▼ 課題
カルプロテクチンは、患者にとっては検便だけなので、血液検査のように苦痛がありません。特に子どもには。検査コストも安いし、検査も簡単だし。
一方、次のような問題がある。
- 1日のうち、サンプルを回収する時間によって、数値が変化してしまう。消化物が、腸のどこにどのぐらいの時間滞在していたのかなどに影響されるためか?
- プロトンポンプ阻害薬や非ステロイド性消炎薬などの薬物の影響を受ける。
- 感染性腸炎や頭痛薬を服用している場合でも上昇してしまうことがある。
- 年齢や肥満・妊娠によって変動する。
- 使用するキットや測定法によって差がある
- 人によってベースとなる値が異なり、50.0mg/kg以下が基準とされているが、200mg/kgで粘膜の状態が正常な人もいる
◎ プロトンポンプ阻害薬
胸焼けにとてもよく効く胃薬で、多くの医師が処方しているPPI(プロトンポンプ阻害薬)と呼ばれる薬です。 具体的にはタケプロン(ランソプラゾール)、オメプラール(オメプラゾール)、パリエット(ラベプラゾール)、ネキシウム、タケキャブ
◎ 非ステロイド性抗炎症薬 一覧
- 抗炎症作用の強い薬 ・アスピリン、バファリン(アスピリン) ...
- プロドラッグタイプの薬 ・ロキソニン(ロキソプロフェン) ...
- 作用時間の長い薬(1日1回服用) ・フルカム(アンピロキシカム) ...
- COX-2選択的阻害薬 ・セレコックス(セレコキシブ) ...
- 座薬 ・ボルタレン坐剤(ジクロフェナク)
▼ 結論
- カルプロテクチンは、患者ごとの数値を継続的にみていくことが大切で、急に数値が上昇したタイミングが要注意となる。
- カルプロテクチンの検査結果は、決定的ではない。内視鏡を補助することで使われることもある。
◎検査用の機械 高そう・・・
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nisshoshi/118/3/118_229/_pdf