ひっぴーな日記 -41ページ目

ひっぴーな日記

よくわからないことを書いてます

小説はついでねwもうこっちにはのせませんw

つまり肩こりの極度の疲労による神経圧迫による?めまいだったと。

よくいう「肩こりからくる、吐き気、めまい、頭痛」をまさに体現したのが今回ねw

まーなりはじめたのが11月3~頃この前後に久しぶりに剣道の道場いってそのあとに童話あげるために集中した・・・。

まぁこれが悪かったらしく(とはいっても普段の生活習慣がわるいんだけどね!w)

それで耳鼻科にはレーザー治療のこともあったから予約とってたんだけど、もう神と崇めているとはいっても過言ではない行きつけの整体にいって、20分間ぐらい聞いてくれて、

あ、それ剣道原因じゃないの?

と、それで背中から肩、首、さらに頚椎の位置調整してもらったら

治ったヽ(´ー`)ノ

首と肩でしたwwwwwwwwwwwwwwwww内耳の耳石の良性突発性頭位めまい症じゃありませんでしたとねぇ・・・。


まぁ、デスクワークとかやってたり首のストレッチもやってないしそういうことがおこるわなってこと。多分あと二~3回いったら直る。

しかし本当にいろいろでてくるなぁw

鼻のほうはマジレーザー治療の相談してきます。やいてきますwまぁ年末だけどね。

考えられる物としては、単純に後ろ、首筋肉全体のこわばりによって迷走神経系が圧迫されて起こった。

あと有名なのは頚性神経筋症候群(CNMS)っていう雅子様もなったっていう頚椎神経系を外部の筋肉の圧迫でなるもの。まぁ自律神経失調・不定愁訴も合併する。

もっと有名なのは頚椎めまいっていう言葉だね。頚椎のズレ、病気によって神経が圧迫されておこるもので比較的経度なもの。
ムチウチして起こす物はこれね。

とりあえず、俺のただタンに肩こり、後頭筋、胸鎖乳突筋、三角筋、僧帽筋あたりが言ったわけ。

しかし筋トレしてるのになんでなったんだろう?w









  わたしは約束します。きっとあなたを助ける事を。





















 最初は父のほんの気まぐれだったかもしれない。
 来日していた円谷正孝とアドニス・オルグレン両名とは彩夏の家族含め、幼い頃から家族ぐるみで親しかった。だからかもしれないが、父とアドニス先生に緊張関係が続いているとはいえ、在日米軍基地へ見学につれていかれ、なんの流れか射撃場のレンジに立たされたのは。
 まだ十三歳だった僕は嫌でも銃の重さとその恐ろしさを身につけさせられた。その当時になってみれば、それを静観していた父も、喜んで教える先生も理解できなかった。泣きべそをかきながらとても持てない鉄の塊の引き金を引き続けた。
 ただ、もしかしたらアドニス先生はたった十三歳の子供を本気で訓練する気でいたのかもしれないが、今となってはわからない。
 最初の十二発、全てを的の中心に必中させた僕に。
 江東区にあったその小さい基地が、紛争によって横須賀に吸収されるまで彩夏と銃やら柔道やらと訓練を受け続け、派遣先でなんの運命か、出会ってしまった円谷先生とアドニス先生に有事だからと叩き込まれた。
 パークタウン州軍学校の射撃場でアドニス先生は様々な銃と色々な武器を並べ、何がいい? と僕に聞いた。
 僕は近場にあったナイフを取ってこれが良いと言うと先生は大笑いをした。何がおかしいのか途惑っていると先生はなぜそれを選んだ、と聞いてきた。僕は銃は怖いというと更に大笑いをした。お前にはまだナイフは早いと取り上げられ、銃を渡された。
 お前は戦うことに迷いがある優しい性格だ。そんな奴にナイフを持たせたら殺されると。
 だから銃がいいと言った。
 そういう先生の顔は満面の笑みで僕の頭を撫でた。
 この時、初めてアドニス・オルグレンという軍人は英国陸軍少佐という階級だということを知った。


 ノックバックする銃を脱力して力を逃がしながらまたトリガーを引く。
 あの時、なぜアドニス先生がナイフを止めたのかは分からなかったが、人並みに使えるようになってからそれがよくわかった。
 的を変えて連射で中心を打ち抜いていく。薬莢が時折顔に当たってその熱さに自分の冷静を確かめられる。
 僕は使う前からナイフを人並み以上に扱えてしまっていた。知識がないのに技術が卓越初めから卓越していた。先生は教えているとき理由は言わず、天性の才能と言っていたが、また子供には不要な才能だとも言っていた。
 地面の五つの的が同時に立ち上がると射線を変更して三点バーストで打ち抜いていくが、二枚でバレルがコックした。そのまま右手の銃を離すと同時にヒップホルスターの銃を左手抜き放ち残り三枚の中心を抜いて、全体をなぞっていく。
 先生はきっと僕に途中で教えることが間違っていると思ったのだろう。平和でいられるはずの子供が、「望む望まないどちらかを選択していたか明らかだった」としても、それはこの時代では僕を不幸にすると思ったのだろうと思う。
 バレルがコックしたと同時にマガジンをリリースしてリロードし、コックを外して射撃体勢に戻る。今度はツーハンドで的の頭、足を順々に撃ち抜いていく。
 それでも、先生は教官として仕事を全うした。一体どうしてそこまでしてくれたのかはついぞ聞けなかった。
 全弾打ち終わり、コックした銃からマガジンを抜き、一度バレルをスライドさせてセーフティをかけて目の前のレンジの棚に置いた。薬莢が転がっている足元と銃からマガジンを抜く作業をして考える。
 どちらにせよ。僕には銃もナイフも必要ないのだと、先生は教えたかったのかもしれない。
 先生はそんな事は考えなかったかも知れないけど。
 でもきっと覚えなくてもいいこと覚えてしまった事に罪悪感があったのだろう。ただの子供に。それを気紛れで。
 そしてそんな分かりもしないことを夢想する自分に嫌気が差す。
 していた耳栓を外していると、後ろから武藤さんが耳当てを首に下げて言う。
「いや、もう採点する必要もねーな。パーフェクト」
 僕は上下長袖の私服の上に防弾チョッキをつけているが、武藤さんは普段のスーツ姿の格好でいるとどうにも異質に感じられる。奥のベンチには同じく梶原さんが、驚きなのか賞賛なのか笑顔で僕を見てきた。
 あれから五日、能力テストとは武藤さんが言ってはいたが、どうやらどのくらい通用するかどうかをみたいらしく、ただとにかく与えられた課題をこなしていくだけだった。市谷駐屯地では射撃場での射撃、狙撃、又は格技場での対人格闘から防具をつけての剣道、さらに摸造刀による試合。摸造とはいっても刃は鋭利で防具に入ったら確実にめり込むものだ。
 対人格闘から剣道まで全て梶原さんが相手をしてくれた。なんだか他の仕事までしているというのに時間を割いてくれてたようなので、少し申し訳なく思ったけれど気にしないで、といつもの笑顔で返す彼にはどうにも同情を誘われた。
 特に梶原さんは交渉役だから後方専門と思ったら大間違いで、格闘技諸々バリバリの達人クラスだったのは当然と言うべきか。
 興味があったのは格闘技の技。こちらが腕を絡めて重心を崩したと思ったら、気づいたら床に倒されている。上段打撃のフェイントから左上段蹴りをしたらあっさり捕まれて足払いから倒され寝技。
 打撃を捌いて攻撃を返すと腕を固められぐぅ、と言うまで固定される。詰まるところ、相手の体の破壊を目的としたもの、近接格闘技に似ていた。そのものじゃなく似ていたのは本来相手を破壊する、制する目的のところの近接格闘より、柔軟だったからだ。
「僕のは確かに近接格闘術には似てるね。でも僕はどちらかと言うと逮捕術から円谷さんに教わったから、どちらかと言うと自衛隊格闘術といえばいいかな」
 しかし恐ろしいほどまで鍛錬されていた梶原さんの技はもっと別の、そう僕が使っていた物と似ている。
 前に高木さんが言っていたが使い手は僕含めて三人の「円谷流格闘術」だ。名称通り、円谷個人が考案したもので、現行の自衛隊の格闘技の素案でありそれの作成をしたのが円谷一佐で、オルグレン大佐と共通のコーチを持って教えられた機会があったのはこの三人ということだったらしい。なんでも試験的に日本の格闘技を取捨選択、僕に教えたのがきっかけで、高木、梶原さんは余興が乗った、というかノリで南に行く前に訓練を受けたという。
「そのときにはすでにちゃんとした格闘術があったからね。わざわざ変な格闘技を覚えるとクセが出て、足元掬われるとかいって教えちゃうのが円谷さんだけれども」
 そんなことを笑いながら言う梶原さんに少しだけ共感できた。
 実際のところ、僕は慣れるまで円谷流を使っていたし、そうそう習得した格闘技を変えれるものじゃない。空手と合気道に大陸拳法の三分類で訓練しなおすまでクセがでた。実際に梶原さんにやってもらったら、足裏に隙が出来て軽く転ばせる事ができるし、打撃の後、腹が開くので空手で吹っ飛ばせる。あくまで近接で相手を制圧するもので破壊するものではない。でもまぁ、使い手ともなるとそんな隙すらないのだが。
 そのクセをついて梶原さんをすっ転ばせた後の刃引きした真剣による防具試合ではボコボコにされた。五段持ちでちゃんとした剣術を持っている剣士に勝てるわけがない。
 そんなこんなで場所を西に移して朝霧駐屯地というところで連日射撃ばかりしていた。どうにも先の自衛隊駐屯地編纂で廃止になった部署がここに集まってるとか。よくわからないけれど。
 僕は使った銃の初弾が薬室に入ってないか確かめてからスライドを戻し、弾層を空にした後に安全装置をかけてレンジにおいて離れた。
「いや、もう何度もやってますし所詮的ですから法則性を覚えちゃえば抜くの簡単ですよ」
「いや、その中心抜く以前に風向とか色々あるんだけれどね」
 そう言って梶原さんがいつもの笑顔でヘッドセットを横の机において立ち上がる。
同じくスーツ姿の武藤さんは何時もの無表情で立つと、僕と梶原さんを見て言う。
「じゃあ、締めに近接戦闘でもやるか」
「近接戦闘?」
 僕が疑問の声を上げる。格闘技、はやったからそれに類する物だろうけれど。そんな僕に梶原さんは、
「日本特有の表現だね。CQBだよ。屋内戦闘みたいなものだ」
 そう笑顔で説明してくれる。


