。
あんまりお友達と遊ぶのは得意じゃなくて
一人でお花を見ているのが幸せ。
それはちえちゃん5才の頃のこと。
つづく
つづきはこちら↓
・・・
本日もお読みくださりありがとうございます🌟
あるひとつの前世シリーズ第2段です🍀
つづきご期待ください✨
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シリーズもの
あるひとつの前世(ビリー)シリーズ🌿
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前世療法講座シリーズ🦄
前編→https://ameblo.jp/
奈良、神様と出会った旅~天河神社編🐲
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