picture of player -42ページ目

ワールドカップ短評 7

■スペイン4-0ウクライナ
■短評

グループHの頂上決戦はまさかの大差。スペインは4-3-3のエセバルサスタイル。中盤は、数的優位に立てることもあり、シャビ、シャビ・アロンソのちょっと淫靡な響きのシャビシャビコンビでウクライナの中盤をまったく寄せ付けない。1タッチ、ダイレクトのプレーで前線まで簡単にボールを運んでいく。しかし、そこから点が決まらないのは毎度のこと。この試合でも結局流れの中からの得点は、相手が一人少なくなった終盤の1点のみ。3トップはワイドに開くウイングタイプではなく、トーレス、ビジャがポジションをチェンジし、そこにトップ下気味にルイス・ガルシアが絡むというこれもバルサ風味。バルサと違うのは、ロナウジーニョもメッシーもエトーもいないこと。以前のように、サイドで抜いてクロスあげても中がモリエンテス一人、ということはなくなったが、いかんせん、強豪相手にはもう一工夫必要か。4-0という結果は出たが、今後に結構不安。ころっと負けそう。ウクライナは暑いのだめですか。中盤が完全な機能不全。あれほど日本が苦しめられた中盤のガチンコ勝負に持ち込むことすらできず、一人退場でジ・エンド。攻撃も基本的にリアクションが主体であるため、先に点を取られると、後はアバウトな縦パスでスペインのアバウトなオフサイドトラップに引っ掛かるのみ。頼みのシェフチェンコもコンディションが悪そうで、しかも中盤をスペインに完全に制圧されているので、そもそもボールが来ない。ただ、裏のカードでサウジとチュニジアが潰しあいをしてくれたおかげで、まだ立ち直ることができます。とりあえず、水たくさん飲むといいかと思う。


■picture of player マルコス・セナ
プチバルサスタイルを曲がりなりにも運用しているのは彼のおかげ。中盤での危険察知能力の高さで事前に反撃の芽を摘み、守備能力に長けているわけではないシャビシャビコンビを忠実にフォロー。また、同じような仕事ができるアルベルダよりもパス能力が高いため、中盤の構成力を下げることもない。監督としては非常に使い勝手がよく、代表歴が浅い割に重用されるのも頷ける。うっかりさんの多いスペインメンバーの中で、貴重な存在となりつつあると言えるだろう。今後勝ち上がるためには、彼の献身は必要不可欠。目立たなかったからって、いきなりホアキンあたりと代えるんじゃねえぞ、アラゴネス。

ワールドカップ短評 6

■イタリア2‐0ガーナ
■短評
予想通り、4‐3‐1‐2で臨んだイタリア。ガーナがなぜかピルロにプレッシャーをかけなかったこともあり、高精度のくさび&裏へのボールがバシバシ。そこまでだったら今までのイタリアと大して変わりないのだが、変わったのはピルロの両脇を固めるMFの動き。くさびが入ると確実にFWを追い越す動きをしていき、裏に抜けた場合にはフィニッシュに絡むためにフォローする。2トップの動き出しの早さとポストプレイのレベルの高さで、非常に有効な戦術となっていた。一体、これがほんとにイタリアなのかという、リスクのある攻め方。これでトッティさんが復調したらと思うと、恐ろしい。ただ、今後はピルロがマークされた時にどうするかと、両脇のMFが上がったときの逆襲をどう対応するかというのが問題。まあ、ガットゥーゾが戻ってくれば自然と解決されるのかもしれない。対するガーナは、多少マークの緩さはあったとは言え、そこそこの出来。ワールドクラスの中盤がボール奪取&チャンスメイクを繰り返すが、いかんせんFWの二人がしおしお。速いだけで精度も工夫もなく、どこぞの極東の島国の2トップのよう。今後勝つには、三連星が多少無理をしてでも、フィニッシュまで持ち込む必要がある。それとミスで2点目を献上したしたクフォーは坊主。もう坊主だけど。しかし、ガーナは面白ネームの宝庫だなあ。パッポーとかピンポンとかまだ耐えられるんだけど、ギャンはない。キシリア様に伝えてくれ・・・!


■picture of player ルカ・トニ
194センチの巨漢FWがセリエA30点を引っさげ、登場。実際のプレーでは、30点も取ったのが偶然ではないことを証明。巨漢の割に高さに頼るわけではなく、ボールの持ち出し、ポストプレイは相当にうまい。さらに、エリア内でシュートまでどうにかして持っていくという引出しの広さは、今大会屈指。この試合では得点に恵まれなかったが、ポストを叩くシュート放つなど、惜しい場面をいくつも作り出していた。コンディションがあまりよくないジラルディーノを差し置いて、間違いなく今大会のイタリア攻撃陣の核である。今後の展開次第では得点量産の可能性も。それにしても、顔、でけーな。




