広島クリニックでは、便の中の血液を確認するため、カルプロテクチンという検査を受けるように、患者さんに知らせているとのこと。内視鏡検査に匹敵するほどの結果が得られ、将来、発症するかどうか推測できる。
健康保険が効き、1回2760円です。
が、この検査は、血液検査のようにどの病院でも簡単に受けられないことが、わかりました。
どうなっているのか?
この検査は、慢性的な炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病等)の場合のみ、利用できます。
蛍光酵素免疫測定法(FEIA法)
EIAの1つで、標識物質に酵素で標識した抗原または抗体を用いて 抗原抗体反応を行い、蛍光基質を加えて蛍光強度を測定する方法。
抗体を用いる・・・。なんだか複雑そうです。どの検査機関でもできるとは限らない・・・。
事情1)
2018年11月当時
便中カルプロテクチは、世の中に浸透しているとは言えない。
大規模な病院ではないクリニックの場合、検査を直接に契約している会社が、カルプロテクチンを扱っていない場合、その検査会社が、ほかの会社に依頼する。このため、検査料が5000円を超えてしまう。
事情2)
大きな病院でも、5ケース分集まらないと、検査機関に送れない。
ということは、病院の中で分析を行うのではなく、外部業者に委託する。どのぐらい全国にどのぐらい検査センターがあるのだろう?
トップ6:エスアールエル、ビー・エム・エル、LSIメディエンス、ファルコバイオシステムズ、保健科学研究所、江東微生物研究所
そのほかに、地元に密着した検査センターが多数ある。
カルプロテクチンは、ダントツトップのエスアールエル(SRL)という会社が扱う製品。ここと契約している病院、クリニックしか、直接、検査を依頼できない。つまり、大きな総合病院でも契約していなければ、手続きが煩雑で、小さなクリニックでも契約していれば、大丈夫ということになる。→あくまでも推測です。
2019年にアフルレッサから10分間で結果が出るカルプロテクチンの検査キットが販売されました。でも、検査センターは同じか。
もしも、カルプロテクチンの検査を受けたければ、病院の受付に電話をして、実施しているのか、費用はどうなのか、いつでも検査してもらえるのか確認する必要がある。
患者にとっては、トイレへ行けばすむ簡単な検査ですが、結果を得るためには、検査センターと契約している病院を選ぶ必要がある?
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以下は、参考までに
● 次世代の新検査: 尿中PGE2-MUM
東京慈恵会医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科 主任教授ら
瘍性大腸炎の経過観察が尿中プロスタグランジンE主要代謝産物 (PGE-MUM) の測定で可能になった!
UCの治療中の経過観察はどのようにしますか?
- 従来の経過観察
活動性を判定するためには、CRPや血沈などの炎症マーカーが使用されていますが、感度や特異性が不十分でありました。 結局、これまでは、患者様に負担を強いる大腸内視鏡検査を繰り返し行ってまいりました。
- 尿中PGE-MUM濃度測定
PGEはシクロオキシゲナーゼにより産生される炎症メディエーターであり、その濃度は生体の炎症を反映します。 PGEの代謝速度は速いため、血中濃度の測定は困難ですが、 主要代謝産物 (PGE-MUM) である7αヒドロキシ-5,11-ジケトテトラノルプロスタン-1,16-二酸は尿中に排泄され、安定しており、 非侵襲性の炎症マーカーとして各種癌での増加が報告されています。
UC患者の内視鏡的および組織学的活動性はCRPとの間にも尿中PGE-MUM濃度との間にも有意の相関関係が認められますが、 CRPよりも尿中PGE-MUM濃度のほうが有意にすぐれております。
特に、寛解期にはCRPは基準値内~軽度高値であり、炎症が中等度以上になると急に上昇しますが、 尿中PGE-MUM濃度は組織学的な炎症所見の悪化と平行して上昇し、炎症の程度と高い相関関係を示します。
したがって、寛解の有意な独立予測因子であり、特に、CRPでは判定しにくい寛解期では尿中PGE-MUM濃度が有用と報告されています (Arai Y, et al.:Inflamm Bowel Dis 2014;20.1208-1216)。