CHAPTER1:始めの場面

 

 

~10段目の階段を下ると、そこは今見るべき前世の世界です。

 

誘導の声に従って一段一段階段を下る間に

わたしにはすでにぼんやりとイメージが見えていた。

 


髪を2つに結んで赤いスカートをはいてしゃがんでいる

小さな女の子の後ろ姿。


 

~足元はどんな感じですか?靴ははいていますか?

 

誘導に従ってひとつずつ順番に答えていくと、

ぼんやりしたイメージにディティールが加わっていく。

 

その小さな女の子は赤い靴をはいていて

白い靴下がくるぶしのところでくるくるっとまるまっている。


半袖の薄いピンクの丸襟のシャツはガーゼみたいなやわらかい素材。


髪は黒かこげ茶。

目は小さい。瞳も黒かこげ茶色。

 


今いる場所はまるで今朝歩いてきた原村の風景のような

色とりどりの花が咲く野原。


まわりは木々で囲まれていて、森の中にぽっかり空いた空間。

頭上には青空が広がっている。

 

 

その子はそこで一人でしゃがんで

きれいなお花を見ている。






・・・


その日は前世療法講座の3日目、朝

 


本当なら昨日のうちに受けるはずだった

受講生同士の交換セッションの第1回目。

 

 

最初のペアになったお相手は、

初日の朝の初対面からやけに親近感を感じていたKちゃん。

 

いくつもある原村のペンションの中で

偶然同じ宿を取っていて

そこにもご縁を感じていた。

 

 

昨日わたしがKちゃんに提供したセッションが思いのほか長引いて

その日はそのまま終了となった。

 


 


まるで朝練のように、講座の始まる時間よりも早く来て

 

ゲストハウスのオーナーにお願いして朝食も一緒に早めてもらって


とても気持ちの良い原村の朝

天国のような花咲く道をリングリンクホールまで約5分

 


それで窓際のリクライニングチェアに腰かけて

そのセッションは始まった。

 


 


その時、わたしの顕在意識では

 

うーん、講座開始まで2時間ないくらいか…

何か簡単な、さらっとした内容が出てきてくれたらいいな。

 

そんなことを気にしていた。

 

 

前日にじゃんけんで勝ったわたしは

講師の西田普さんのデモセッションを受けていたので、

 

ワークショップで見た簡易的なものも含めると

今日のセッションで前世療法は3回目。


自分が提供する初めての経験も経ていて、流れも把握している。

 

 

それでもやっぱり、催眠に入るときは少し緊張した。

 

 

もしうまくイメージが浮かばなかったら


これは記念すべきKちゃんにとっては初回のセッション。

うまく協力できればいいんだけど。

 

 

顕在意識。催眠誘導を受けながら

そんなことも気にしていた。

 


 


しかしもちろん、顕在意識の影響力は微々たるもので

わたしの表面上の意識や心配なんてどこ吹く風

 

この時、超意識が見せてくれた前世は


非常に印象深いものだった。

 

 

・・・



 

その子はそこで一人でしゃがんで

きれいなお花を見ている。



 

楽しい。きれいだなー。そんな気持ち。

 

 

一人で?

…そう口にした後で、なんとなく後ろからの視線を感じる。

 

最初にぼんやりと浮かんだイメージも後ろ姿だった。

 

 

…お母さん?

 

 

するとクリーム色の長いスカートをはいた

髪の長い女性がしゃがんでこちらを見ているイメージが浮かぶ。

 

 

そうだ、お母さんが後ろで見ていてくれるんだ。

だからわたしは安心してお花を見ていられる。

 

 

「一人じゃなくて、後ろにお母さんがいます」

 

 

そう伝えると、誘導の声は人格交代へと移った。

 

 

・・

 

 

CHAPTER2:人格交代

 

 

~わたしが3つ数えると、お母さんの中に入ることができます。

お母さんの中に入ると、お母さんが思っていることがよーくわかりますからね。

ではいきますよ。1,2,3…

 

 

そのような誘導の声にしたがって

お母さんの中に入る。

 

 

これはワークショップの時に行った簡易的な台本にはなかった項目で、

そして、この前世療法の醍醐味のひとつと言っていい。

 

 

~1,2,3…お母さん!あなたは娘さんのことをどう思っていますか?

 

 

誘導の声にそのように言われると

不思議でしょうがないけれど、その時わたしはお母さんになっている。

 

 

「この子とここに来れて幸せです。

ちょっと引っ込み思案なところがあるので

もう少し他のお友達とも仲良くできたらいいのにな、と思うんですけどね」

 

 

お母さんの人格になったわたしの口からは

さっきまでは浮かびもしなかったこんな言葉が

 

すらすらと出てくる。

 

 

~お母さんは娘さんのことをなんて呼んでいらっしゃるんですか?

 

 

「…ちえです」

 

 

そしてやっぱり不思議だけれども、

名前も、少し待っていると浮かんでくる。

 

 




 

ちえちゃん。

 

 

それが今回の主人公の名前。

 

 

ちょっと引っ込み思案。お花が好き。

 

どうやらこの森の中の野原がちえちゃんのお気に入りの場所で

他のところには行きたがらないようだ。

 

お母さんにお願いして、いつもここに連れてきてもらっている。

 

あんまりお友達と遊ぶのは得意じゃなくて

一人でお花を見ているのが幸せ。

 

 

それはちえちゃん5才の頃のこと。

 

 


つづく

つづきはこちら↓



 

・・・ 

 


本日もお読みくださりありがとうございます🌟

あるひとつの前世シリーズ第2段です🍀

つづきご期待ください✨





シリーズもの

あるひとつの前世(ビリー)シリーズ🌿

①→https://ameblo.jp/reikoyamazumi/entry-12847625871.html

 

前世療法講座シリーズ🦄

前編→https://ameblo.jp/reikoyamazumi/entry-12853858643.html

 

 

奈良、神様と出会った旅~天河神社編🐲

①→https://ameblo.jp/reikoyamazumi/entry-12849680030.html

 

 

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