■フランス0‐0スイス
■短評
スイスの清々しさと、フランスの重苦しさが対照的だった、今大会初のスコアレスドローの試合。フランスは4‐5‐1に近い形でスタート。攻撃はアンリの1トップ気味に右サイドからヴィルトールがフォローし、リベリーが左サイドを起点にしながらも自由に動き回る。その下でジダンがタクトを振るう形になるのだが、これがあまり機能しない。どうもアンリとジダンは決定的にタイミングが違うらしく、アンリが欲しいタイミングでボールは来ず、ジダンが出したいタイミングでアンリは動かない。リベリーがそのプレーエリアの広さでかき回していたのは好材料だが、ぶっつけに近い形のため、周りのフォローがワンテンポ遅れ、単発に終わっている。今後もジダン-アンリラインの不通は続くものと思われるが、その間に入るリベリーあるいはヴィルトールがどれだけフォローできるかに攻撃はかかっている。守備は多少崩れたが、堅い。スイスは予選からそのままの愚直なまでのハーフカウンターアタック。フランス相手では中々いい形に持ち込むことができなかったが、それでも決定的チャンスを2度ほど作ることが出来た。今後は遅攻からでも崩せるように・・・と言いたいところだが、そんなことできるわけもなく、そもそも誰もそれほどのレベルをスイスに期待していないだろう。このままのサッカーを貫き、少ないチャンスを物にしていけば、おのずと道は開けてくるはずだ。


■picture of player フランク・リベリー
フランス国民期待の新鋭がまさかのスタメンで登場。ドリブルの切れ味と行動範囲の広さは、停滞しがちなフランスオフェンスにおいて貴重なアクセントとなりつづけた。1戦目の内容を見て、個人的にはジダンを外してアンリ中心のオフェンスで行くべきだと思うが、もう心中を決めたドメネクにそんなことできるはずもないので、なおさらリベリーが前線をかき回して少しでもアンリに決定的チャンスを与える必要がある。この若者の役割りは決して軽くない。ただ、あの動きを見て、普通の監督だったら次戦も使うと思うんだが、いかんせん星座占いでスタメンを決めるような監督なので、次以降はどうなるかわかりましぇーん。

ワールドカップ短評 5

■チェコ3-0アメリカ
■短評

チェコのチームとしての完成度が目立った試合だった。チェコはとりあえず1トップにコラーを置いてはいるが、コラーとその後ろのプラシル、ロシツキ、ネドヴェド、ポボルスキーが流動的にポジションを変え、アメリカのプレスに的を絞らせない。さらにこれに後方のヤンクロフスキ、グリュゲラなどが絡み、分厚いアタックを仕掛ける。そして、ロシツキの飛び道具でとどめ。ゴラッソでした。チェコは何か特別なことをやっているわけではないが、パスを回す際にレシーバーがパスコースを作る動きが徹底されているため、パスが淀みなく動く。ユーロ2004の頃の勢いが戻ってきた、と思ったところでコラー負傷。どうしよう。アメリカは完敗。自慢のオートマティズムも、前線の起点に収まらなければただの設計書に過ぎない。チェコはガラセクとCBを中心にトップを抑える方策をよく考えていた。前回大会で躍進したおかげで、チェコに限らず、対戦チームは研究を進めていることだろう。それを打ち破るのに必要なのは、この試合の後半で垣間見せた個の力、特にドノバン、レイナ、ジョンソンあたりの奮闘というところだろうか。あと、ブルース・アリーナ監督はだらけすぎ。カウチポテトか。


■picture of player トマス・ロシツキー
チェコの最重要人物。2004年はまだ才能を持て余している感じがあったが、中心選手としての自覚が出てきたのか、中盤に君臨。パスよし、ドリブルよし、シュートよし、守備意識も高く、この試合では文句のつけようがない活躍ぶり。2得点はお見事。ネドヴェドと組むセンターは機動力抜群で常に危険な香りを漂わせ、快勝の立役者となった。今後は個の力の強い強豪国(イタリアとか)にも、今日のプレーができるかどうか。期待はできます。しかし、この人かわいい顔してるなあ。マッチョな兄貴にハァハァされたりしないんだろうか。お姉さん、心配よ。

ワールドカップ短評 4

■日本1-3オーストラリア

■短評
3-5-2の布陣で臨んだ日本、序盤は落ち着かずにあたふた。しかし、幸運な先制点以後は、中村、中田を中心としたパス回しが復活。極端に守備的な布陣ながら、オーストラリアの変則的な3トップにもよく対応。しかし、再三のカウンターによる決定機を決めることができずに、最後に轟沈、ハラキリ、カミカゼ。次戦以降では、決定機を逃さないことと、力攻めへの対応を考える必要がある。しかし、どっちも一朝一夕にできることではないので、うーむ。対するオーストラリアは、3トップで臨むも、機能しないと見るやキューウェルをトップ下に下げるなど、かなり流動的に前線から中盤を動かす布陣。最終盤にはがら空きのバイタルエリアを再三にわたって侵犯し、最後は怒涛の選手投入による力攻めで逆転劇を生んだ。しかし、オーストラリアのやり方は前の大会の韓国とまるで同じ。ロングボール主体の攻撃は、日本相手には最後になんとか押し切ることができたが、強豪国に通用するかどうか。中盤は荒いだけで展開力に欠け、DFも遅い。そして、なにより結果至上主義のヒディンク流はもう飽きた。


