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育児休業規程 第○○条  育児のための時間外労働の制限

育児休業については、だいぶ認知度が高くなり、また、雇用保険からの給付があることもあって、女性ばかりですが、取得する人が増えてきています。

しかし、今回のテーマである、育児のための時間外労働については、まだまだ一般的に知られているという状態ではないと思います。



「育児のための時間外労働の制限」というのは、簡単にいうと、


  小学校入学前の子を養育する親が「育児のための時間外労働の制限」を請求した場合には、

    ↓

  他の時間外労働・休日労働に関する規定、協定等にかかわらず、

    ↓

  基本的に、1ヵ月に24時間、1年に150時間を越えて時間外労働をさせない


というものです。

(なお、ここでの時間外労働とは、1日8時間又は週40時間を超える労働をいいます)



ただ現実には、子供の保育園などへの送迎、急な病気への対応などで、短時間の勤務を望む場合が少なくないように思います。


そのため、時間外労働自体を望まないことが多く、前回の、育児のための所定外労働の免除のほうが、ニーズは高いように思います。


また、仮に実際に請求があった場合には、時間外労働の時間を、1ヵ月に24時間、1年に150時間、ということで別管理しなければならなくなってしまいます。


そのため、会社としては、繁忙期の残業は多少やむを得ないとしても、通年長時間の残業があるという状況をできるだけなくし、従業員が「育児のための時間外労働の制限」を請求しないでも済むようにすることが必要となります。


これが、会社と従業員のお互いのためになるものと考えます。



以下、一般的な条文を例示します。(法令に則った条文としています)


(育児のための時間外労働の制限)
第○○条

会社は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員が当該子を養育するため、に申し出た場合には、就業規則の労働時間に関する規定及び時間外労働に関する労使協定にかかわらず、1ヵ月について24時間、1年について150時間を超えて時間外労働をさせることはない。ただし、事業の正常な運営に支障がある場合はこの限りでない。


2 前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する従業員は時間外労働の制限を申し出ることができない。
 (1) 日々雇用される者
 (2) 入社1年未満の者
 (3) 1週間の所定労働日数が2日以下の者



(時間外労働制限の申出の手続等)
第○○条

前条に定める時間外労働の制限の申出をしようとする従業員は、1回につき1ヵ月以上1年以内の期間(以下この条において「制限期間」という)について、制限を開始しようとする日(以下この条において「制限開始予定日」という)及び制限を終了しようとする日を明らかにして、原則として制限開始予定日の1ヵ月前までに、育児のための時間外労働制限申出書を会社に提出するものとする。この場合において、制限期間は育児のための所定外労働の制限の期間と重複しないようにしなければならない。


2 会社は、育児のための時間外労働制限申出書を受け取るにあたり、必要最小限度の各種証明書の提出を求めることがある。


3 申出の日後に申出にかかる子が出生したときは、育児のための時間外労働制限申出書を提出した者(以下「申出者」という)は、出生後2週間以内に育児休業等対象児出生届により会社に届け出なければならない。


4 制限開始予定日の前日までに、申出に係る子の死亡等により、申出者が子を養育しないこととなった場合には、申出はされなかったものとみなす。この場合において、申出者は速やかに会社のその旨を通知しなければならない。



(時間外労働制限の終了)
第○○条

育児のための時間外労働の制限は、次の各号に掲げるいずれかの事由が生じた場合には終了するものとし、当該制限期間の終了日はそれぞれに掲げる日とする。
 (1) 家族の死亡等、制限に係る子を養育しないこととなった場合
   →当該事由が発生した日
 (2) 制限に係る子が小学校就学の始期に達した場合
   →子が6歳に達する日の属する年度の3月31日
 (3) 申出者について、産前・産後休業、育児休業又は介護休業期間が始まった場合
  →産前・産後休業、育児休業または介護休業の開始日の前日


