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■戦評■J1第10節 川崎-FC東京

■川崎5-2FC東京
■短評

多摩川クラシコとかいう一年後には誰も言ってなさそうな名前がつけられた一戦は、クラシコというのも憚られそうな、あまりにも大きな力の差が露わになった試合だった。


川崎、FC東京共にメンバーがやや落ちている。川崎はマギヌン・我那覇がメンバー外。DFが右から箕輪、寺田、伊藤、中盤の底に戻ってきた中村と谷口、右にヤンキー森、左が村上、トップ下には今季初先発の大橋、2トップは黒津・ジュニーニョ。FC東京はようやく茂庭が復帰し、DFは右から徳永、今野、茂庭、藤山、MFは底に浅利、ちょっと前に福西、2列目の3人は右から石川、馬場、栗澤、トップにはルーカス。


前半で4失点という「惨劇」は一体なぜ起きたのか?


それはひとえにFC東京の守備が東海村原発並のずさんなリスク管理しかできなかったからだ。最初の2失点でほとんど試合は決まってしまったようなものだが、そのいずれもがカウンターによるもの。3失点目につながるFKを与えたのもカウンターからだ。1点目の大橋のミドルのときはアンカーに浅利が残っているだけで、その浅利も簡単にかわされてしまってはお手上げ。2失点目も同じような形から。不整合なDFラインの間を縫った黒津が思い切りよく放ったミドルがゴールに吸い込まれた。いずれもゴラッソと言っていいほどの見事な得点だったが、アンラッキーの一言では済まされないだろう。とにかく、守備を得意とする選手が少なすぎる。今野は確かに勤勉だが、4バックのセンターとしては低すぎ、彼を中盤で使うべきなのは間違いない。また、中盤以降では浅利くらいしか守備的な人材が見当たらず、カウンターとなると我先に走り出していってしまう。それがうまくつながっていけばいいのだが、あまり同じメンバーで長いことやってないのと、川崎のDFブロックがかっちりとしているので、いやな形でボールを奪われる状態が頻発した。本来は福西がこういう場面を締めるべきなのだろうが、彼もさっさと前線に行ってしまうので、バイタルには浅利がぽつーん。それで徳永までがんがんオーバーラップするのだから、無理がありすぎる。これでは茂庭が復帰してもどうにもならないだろう。とにかく守備の意識が足りなすぎる。攻撃ではぼちぼちチャンスを作っていただけに、このバランスをどうにかしないと、このまま底辺を這い続ける可能性がある。


しかし、その間隙を的確に突いた川崎も、強豪というのにふさわしい堅い出来。中村が戻ってきたことで、縦への鋭さと速さが戻ってきた。大橋、ジュニーニョ、黒津が交互にサイドのスペースとバイタルエリアに顔を出していたが、そこに丁寧な配給を繰り返した。また、FC東京の縦に速い攻撃も、中村、谷口と3バック、両WBが連携して先手を取らせず、堅固な陣形を構築。中村も派手な活躍ではなかったが、やはりこのチームの軸になるハブプレーヤーであり、川崎にはその中村を機能させる枠組みが出来上がっている。FC東京との差は簡単に言えばここがでかいのだが、中心も定められてないようなチームとの差が一朝一夕で埋まるはずもない。ただ、怖いのは怪我と疲労による心臓部分の機能不全だが、心臓の替えを用意できるチームは、札束風呂に入れるような金満の数チームしかない。精一杯のケアをしてあとは運任せにするしかないだろう。高尾山にお参りにでも行ってきなさい。


また、補強の差が如実に現れている試合でもあった。川崎では、村上、大橋、河村といった選手が的確な働きを見せているのに比べ、FC東京の新加入組ではワンチョペが駄目、エヴァウドが影も形もなく、福西がかろうじて試合に出ているが効果的な働きはない。スタメンを並べてみるとほとんど2年前の原時代と一緒というのはいかがなものか。このチームの大部分が徐々に若手から中堅の世代に年をとっていき、それだけチームの伸びしろは少なくなってきている。若手の突き上げもなく、安定と言えば聞こえはいいが、新陳代謝がほとんどなされていないチームの未来は暗そう。なにせあのリヨンだって、6連覇の間には初年度が跡形もないくらいチームが変わってきているしなあ。


■picture of player 原監督
で、どうするの?

