出張旅費規程 第○○条 海外出張時の日当
出張時の日当については、国内出張の日当ということですでにこちら で触れましたが、概要としてはこんなかんじです。
日当を支払う目的は何か?
食事代、その他諸経費に充てるということ?
出張そのものの慰労の意味?
を考えたうえで、
金額については、
支払う目的
世間一般の水準とのバランス
役職等によって金額を変える場合のバランス
半日の場合や出張中の休日の場合どうするか
を考慮しつつ決定する、
といったところでしたが、海外出張の場合は、これに加えて、
出張地によって金額を変える必要
について検討する必要があるように思います。
出張地が大体決まっている場合は、そのエリアに合わせて決めればいいと思います。
ただ、世界の広い地域に出張する可能性がある場合、
国によって物価水準等大きく違う場合
危険度その他出張による苦労
などがエリアによって違うということもあると思いますので、そういったところにも配慮したうえで決めたほうがいいという場合もあると思います。
もう一つは、長期出張の場合の日当とどうするか?というところです。
この点は国内出張の日当のところでも触れましたが、
長期の場合は○○%減額する
というようにするかどうかです。
(法令上の規制はありませんので、するかどうかは各会社の裁量ということになります)
そして、減額する場合は、
長期とはどのくらいの期間か?
同じ場所に長期とどまる場合と、出張期間は長期でも短期で移動し続ける場合とで区別するか?
どの程度減額するか?
といったことを考慮して決めていくものと思います。
以下、一般的な条文を例示します。
(海外出張時の日当)
第○○条
海外出張時の日当は、出国日から帰国日までの出張中の日数に応じて、1日あたり、従業員区分ごと別表に定める額を支給する。
(別表は省略)
2.前項の規定にかかわらず、同一地に引き続き○○日以上滞在する場合を長期出張とし、○○日目より日当を前項に規定する金額の△△%とする。
3.海外出張に伴う国内における日当については第※※条における国内出張時の日当に関する規定に基づき支給する。
出張旅費規程 第○○条 海外の交通費・宿泊料
出張すれば交通費や宿泊料がかかり、日当が支払われるのは、国内でも海外でも同じです。
ただ、過去にも何回か触れていますが、公共の乗り物であっても、あるいはホテルでも、(いろんな意味で)安全面で問題がある場合もあります。
国内であればそれなりに安全だという意識があるのかなと思いますが、海外の場合はそうでないこともありえますので、あくまで安全第一で、という姿勢が重要だと思います。
まず交通費ですが、移動手段としては、
鉄道、バス
タクシー
航空機
船舶
といったところです。
なお、会社によって、想定される海外での交通手段が限られる場合には、想定されない手段は端折るということでもさしあたりはいいかと思います。
そのほか、
航空機や鉄道等の座席のランクをどうするか?
というところは国内の交通費と同じです。
出張者の安全や身体的負担と、会社の経費面での負担のバランスを考えつつ決めることになります。
なお、航空機の場合は、状況に応じて安いチケットを手配するということが普通に行われています。
そのうち、格安の航空会社に限るということになるのかもしれません。
最後になりますが、海外出張に伴う国内の旅費(空港までの交通費など)は、国内出張に準じて支給するというのが一般的ですし、それが合理的だと思います。
次に宿泊ですが、こちらも安全第一ですので、それなりのランクのホテルを確保しておく必要があります。
まあ、慣れていれば自分で予約するということもあるのかもしれませんが、やはり、出張先の会社等で安全でそれなりのホテルを予約してもらっておくということが一般的ではないかと思います。
宿泊費については、
① 従業員区分ごとに1泊あたりの宿泊費が決まっている(固定)
② 従業員区分ごとに1泊あたりの宿泊費の上限が決まっていて、その範囲内で実費とする(上限付き実費)
(このようなタイプを狙った宿泊プランもインターネットでよく見かけます)
③ 上限はなく、実費とする(完全実費)
(この場合、宿泊費を低く抑える工夫、仕組みのようなものが各社あります)
※①②では、従業員区分に関係なく一律ということもある
のどれかということになるのかと思いますが、安いホテルで済ませようというインセンティブが働かないような配慮は必要だと思います。
その他、
飛行機等の車中泊の場合はどうするか?