2 前項第1号に定める事由が生じた場合には、申出者は速やかに会社にその旨を通知しなければならない。




「育児のための時間外労働の制限」については、例示した条文のとおり、誰でも取得できるものではありません。

ただし、請求できない従業員をこれより広げることは、法令に違反しますのでできません。念のためご注意ください。



「育児のための時間外労働の制限」の請求は

  所定の文書で行うこと

  制限開始予定日の1ヵ月前までに行うこと

  1ヵ月以上1年以内のの範囲で期間を明らかにすること
とされています。

なお、育児休業と違い、、「育児のための時間外労働の制限」には回数の制限はありませんので、子が小学校に入学するまでは何回でも請求をすることができます。
 

育児休業規程 第○○条  育児のための所定外労働の免除

今回の「育児のための所定外労働の免除」は、以前は、必ず実施しなければならないものではなかったのですが、平成22年の法律改正で義務化されました。


とはいっても、従業員100人未満の会社ではげんざいのところ適用が猶予されていたのです。

ただし、平成24年の6月末で猶予期間が終わり、7月からは100人未満の会社でも義務化されることになっています。



「育児のための所定外労働の免除」というのは、簡単にいうと、


  3歳未満の子を養育する親が

    ↓

  一定の期間を指定して「育児のための所定外労働の免除」を請求した場合には、

    ↓

  他の時間外労働・休日労働に関する規定、協定等にかかわらず、

    ↓

  基本的に、所定労働時間を超えての労働はさせない


というものです。



実際のところ、所定労働時間を越えての残業はちょっとできない、あるいはしたくないというニーズは少なからずあると思います。


ただ、


  会社側からすると、必要な時に残業を頼めないのは困る


ということがありますし、


  同僚等から、「こんなに忙しいのにあの人は残業しないのか」


ということもあります。


このあたりは、会社の規模や業種にもよると思いますが、なかなか難しいところです。



その一方で、小さい子供がいるので残業はちょっと…というニーズに適切に対応している会社もあります。

こういった会社では、社内の雰囲気も良く、会社の業績も好調のようです。

社内の雰囲気作りも重要な要素だと思います。



以下、一般的な条文を例示します。(法令に則った条文としています)


(育児のための所定外労働の免除)
第○○条

会社は、3歳に満たない子を養育する従業員(日雇従業員を除く)が当該子を養育するために申し出た場合には、所定労働時間を超えて労働をさせることはない。ただし、事業の正常な運営に支障がある場合はこの限りでない。


2. 前項の規定にかかわらず、労使協定により定められた次の各号のいずれかに該当する従業員は所定外労働の免除を申し出ることができない。
(1) 入社1年未満の者
(2) 1週間の所定労働日数が2日以下の者



(所定外労働免除の申出の手続等)
第○○条

前条に定める所定外労働の免除の申出をしようとする従業員は、1回につき1ヵ月以上1年以内の期間(以下この条において「免除期間」という)について、免除を開始しようとする日(以下この条において「免除開始予定日」という)及び免除を終了しようとする日を明らかにして、免除開始予定日の1ヵ月前までに、育児のための所定外労働免除申出書を会社に提出するものとする。この場合において、免除期間は育児・介護のための時間外労働の制限期間と重複しないようにしなければならない。

2. 会社は、育児のための所定外労働免除申出書を受け取るにあたり、必要最小限度の各種証明書の提出を求めることがある。

3. 申出の日後に申出に係る子が出生したときは、育児のための所定外労働免除申出書を提出した者(以下「申出者」という)は、出生後2週間以内に育児休業等対象児出生届により会社に届け出なければならない。

4 免除開始予定日の前日までに、申出に係る子の死亡等により申出者が子を養育しないこととなった場合には、申出はされなかったものとみなす。この場合において、申出者は速やかに会社にその旨を通知しなければならない。



(所定外労働免除の終了)
第○○条

育児のための所定外労働の免除は、次の各号のいずれかの事由が生じた場合には終了するものとし、当該免除期間の終了日は当該各号に掲げる日とする。
(1) 子の死亡等、免除に係る子を養育しないこととなった場合
   →当該事由が発生した日
(2) 申出に係る子が3歳に達した場合
   →子が3歳に達した日
(3) 申出者について、産前・産後休業、育児休業又は介護休業期間が始まった場合
   →産前・産後休業、育児休業又は介護休業の開始日の前日

2. 前項第1号に定める事由が生じた場合には、申出者は速やかに会社にその旨を通知しなければならない。




育児のための所定外労働の免除の対象者は、労使協定を締結することにより、


  入社1年未満の者
  1週間の所定労働日数が2日以下の者


をはずすことが可能です。

ただし、必ず労使協定が必要になります。(労働基準監督署への届出の必要はありません)


申し出は、法律上所定外労働免除の開始の1ヵ月前までに申し出ることになっています。

(会社の裁量で、2週間前までになどと変えることは可能です)