「そうは言っても、あんまり射撃とかとかわらないな……」
 左手首に嵌めた頑丈そうな腕時計を見る。十分経過。現在階数は三階通路中ほど。四階の梶原さんまで直線で言えば約二百メートル。
 あの後、駐屯地の脇にというか中にそれほど広くない模擬市街戦及び室内戦を想定された建物やプレハブが建てられていた。対テロ用の訓練に使われたり銃火器の近接戦闘訓練時に使われたりするらしい。それぞれの駐屯地にはあるにはあるが大規模なものは日本では三箇所あるとかどうとか梶原さんが話していたが、まあ、僕にとっては訓練できればかなりどうでもいい知識なのだが。
 内容としては簡単。四階建てのプレハブ二棟から、立てこもった犯人役、梶原さんを僕が正門から突破制圧するという状況。装備は上下迷彩使用の陸自の支給品に、僕のリクエストで軽量型のタクティカルベストに運動靴。武器は機関銃にMP5が一、拳銃にグロックが一。ナイフが三本にスタングレネードが一。予備弾層が四。最小限の装備で突破しろということ。
 外で跳ね上がった標的に撃った弾を見たが、初めて使うペイント弾だった。海外の軍事訓練では使用されてるとは聞いたことがあるが、日本の一部でも使われ始めてるらしい。
 そんなこんなで無難にクリアしていき、左右の内、トラップの多さから左棟にいると判断。中は障害物になるような机が転がっていたり木屑が散乱、何度も使いまわしている事がわかる。窓は危険だと判断されたのか、ガラスが抜いて枠だけだった。廃屋のプレハブには簡単なテグスを使った粉末トラップやら、網が飛び出す対人地雷らや、土台に固定されたコンピュータ制御の自動機関銃に予め潜伏していた犯人役の自衛隊員やらがいたが難易度は高くなかった。ペイント弾は銃から発射されるため決して威力は低くなかったが、そもそもの火薬量が調整されてるらしくそのまま頭にうけても大丈夫らしい。ということで先の自衛隊員にはヘッドショットで退場願ったが、彼らのベルトを拝借した。現場にあるモノはなんでも使っていいということだったので。
 あっちの制御か、空中に跳ね上がった対人地雷を床に転がるように避けて、そしてすぐさま頭を下げる、と、壁にペイント弾が付着する。
 右棟からの狙撃。三階に上がってから狙撃が始まったが、ポンっという火薬が少ない弾特有の音にどうにも相手の場所が特定できない。撃った瞬間の狙撃手を二人当てたが、屋上にいるのはどうにも出来なかった。
 三階突き当たりまで来て四階への階段の踊り場で一旦止まり、工作をする。一階で回収した六メートルのロープを肩にかけて自分のベルトに通して固定。回収した三本のベルトを特殊な結びで一本にし、片方にはスタングレネードを縛る。
「さてと」
 三階踊り場から三階に戻り、ダッシュで突き当たりの窓枠をけり壊すと窓枠を両手支持しながら四階の縁へ懸垂の要領で一気に倒立、屋上の狙撃手が見えたが、流石に驚いて止まっていた。そのまま寝転がるように縁に倒れ直に同じく四階上の屋上に、登り、フェンスにベルトを縛り、そして自分のロープを縛った。
 ベルトの長さが「ちょうど窓へ入ったところで止まる長さ」で、先にスタングレネード。そのピンを外して四階窓――梶原さんが立てこもっている部屋と投げ入れた。