海外の工場等で自前の宿泊施設がある場合はどうするか?
といったことも検討の必要があるものと思います。
以下、一般的な条文を例示します。
(海外出張時の交通費)
第○○条
海外出張時の交通費は、鉄道、航空機、船舶及び自動車の運賃とし、合理的な移動経路に応じた料金の実費を支給する。
2.前項の費用は、従業員区分ごと別表に定める範囲内で利用した実費を支給する。ただし、該当する料金クラスがないなどやむを得ない場合で会社の承認を得た場合は必要な実費を支給する。
(別表は省略)
3.海外出張に伴う国内における交通費は、第※※条の国内出張時の交通費に関する規定を準用する。
(海外出張時の宿泊料)
第○○条
海外出張時の宿泊料は、海外で宿泊した夜数及び従業員区分に応じ、一泊あたり別表に定める金額を上限に宿泊に要した実費を支給する。
2.前項の規定にかかわらず、航空機等の車中泊の場合は、一泊あたり別表に定める金額の半額を支給する。
(別表は省略)
出張旅費規程 第○○条 海外主張旅費の支給・内訳
最近は会社の海外進出というのも全く珍しくなくなっているので、従業員が海外出張するということも、会社の規模にかかわりなく十分あり得る状況になっています。
(海外出張の可能性は、会社の規模よりは業種によるのかもしれません)
まあ、従業員が海外へ出張した事例がなく、今後も可能性が低いのであれば、海外出張に関する規定は必要ないのですが、そうでなければ当然規定が必要になります。
なお、海外に会社の拠点があるなどといった場合は、拠点への駐在と出張の区分が必要となる場合もあるかと思います。
出張旅費の内訳は、海外出張でも国内出張とそう変わるわけではなく、
交通費
宿泊料
日当
といったところは必要となります。
なお、交通費や宿泊料は、国内以上に、値段だけでなく安全について注意する必要があるものと思います。
また、日当については、出張先の物価水準もある程度考慮する必要があるのではないかと思います。
そのほか、
支度料(初めて海外出張する場合など)
雑費 (パスポートなどの費用をどうするか)
といったところも、会社によるということになると思いますが、必要に応じてい定めることになります。
さらに、規定に記載するかどうかは別として、
出張中の不慮の事故に備えた保険の加入
携帯電話など通信手段の確保の方法(従業員の自腹というわけにはいかないので)
などについても配慮する必要があるものと思います。
以下、一般的な条文を例示します。
(海外出張旅費の支給及び内訳)
第○○条
会社の指示により国外に出張する従業員に対し、海外出張旅費を支給する。
2.前項の規定にかかわらず、原則として出張期間が○ヵ月以上にわたるときは、「海外駐在規程」を適用する。
3.海外出張旅費の内訳は、交通費、宿泊料、日当、支度料とする。
出張旅費規程 第○○条 出張期間中の休日の取扱い
出張は、平日(所定労働日)だけでおさまるというわけではなく、
出張期間中に休みの日がある場合
休みの日に移動する場合
もあります。
こういった場合に日当の支払いをどうするのか?というのは、細かいことのようですが問題には十分なりえます。
そのため、やはりあらかじめ決めておいて余計なもめ事は予防したほうが良いものと思います。
まず、出張期間中に休みの日がある分については、
休日に実際に休んでいれば日当は支払わなくてもよい
(平日と休日の区別なく支払うことにしてもOKです)
休日だけど仕事をしている(休日出勤)のであれば、平日と同じように日当を支払う
(別途、割増賃金も支払う必要もあります)
ということになると思います。
このあたりは、あまり問題になることはないと思います。
一方、休みの日に移動する場合ですが、この場合、
移動が業務なのかどうか?
