●炎症検査7.2)カルプロテクチン:好中球ちゃんの体成分 | 潰瘍性大腸炎 & クローン病&過敏性腸症候群の改善・完治・根治

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▼ CRPとカルプロテクチン

腸で炎症が起きているときの検査に、血液検査のCRPと、糞便検査のカルプロテクチンとがあります。

CRPは、世界的に実施されていますが、日本で開発されたカルプロテクチンは、現在のところ、日本だけでの実施です。

 

対象疾患は、潰瘍性大腸炎/クローン病のみ。

3か月に一度までなら、健康保険が適用されます。

 

便を採集した後、常温でも3日間は、手元に置いておいても大丈夫。このため、診察日の朝に採集するというあわただしさが避けられ、数日前から準備できるという便利さあり。

 

▼ 好中球ちゃんの体内成分がカルプロテクチン

好中球ちゃんは、潰瘍性大腸炎/クローン病になると、現場の腸の粘膜層で大量に繁殖します。

繁殖後は、自爆して、壊れた細胞たちとともに、大腸の粘膜層を離れ、その近くを通過する食べた物の消化物にくっつき、体外に捨てられます。

生きた好中球ちゃんたちも、消化物にくっついて外に捨てられることもあります。これは、炎症部位の血管の中の好中球ちゃんたちの密度が高くなり過ぎ、血管から染み出てしまい、壊れた細胞の中から放り出されるため。

 

活躍する機会なく大腸を去らなければならないのは残念。でも、潰瘍性大腸炎/クローン病の場合は、好中球ちゃんたちが異常繁殖しているということを表しています。

 

体外に捨てられた排出物を採取し、検査すると、そんな生きたの死んだのの好中球ちゃんたちのからだの中から放出された特有のたんぱく質が検出されます。好中球ちゃんの体の60%を構成しているほどに多い。

これが、カルプロテクチンです。

 

▼ 血液成分

血液は、遠心分離器にかけると、赤血球、白血球/血小板、そして、残りの血漿に分かれます。

 

◎ 図: 輸血用の血液パックの成分構成(復習)

 

 

図の黄色の部分は血しょうで、100種類以上のタンパク質からなっています。

血しょうの60%から70%を占めるのは体内の宝船アルブミンで、酸素や栄養素、二酸化炭素とゴミを運搬します。

 

 

血漿の残りの30%から40%のうち、好中球ちゃんの体内にあった特有のたんぱく質は3%もあります。

 

▼ 血液検査と好中球ちゃんの亡骸

好中球ちゃんの体全体がこのたんぱく質でできているわけではありませんが、60%も占めることから、この数値が上がれば、炎症が起きていることが推測できます。

でも、血液は全身を流れていることから、血液検査では、どこで炎症が起きているのかまではわからないという弱点があります。

 

▼ 検便と好中球ちゃんの亡骸

一方、検便なら、腸にいた好中球ちゃんたちの数を把握できます。

 

検査値が高ければ、内視鏡をしなくても、腸に炎症が起きていることを予測できる。

緩解しているときに検査し、前回に比べ急に数値が上がっていれば、再燃する可能性があることが推測できる。

再燃時に検査し、数値が下がってきているのがわかれば、寛解に向かっていると予測できる。

とても優秀です。

 

続く