■picture of player ジーコ
運が尽きたと言えるのかもしれない。「勝ってるチームは変えない」という題目の下での無為自然を貫き、無策のまま憤死。後半15分で走れなくなっていた前線の3人を引っ張るだけ引っ張り倒し、その挙句に、35分にようやく出てきたのが元々走れない小野。なんだそりゃ。序列か、序列なのか。結局、この人にコンディションを見抜く能力はない。それはW杯予選のシンガポール戦から何も変わっていない。もしかしたら見抜けているのかもしれないが、軽視していることは間違いない。さらには、対戦相手と監督見たら、小学生でも予想できるロングボール戦術に対する策を打たないor打てないという無策っぷり。勝つためにFWの選手を次々と投入したヒディンクと比較すると、より無策さが目立った。無為自然というか、脳死状態。もしかすると、これは現代のギスギスしたホッブズ的戦争状態に対するアンチテーゼ、彼こそ無抵抗主義の次代の旗手、ネクスト・ガンジーなのでは!?(やけっぱち)まあ、普通に素人。この人を監督に据え続けた協会に責任がないとは言わせない。一体、この4年間はなんだったのか。

ワールドカップ短評 3

■オランダ1-0セルビア・モンテネグロ


■短評

オランダが支配し、ちょっと危なかったけどなんとか勝利、という試合。ニステルローイのあからさまな不調、ロッベン頼みの攻撃、異常に不安定なCBと、不安要素満載のオランダではあったが、中盤3人を中心とした構成力でセルビアを凌駕した。今後はロッベンのアナーキーな動きをどうチームとして機能させていくかということと、アバウトなクロスにもあたふたしていたDFラインをどうするか。対するセルビア・モンテネグロは堅守からの速攻というスタイルである以上、先制点を取られるとさすがに苦しい。遅攻になったときの組み立てをどうしていくか。ジギッチの高さやリュボヤのキープ力をもっと生かせるはず。この日消えていたスタンコビッチ、NHKアナに「スキンヘッド」呼ばわりされていたジョルジェビッチ、さらにはコロマンあたりが機能すれば、面白くなる。


■picture of player アリエン・ロッベン
ロッベン祭好評開催中。ほとんどの攻撃は彼の突破から、そしてフィニッシュの9割は彼のシュート。機能美を誇るオランダから完全に逸脱する、脅威のワンマンアタッカー。ただ、オランダの攻撃は単調になりがちなので、リズムを変える役割としては120%の働き。120%というのは、やり過ぎ、ということです。ニステルローイが鉄くず化している今、攻撃の全権はロッベンに委ねられている。でも、ロッベンが壊れたらオランダどうするんだろ。

ワールドカップ短評 2

手堅いゲームが多いですな。



■イングランド1‐0パラグアイ


■短評
パラグアイの守り倒し失敗。それだけ。イングランドは中盤の卓越した構成力はすごいものがあるが、それをフィニッシュに生かせていない。結局決定機は、ジョー・コールの単独突破とランパードのミドルのみ。クラウチは確かに競り勝てるが、いかんせんなぜか低い位置でばかりポストプレイをするので、あまり相手の脅威にならない。かといって、サイドで抜いてもなあ。ジェラード、ランパードをもっと生かす形をこれから作れるかどうか。たぶん、無理。ルーニー待ちです。パラグアイは前半早々のオウンゴールとキーパー負傷退場で出鼻をくじかれ、得意の泥仕合に持ち込むことができず。0-0で後半まで行ってたら面白かったかも。攻撃は組み立てもくそもないが、バルデスの突破力、クエバスのコネコネドリブルは武器。サンタクルスがどこまで調子を取り戻せるか。この試合はかなり重そうでした。


■picture of player カルロス・パレデス
レッジーナの狂犬は今日も噛み付きまくり。再三に渡って殺人タックルを仕掛け、また大して痛くもないのに寝転がっては、イングランドのやさしい殿方たちの大ブーイングを食らうなど、大好評。いやー、いいねー、こういう選手。しかし、ファウルだけではなく、幾度かゴール前の危険なところに飛び込んでも行ったので、サンタクルスの調子が上がらない間、彼が攻撃の鍵を握るかもしれない。バルデスはシュート入らないしね。



■スウェーデン0‐0トリニダード・トバゴ


■短評
アホっぽい試合が多い中で、これぞワールドカップという、今までで最も痺れた試合。32チーム中最弱とか噂されていたトリニダード・トバゴだが、決してそんなことはなく。チームは決め手に欠けるものの、綺麗に組織され、守備にも攻撃にも意図が感じられる。また、開始直前に変更になったGKヒスロップの大当たりもあって、歴史的な勝点1を獲得。まあ、ヒスロップが凄いというよりも、全部ヒスロップに当ててたような気もしたが。逆にスウェーデンは予想外の不出来。特にトップのイブラヒモビッチが明らかに不調。また、一人少ない相手に畳み掛ける迫力にも欠けた。再三カウンターを許していたDF面も含め、再度の巻きなおしが必要か。


■picture of player レオ・ベーンハッカー
さすがオランダ仕込みという指導で、特に個人技に優れるわけではないチームに約束事を徹底させ、ワールドカップで戦えるチームに仕上げてきた。また、厳しい判定で一人退場した後も、チームをパニックに陥れずに、逆に反攻のチャンスを何度か作って勝に等しいドローに持ち込んだ。お見事。これがほんとの監督の仕事だよね、ジーコさん。