ということが問題になります。
結論としては、原則として移動は業務と認めなくてもよいということになっています。
(電車や飛行機だけでなく、自分で車を運転しての移動でも)
ただし、物品等を運搬するといった場合には、移動自体が業務だと認められる場合もあります。
「物品等を運搬する」というのはあいまいな表現で、商品のサンプルを持参したり、ちょっとしたものを持って行ってもらうよう頼まれるなど、出張に伴っていろいろなものを運ぶということはよくあるものと思います。
しかし、この場合の「物品等を運搬する」というのは、ちゃんとした運搬の指示があり、無事に運ぶために監視等の十分な注意を払うようなことを言いますので、他の荷物と一緒にカバン等に入れて携行するというものは、一般的には「物品等を運搬する」というにはちょっと厳しいのではないかと思います。
ということで、
ハードルは高いのですが、休みの日に「物品等を運搬する」という目的があって移動する場合は業務に該当するので、日当を支払う(別途割増賃金も必要)ということになり、
移動だけというのであれば、日当は支払わなくてもよい(支払うことにしてもOK)
ということになります。
ただ、いくら移動だけだといっても、少なからず休みの日を犠牲にして移動をしているということもまた事実ですので、各会社の考えによるということになりますが、多少の日当を支払って従業員の犠牲に少しでも報いるということは、十分検討に値するものと思います。
以下、条文を例示します。
(出張期間中の休日の取扱い)
第○○条
出張期間中に休日がある場合、又は業務の都合により休日に出発または帰着した場合の日当の取り扱いは、次のとおりとする。
①休日に業務を行った場合 … 別表に定める日当を支払う
②完全休日の場合 … 日当は支払わない
③休日に移動のみした場合 … 別表に定める日当の半額を支払う
出張旅費規程 第○○条 日当
出張に関連する手当の中で、従業員にとって一番関心があるのが日当ではないかと思います。
その日当については、多くの会社で支払われていると思いますが、
そもそも支払う目的は何か?
という問題があります。
一般的には、食事代、その他諸経費に充てるものということになると思います。そして、会社によっては出張の慰労の意味もプラスする場合もあります。
いずれにしても、日当を支払う目的は、その金額を決める上で参考になるものですので、一度考えてみても良いのではないかと思います。
そして、肝心の日当の額、ということになるわけですが、金額を考える上では、
支払う目的
のほか、
世間一般の水準とのバランス
役職等によって金額を変える場合のバランス
(日当は役職等によって金額を変えるのが通常だと思います)
についても考える必要があります。
通常、出張の日当は所得税の課税対象になりませんが、世間的に、また社内のバランスで、高すぎる場合は課税対象とされてしまうこともありますので、注意が必要です。
その他、金額については、
午後から出張、午前に帰着といった、半日の場合どうするか?
出張期間中の休日についてはどうするか?
出張の距離等によって金額を変えるかどうか?
長期出張の場合どうするか?
といったことについても考えておく必要があります。
まず、半日の場合どうするか?ですが、
半日の場合は半額
半日でも金額は変えない
のどちらかが多いですが、どちらが良いということはなく、各会社の考えにより決めれば良いものと思います。
次に、出張期間中の休日をどうするか?については、
休日には日当は支払わない
ということも可能です。
また、
休日に移動した場合の日当をどうするか?
(休日に移動しておいて翌日の朝から出張先で仕事をする、あるいはその逆など)
という問題もあります。
出張期間中の休日の取り扱いについては次回触れたいと思います。
次に、距離等によって金額を変えるか?については、
国内であれば、日帰りか泊まりかで日当の金額を変える場合もあります。
宿泊を伴う場合は、国内であれば一律であることがほとんどだと思いますので、海外出張の場合には、距離あるいは地域を考慮することが必要だと思います。
最後に、長期出張の場合どうするか?については、
長期の場合は日当を○○%減額する、という会社もありますし、特に減額しないという会社もあります。
減額する場合は、
長期とはどのくらいの期間か?
同じ場所に長期とどまる場合と、出張期間は長期でも短期で移動し続ける場合とで区別するか?
どの程度減額するか?
といったことを考慮して決めていくものと思います。
以下、一般的な条文を例示します。
(日当)
第○○条
日当は、出張した日数に応じて、1日あたり、従業員区分ごと別表に定める額を支給する。
2.前項の規定にかかわらず、ただし、午後出発又は午前帰着の場合、及び日帰り出張の場合は、その日について日当の半額を支給する。
すでに書きましたが、次回は、出張期間中の休日の取り扱いについて触れたいと思います。