「物凄い命中率ですね。頭の後ろに目でもついてるんですかあれ。狙撃すら避けてますよ」
 横で監視カメラとトラップ制御をパソコンでしてた隊員が言う。
「いやー、あれはアッチのほうでもそういう訓練してたらしいから慣れてるんじゃねぇの」
 そう、まったく感心がないように無表情でタバコを銜えている武藤は、両棟が見える屋上で片手に無線機をもったままぼー、っと様子を見ていた。
 上がってくるのは歴戦の隊員の退場報告に全てのトラップつぶし、狙撃手が反対に撃たれるという始末。
 そもそも梶原が左棟にいると判断したのはあのトラップのクセだろう。梶原と智之は最初こそは互いを探り合っていたが、元々どこか気に入った所があったのだろう、訓練をする度に会話の回数は多くなっていたように見える。
 いや、多くなってもらわないと困る。これから何がしかのテロだのと相対しなくちゃならんというのに身内で足並みそろってねーなんて考えたくも無い。それで失敗して全滅したとかいう隊はいくらでも聴いたことがある。だからこそ、だが。あの二人には互いを信頼できる関係になって貰わなければならない。智之は稀に見る敵さん側の情報を持った凄腕少年兵だ。これを使わない手はないしがその手綱を引くのは梶原しかいない。
 だが一つ気になってるとすれば、最初に課にきたとき言っていた昔の暗殺の件。さすがに管轄が国家公安委員のため、自衛隊のほうまで情報は上がってきていない。調べれば幾らでも出てくるだろうがそれは警察庁の佐々木真奈が許さないだろうし。
「……結局二人でお方付けしてもらわないということにはかわらないか」
「なんですか?」
 タバコの灰を灰皿に落としながら言った言葉に監視の隊員が言う。
「いやいや、奥手の恋人二人はどうやって結ばれるかって言う話」
 武藤が苦笑しながらタバコを銜える姿を隊員は不思議そうに首を傾げる。
『こちらC2。突破されました』
『屋上狙撃観測です。対象は三階階段で止まりました』
 がんがんとトラップを突破していく智之が、止まった? ラストは四階の梶原だけ。
「一騎打ちじゃないとすると……」
 武藤は双眼鏡で梶原のいる部屋を覗き込んで、「階段から一直線下」ということに気づいた。無線機の周波数をボタンで変えて吠える。
 視界ではすでに三階の窓枠が蹴り破られていた。
「梶原、窓から来るぞ!」


「うっわー、完全に僕、やられ役だよね」
 無線機から続々あがる智之の進撃に笑いながら、いい加減準備をする。部屋の入り口は一つ。窓もあるが広い部屋なので念のために五メートル距離をおいておく。机とプリンターを横倒しにして即席塹壕を作り、入り口、部屋に二箇所トラップを作成。
 こちらの武器は同じく機関銃一丁と拳銃にグロックが二丁。予備弾層は床において格闘戦を想定しておく。
 とにかく入り口に銃口を向けて智之が現れるのを待つ。元々パークタウン州軍の軍学校で学んでいたのだろうから何が飛んできても不思議じゃない。
『屋上狙撃観測です。対象は三階階段で止まりました』
 床に置いた無線機から自衛隊員の声がした。
 階段で止まった。 なぜ? 今まで直進してきたのに止まる理由は……。
 しばらくして、横の窓を見た。
『梶原、窓から来るぞ!』
 その声と同時に部屋は光と音に包まれた。


 スタングレネードが空間発光したのを確認して、即席ロープでラペリングする。股を通して背中から肩に落とし、右手で一気に数メートル降りると勢いをつけて窓枠を蹴り破って、ベストから出したナイフを両手で持ち、上下のロープを切って転がりながら侵入、そのまま梶原さんの所へ突入する。
 スタングレネードは床に転がすよりも空中のほうが効果が発揮される。それがどのくらい梶原さんに通じたかわからない。
 現に梶原さんは片目を瞑って、発砲してきた。しかし音響でやられたのかまったく当たらない。ナイフを拳銃に投擲して銃を落とさせると僕は背中に吊っていた機関銃で斉射するも、梶原さんは目前に迫った僕に机を蹴飛ばして掴みかかろうとした。
 しかし機関銃を捨ててもう一本のナイフを梶原さんの首と胸に寸止めしたところで終わった。もちろんナイフは強化プラスチック製だけれども。
 右手の拳銃に左手でなにか掌底をつくった肩の梶原さんは少し残念そうに微笑む。
『よし、CQB能力テスト終了! 智之オールクリア』
 館内放送から武藤さんの声が響いて僕はようやく力を抜く。上にある監視カメラを見て息を着く。ぶっちゃけスレスレだった。順当に入り口から入って混戦しても良かったが、梶原さんの事だから負ける確立も高い。だから確立を減らすための窓から。奇策というか力業もいいところだけれどなんとか上手くいったというところだ。
 梶原さんはすでに銃をしまって両手を天井に向かって伸びをして転がってる椅子の一つに座ってため息をつく。
「はー。終わった」
 物凄く疲れたようなため息。まあ、その所は少し申し訳なく思う。この僕の訓練のために何日かは止まりこみだったのだから。
 僕もナイフをしまうとその場に座り込んでしまう。ぶっちゃけると僕も連日訓練でつかれていた。
「いやー、まさかとは思ったけど、本当に窓から来るとはおもわなかったねえ。特殊部隊以上じゃないの?」
 梶原さんが疲れているのか抑揚のあまりない声で言う。
「はあ。なんというか梶原さんに正面突破しかけても返り討ちに会うなーとか考えてたら自然と」
 その発想が凄いんだよ、と少し梶原さんが苦笑し、僕も少し微笑む。
「ああ、あとさ、藤沢祐樹の母親を殺したのは僕だ」
 突然の告白。いや、ただの事実をいっているかのような淡白さで梶原さんは言った。その彼は少し気まずそうに頭を掻いて言う。
「実際の所、僕が殺したかどうか分からないんだ。智之君も知ってるとおり死因は交通事故。だが、あの時の情勢では暗殺と思われて仕方ない。だけど、僕がやったことといえば、祐樹のお母さんとは例の事故調査の過程でお会いしたことぐらい。当時は彼女も必死でね。かなりの剣幕で援助を求められた、だけど僕達は一介の警察官だ。上にも話しを通したけれど一切関わるな一点張り。日本政府も自己保身に走っていたから面倒ごとは背負い込みたくなかったというのが実情だね」
 でも、それだと、
「梶原さんが殺した事にはならないんじゃないですか?」
 梶原さんは少し黙った。話を整理しようとしているのか少し僕を見て、両膝に両肘を乗せて言う。
「いや、僕は彼女を見捨てられなかった。当時の僕は今ほどじゃないけれど熱血だったからね。彼女に僕の私用の電話番号を渡していた。そして何回もあって今後のことを話していたわけさ。そこで……イギリス側の関与していた軍将校が一人、銃で撃たれた姿で発見された事件が起こった」
「……それは僕も聞いていません」
「極秘のものだからね。だから僕は彼女を呼び出して直に帰国するよう説得するため、呼び出した。だが事故が起こった」
 …………。
「被害者団体のトップが死亡だからね。暗殺の線はないかどうか調べたが、事故車は火で完全消失。だけど、周辺住民から当日怪しい二人組みを見かけたという証言がとれた。さあ、そこから捜査だというところで先に帰国していた真奈さんに強制帰国させられたというわけ」
 話は、よくわかった。
 これは恐らく梶原さんの僕への、というか被害者全員への贖罪、罪の懺悔なのだろう。助けられたかもしれない命を助けられなかった自分への自己嫌悪。言いたくても僕のような子供にしか明かせない秘密。そしてその秘密の小ささに対するバカらしさに苛立ちが募る。
 彼が「殺した」というのは殺した過程に自分が入っているということだ。自分が殺したわけでもないのに自分が殺したというその優しさ。欠点となるその点を僕に露呈している。
 口を開けるのに開いてはいけない。そんな状況に今自分は置かれている。「そんな経験は僕は何年も経験してきた」。
 共感は出来る。だけれども、
「それは、本当に真実なのですか?」
 嘘と言う事は無いが、梶原さん自身が曲解している可能性がある。
 梶原さんは僕を見て、そしていつものように微笑む。
「僕が嘘や誇張を言うと思うかい?」
「いえ、思いません」
 即答した。僕は微笑まなかった。
 でも、彼は信じるに値する。いや、信じようと思う。こんな「怖がり」な人が嘘を言うはずが無い。
「そっか、じゃあ、早くお姫様達を助けないとな」
 そう言って梶原さんは立ち上がった。


