何度も何度もくどいようだけど、とにかくファッション界に危機感を感じる。
「ったく今はよ~」なんて、良くあるオッサンの愚痴って言われかねないけど、決して自分の若かった頃の良い時代を思い出しているだけの懐古趣味ではなく、確実に衰退しているのは紛れもない事実だ。
一本筋の通ったモノづくりと、その信念を守った販売。
こんなものはとっくに忘れ去られたように感じるのは何も自分だけじゃないと思う。
60年代のVANに始まり、その後の海外ブランドの進出や、タケノコ、DCブランドの台頭、ハマトラにサーファーブーム、ハウスマヌカンがもてはやされたり・・とたどり経済の状況と共にファッションの世界もやがて衰退していくこととになった。
極一部の限られたブランドの流行なんかはあるけど、ヤッパリ長続きはせずに、また次の゛何か゛にとってかわられる世代交代の早い、そんな世界。
こうして長年、しかも日本でのファッション界の中でも特に変化が激しい時代、世界をその時の自分の立場から眺めていて、そう思えるわけだ。
まぁ、偉そうなことを言ってみても、実際にモノづくりの立場としていたことは全然ないから、実はそんなに上から目線で偉そうに言えないけど、逆に素直に冷静に見てこられたところもあり、そんなこんなでやっぱり現状はひどい物だとかんじざるを得ない。
で、日本の草分けであるVANに携わっていた当時ペーペー(失礼)の人にしても、軽く70を超え流石に殆どが引退している。
で、来週還暦を迎えちゃったりする自分も含め60前後が次の世代になる。
で、今のアパレルを実際に動かしているのは40台なんだろうか?
第一世代と勝手に呼ばせてもらうけど、当時のジイサン達はVANやメンクラが゛先生゛であり、そして、先生が言うことは絶対、絶対だから服従しなければいけなかった。
ブレザーは3つボタンの上2つ掛け、パンツはカフ付きで・・・
で、これはルールだから絶対服従(くどい?)
ルールを守らないヤツは村八分であり、要はオシャレじゃなかった。
今、思うとココントコに日本のファッション後進国の原点があったんじゃ無いかと思う。
トラディショナルウェアのルール・・・これはあくまでもルール、と言うか基本であって、ファッションじゃなかったのに、それをファッションとして、それこそVANやメンクラがファッションとしちゃったのが間違えだったんじゃないだろうか?
勿論、ファッションの前提としてTPOや、それに沿ったルールがあるんだから別物と言うには無理があるけど、ルールにのっとったファッションと言うプロセスがなく、ルールがそのままファッション、結局はルールを守ることがオシャレって勘違いを生んじゃったんじゃないかな?
だから、その世代のジイサンはファッションが進化したり新しいブランドが登場しても、ルールから少しでも外れていれば、オシャレではなく受け付けなかったのかもしれない。
そして、ソレはそのまま次の世代(60前後)に引き継がれ、古いものと新しい物とのはざまや上からのプレッシャーで、やや困惑していたのかもしれない。
「新しい物を受け入れたい、でも伝統的なルールに縛られて中々素直に受け入れられない・・・」
VANが倒産し、巣立っていった人たちを中心にポストVANたるブランドが次々と登場して、そんな中アメリカなんかから゛自由な発想をもったトラディショナルブランド゛が輸入される時代に若かったのが自分たちの世代なんだけど、この世代はまさに楽しくもあり辛くもあった世代だ。
゛こうじゃなくちゃダメ゛って育ったのに゛こうじゃなくてもいいんだ゛って言われてもホイホイと受け入れられもしないし、逆に少しは解放されたような複雑な、迷える若者だった(笑)
で、そこからいきなりヨーロッパ方面に行ったりDCに行ったり頑なにVANの精神を踏襲したり分かれて行った。
と言う自分は、当然ラルフ・ローレンの影響もあり゛自由なトラディショナル゛と言う無難な路線に落ち着いたって訳だ。
これが、DCの方に行ってたり・・・って思うと今がまるて゛想像出来ないし、今になってつくづく結果オーライって思える(笑)
しかも、丁度釣りとかキャンプを始めた頃でライフスタイルに沿った服選びってのを地でやってたし・・・って
「どうだ、俺って凄いだろ、ワイルドだろっ」になっちゃったけど、まぁそんなベースがあっての日々の若者に対しての説教に役立ってるってことで、感謝しろよ!ってどこまで上からなんだよ(笑)
で、そんなころから日本経済はどんどん強くなっていって大リーグのオーナーになったりニューヨークのビルを買っちゃったりする日本企業も出たり、要はイケイケだった。
当然ファッション界も活気づいて高い物もたくさん売れ多様化していった。
そうなればますます、基本なんか無視、そんなの知らなくても問題無しって感じの、オッサンから言わせれば邪道の物も多くあらわれた。
そして、この辺からは思い出せる人も多くなってきたと思うけど、例のバブルの崩壊からの長い長い経済低迷とリーマンショックでデフレデフレを引きづったまま現在に至るって流れだ。
アパレルも、少ない予算の中、何とか人を引き付けようと面白い物を作ろうとしたけど、中々消費者は乗ってくれず、最終的には普通っぽい物、最最最終的には゛コスパ゛になっちゃった・・・
過激なタイトルになっちゃった、今日のブログだけど案の定長くなっちゃってるんで、続きは次回にって事にするけど、例によってまとまらない可能性大なので全然違う話にもなりそうで・・・
まぁ、そんなわけで前半の今日は半世紀の流れってことで。