なお、育児休業と違って請求回数の制限はありません。



また、所定外労働免除の期間は、育児・介護のための時間外労働の制限の期間と重複しないようにすることとなっています。


育児・介護のための時間外労働の制限については次回お伝えします。


育児休業規程 第○○条  子の看護休暇

“子の看護休暇” というのは、平成17年4月1日より育児・介護休業法で認められた休暇制度です。

この、この看護休暇という制度の概要を大ざっぱにいうと、


 小学校に入学する前までの子を養育する従業員は、

   ↓

 傷病にかかった子の世話をするために休暇を申し出れば、

   ↓

 1年に5日を限度に子の看護休暇を取得することができる

 (小学校に入学する前までの子が2人以上いる場合は10日を限度)


というものです。


なお、あらかじめ労使協定等に定めることにより、

  入社6ヵ月未満の従業員

  1週間の所定労働日数が2日以下の従業員

については、子の看護休暇を取得できないものとすることも可能です。



会社としては、従業員から子の看護休暇の申出があった場合にはそれを拒否することはできません。

また、子の看護休暇の申出が合ったことを理由とする不利益な取り扱いも禁止されています。


しかし、子の看護休暇中は賃金の支払いを要しないものとされていますので、無給という扱いでもかまいません。

無給の場合は、欠勤ではないので賞与や昇給等の査定などで不利益を受けないということになります。




以下、一般的な条文を例示します。



(子の看護休暇)

第○○条

小学校就学の始期に達するまでの子を養育する従業員(日雇従業員を除く)は、負傷し、又は疾病にかかった当該子の世話をするために、又は当該子に予防接種や健康診断を受けさせるために、年次有給休暇とは別に、当該子が1人の場合は1年間につき5日、2人以上の場合は1年間につき10日を限度として、子の看護休暇を取得することができる。この場合の1年間とは、4月1日から翌年3月31日までの期間とする。


2. 前項の規定にかかわらず、会社と従業員代表との間で締結された協定に基づき、次のいずれかに該当する従業員は子の看護休暇を取得することができない。
 ① 入社6ヵ月未満の従業員
 ② 1週間の所定労働日数が2日以下の従業員


3. 第1項の休暇を取得しようとする者は、原則として事前に会社に申し出なければならない。ただし、緊急を要する場合においては、事後の申し出を認めるものとする。

4. 第1項の休暇を取得した従業員に対して、会社は子の疾病等に関する証拠書類の提出を求める場合がある。

5. 子の看護休暇中の賃金は無給とする。

6. 賞与、昇給、及び退職金の算定に当たっては、取得期間は通常の勤務をしたものとみなす。



子の看護休暇について、1日単位の休暇だけでなく、半日単位や1時間単位の取得ができるのかという問題があります。


この点については、法令上特に規定はありませんので、半日単位や1時間単位での休暇の申出があっても、会社として認めなければならない、ということはありません。

しかし、半日単位や1時間単位での休暇も認めることにしてもかまいません。


したがって、会社として、半日単位や1時間単位の休暇を認めるかどうかも検討しておく必要があるでしょう。

 

育児休業規程  第○○条 育児休業の期間等

育児休業を取得できる期間は、以前にも書いたとおり、


  子が1歳に達するまで

  パパママ育休プラスの場合は1歳2ヵ月に達するまで

  やむを得ない事由がある場合には1歳6ヵ月に達するまで


の期間の範囲内で、育児休業の申出者が申出をした期間となっています。



しかし、子が出産予定日に産まれてくるとは限りませんし、その他いろんな理由で、申し出をした後や育児休業中に申出者の都合が変わってしまい、


  ①育児休業の開始時期をを繰り上げたい(申出よりも早く育児休業を始めたい)

  ②育児休業の開始時期をを繰り下げたい(申出よりも遅く育児休業を始めたい)


 あるいは

  ③育児休業の終了時期を繰り上げたい(申出よりも育児休業を早く終わらせたい)

  ④育児休業の終業時期を繰り下げたい(申出よりも育児休業を延長したい)


ということも十分ありえます。


また、育児休業に係る子が亡くなってしまった場合など、育児休業をする理由がなくなってしまうこともありえます。


このような場合を想定し、会社や従業員がどのように対応すればいいのか、ということをあらかじめ定めておく必要があります。



以下、一般的な条文を例示します。



(育児休業の期間等)

第○○条

育児休業の期間は原則として、子が1歳(第※条第3項及び第4項に基づく休業の場合は、それぞれ定められた時期まで)の誕生日の前日を限度として「育児休業申出書」に記載された期間とする。