          □


 どういう上でのやりとりがあったのか、僕は梶原さんと二人一組で組まされる事になった。もちろん正式な手帳まで発行され、正式な四課の課員となった。
「いや、ガタイと身長がいいからそのままスーツ着てても拳銃目立たなくて助かったわ」
 と、武藤さんは言って分厚い書類を僕に渡してきた。ここ最近の東京で起こったテロの詳細な経緯と考察などなどだった。
 僕もこの「レアノア」が関与してるテロは興味が前々からあったので実際に見回る日々を送った。
 そして三日後、八月二十五日。四課のオフィスの会議室に佐々木真奈情報局局長に高木さん、武藤に梶原さんほか数名の課員が集まっていた。
 議題はもちろんのこと、僕が情報提供した来日するイギリス将校を「レアノア」が殺害するというものだ。
 厳密には現在日本にいる菅原彩夏と長谷川和美二人がやるであろうと。
 着慣れていないスーツ姿で会議室の前で僕は言う。
「すでにわかっていると思いますが、今回、日英同盟後の被害者支援の日本政府との答弁参加として来日されるアークライト駐日英大使、アストン中将、その他書記官などいますが、今回襲われると思われるのが現在、オーストラリアに在留しているイギリス軍の全権指揮を持っているアストン中将と思われます」
 僕が資料を見ながら言う。座って、何も言わずに手元の資料に目を通している。
「今回の目的はアストン中将の護衛ではなく、菅原彩夏、長谷川和美両名の身柄拘束です」











Reality is always cruel, but there is the help.







まぁ厳密にはC1、手前。象牙質表面の侵食。
下左3番に、右上2番、あと治療済みのセラミックがかけてたから左上の犬歯の補修。
うーんまぁw生活習慣っていわれたんだけどおもいあたるのでそれですねぇw

ちゃんとみがいてなかったし。はぁ。やっぱ作業おおかったかし、甘い物くいすぎってことだなーw

最近いそがしかったからなー、歯、自分でみても黄色かったしナーw

前は白かったのにここまで黄色くなったのはあきらかに私生活の乱れやわw

んー。しかし麻酔なしだったから全身汗かいたよ!いたかったよ!wwまったく。

ああ、後の諸々はあとで書きます。

あ、めまい症はあいかわらず。

例の両性突発性頭位めまい症だけれども。かかれてた理学療法を毎日やってたらうーん、なおったっつーかまた頻発しなくなったねぇ。

リンパ液の流れの問題なのだから、これは普通の浮動性めまいとか貧血とかはきけとかの基礎的な応急処置にも使われてるよねぇ(頭挫のばあいだけれども、どちらにせよおこる器官はそこ何だからねぇ)まぁ覚えておいて損はない。

通常の場合はベッドに上半身起こして枕が肩に当たるようにして頭が下がる頭垂の状態になる。左右45度30~1分傾けた後にベッドに起き上がるか安静にする。
つまりかんたんなことに、半規管とか前提とか蝸牛だのを動かして正常に戻す運動、なわけで。
「頭を低くして」っていうのはそういうわけでもある。

まだ俺の場合は耳石カンケーしてっからあと①週間かなぁ。

いなりこんこん恋いろはアニメ化かー。まぁ作るとこでかわるやろうし、どなんやろなー。でもはよいなりの京言葉ききたいわーwぶちゃけGAのあーさん的なキャラやってんな、ああいう設定も面白い。

かみちゅかみちゅいわれるやろなー

そんでさっき知り合いのいるスーパーで飯買ったとき
「結婚したの?」

( ゚д゚)

やっぱもう「そんなラノベでもでるような定型句が聞かれる年齢」になったのかーそっかー・・・。

いやちゃうねん。

ちゃうねん。

結婚願望とかないとかないねん。

ただそういうこと考えた事無いってことだけねん。
具体的にいうときっと、俺は仮に好きな人をずっと生涯幸せにできねーだろーなーとかは建前で。ぇ
つまり恋人でも夫婦でも好きというイベントがおこり続かなければその信頼関係は解消してしまうわけよ。まー他人だからね、その思想とか価値観、概念、主義うんぬんと「相手を相手として認める」段階を踏むことが必要性なわけ。
だからデートしたり同棲したり電話だのなんだのっていうのがあるわけ。
あれは「付き合ってる」だとかじゃなくて「そういう儀式があるから」やってるわけでして、それらが出来ていないとマンネリっつーじゃん?あと「・・・私たち、付き合ってるんだよね?」とか定型句がくるわけよ。

さらにその「頻度」や「程度」は個人個人によって差があり~とはいもうメンドイw
好きになったぐらいの勘違いでいける場合もあるけども、少なくとも話し合い程度は毎日必要やんな。
接触と非接触を繰り返すことが重要で、その後に「子孫を残したい」と思うようになったら結婚ということになる。そういう「儀式の段階」をふむことによって十全な夫婦になれる。ここまで恋愛心理ですが、この後には発達段階における夫婦への「発達課題」」というものがありまして(ry

ということで俺はめんどくさい。んー好きになるっつーか。ちゃんとした恋人になるまでにも色々あんじゃん、もうその段階でメンドイ。その時間をかね稼ぐほうにまわしたほうがかなり生産的だとまぁ今は思うわ。
*個人の意見です

・・・ながながとかいたけどーつまり俺は夫婦になった後、問題なく夫婦をしていて互いに「嘘や誇張なしで」互いに好きといえる二人は奇蹟だなーとか思うわけ。

いなりアニメ化wktk

・・・しかし境界マジつまらんなーwもっとMADとかもでるとかとおもってたのにこうー。。。なんだろうなぁw早いよねw特に戦闘が。なんでもっと2話とかわけなかった?みたいなw
視聴率は一部高いけどなんでみてんだろーなーってアンチじゃなくて純粋に「MAD」の観点から不思議。原作よりも設定作ってやりやすいっていうのに・・・「なにをそんなに慌ててるの?」っていうかw
京兄って戦闘入るとダメなのかなーって思った。
普通に真城だして12話で凪+影討伐にすれば見栄え良くなったんじゃないかねーでも京兄オリジナルだからしかたないねーすっこすっこ。




  そんな気まぐれ。



















Garde de la foret
 数日、数ヶ月、数年が経った。
 様々な事が起こり様々なことが起こらなかった。
 エメが魔女と出合ったのは二度あった。
 一度目はあの日の橋の所で。
 二度目は散歩の途中だった。
 その日は天気もよく、森も機嫌が良く、息子を伴って森の外の小川まで繰り出していた。
 息子がぐずったので笑い、長くなった髪をかきながら抱っこする。その時道の先から一人の老女が歩いてきた。足にぴったりとしたズボンにゆったりとした上着にカーディガンを着ていた。
 エメは会釈しようと思ったが、老女が目の前まで来て、「わかった」。
「なかなかいい顔になった。来たばかりの時は心配したが」
 声は女性でも男性でもないような、耳で聞えるぎりぎりの音のようで判別できない。なにより、「老女の顔が目の目にあるというのに分からないという事実」には普通なら恐怖を抱いただろうが、エメは笑顔で答える。
「それはありがとうございます」
 その反応に老女は大変つまらないように鼻を鳴らす。
「面白くも無い。あたしはただ確認しにきただけだ。答えな。最近森のことを街に伝えているね?」「はい。そもそもあの規範がおかしいと思ったんです。人々にも理解してもらえればもっと世界は豊かになるんじゃないでしょうか」
「人間には出来すぎたものさね。あんたはわかっちゃいない。それは罪だよ。何も知らない文化に新しい文化をかぶせ、強制的に進化させるなんて神様の所業だよ」
「それを受け入れるのも受け入れないのも、進化させるのも衰退させるのも人たちの采配だと思います」
 しばらく沈黙が続いた。エメからは表情が伺えないが、きっと渋面を作っているだろう。
「ま、あたしが割って入ることじゃないけどね、勝手にしな。もし衰退して滅亡したらあんたはどんな責任を取るんだい?」
「私が復活させます。私の命を持って」
「…………」
 しばらくの沈黙のうちに老女は言う。
「可愛い息子を作ったもんだ」
「はい」
「せいぜい大切にしなよ」
 そして、老女はまるで初めからそこにいなかったかのように立ち消えた。
 エメはしばらく難しい顔をしていたが、笑顔になり、息子へと顔を向けた。
「結局、彼の名前は呼べなかったわね」
 親子はゆっくりと川沿いを歩いていく。