■アルゼンチン2‐1コートジボワール


■短評
狡猾なアルゼンチンが順当に勝ちを拾ったというところか。リケルメで攻撃を仕切ると小学生でもわかるのに、なぜかコートジボワールは特定のマーカーをつけず。おかげでリケルメワンマンショーの前半で勝負あり。アルゼンチンはリケルメで心中という共通理解が浸透していて、攻守の切替え時においてのリケルメ以外の選手の反応の速さが際立っていた。特にマスチェラーノ、カンビアッソの中央守備ブロックは強固。硬いです、アルゼンチン。後は、いつメッシーを使ってくるか。コートジボワールは、相手がアルゼンチンじゃなかったら、というところ。攻撃時から守備への切り替えが遅く、そこから何度も反攻を食らっていたのは改善点だが、ドログバを中心としたアナーキーな攻撃は中々に威力あり。まだ、可能性あります。


■picture of player ファン・パブロ・ソリン
一人トータルフットボール。左サイドでフィニッシュに絡むかと思えば、ゴール前でヘディングでクリア。時には逆サイドにも顔を出す常軌を逸した運動量で、アルゼンチンの攻撃にいい意味での逸脱を与えていた。リケルメ中心にするということは、こういう選手も必要だということ。しかし、こいつをはじめとしてアルゼンチンはうっとうしい髪形が多い。髪切れ、髪。

ワールドカップ短評 1

W杯短評1

見た試合の短評を適当に選手を交えて書きます。
結果&短評&最も試合に影響を与えた、もしくは印象に残った選手



■ドイツ4‐2コスタリカ


■短評
コスタリカが弱すぎた。オフザボールの動きはほとんどなく、中盤で奪ってもパスを出すことができずに、右往左往。DFもあまりにもアバウト過ぎて、寄せも甘く、簡単に逆サイドの裏を取られ続ける。はっきり言って、このレベルに出てくるようなチームではない。それに2点も取られるドイツDF(1点はオフサイド気味だが)もどうか。1点目の失点シーンでの適当なラインの整え方は、サッキが見たらショック死するかもしれない。まあ、でもトーナメントにはくるでしょう。


■picture of player パウロ・ワンチョペ
組み立てもくそもないコスタリカの攻撃にあって、うやむやのうちに2得点。決定的チャンスを全て決める問答無用の決定力、開催国相手に全く空気を読まない得点はさすが。なんであの乏しい運動量で点が取れるのか。ただ、コスタリカの出来あまりにもアレなので、ワンチョペ先生の勇姿もあと2試合で見納め。

ワールドカップの肖像 8

グループH



■ウクライナ
■セルゲイ・レブロフ
■FW

「え?まだやってたの?」part2の人。
いや、別に年を食ってるわけではないんだが、とにかく消息がわからなかった。
トッテナムで飼い殺されていたあたりまでは覚えているるのだが、その後の行方を追う意思も気力もなかったため、今回のワールドカップで再び浮上してびっくり、という状態だ。
経歴としては、ディナモ・キエフ時代が一番華やかだっただろうか。
シェフチェンコと2トップを組み、疾風の2人カウンターを仕掛けた。
「ブリザード」と呼ばれたそのカウンターに、ビッグクラブは翻弄された。
当時のディナモは典型的リトリート戦術を行っていたため、レブロフとシェフチェンコには大好物のスペースが広大に広がっていた。
ボールを奪うと前方の空いたスペースに2トップがトップスピードで突っ込んでいくその戦術は、単純ではあったが力強く、特にジャイアントキリングが多いチームだった。
あれだけ早いカウンターを見たのは、他にクーペル時代のバレンシアくらいだろうか。
クラウディオ・ロペスをトップにし、両サイドからメンディエタとキリ・ゴンザレスが突っ込む、あの形。あれも強烈だった。
そもかく、それからレブロフはトッテナムに招かれるが、プレミアのリズムに慣れることができず、トルコ、そして再びイングランドと所属チームを転々とし、今シーズンから古巣のディナモに復帰している。
今彼がどういう状態なのかはわからない。
おそらく、今大会のレギュラーではないだろう。
しかし、あのウラル山脈から吹き降ろす「ブリザード」のようなカウンター攻撃をもう一度見てみたいものだと思う。



■チュニジア
■ラディ・ジャイディ
■CB

チュニジアのマッチョな兄貴、ジャイディはとにかく強い。
192cmを生かした空中戦はほぼ無敵。
当たりも無茶苦茶な強さで、「そりゃ、ファウルじゃねえの?」と思わせることもしばしば。
スピードはちょっと(というか、かなり)遅いが、それも兄貴の特性と考えれば問題はない。
ボルトンで動く壁として君臨し、ヌゴッティとセンターでコンビを組まれた日には、男臭さで窒息してしまう危険も感じられるほどのマッチョ祭が開催される。
そんな兄貴的なジャイディは風貌も兄貴な感じだ。
http://www.weys.net/data/image/tunisia/jaidi.jpg
どうだろう、すごく身の危険を感じないだろうか?
ジャイディ兄貴に「なあ、ちょっといいか?」と体育館裏に誘われたら、それこそしっかりと後ろのケアをしておかないと、早々に貞節を奪われてしまうことになりかねない。(ウホッ)
しかし、断ることもできない。
「いえ、ちょっと…」なんて言おうもんなら、「じゃあ、○時なら大丈夫だろう?」
と早々に退路を絶たれてしまう。二人きりになったら最後、荒々しいジャイディ自身がボクの後ろを(以下自主規制)。
さて、どうするか。
対戦相手のFWは、ジャイディのDF部分だけでなく、兄貴部分の対策も考えなければならない。
特にフェルナンド・トーレスなんかすごい危ないと思うから気をつけて。
「なあ、やっぱり、男同士ってのが一番しっくりくると思うんだよ…?」
アッーー!!



