ワールドカップ短評 2 | picture of player

ワールドカップ短評 2

手堅いゲームが多いですな。



■イングランド1‐0パラグアイ


■短評
パラグアイの守り倒し失敗。それだけ。イングランドは中盤の卓越した構成力はすごいものがあるが、それをフィニッシュに生かせていない。結局決定機は、ジョー・コールの単独突破とランパードのミドルのみ。クラウチは確かに競り勝てるが、いかんせんなぜか低い位置でばかりポストプレイをするので、あまり相手の脅威にならない。かといって、サイドで抜いてもなあ。ジェラード、ランパードをもっと生かす形をこれから作れるかどうか。たぶん、無理。ルーニー待ちです。パラグアイは前半早々のオウンゴールとキーパー負傷退場で出鼻をくじかれ、得意の泥仕合に持ち込むことができず。0-0で後半まで行ってたら面白かったかも。攻撃は組み立てもくそもないが、バルデスの突破力、クエバスのコネコネドリブルは武器。サンタクルスがどこまで調子を取り戻せるか。この試合はかなり重そうでした。


■picture of player カルロス・パレデス
レッジーナの狂犬は今日も噛み付きまくり。再三に渡って殺人タックルを仕掛け、また大して痛くもないのに寝転がっては、イングランドのやさしい殿方たちの大ブーイングを食らうなど、大好評。いやー、いいねー、こういう選手。しかし、ファウルだけではなく、幾度かゴール前の危険なところに飛び込んでも行ったので、サンタクルスの調子が上がらない間、彼が攻撃の鍵を握るかもしれない。バルデスはシュート入らないしね。



■スウェーデン0‐0トリニダード・トバゴ


■短評
アホっぽい試合が多い中で、これぞワールドカップという、今までで最も痺れた試合。32チーム中最弱とか噂されていたトリニダード・トバゴだが、決してそんなことはなく。チームは決め手に欠けるものの、綺麗に組織され、守備にも攻撃にも意図が感じられる。また、開始直前に変更になったGKヒスロップの大当たりもあって、歴史的な勝点1を獲得。まあ、ヒスロップが凄いというよりも、全部ヒスロップに当ててたような気もしたが。逆にスウェーデンは予想外の不出来。特にトップのイブラヒモビッチが明らかに不調。また、一人少ない相手に畳み掛ける迫力にも欠けた。再三カウンターを許していたDF面も含め、再度の巻きなおしが必要か。


■picture of player レオ・ベーンハッカー
さすがオランダ仕込みという指導で、特に個人技に優れるわけではないチームに約束事を徹底させ、ワールドカップで戦えるチームに仕上げてきた。また、厳しい判定で一人退場した後も、チームをパニックに陥れずに、逆に反攻のチャンスを何度か作って勝に等しいドローに持ち込んだ。お見事。これがほんとの監督の仕事だよね、ジーコさん。



■アルゼンチン2‐1コートジボワール


■短評
狡猾なアルゼンチンが順当に勝ちを拾ったというところか。リケルメで攻撃を仕切ると小学生でもわかるのに、なぜかコートジボワールは特定のマーカーをつけず。おかげでリケルメワンマンショーの前半で勝負あり。アルゼンチンはリケルメで心中という共通理解が浸透していて、攻守の切替え時においてのリケルメ以外の選手の反応の速さが際立っていた。特にマスチェラーノ、カンビアッソの中央守備ブロックは強固。硬いです、アルゼンチン。後は、いつメッシーを使ってくるか。コートジボワールは、相手がアルゼンチンじゃなかったら、というところ。攻撃時から守備への切り替えが遅く、そこから何度も反攻を食らっていたのは改善点だが、ドログバを中心としたアナーキーな攻撃は中々に威力あり。まだ、可能性あります。


■picture of player ファン・パブロ・ソリン
一人トータルフットボール。左サイドでフィニッシュに絡むかと思えば、ゴール前でヘディングでクリア。時には逆サイドにも顔を出す常軌を逸した運動量で、アルゼンチンの攻撃にいい意味での逸脱を与えていた。リケルメ中心にするということは、こういう選手も必要だということ。しかし、こいつをはじめとしてアルゼンチンはうっとうしい髪形が多い。髪切れ、髪。