先日、"ビートたけしの独裁国家で何が悪い!?"なる番組を見ていて、世界の独裁国家の内情を垣間見ました。皆さん「独裁国家」と聞いて何を思い浮かべたでしょうか。やはり、北朝鮮や中国を思い浮かべたのでしょうか。私たちの認識では「独裁国家」という言葉は少なくともあまり良いイメージではありませんね。一人の独裁者に国の全てを託すことは危険過ぎる行為のように思うのが当然でしょう。
しかし、そういった我々の意に反し世界の独裁国家にはまともな政治をやっているところもありました。例えばベネズエラのチャベス大統領は資源を国有化して財源を確保、医療・福祉・農業政策の改革を進め、今ではアメリカに楯突くほどの発言権を持つようになりました。ベネズエラはかつて政治が腐敗していましたが、不満を持った貧困層に応えるために1992年に軍部がクーデターを起こしました。結局これは失敗に終わりましたが、このとき「全責任を私がとる」と潔く失敗の責任を認めたのがチャベス氏であったのです。国民にはチャベス氏の潔さが新鮮に映り、後の選挙で勝ち大統領になりました。
しかし、このチャベス氏、演説の途中でいきなり歌いだすわ、5時間生放送のテレビ番組に出演したりとかなりのパフォーマー。国民にとってはカリスマ的存在のようです。
同じ南米でもう1つの独裁国家ボリビアもまた改革に成功した国の1つです。以前、ボリビアは資源のほとんどを外資系会社に独占されて国としての財源がなく、一部のスペイン人が裕福な暮らしをして、その他大勢の先住民が貧しい暮らしを余儀なくされていました。そこで出てきたのが先住民のコカ農家出身であるエボ・モラレス大統領でした。まずモラレス氏は国の財源を確保するために、今まで資源を独占してきた外資系会社を強制的に撤退させ半ば強引に資源を国有化しました。そのため、国際社会から批判を受けることになりましたが、それでも彼は怯まず、改革を進めたのでした。最優先に取り組んだのが教育改革でした。貧困が原因で子供を学校に行かせられない中で、とにかく子供たちに読み書きを教えるためには中途半端な政策では改善できないと判断。学校へ行けばお金がもらえるという驚くべき政策に打って出ました。その結果、子どもたちの就学率が飛躍的に伸びて同時に親たちも経済的な面で援助を受ける形となり一石二鳥。次に取り組んだのが生活保護制度でした。面倒な書類をかくことをしなくても身分証があればすぐに生活保護を受けられるようにしたのです。素晴らしい。
他にも9・11から世界的注目を浴びたテレビ局「アル・ジャジーラ」がある国として有名なカタールや、フィラデル・カストロ議長率いるキューバの農業改革も驚くべきものでしたが、一方でジンバブエのような酷い国もありました。北朝鮮やミャンマーと並ぶ世界最悪の独裁国家です。平均寿命、幸福度、国内総生産(GDP)、いずれも最下位という酷過ぎる国です。この国の民族には宗教がないんでしょうね。何というか道徳心が皆無。
独裁国家と一言で言っても様々な国があって驚きましたね。ベネズエラやボリビア、キューバのように飛躍的な改革に成功する国もあれば、ジンバブエのように独裁者が私利私欲に走るケースもあって、上と下の幅が大きいのが特徴でしょうか。
独裁という政治形態には独裁者が暴走するリスクがありますが、リスクを冒すだけの価値も同時にあると思います。逆に政党政治の場合、そういった心配はありませんが、政策の良し悪しに関わらず党派心によって組織的な批判を受けることにより政策の決定・施行に時間・お金・エネルギーが浪費される点が問題ですね。どちらも一長一短ですが、独裁国家だろうと民主国家であろうと、国を動かす人たちに信念と道徳心がなければどちらにしろ国として機能しないのは確かでしょう。今の日本のようにね。