■サウジアラビア
■ナワフ・アル・テミヤト
■MF

彼のことを覚えている人がどれくらいいるだろうか?
日本との関わりで思い出深いのは、2000年アジアカップの決勝戦。
それまでの試合では、強気なラインの押上げと、中盤に君臨する名波・中村、アタッカーの森島の好調、さらにはスーパーサブの小野の活躍もあり、日本はアジアカップを圧倒的な強さで勝ち進んでいた。
しかし、この決勝戦は違った。
攻撃ではサウジアラビアのプレッシャーの前に思うようにパスをつなげず、守備ではフラット3の弱点である2列目からの飛び出しを何度も許し、川口の神がかりのセーブでなんとかしのぐという、危機的な状況。
そのサウジアラビアの攻撃の中心にいたのは、間違いなくこのアル・テミヤトだった。
プレースタイルはドリブラータイプのゲームメーカーという感じで、中盤でボールを奪うとすぐさまドリブルを仕掛け、そこからサイドへの展開、スルーパス、そして強烈なシュートを持っていた。
その日、川口に神が降りていたため、なんとか日本は勝つが、その年、アル・テミヤトはアジア最優秀選手賞を獲得。
中村俊輔を押しのけての受賞にも納得したこと、そして、中々あの決勝戦で見せた戦慄の残像が頭から離れなかったのを覚えている。
あれから、6年が経った。
その間、アル・テミヤトを見ることはなかった。
大きな怪我もあったらしく、また、何か他の要因もあったのかもしれない。
今大会でようやく戻ってきた、国際シーンに戻ってきたというところだろうか。
アル・テミヤトは、あのときのように若くはない。
しかし、あの日に見た一瞬の閃光のような煌きを忘れることはできない。
あの決勝戦、彼は間違いなくワールドクラスだった。
遅まきながら、できればこの大会でかつてのあの姿を見せて欲しい。



■スペイン
■イケル・カシージャス
■GK

ほぼ、罰ゲーム。
銀河系軍団の最後方に位置する守護神だが、その扱いはとてもひどい。

彼の前方には、銀河系どころか錆びた鉄くずのようなDFライン。
両サイドはあがったきり戻ってこず、エルゲラとパボンはうっかりしすぎ、ウッドゲートにはオウンゴールを連発され、まるでipodの電池のように脆い。
おかげで、カシージャスの被シュート率はとんでもないことになっており、おそらく各国リーグベスト3の守護神の中では、ぶっちぎりのトップと思われる。
たぶん、チェフとかと比べたら、3~4倍くらい。
あまりの被シュート率に「マゾキーパー」「変態守護神」「そして痛みが快感に」など不名誉なあだ名を私がつけました。ごめん、カシージャス。
ただ、そのおかげで、カシージャスは勘が鈍ることなく、GKの腕を磨くことができた。
ハイボールに弱い分、トータルではブッフォンやチェフからは1ランク下がるが、反応の速さ、特に至近距離からのシュート阻止能力に関しては間違いなく世界トップ。
見ていて派手な、楽しいキーパーだ。
さて、そのカシージャスだが、スペイン代表ではどうだろうか?
中央のプジョル、イバニェスは堅実。
右サイドのサルガドも、代表ではアナーキーな攻め上がりをそれほど見せていない。
左のペルニアはリーガで10得点するほどの攻撃狂いでちと不安ではあるが、守備専のアルベルダが中盤にいるので、なんとかなるだろう。
また、チームの戦術自体がそれほど攻撃的ではない。
レアル・マドリーでの試合のように、カシージャスが雨あられのシュートを浴びることは、おそらくないだろう。
だが、その状況で逆にカシージャスが我慢できるか。
実は、シュートを何度も受けることは、キーパーにとって悪いことばかりでもない。
リズムを生み出してくれるからだ。
何度もシュートを受けるうちに、自然と集中力が高まり、やがてゲームを支配する。躁状態に近いかもしれない。
いわゆる「当たっている」という状態だ。
こうなると、キーパーは無敵になれる。
実際、なんでも止められる、という気になるらしい。
ここ数シーズン、カシージャスはクラブでずっとその状態だった。
問題は、それが代表でもできるか、ということだ。
元々、スペイン代表はポゼッションが異常に高いチーム。
ただでさえキーパーの出番は少なく、集中力を維持するのが難しい。
おかげで、歴代のGKの中には、名手スビサレータのように信じられないミスをするものが多発していた。
カシージャスに必要なのは、自分を保つ精神力だ。
試合でわずか1度の決定的ピンチに、自分の最大限の能力を発揮できるように準備しておくということだ。
それができれば、カシージャスはブッフォン、チェフの領域に足を踏み入れると同時に、スペイン代表を経験したことのない高みまで連れて行くことができるだろう。