■通信簿■J1 2007序盤戦 part4

ちょっと間が空いてるうちに、8節が終わっちゃった。


■川崎
■3位
■6.5点
■短評

ACLとの掛け持ちの中、及第点以上の出来では。特に前節、調子の上がらない浦和を相手に堂々としたゲームを披露し、その上勝ち切ったのは強さを感じた。嬉しい誤算は左サイド。村上が謎の助っ人フランシスマールの穴を埋めて余りある活躍で、攻守に貢献。また、ACL用に獲得した河村、FWのスペアの黒津も及第点の出来。大橋は期待はずれだが、それ以外は昨シーズンのベースを維持したまま、やりくりしている。問題はこれから先か。ACLの勝ちぬけがほぼ決定し、さらには日本代表に森、中村、我那覇、川島が呼ばれるようになり、疲労は確実に蓄積していく。現に、ドーピング問題で我那覇を欠き、中村を怪我で欠いた第8節は拙いゲームをしてしまった。代表関係ないジュニーニョ・マギヌン当たりが頑張らないと、よくわからないうちに順位が落ちていってしまうだろう。
■picture of player マギヌン
去年の不安定な動きはどこへやら、今季は絶好調。技術レベルはそれほど高くないのだが、常軌を逸した運動量で中盤~前線のあらゆる地点に出没。攻撃のいいアクセントになっている。ジュニーニョが封じられても、彼のおかげで勝ちを拾った試合が今年はいくつかあった。なんか体頑丈そうだし、体力もあるので、このままの調子を保っていけば、脅威を与え続けることができるだろう。でも、なんでこの人すんごい頭悪そうに見えるんだろうね。俺だけ?



■磐田
■8位
■5.5点
■短評

評価の難しいチーム。大勝したかと思えば、その次の節には嘘のような大敗を喫してしまう、不安定な状態。アジウソン監督が相手に合わせて4バックと3バックを使い分けているのだが、それに選手が適応できていない。やはりやり慣れた4バックで固定するべきだろう(昔は3バックが磐田の代名詞だったのにね)。それと、前田の怪我はやはり痛い。カレンが奮闘しているが、生粋のストライカーというわけでもないし、この後も慢性的な得点不足に悩まされるだろう。また、中盤の構成も悩みどころ。現在3センター気味で菊地とパラナが前に出ることで攻撃の流動性を確保しているが、彼らを抑えられると中々難しい。また、FWが戻ってきたときに、太田や西をどこで使うのかという問題もある。確かにトップ下をやらせるとしたら成岡くらいしかいないのだろうが、いまいち成岡にこだわるほどの理由はないような気がする。
■picture of player マルキーニョス・パラナ
ファブリシオがもちろん攻守の要なのだが、彼がそのサポート役。豊富な運動量とシンプルだが気の利いたつなぎで磐田の中盤に秩序を与えている。チームになじんできたのか、守備だけでなく前線に顔を出すこともしばしばで、手薄になりがちな前線をよくサポートしている。手薄な磐田の中盤において、彼が出続けていることが、今後も磐田の安定のバロメーターになるだろう。でもこの人の顔 見たんだけど、なにかに似ていると思ったらクライファート に若干似てる。



■横浜FM
■9位
■5.0点
■短評

評価しづらいチームパート2。もう、よくわかりません、このチーム。3トップに固執していたのをやめて、選手任せの4-4-2にしたら、なんとなくチームが機能してしまった。一体、シーズン前のキャンプに何の意味があったのか。ともあれ、坂田・大島の勤勉な2トップがプレスをかけ、後は山瀬の即興芸で点をとるという、非常に明快でわかりやすい戦法を構築(というか、それ以外にやりようがない)。山瀬を止められると厳しいとは思うのだが、好調時の彼の神出鬼没な動きを止められるような人物はJ1でもそれほど多くない。また、他の選手に関しても、それぞれの技術・守備能力は非常に高いので、守備戦術がしっかりした上位チームには勝てないが、個人能力で勝る下位チームに対してはえげつない勝ち方をする、というのを繰り返して、気付いてみたら6位くらいにはなってるかもしれない。非常にジーコジャパン的チーム。問題は、6位くらいになると、無為自然の早野さんがそのまま留任するってことなんだけど、それはサポーターとしてはどうなんでしょ?若手を使ってるのはいいんだけど、ああいう無秩序な使い方だと伸びるもんも伸びない気がするしなあ。
■picture of player 山瀬功治
このチームの名実共に顔。3トップの間はマルケスだのマルクスだの我が強い(というか守備しない)人たちに囲まれて、その生真面目さから守備に奔走していたが、周りを舎弟と実際の弟が固めるようになると、思う存分その機動性を発揮。この人の何がすごいかって、動きながらの技術。トップスピードに近い状態でのボールコントロール能力は、日本でも屈指だろう。懸念はやっぱり怪我。今までも随分と故障に泣かされてきたが、今のチームは彼が壊れたときにチーム崩壊というわかりやすい図式。早野さんは監督業なんかしないで、ひたすら塩盛って祈っといてください。