 数百年が経った。
 イギリス、ノーサンプトンにある寄宿舎学校。その今時木造建築という古めかしい高等部男子寮通路を、制服に身を包んだ少女がスカートを翻しながら進んで行き、目的の部屋の目の前で止まった。ノックも何も無くいきなり扉を開いた。中は雑多な本とパソコンに良く分からない小物と服がそのまま放ってある。その中にかろうじて寝台と分かる上に一人の男子が寝ていた。その様子に少女は顔を顰めたがとりあえず言った。
「ねえ、あなた、グレン・バクスターよね?」
 来訪に気づいていたのかどうか分からないが、黒い茶髪に異常に白い肌で整った顔の、女性のような風貌を覗かせた本人は、寝ていたようで全く驚いていない。
「そこのプレートに書いてある通りだよ。それで君はアン・ケンウッドか? 最近噂の」
「噂って何よ」
「『片っ端からパートナー勧誘してはその後に投げ捨てるかのように使い捨てる』」
 少女、アンはぐったりしたような顔になる。
「あれはだってしょうがないのよ。途中で怖気づいちゃったり、使えなかったり」
「それは君の都合とも言えるよね」
 少女は薄い金髪に碧眼、整った顔立ちつまり美少女の―この中部ではない珍しい―風貌だったので恐らく本都のロンドンからきたのか、寮生だろう。
「とりあえず、逆にあなただって噂になってるわ。なんでもパートナーを取らないからずっと学校で座学してるって」
 アンは髪を掻き揚げて勝った様に笑ったがグレンは言う。
「いやだって。パートナー制度は別に採らなくても卒業できるし、めんどくさいし」
「明らかに後者が理由よねそれ! ああ、もう! そんなことはどうでもいいの! あたしの専門は降霊・召還術、あなたは?」
「錬金術。ああ、残念だ。合わないな、じゃあ」
 茶髪をガシガシかきながら寝台にねっ転がったまままた寝ようとする彼にアンは怒鳴る。
「嘘付け! あなた全分野オールA+じゃないっ! 実践魔法もラーククラスだって教授から聞いてるわよ! いいからあたしとパートナー組なさい」
「えー」
 グレンはここまで口以外一切動かしていない。アンは制服のブレザーのネクタイを直しながら、目を細めてグレンを見る。
「いいよ。暇だったし、試しに君のパートナーになろう、それでどこに行くの?」
 意外に軽くそれを聞かれて、アンは腰に手を当てて宣言するように言った。
「フランスのパリ郊外のド田舎に面白い森があるらしいわ。まずはそこからよ」









Do you think that the future lasts?















  斬り急ぐ如く、剣魂つる。




















Le magicien
 それは黒かった。
 それは細かった。
 それはまるで粘運動するミミズのようだった。
 「何かが」。「何かが家の中に入ろうと扉を開けようとしている」。
 エメは「それ」を目撃した時悲鳴は少しあげたが、目の前の事象に考えが追いついていなかった。
 それをよくみるとなにかの「手」のように見えた。太い腕にいつくもの手が生え、焦らすかのように扉を徐々に開けようとして床に張っている。
 エメが思わず走りよって扉を無理やり閉めようとしたが、少し室内入っていた「手」が抵抗してなかなか締められない。
 その時、外から声が聞えた。
「行け!」
 それとともに家の揺れは収まり、狼の威嚇と何かを噛み砕く音、そしてその悲鳴。
 先の声は狩人だ。そして狼は何かと争っている?
 その時、外から灯りが差して目の前の「手」も一部見えた。
「…………っ!」
 エメはなんとか悲鳴は飲んだがそれをよく観察できてしまった。それは木だった。表面にはいくつもの「顔」があり「手」だと思っていたのは枯れ木の枝と幹。しかし異常に黒いものだった。
 無意識にエメは胸に下げていた獣笛を吹いた。吹いた瞬間にどこから現れたのか、あの白毛の大狼がエメの後ろから目にも止まらぬ速さで扉から室内に侵入しようとしていたそれを外に獰猛に押し出した。それと瞬間にエメは扉を何とか閉め、施錠すると、急いで一階のリビングにいくと明かりをつけて机の前に小さくなって耐えた。
 外からは狼が複数匹、何かと争う音。木が折れる音に何かがぶつかり、割れる音。
 エメは全てが怖かった。何がどうなっているのかも分からなかったが、とにかく狩人が来てくれるの待った。
 しばらくして扉を叩く音がしてエメは体を震わせた。
「僕だっ! 開けてくれ」
 エメは急いで開けると狩人は入ってくるなり直に施錠し、エメの両肩に手を置く。
「まさかとは思うが、外にある花壇を弄ったね? あと横にある枯れ木も」
「ごめんなさい。私、少しでもあなたの力になりたくて。喜ばせたくて。でもよくわからないけれど、そのこんなことになるとは思わなかったから」
 そこまで聞いた狩人は頷くようにその言葉を吟味した。
「大丈夫だ。大体のことは済んだから。朝まで家中の灯りをつけて一緒にリビングで開けるまで待とう」
 そう言うと狩人は蝋燭をつけて回り、怖がるエメを抱いて夜があけるのを待った。
 不思議な事に狼の吠える声も、木の軋む音も、なにも聞えなかった。
 朝、太陽が出てから、霧がかかる家の外に出てみてエメは驚いた。
 昨日までなかった木がそこら中に立っていたからだ。さらにそれらは恐らく、狼によって噛まれた後や折られた後、さらにそのまま折られた姿と残骸を散らかしていた。家を顧みると家の屋根にも木の枝が残っていた。
「これを見てしまったからには言わない事は出来ない。花壇も横の枯れ木もこれらから守る為の物だった。話さなかったのは僕の過失だったが無駄に君を怖がらせたくなかったんだ」
「……そう」
 エメは狩人の気遣いは嬉しかったが今は何を聞いても全て信じてしまう心境だった。
 枯れ木があった場所には粉砕された木があった。バラバラにされてエメがかけた布だけが残っていた。
「いいわ、これから徐々に知っていけば」
 あの狼は結局どこへ行ったのだろうか。花壇はめちゃくちゃにされ、ボロボロの木の根が蔓延っている。
「……これは何なの」
 狩人は言おうかどうか迷ったらしいが少し口を開く。
「魔女の副産物だ。この森は魔女によって作られている。だから僕が、『僕らが』番人なんだ」
 エメは良く分からなかったが、うん、と頷くと、ふとこちらを見ている視線に気づいた。
 霧の中、小川に架かる橋の上に人がこちらを見ていた。
 シルエットからして女性だろうか、手には長い銃を持っているようにもみえるし剣にも見える。
 しかしその人物は直に輪郭が崩れ、犬のようなものになると走り去って行った。



  It is hard that I take a life even when.