ワールドカップの肖像 7

Gグループ



■フランス
■ティエリ・アンリ
■FW

アンタッチャブル。
アーセナルでのアンリはまさに不可侵の存在だ。
数試合欠場しての得点王、CL決勝での一人欠けた中でのワンマンカウンター。
クラブチームで見せる彼のテクニックと冷静さ、見た目よりもずっと頑強でしなやかな体から生み出されるゴールの数々は、ときに寒気すら覚えるほどに綺麗過ぎる。
「ほら、こうすればゴールになるだろ?」
ゴールを決めた後でも、アンリはまだ余力を十分に残しているように見える。
知的で優雅な、それでいて苛烈なピッチの支配者。
アンリはプレミアリーグの圧倒的な専制君主として君臨している。
しかし、フランス代表ではその権力を十分の一も発揮できないでいる。
フットボールのやり方が違うから?
ジダンがいるから?
理由は判然としない。
おそらく、監督のドメネクはアーセナル流の速いパスサッカーを志向したのだろうが、代表という時間の少ない状況では、成功しなかった。
また、メンバーが確定しなかったことも災いした。
若手への切りかえに失敗、ベテランの呼び戻し、そして、「支配者」ジダンの再登場。
王の再戴冠は、アンリにとってあまり望ましくない状況を生んだ。
ジダンの特性を考えると、監督は必然的にジダン中心のチーム作りを強いられなければならないからだ。
アンリはあくまで駒の一つにしか過ぎない。世界最高のストライカーの一人だというのに。
だが、それはアンリに責任がないわけではない。
折角彼中心のチームを作ろうとしたのに、結果を残せなかったからだ。
確かに中盤以降は混乱していた。DFラインも固まらなかった。
しかし、アンリを中心とした以上、彼に責任がある。
もちろん、彼はいつもどおりのプレーをしようとしたし、実際そうだったのだろう。
だが、私が不満なのはそこなのだ。
アンリはほんとにがむしゃらになったのだろうか?
どうしても点の欲しいときにセオリーを無視して強引にDFをこじ開けたり、守りたい場面で全力で守備をしたり、怒りを露わにしてチームを鼓舞したり、そんなシンボルとしての役割を行ったことがあるのだろうか?
私の目には、点をとった時のあの余力のある感じのままプレーしつづけているように見える。
それはスポーツアスリートとして正しい姿なのかもしれない。
だが、そんなものはフットボールではくそくらえだ。
我を忘れるほどにがむしゃらに勝負してこそ、自分のスタイルを捨ててこそ、フットボールじゃないか。
トレゼゲと相性が悪い?ジダンが動かない?サポートがない?
それがなんだ。
世界最高の能力を持つアンリが自分の能力を本気で出し切れば、勝てる相手なんていないはずなのに。
もし、今までの自分をかなぐり捨て、アンリが感情を、スピリットを、肉体をすべて捧げたとき、彼はジダンを押しのけて、「アンリの時代」を開くことができるだろう。
それは決して不可能ではない。



■韓国
■チョ・ジェジン
■FW

器用な選手ではない。
決して速くもない。
だが、チョ・ジェジンの頑健な得点能力は、韓国代表にとって生命線となるかもしれない。
エースのイ・ドングが壊れてから、韓国はその代役を探すのに苦労していた。
ワイドな3トップを好むアドフォカート監督は、高さと強さのあるCFを必要としていた。
前回大会のヒーローであるアン・ジョンファンはあくまでセカンドトップで、タイプが違う。
おまけにコンディションも悪い。
ソル・ギヒョンは速さを売りにするベテラン、なべやかんとパク・チュヨンはファンタジスタタイプだ。
ファン・ソンフォンやチェ・ヨンスなどの頑健なCFを数多く輩出してきた韓国は、現在では意外にもCFの人材が払底しつつあったのだ。
消去法に近い形で選ばれたのが、清水エスパルス所属のチョ・ジェジン。
能力があることは間違いがない。
高いヘディングの能力、パンチの効いたシュート、旺盛な戦闘意欲も持ち合わせている、まさに韓国のCFだ。
Jリーグではその高いポテンシャルを生かし、得点をとり続けている。
資質に疑いはない。同タイプのいない代表においては、前線の柱とするべき人材だ。
しかし、一つ問題がある。
チョ・ジェジンは国際経験が全くと言っていいほどない。
代表キャップ数は18と少なく、重要な国際的大会に参加したことは、オリンピックくらいしかないだろうか。
そこがネックとなり、いまだにレギュラーを獲得できていない。
アドフォカートは迷っているのだろうか?
98年のワールドカップで、国際経験のないチェ・ヨンスが期待を裏切った苦い記憶も残っている。
チョ・ジェジンがそうならないと限らないのも確かだ。
だが、彼に賭けるのもまた一つの手だろう。
FWとしての能力に加えて、チョ・ジェジンにはメンタルの強さと勘所を見極める能力がある。
ひ弱なアン・ジョンファンをセンターに据えるくらいなら、と私は思うのだが。