■大分
■13位
■5.0点
■短評
やはりエジミウソン&トゥーリオが抜けた穴は大きかった。中盤センターが固定できないので、なし崩し的にチーム全体が耐震強度疑惑。藤田、宮沢、マラニョン、西山、と色々な選手を使ってはいるが、どれも帯に短し襷に長しで、絶妙な組み合わせは見つかっていない。このままここを固定できないと、シーズン終盤までボディブローのように効いてくることだろう。そうなると、引きこもってアウグスト、松橋、高松のハンマーパンチ一発に賭けるしかなさそうだが、この3人にも依然としてハーモニーは見当たらず。さて、どうしたもんか。遂に魔術師シャムスカの神通力も失われ、魔法の切れたかぼちゃの馬車はただのかぼちゃになってしまうのか?しかし、その時、シャムスカは不敵に笑い、遂に禁断の呪文を唱えたのであった…!(シャムスカ先生の次回作にご期待ください!)
■picture of player 金崎夢生
高卒ルーキーだが、現状中盤では最も可能性を感じさせる人。とても新人とは思えない落ち着いた捌きは、今の大分にとって一番必要なことか。確かに体はまだ出来上がっていないし、守備能力には一抹の不安を感じるのだが、当然一番伸びしろもある。守備力のある藤田@千葉から出向中と組ませるなどして、育てながら使うのもありなんじゃないかな。その場合はトップ下にももうちょっと守備できる人いれないと駄目かもしれんが。しかし、なんだろうね、ムーってのはやっぱりムー大陸から取っているのかね?



■浦和
■4位
■5.5点
■短評

「しぶとさ」という最も数字に表れにくい要素のみで、ここまで勝ち点を拾ってきた。オジェックの元でどういうサッカーをするのか興味深かったが、蓋を開けてみれば昨シーズンとほとんど変わらずの「固い」サッカー。というか、そもそもオジェックがどういうサッカーをしたいのかが全く見えてこない。理想が高い、もしくは、そもそも理想なんてない、という雲をつかむような状態なのだろうが、それを選手が去年のやり方を場面場面で踏襲することによって、なんとかチームとしての体裁を保っている。なので、去年とあまり変わらないのも当然。守備は4でも3でも強いことは強いが、攻撃では小野とポンテの即興ファンタジーに頼り切り。サイドバックで使われてるキャプテン山田があからさまにやる気をなくしているし、阿部の左サイドバックはよくやっているが、なんでそこに置くのかよくわからない。ワシントンはあからさまに不調でオジェックともそりが合わない模様。こうなってくると、誰が最初に反旗を翻すのか、というところにばかり興味がいってしまう。去年は勝利が全てを許容してくれたが、負けが込んでくると、ちょっと危ういかもしれない。
■picture of player 田中達也
手詰まり感漂う前線への復帰が期待される、リトルボンバー。ワシントンがポンコツ化してきて、永井が相変わらずのふぬけっぷりなので、彼のような悲壮感漂うFWが前線にいるといないとでは大違い。怪我がなければ、日本代表のレギュラーをがっちり取っていてもおかしくはない。早期復帰希望。



■大宮
■17位
■4.5点
■短評
現時点での降格候補ナンバー1。とにかくもう点が取れません。自慢の2ライン守備は堅固なものの、奪った後にはどうしましょう、と軍事独裁政権下の農民並の選択肢のなさ。とりあえずサーレスとかいう電柱を買ってみたものの、水本に「空中戦で」完敗するという輝かしい戦歴を残した。終盤に放り込み要員で投入される森田よりも遥かに劣るのでは使いようもなく。また、サイドバックのオーバーラップも稀で、攻撃は基本的には藤本、小林慶の孤軍奮闘にお任せというひどい状態。点はそれほど取られてはいないのだが、今の「取れて1点」という状況で勝ち点を取れるはずもない。正直、もう引きこもって吉原とかサイドアタッカーのスピードを生かしてのカウンターくらいしか術はないと思うのだが、あのハゲ監督はきっとある程度ポゼッションしようとするんだろうな。どっかんどっかん森田目掛けて蹴っちゃえばいいんだよ、ばーか。そういや、エニウトンってどこ行った。
■picture of player 西村卓朗
現状で後方からの攻撃参加で期待できるのは右サイドバックの彼くらい。なぜか左サイドバックをやらされている波戸は攻撃参加してもポンコツクロスしか上げられないため、西村の攻撃能力に頼るほかない。ただ、監督に言われているのか、それとも前線でキープできないからか、オーバーラップは極めて少なく、見せるのは後半ビハインドの状況でやけっぱちで上がっていくくらい。上がったときには必ず仕事をするんだけどね。彼を生かすためにも、前線でのキープが必要なのだが…。