2. 前項の規定にかかわらず、休業開始予定日が「育児休業申出書」の提出日の翌日から起算して1ヵ月(第※条第4項に基づく休業をしている場合は、2週間)を経過するより前の日であるときは、会社が休業開始予定日から「育児休業申出書」の提出日の1ヵ月後(第※条第4項に基づく休業をしている場合は、2週間後)の日までのいずれかの日を開始予定日として指定するものとする。


3. 従業員は、「育児休業期間変更申出書」により、会社に育児休業開始予定日の1週間前までに申し出ることにより、育児休業開始予定日の繰り上げ変更を行うことができる。なお、この変更は原則として1回に限り行うことができるものとする。


4. 従業員は、「育児休業期間変更申出書」により会社に、育児休業を終了しようとする日(以下「育児休業終了予定日」という。)の1箇月前(第※条第4項に基づく休業をしている場合は、2週間前)までに申し出ることにより、育児休業終了予定日の繰り下げ変更を行うことができる。なお、この変更は、原則として1回に限り行うことができるものとする。ただし、第※条第4項に基づく休業の場合には、第※条第1項に基づく休業とは別に、子が1歳から1歳6ヶ月に達するまでの期間内で1回に限り育児休業終了予定日の繰り下げ変更を行うことができる。


5. 従業員から「育児休業期間変更申出書」が提出されたときは、会社は当該従業員に対し、「育児休業取扱通知書」を交付する。



6. 次のいずれかの事由が生じた場合には、育児休業は終了するものとし、当該育児休業の終了日は当該各号に掲げる日とする。

 ①子の死亡等育児休業に係る子を養育しないこととなった場合

   →当該事由が発生した日(なお、この場合において本人が出勤する日は、事由発生の日

     から2週間以内であって、会社と本人が話し合いの上決定した日とする。)

 ②育児休業に係る子が1歳に達した場合等

   →子が1歳に達した日(第※条第3項に基づく休業の場合を除く。第※条第4項に基づく休業

     の場合は、子が1歳6か月に達した日)

 ③申出者について、産前産後休業、介護休業又は新たな育児休業期間が始まった場合

  →産前産後休業、介護休業又は新たな育児休業の開始日の前日

 ④第※条第3項に基づく休業において、出生日以後の産前産後休業期間と育児休業期間期間の合計が1年に達した場合

  →当該1年に達した日


7. 前項第1号の事由が生じた場合には、申出者は直ちに会社にその旨を通知しなければならない。
 

注 第2項の赤字の部分について、

   第※条 第1項 は、1歳までの育児休業

   第※条 第3項 は、1歳2ヵ月までの育児休業(パパママ育休プラス)

   第※条 第4項 は、1歳6ヵ月までの育児休業(やむを得ない場合の育児休業)

  となります。





上の条文例は、いわゆる育児・介護休業法の規定にそって書いているものですが、これだけでは分かりにくい部分があると思いますので、ちょっと噛み砕いてみたいと思います。



第1項

まず、育児休業の期間は子が1歳になるまで(パパママ育休プラスの場合は1歳2ヵ月まで、やむを得ない場合は1歳6ヵ月まで)の期間内であれば、育児休業の申出者が自由に決めて申し出ることができます。



第2項

ただし、育児休業の申出日と休業開始予定日の間が1ヵ月(子が1歳以降の場合は2週間)に満たない場合には、会社の裁量で、1ヵ月(子が1歳以降の場合は2週間)の期間の範囲内で休業開始日を遅らせることができます。


第3項

すでに育児休業の申し出をしている場合に、育児を繰り上げて開始しようとする日の1週間前までに申出をすれば、育児休業の開始日を繰り上げることができます。ただし、原則1回に限ります。



第4項

育児休業の終了日をを繰り下げようという場合は、1ヵ月(子が1歳以降の場合は2週間)前までに申し出をすれば、育児休業の終了日を繰り下げることができます。繰り下げの変更は原則1回に限りますが、子が1歳までの育児休業と、1歳~1歳6ヶ月までの育児休業で、それぞれ1回ずつ繰り下げの申し出をすることができます。