■トーゴ
■エマヌエル・アデバヨール
■FW

トーゴ代表において、アデバヨールは中心選手以上の存在になっている。
アフリカ予選突破の立役者であることはもちろん、モナコ、アーセナルでプレーするチーム1のスター。
無名選手が多いトーゴ代表の中では、「英雄」と言ってもいいくらいの地位を築いている。
しかし、存在感が大きすぎると、問題が起こるのもフットボールの常だ。
前監督のケシは彼の支配力に不満を覚え、アデバヨールと衝突。
協会は当然のようにアデバヨールを選び、ケシ監督は更迭された。
確かに、ケシ監督の戦術では、アデバヨールは犠牲を強いられすぎた。
監督はアデバヨールに自制を求めた。
チームが勝つために、アデバヨールのカヌーばりのキープ力と無敵の空中戦を最大限に生かそうとしたのだろう。
監督にとっては当然の選択と言える。
しかし、それを享受できるほどにアデバヨールは成熟しきっていなかった。
彼は犠牲よりも得点を求めていた。
結果、監督はいなくなった。
新監督はアデバヨールをどう扱うのだろう?
王様のように言う事を聞いてあげるのだろうか?
しかし、それでは勝利をつかむことはできないだろう。
勝つためにはアデバヨールに犠牲を強いることが必要になる。
当然ながら、アデバヨールには自制が求められている。
単なるサル山の大将ではなく、チームを導くために、真のリーダーとならなければいけない。
アデバヨールはエゴを抑えることができるだろうか?
私は五分五分と見ている。
良くも悪くも、彼はまだ若い。
1日や2日で簡単に変わることができるし、豹変を責められることもない。
もし、アデバヨールが砂の王座を捨てられれば。
その時、トーゴは他国にとって十分に危険な存在となるだろう。



■スイス
■トランクイッロ・バルネッタ
■サイドMF

なんとも長ったらしい名前を持つバルネッタだが、その名にたがわず、異質なプレースタイルを見せている。
スイスと言えば永世中立国。
主な産業は時計と精密機械。
もしかしたらハイジを思い浮かべる人もいるかもしれない。
チーズとヨーデルを愛する、牧歌的な国だと思われがちだし、実際にもそういう国なのだろう。
しかし、バルネッタは全くそのイメージを踏襲しない。
ガットゥーゾ似の風貌で右サイドを激しくアップダウンを繰り返す。
テクニックはそれほどないが、運動量とスタミナで、後半になればなるほど力を発揮するタイプ。
体の接触を厭うこともなく、永世中立国どころか、動く最前線基地と言った風情。
鉄砲サイドバックのフィリップ・デゲンと組む右サイドは、ヨハン・フォーゲルの組み立てる秩序からは程遠く、無政府状態となることもしばしば。
だが、その無謀なまでの突破と過剰な戦闘意欲が、おとなしく、教科書どおりの戦術を敷くスイスに、いい意味での逸脱を与えている。
作戦名「アルプス直滑降」。
さあ、行けバルネッタ!
右サイドを爆走し、敵チームに混乱と破壊を与えよ!
キャッチフレーズは「俺のいるところが最前線」。
炎上の可能性もあるが、そんなものに構うことはない!
きっとフォーゲルが火消ししてくれる。
と、思う。
がんばれ、バルネッタ!行け行け、バルネッタ!
退場には気をつけろよ!

「へへっ、わかってらぁ、フォーゲルのおっさん!」

ワールドカップの肖像 6

グループF


■クロアチア
■ズラトコ・クラニツァール、ニコ・クラニツァール
■監督、MF

メディア的なフレーズでは「親子鷹」とでも言うのだろうか。
親が監督、子が選手、というのは得てして誤解を生みやすい。
別に親が監督だからと言って、選手の実力が変わるわけではない。
他の監督でもその選手を使う場合もあるだろう。
しかし、色眼鏡で見られることはやむを得ない。
ウイニングイレブンや三国志のように、能力を数値化できない以上、常に疑惑の視線から逃れることはできないだろう。
文句を言われないのは、マルディーニ親子くらいじゃないだろうか。
息子のパオロ・マルディーニを選んでも、父親チェーザレが批判されることはない。
彼くらいのぶっちぎりの実力があれば、問題はないのだ。
ただ、そんな場合はほとんどないのだが。
ニコ・クラニツァールもいまだに価値を示せずにいる。
プレースタイルはテクニカルな司令塔。
足元がうまく、ビジョンが広い。
しかし、走らない、守らない、プレスに弱い、といういかにもありがちな欠点を持ち、古典的ゲームメーカーという絶滅危惧種に分類される。
今のままでは、福西あたりに肘打ちされてゲームオーバー。
おそらく、今大会でそれほどのインパクトは残せないだろう。
監督にとっては、息子と心中というのも一つの選択だとは思う。
しかし、心配なのは大会後だ。
無様な成績を残した場合、国に帰れるのだろうか?
卵投げくらいですめばいいのだが、流浪の外国暮らしの可能性もあり。
クラニツァール親子はチケットの手配をしておくべきかもしれない。
Jリーグなんていかがですか?