  君につくというならつくのかもしれない。



















L`Accident
  魔女が住むという森へ越してから一ヶ月がたった。エメは家事の殆どが出来るようになり、狩人の手を借りなくてもよくなった。
 森林の中は広く、エメはよく野草や食べられる食料を探しに行った。種類は少ないがエメ自身で調べ、独自に学習して実践していったものだった。最初こそは狩人にダメだしを出される事はあったものの、最近では自分で判断して料理に使えるまでになっていた。散歩がてらあるく森は誰もおらず、エメは存分にその生活を楽しんでいた。
 小川は広く深く浅く、魚は流石に採れないが縁で休む事が多くあった。時折エメの散歩には狩人の狼がついてくることがあった。人語を理解しているのではないかというほど賢く、代わりに魚を採ってきたり、野草も持ってきたりする。
 森は大変広いために家の周囲だけしか散策できない。なにしろ目印が小川ぐらいで他にないし、なにより狩人から遠くまで行かないようにいわれていたからだ。でもエメにとってこの綺麗な森が大変気に入っていた。狩りや用事でいない時には特に外に出るようにしていた。
 ある日、狼を連れて森の奥まで言ったエメは奇妙なものを見つけた。そこは広場になっていて花や芝生が生えていたが枯れた木が数本、疎らに立っていた。その枯れ木は異様に黒く、枝はまるで触手のように四方に散っており、なにより、木の中心にある模様が人の顔のように見えて少し怖くなった。傍の狼に吠えられるまで呆然としていたエメは、それを見なかったことにすると、早々に家に帰って全ての窓を閉めて扉に錠を掛けると、狩人の帰りまで夕食の支度をして気を紛らわした。よく考えなくともエメは一人でいるのに慣れていない。こんな森の中で一人でいるということにようやく気づいた。
 夕食の支度を終えると身体を洗い、寝室からの窓から狩人の帰りを待った。
 夕方頃に帰ってきた狩人を迎え入れ、夕食の席につくと同時に今日のことを話す。ふと思ったことエメは聞いた。
「そろそろ実家に帰ってみたいのだけれど、出来るかしら?」
 それを聞いた狩人は端正な顔を微妙に変化させ、肉をを刺したフォークを置いた。
「すまないが、この森からあと先、一ヶ月は出ることが出来ない。ご両親に会いたいのはわかるが、少し待ってくれないか」
 意外な返答にエメは酷く混乱した。
「でも、あなたは森の外にでているでしょう?」
「ああ。だが君は別なんだ。意地悪をしているわけじゃないが」
「……また言えないの」
 狩人は食事を再開して、言う。
「ああ。すまない」
 エメは自身は色々と自分でできるようになり、狩人の役に立っていると思っていたがやはり信用されていないんじゃないのかと思い始めていた。
「前から思っていたけれど、その秘密というのはなぜ秘密なの?」
「それも言う事ができない。だけど近いうちに教える」
 教える、というのだからきっと教えてくれるのだろうけれど、いい加減自分が一緒に生活しているにもかかわらず、狩人のから保護されているだけという状況に腹がたった。腹がたったがそれが理不尽だということはわかっていたからただ言う事にした。
「今日散歩の途中で奇妙な木のオブジェクトを見たわ」
 それを聞いて狩人は驚いたように食事の手を止めた。エメは後悔と腹がすく思いと嫌な後味と感じながら言う。
「あなたの狼に急かされて、怖かったし急いで帰ったけれど、あんなのはじめて見たわ」
「エメ、何もなかったのか?」
「そういうことは何かあるのよね?」
 狩人は黙ってしまう。その態度に苛立ちを覚え、エメは食事を早々に片付けると、挨拶も簡単に先に眠ってしまった。
 翌日、早朝に起きたエメは既にどこかへ行く準備をした狩人とあった。昨晩の出来事は全くなかったかのように狩人は普通に振舞っていた。
「今日はかなり遠くへ行く。何度も行っているが、今日は外に出るなら家の周りだけに。そして周りの物は動かさないように。夜になったら全ての戸締りをしてリビングに蝋燭を一つともして、僕が帰ってこなかったら先に寝ていてくれ。分かったかい?」
 狩人は今日も多くの狼を待たせながらエメに言う。今日の朝は異様に霧が深く、森自体が全く見えなかった。
「分かったわ」
 エメは簡素に言ったが、狩人は何も気にしなかったかのように多くの狼を連れて霧の中へ消えていった。
 別に互いに喧嘩をしたというわけではない。エメもその気はなかった。ただ今でも昔のように何も知らない娘のように扱われるのが嫌だっただけだった。
 だから朝食を摂っているうちにどんどん気持ちは上向きになり、狩人が帰ってきたら驚くぐらい家を綺麗にして喜ばせようという気になった。朝日が出る頃には霧は浅くなっていて、まずは庭の掃除をし始めた。掃除といっても枯葉を家周辺から取るのと、炭をすてるぐらいだったが、狩人に動かすな、と言われていた花壇が目に付いた。
 狩人はきっと自分がまだ扱えないから言ったのだろう、そうエメは思って花壇の整理を始めた。無秩序に散らばっている手に収まる奇妙な石は積んであっただろう、花壇から散らばって見えた。それらを元に戻し、配置を換えると、雑草を抜き、森から採って来た花を植えると随分と家が華やいで見え、エメは上機嫌になった。きっとこれで彼も喜んでくれるに違いないと。
 家の傍に数本立っている木のオブジェクトは大きくどうすることも出来なかった、だが、不気味さはかわらなかったのでオブジェクトの向く位置を全て小川になんとか向けさせ、布をかけた。
 自分のした仕事に満足がいったところで昼になっていた。
 昼食を摂ったエメは、家中を徹底的に掃除をして整理をした。しかし元から荷物が少なかったために直に終わってしまった。
 狩人は帰ってきてさぞかし驚いて褒めてくれるに違いないと思ってエメは裁縫を始めた。
 この日に限って陽が落ちるのが早く、エメは何時も通り、戸締りをした。しかし二階のベランダに干してあった洗濯物を取り込むのを忘れていた事に気づくと急いで取り込んだ。
 夜になるとやることもなくなって、静まり返った家の中で紅茶を飲みながら本を読みながら狩人の帰宅を待った。
 しかし幾ら待っても狩人は返ってこなかった。それでもエメは深夜まで起きていたが、そしてその時異変が起きた。
 最初は風が吹いてきたのかと思うほどの森のざわめきと家の軋み。最初は気にしなかったが、徐々に強くなっていくそれにさすがにエメは変に思った。そして急に怖くなった。
 散々家のことについていった狩人の言葉。
 散々自分には秘密にした事。
 それが今になって怖くなった。エメの知らない所何かが起こっているのではないかと怖くなった。
 異変は収まる気配がなく、いよいよ家が「揺れ始めた」。電灯用の蝋燭が激しく揺れ、家全体が軋み、皿が落ち、エメは恐怖で固まったまま動けなかった。
 でもエメは急いで一階の戸締りを確認したあと、壁に掛けてあった獣笛を首にかけ、壁にあった銃を取ろうとしたが自分が使えるはずも無いと思い、急いで二階に駆け上がり寝室のベッドにもぐりこんだ。
 家は「何か巨大なものに弄られているかのように」あちらこちらで軋み、木が折れる音がする。
 しかしそれは徐々に収まっていった。エメは少し安堵するが、なおも少し揺れている家全体の中で思う。
 ――二階の戸締りは?
 夕方に洗濯物を取り込んだ時に「ベランダの扉を開けたままだったことに気づいた」。
 エメは急いで隣の部屋へ行くと、それを見た。





 Let's absolutely stop it.