第5項

従業員から育児休業の繰上げ又は繰下げの申し出があったときは、会社はその従業員に対し、

 育児休業期間の変更の申し出があった旨

 変更後の育児休業開始予定日と終了予定日

の事項を通知しなければならないことになっています。



第6項

上の条文中の①から④のいずれかに該当した場合には、育児休業申出の手続き等にかかわらず、育児休業は終了となります。

ちなみに、第5項1号の青字の部分「子の死亡等」についても、次のとおり定められていますのでご紹介します。

 ⅰ育児休業申出に係る子の死亡

 ⅱ育児休業申出に係る子が養子の場合における離縁又は養子縁組の取消し
 ⅲ育児休業申出に係る子が養子になったことその他の事情により、育児休業の申出をした

   労働者と当該子が同居しないことになったこと

 ⅳ育児休業の申出をした労働者が、負傷、疾病又は心身の障害により、育児休業申出に

   係る子が1歳(やむを得ない場合には1歳6ヵ月)になるまでの間、育児ができない状況

   になったこと。

このⅰからⅳのいずれかの事情により子を養育しないことになった場合には、育児休業は終了となります。



第7項

これは、青字の部分「子の死亡等」に該当した場合には、育児休業の申出者は会社に通知をしなければならないということです。

  

育児休業規程 第○○条 育児休業申出の撤回等

従業員が、申し出ていた育児休業を「やっぱり育児休業はやめました」と撤回してきた場合、会社側としてはどうでしょうか?


「困った困った」というばかりで特に対策を講じておかなかった会社では、胸をなでおろすかもしれません。


ところが、休業期間中の労働力を補うために派遣社員を受け入れていたり、新たに従業員を雇用していたりして、準備をしっかり整えていた場合には、「やっぱり育児休業はやめました」といわれてもかえって困ってしまいます。


とはいっても、いわゆる育児・介護休業法では、労働者がいったん申出をした育児休業を撤回することを権利として認めていますので、会社は育児休業の撤回を拒否することはできません。



一方、労働者側も、いったん育児休業の申出を撤回した場合は、特別な事情のある場合を除き、再度育児休業の申し出をすることはできなくなります。


つまり、育児休業の申出を一度撤回したのに、「やっぱり育児休業の撤回はやめて育児休業することにしました」という場合には、会社はこれを拒否することができることになります。



ただ、育児休業の撤回は、子供が亡くなってしまったというような場合では想定されますが、従業員の心変わりなどというようなことは、通常はほとんど無いものと思います。



以下、一般的な条文を例示します。



(育児休業申出の撤回等)

第○○条

育児休業の申出をした従業員は、育児休業開始予定日の前日までは、「育児・介護休業撤回届」を会社に提出することにより、育児休業の申出を撤回することができる。

2. 育児・介護休業撤回届が提出されたときは、会社は速やかに当該届を提出した者に対し、育児休業取扱通知書を交付する。

3. 育児休業の申出を撤回した従業員は、特別な事情がない限り同一の子については再度申出をすることができない。ただし、第※※条第1項に基づく休業の申し出を撤回したものであっても同条第4項の申出に基づく休業の申出をすることができる。

4. 育児休業開始予定日の前日までに、子の死亡等により申出者が休業申出に係る子を養育しないこととなった場合には、育児休業の申出はされなかったものとみなす。その場合において、申出者は速やかに会社にその旨を通知しなければならない。


注 第2項の青字の部分については、こちらの記事 の条文例の該当部分をご確認ください。

  (この部分は、子が1歳になるまでの育児休業を撤回した場合でも、子が1歳から1歳6ヵ月までの間でやむを得ない場合には再度育児休業の申出ができるというものです。)



第2項の、育児休業撤回の申し出をした従業員に対し、会社が撤回の申出を受けた旨を通知するという部分は、平成22年に育児介護休業法が改正施行されたときに義務となりました。

第3項の赤字の部分「特別な事情」については、次のとおり定められています。

 ①配偶者の死亡

 ②配偶者が負傷、疾病又は心身の障害により育児が困難な状況になったこと

 ③離婚その他の事情により配偶者が育児休業の申出に係る子と同居しないこととなったこと

この①から③のいずれかの事情が発生した場合には、いったん育児休業の申出を撤回した場合でも、再度申出をすることができることとなります。


なお、会社の裁量でこれ以外の理由を追加することも可能です。



第4項の紫色の字の部分「子の死亡等」についても、次のとおり定められています。

 ①育児休業申出に係る子の死亡

 ②育児休業申出に係る子が養子の場合における離縁又は養子縁組の取消し
 ③育児休業申出に係る子が養子になったことその他の事情により、育児休業の申出をした

   労働者と当該子が同居しないことになったこと

 ④育児休業の申出をした労働者が、負傷、疾病又は心身の障害により、育児休業申出に

   係る子が1歳(やむを得ない場合には1歳6ヶ月)になるまでの間、育児ができない状況

   になったこと。

この①から④のいずれかの事情により子を養育しないことになった場合には、育児休業の申出はされなかったものとみなされることになります。