■オーストラリア
■ハリー・キューウェル
■FW/サイドMF

ハリー・キューウェルがこんな選手になるとはとても思わなかっただろう。
しかも、誰も予想もしなかった悪い方向に。
CLでベスト4まで行ったリーズ時代。
スミス、ヴィドゥカ、ボウヤー、リオ・ファーディナンドなどの若い連中のなかでも、とりわけキューウェルは切れがあった。
左サイドを基点とした高速ドリブルはナイフのような切れ味、決定力はあまりなかったが、常に起点として、脅威として君臨していた。
「ギグスの次にプレミアの左サイドを支配するのはこいつだ。」と私は思ったし、そういう意見も多かった。
しかし、彼は伸び悩んだ。
リーズの負債による凋落、リヴァプールへの放出、そして大怪我。
今はリヴァプールで試合に出ているようだが、往時の白昼夢のようなきらめきはない。
ドリブルは相変わらず速いし、飛び出しもある。
しかし、決定的な何かが足りない。
「何か」とはなんだと言われると困るのだが、私も何かとしか言えないのだからしょうがない。
ドリブラーだとかストライカーが最も重要にするような、「何か」。
キレだとか感覚だとか、そっちのほうがわかりやすいだろうか。
見ている側としては「あ、抜ける」と思う予感だ。(断るまでもないが、安達祐実の母親の写真集を見て「あ、(これでも)抜ける」という予感とは全く違うことははっきりさせておかなければならないだろう。)
ともかく、怪我がやはり大きかったのだろうが、キューウェルの絶対的な存在感は失われてしまった。
彼はこのまま終わってしまうのだろうか?
それはわからない。
しかし、復権するためには、あのたたずまいを取り戻すことが絶対に必要だ。
キューウェルが左サイドでボールを持つと、観客席が静かにざわめき、敵のファンが背筋に冷たい汗をかくような、あの感覚。
ハリー・キューウェルのナイフは研がれているのだろうか?



■日本
■福西崇史
■MF

やる気があるのかないのかよくわからない。
だが能力があるのは間違いがない。
ライバル稲本の不調にも助けられ、中盤のレギュラーを奪取。
そのプレースタイルはセンス重視。
運動量があるわけではないが、DFの前で確実に攻撃の芽を摘む正確なポジショニング。
攻撃も頻度が多いわけではないが、ここぞという時に前線に進出して得点を奪う。
そして、これを最も強調したいのだが、福西はとにかく汚い。
汚いと言っても戸田のような派手な汚さではなく、いわゆる知能犯。
審判の見えないところで肘を入れる技術はワールドクラス。
あのポジションで被カード率は日本代表で最も少ないくらいだ。
ありえない。
まさにプロの仕事といえる。
しかし、今回はワールドカップ、福西が肘打ち程度で満足するとは到底思えない。
試合中に限らず、どんどんと対戦相手に汚い罠をかけるはずだ。
「ダリオ・スルナの食べているパスタに大量の髪の毛が」「ダド・プルソのちょんまげをつかんで引きずり倒す福西」「ロビーニョのおもちゃを隠す福西」「ロベルト・カルロスの空気を抜く福西」「ヒディンクを小池栄子に誘わせる福西」「三都主のベッドに毒蛇が(誤爆)」「小笠原の耳元に甘く囁く福西」「巨神兵を不完全なまま甦らせる福西」「この夏胸元を福西で固めてちょい悪風に」
あの福西のことである。
これくらいのことをやらないとも限らない。
心配なのはレッドカードだが、福西に限っては大舞台でおたおたするという心配もなさそうだ。
平気でロナウジーニョとか削るはず。
正直な話、日本のDFの命運はこの男が握っているのは間違いがない。
2002年の戸田とはまた違うダーティさをご堪能ください。



■ブラジル
■ロナウジーニョ・ガウーショ
■FW/MF

今大会、王は冠を静かに置く。
フランス代表のジダンがこのワールドカップを最後に、現役を退く。
彼の功績については言うまでもないだろう。
90年代の終わりからは彼の時代だった。
信じがたいキープ力、冷静な判断力、ジダンは間違いなく頂点にいた。
その間、何人かの選手がその王座に手をかけた。
たとえば、トッティ。あるいは、バラック。
しかし、彼らは何らかの理由で資格を失い、転落していった。
ジダンは王座につき続けなければならなかった。
それでも、今度はほんとに最後になる。
次を継ぐ大本命と目されているのがこのロナウジーニョだ。
能力はいまさら説明してもしょうがない。
変態ドリブル、わけわからんシュート、不細工な顔。
資格としては申し分なし。
後は記憶に残るプレーだけだ。
CLでは既に見せている(去年のチェルシー戦の魔法のトゥキックなど)。
しかし、やはりワールドカップで見せなければいけない。
前回はリヴァウドという保護者がいたが、押しもおされぬ王国のエースとして今回は望まなければいけない。
観客の期待値はいやでも上がっている。
マラドーナの5人抜きくらいのことをしなければ納得しないだろう。
王国のエース、世界の王への挑戦。
常人なら聞いただけで卒倒しそうな重圧。
だが、彼にプレッシャーはあるのだろうか?
それはよくわからない。
ただ一つ言えることは、彼が最も楽しくプレーしている選手だということだ。