さみぃ。

良(ryめまい症のほうはあいかわらず、まぁ三日程度ではまだなおらんでしょうが、外耳道にあった出血のほうが圧迫してる感じ。

んーまぁこう頭フルような運動、テニスとかサッカーとかバレーとかやればすぐになおるんだけどねぇ。

んー鈴のノーマルだっけ?)END√はかなりわすれたが、併設校へ鈴が行く→数週間後に鈴が帰りたいと理樹にメールを送る→京介の仕業だと「思い込んでいる」理樹が京介に迫る→なぜか土日だけ鈴が帰ってこられるようになる→鈴は向こうで「イジメのようなもの」と疎外感&教師からも厄介者扱いされて「心がおれてうつ状態寸前の廃人」になっていた→でもいかせようとする京介に見方をしてくれる謙吾の助言で野球勝負する→勝負中、京介が雨を降らせる→真人は「理樹の成長」を願っている為、「鈴の成長である今回には介入してこない」→京介が降らせた雨で意図的にルールを変える→謙吾が振る時、「世界を変えて消えたはずの古式みゆきの幻像」をみせバッドをふるのを遅らせた→それをなにがでも勝利しようとする京介へ謙吾は「(この勝負自体)茶番だ!」(つまり世界を作った京介が勝利するとしたものだから勝てるはずが無い)と激昂→だが京介は勝利宣言をして鈴を戻そうとする→理樹は鈴を連れて京介からの逃亡を図る→昔、地元まで戻り、リトルバスターズの時に遊んでいた空き家に隠れる→どんどんやつれる鈴に理樹はなにをする子も出来ない→見回りの警官が2人を発見、連行されながら理樹はナルコレプシーで意識を失う。(ちなみに警官をむかわせたのは   である)

→鈴リフレイン√→5月13日、理樹が目を覚ますと京介が帰ってくる知らせが来る
まぁーこのへんはくちゃくちゃあるんだけどとばして
→理樹が自分が弱い事を自覚し、強くなったと自覚した時、世界の秘密がわかる→現実へ帰る→事故をおこしたバスの中で理樹と鈴だけが無事だが他のメンバーは瀕死だった→「みんなを助けよう」を選ぶ→炎に飲まれる前に全員助かり、病院へと行く

だったっけ?わすれたーw 世界の秘密は「弱い二人を成長させるため」
そして成長して現実にもどってきたら意外にも全員助けるということをしてのけたというなける話なわけ。だったはずw

さてとまぁ、これはなんつーかノベルゲームな面があるんだけどまぁ、いいんじゃない?的な?

はい、以上。耳痛いし




君が行くというなら僕は行かない。





















La foret
 エメは狩人の事をその日のうちに両親紹介し、なぜか両親も歓迎した。おそらく数百という求婚を断っていた娘がこのまま一人見になるのではないかと毎日神経をすり減らせて板だからだろう、だからこそ狩人でも何でも良かったというのが本音だった。
 だから狩人の式も簡易で披露宴もなにもいらないという意向には驚いた。しかしエメも同じ気持ちだった。はやく二人で暮らして彼の役に立ちたかったからだ。
 どうにも狩人はエメ自身のことをただの貴族の娘で何も出来ないと思われているように気がしている、だからこそ彼を支えるということをしたかったのだ。
 手早く荷物を屋敷の使用人に任せ、狩人と今後のことを話した。狼はなぜか数が多く十匹、周囲に寝ている。
「私たちが住む家はどこにあるのかしら」
 狩人が主に住処としていたところは、街の郊外にある庶民の家が住むような普通の木造家屋だった。彼はあちこちに狩りの用具置き場として小屋を立てていた。それは例の魔女の噂がある森林を中心としていた。
「あの森の中にある湖のほとりに僕の本来の住処がある。狩りが無いときは、こちら側に移っているだけなんだ」
「それは素敵っ! 湖の近くの家なんて」
 最近までエメにとって狩人との生活は幸福とは実の所程遠かった。狩人がいない間はエメが家のことをしようと張り切ったものの、まず料理の仕方がわからない。農機具の種類など全部同じに見えた。服を縫おうにも針をどうすればいいのかわからなかった。だから狩人が帰ってきて少し呆れながら代わりにやってしまうのを見せられるとエメは逆に憤激して意地でも家事仕事に取り組んだ。
 油物に触った事すらなかった手はすぐに荒れ、狩人が持ってきた軟膏のようなものを塗った。一日作業をしているとすでに腕が筋肉痛だった。
 そんなエメを見て狩人は少し不機嫌に言う。
「家のことは徐々に覚えていけばいい。無理をすることなく僕の傍にいてくれればいい。君が出来ないことは当面は僕がやるからそれまでに出来るようにしてくれ」
 強要はしないが、女性は炊事をするという狩人らしい考えをもっているらしく、当然のように言った。
 それにエメは少しむきになったが頼りにしてくれるという事が誇らしく、やる気になった。
 代わりに狩人は何でも出来た。手先は器用で何でも直し作れた。いつだったか、エメに絹の細工をした服をプレゼントしたことがあった。高級なものとみればみすぼらしいものだったが、エメはそれに大喜びした。
 狩人はやはり魔女が住むという森に出入りしていたが、狩りで動物を飼ってくることはあっても、なにか魔女に関する怪しげな物を持ってくることはなかった。元々エメはそんな噂はどうでもよかったのだが。
 とにかく、ようやく二人で暮らすという段取りが出来て、エメは自分が妻として頼りにされることを喜んだ。料理の腕も一通りできるようになり、ある程度裁縫も出来るようになっていた。さすがに狩りは手伝えないが、彼の留守を任されるぐらいにはなったとエメは自負していた。
 エメが家を出るというとき、その荷物の多さに狩人はあきれ果てた。
「こんなに服は要らない。毎日きる分で他は縫えばいい。時計や化粧道具も最小限にしてくれ。なんでミシンなんてものがあるんだ。森のなかでは使えないぞ。祝い物の食料もこんなにあっては腐る。必要な物はあちらで採るから選んでくれ」
 馬車三台渡るその物量を狩人はエメにとうとうと言い聞かせたが、彼の言いなりになるのが癪で粘っては見たものの結局大きな鞄一つに全て納まった。
 そして快晴の早朝、狩人とエメは必要最小限のものだけを馬車に乗せて二人で街を離れた。エメは正直森に2人だけで住むということに不安はなかったが、でも不思議と気分は高揚してこれからの生活を楽しみしていた。
 道すがら、御者台に座って馬の手綱を操っている狩人に聞いた。
「そういえば、というか今まで私、あなたの名前をきいたことがないわ」
「それはそうだ。僕の名前はいってはいけないから」
「どういうこと?」
 そうすると狩人の表情はかなり苦しいものになり、エメは慌てて言う。
「もしかしてそういう仕来りの家柄なの? だったらいいわ、言わなくても」
 そこまで言ったところで狩人は馬車を止めた。ちょうど街と大きな木の中間で、魔女がいると噂されている森の手前の草原だった。
「僕と約束してほしい。僕の名前は普段は呼ばないこと。『あなた』でも『ねぇ』でもいい。君は僕の妻だ。知っておいて損はない」
 そこまで真剣に話す狩人にエメは不思議に思ったが、素直に頷いた。でも狩人は少し迷って、エメの耳元まで口を持っていくと、言った。
「――――」
 その音は確かに聞き取れた。理解できた。だがエメには何か、フィルターを通して表現できない物のようにも聞えた。
「いいかい、決して森の中で僕の名前を呼んではいけないよ。非常事態だけだ。不思議に思うだろうが理由は聞かないと助かる」
「……ええ、わかったわ。私はあなたと暮らせるだけで幸せですもの。それにようやくあなたの名前がわかって嬉しい」
 そう言うと、狩人はそっと唇を重ねて言う。
「それは僕も嬉しいよ、エメ」
 無表情でいう狩人だったが、初めて自身の名を呼んでくれたことにさらに嬉しく思った。
 最も、なぜ読んだのか、理由はなぜかエメは気にしなかった。
 狩人は再び手綱を引くと、馬車は森の中に入っていった。
 草原と森の境は明確で、森林の木々が生えている中に入ると一気に気温が下がった。さらに高い木が生えている為に見通しが悪く、葉の間から漏れる陽の陽光も少ない。道はあるにはあるのだが、なぜか薄っすらと漂う靄のせいで先の距離感がつかめない。
 エメは魔女が住むという噂もなんとなくではあるが納得した。このような不思議な場所から噂というものは広がっていくのだろう。
 この森林はどのくらいの大きさでどのくらい広がっているのか、エメは知らなかったが、怖い感情はいだかなかった。ただものめずらしいという物もあったが、狩人の今まで頑なに案内してくれなかった家にいける高揚感が大きかった。
 鬱蒼と茂る木々に背の高い草が両側に壁を作っており、まるで通路を進んでいく馬車だが、あるところでそれが切れた。木々が晴れ、空から陽が降り注ぎ、川がどこからか流れているようで何度か橋を渡った。
「この森には本当に魔女が住んでいるの?」
 エメは狩人に聞いてみるが、彼は当然のように言った。
「ああ、住んでいる。そして僕もよく会っているよ」
 意外な発言だったが、エメは彼のただの冗談だと思った。そもそも魔女というのは民衆が話題の種として作り上げた物だと知っていたからだ。
 何度目かの橋を渡り、どのくらい森の中まで移動してきたのか分からなくなってきたころ、ようやく一件の家が見えてきた。土台は石作りでレンガで出来ており、その上は木造の二階建て。暖炉用の煙突が見えた。
 馬車は家の中央に止まると、さっそくエメは家の概観をよくみて言った。
「本当に素敵! 二人で住むのにぴったりね」
 笑顔で気分が高揚しているエメをみて狩人も微笑み返す。近くには小川が流れており、透き通る水の中に魚が見えた。橋を渡ったところには草原とは言わないが広い草地が広がっている。
 家の周囲は少しおかしな点があった。荒れ放題なのだが、花壇だと思っていたものは何かの「絵」がかかれたもので、石ごとに規則的に配置されていた。それが家の周囲に点在していた。さらに何かのオブジェクトなのか、大きな木の木造の柱が家の脇に何本も作られていた。これにも顔のようなものが彫ってあり、エメは少し気味悪さを覚えた。
「ねえ、この花壇や彫像はあなたが作ったの? せっかくの新居だし、私が綺麗に直してあげるわ」
 やる気だったエメの言葉に狩人が言う。
「いいや、やめてくれ」
 真剣な顔をしてエメの肩に手を置く。
「これからここで暮らすにあたって僕と約束してほしいことがあるんだ。この家の周りにあるものは何も決して動かしてはならない。理由は話せないがあれらには重要な意味があるんだ。家の周囲には自由に行っていい。ただし夕方には必ず帰ること。約束できるかい?」
「……ええ、いいけど。せっかくやりがいのあるものだと思ったのに」
 見た目に奇妙なものを放置しておくのはエメにとっては不満だったが、彼がそういうならばなにかしらのおまじないのようなものだと自分を納得させた。
「じゃあ、さっさと荷物を運んでしまいしょう」
 初めはエメは男性である狩人が運ぶ物だと思っていたがやはり叱られ、渋々自分の分を運んだ。
 家の中は広く、二人住まいにはとても広い。一階は玄関すぐに暖炉のあるリビングに机に椅子が二脚。壁には炭箱にいくつかの農機具。銃架がありそこには長い銃身をもつライフル銃が架かっていた。正面には何処かの花が咲いた美しい風景の大きな絵。リビングの奥は洗い場と炊事場になっており、狩人が普段使っているだけあってあらかたの物はそろっていた。洗い場の横には裏へでれる勝手口が一つ。
 リビングの横にある大きな階段を上がると大きな部屋が三部屋あった。一つは狩人が使っていたらしい大きな寝室に残りの二つは綺麗にされていたが倉庫のように物置部屋になっていた。そのうちの一つの部屋はベランダに通じていて物干しに最適に思えた。
「この部屋はいいわ! こっちを寝室にしましょう」
「いいやダメだ。家の中は好きにしていいが、大きな物は動かさないでくれ。配置はそのままにしてくれ、外と同じように」
「……理由は言えないのね?」
「ああ」
 せっかく自分が役に立てるという所を見せれると思ったのにこれでは何も出来ないと思ったエメは、それでも荷解きと家の掃除を始めた。
 掃除は初めは自分がするものではないと思っていたところ、自立したければしろと狩人に言われてからそれなりに出来るようになっていた。エメは初めに出会ったときと比べれば自分は成長したと思っていた。しかし狩人といえばエメのことを良くいうことはあれこそ、褒めるような事はめったになかった。だからこそことを急いでいたのだろう。
 二階の寝室は狩人の少ない私物があったので収納し、自身の荷物を配置した。動かすなと言われたほかの部屋には掃除をした後、壁に絵を飾ったり、植物を置いた。
 一階にいくと狩人は銃架にかけてあった銃の手入れをしていた。二階のことを伝えると、炊事場の掃除、をするほど汚れていなかったので料理を始めた。
 狩人がどこから取ってきたのか分からない兎の肉を使った料理だったが、彼は何も言わず食べ、最後においしいとだけようやく言ったことにエメは幸せを感じた。
 その数時間後のこと。狩人はエメのことを外に呼んだ。エメは不思議に思って出ると驚いた。しばらく見かけなかったあの大きな狼が一二頭も狩人の周りにたむろしていたからだ。色や個体差はあるがいずれもおとなしそうな印象をうける。
「エメ、しばらく家を空ける。ちょっと用事で人に会ってくる。もし何かあったら必ず家の中にある獣笛を吹くように。それができなかったら僕の名前を呼んでくれ。それと夜が来たら必ず全ての窓と扉を閉めて」
「ええ、わかったわ」
 エメはそこまで心配してくれてるであろう狩人にそう答えると、彼は一度口笛を吹くと狼を散らせ、三頭だけつれて森の中に消えていった。
 それを見送ったエメは彼が帰ってくるまで掃除を完璧にしようと家に入ろうとした。
 しかし奇妙な家の周りのオブジェクトが目に入ってなぜ彼はこれを動かすなと言ったのか、初めてエメは疑問に思った。しかしそれは横においてエメは夕食の支度と洗い場で身体を洗った。
 夜の前に狩人に言われた通り、エメは家の全ての窓を閉め、扉を施錠した。
 施錠する前に見た森はなぜか静かにざわついて見えた。





I do`nt understand you.