■通信簿■J1 2007序盤戦 part3

■名古屋
■2位
■7.0点
■短評

びっくりしゃっくりなまさかの2位。どこへ行った、中位力。去年作り上げた守備組織網をベースに、ポゼッションをしようという意図。だったのだが、それほど徹底されているわけでもなく、プレッシャーかけられると結構簡単にロングボール。ただ、それがかえって好影響になった試合もあり、適度な緩急にもなっている。実際、つながれるよりはヨンセンに放り込まれたほうが逆に怖い場合もある。また、本田の成長、藤田の仕切りっぷり、ヨンセンの人柱政策、金・山口の高機動型MF、杉本の馬鹿っぽいスピード、増川空母など、各所に重要な人材を揃えていて、好チーム。これはなかな崩れない。レギュラーが出てれば。そう、このチームの選手層はチェーン居酒屋の刺身並の薄さ。一人でも怪我をしてしまうと、一気に白木屋クラスにグレードダウン。今後は本田も五輪予選で取られるし、怪我人も出ないとは限らない。そうなったときのフェルホーセンのうんざりしたような顔が今から楽しみ。まあ、最終的には中位で終わるんじゃないかな。
■picture of player 金正友
今年はまだ退場が1回・イエロー3枚とおとなしい金。大人か?大人になったのか?フェルフォーセン自作の洗脳装置が効いているのか?しかし、その野獣のような闘争本能をいつまで抑えつけられるのか?否!そんな生易しいものではない!シーズンが深まり、疲労が蓄積するにつれて、その隠した牙は鋭さを増していく・・・。できれば川渕キャプテン相手に盛大に噛み付いてください。



■甲府
■14位
■6.5点
■短評

去年同様、よくやっている、の一言に尽きる。戦力で劣る中、自分たちのスタイルを貫き続ける勇気と度胸は、手放しの賞賛を送らざるを得ない。シーズン最初は増嶋を中心としたDFラインの連携がとれず、攻撃でも点が中々とれなかったが、ここにきて美しいパス回しが得点に直結するようになってきた。新外国人のアルベルトはいまだにフィットしているとは言いがたいが、徹底されたハイプレスと運動量でチャンスを量産。特に、茂原、石原、藤田といった面々が攻撃で貢献。ここのところは保坂の意味不明の勝負強さで奇跡的に勝ちをとっているが、今後もこの調子でいくのだろう。大体にして、このチームが2年もJ1にいること自体が奇跡に近いのだし。いずれ、矢が尽き、刀折れるときもくるかもしれないが、そのときまでこの姿勢を貫いて欲しい。
■picture of player 茂原岳人
現在の甲府の原動力。攻撃と守備をつなぐリンクマンにして、現在甲府で最も優秀なフィニッシャー。左サイドから中盤を常軌を逸した運動量で広くカバーし、最後の仕掛けの部分での変化をつけている。守備まで含めると、貢献度は去年のバレー以上のものがあるのではないだろうか。さすが、一度逮捕されてる奴は強い。というか、あの泥酔侵入事件の人、って認識している人はもういないか。テクニック&運動量&精神力と三拍子揃ってますが、オシムさん、いかがです?今の彼なら、代表に選ばれても俺は全然驚かない。



■新潟
■6位
■7.5点
■短評
柏に隠れて地味ではあるが、サプライズチームパート2。前線からの守備が徹底され、ボールホルダーを複数で必ず囲い込む守備はお見事。矢野やエジミウソンがDFラインまで戻ってくる姿が何度も見られた。また、懸案だった中盤センターには寺川の代わりに本間を入れることで守備を引き締めた。これだけ守備に力を入れると、基本的にはショートカウンターくらいでしか点は取れないかもしれないが、そうそう大量失点をすることはないだろう。ただ、攻撃でもイマイチ機能していなかった深井のサイドに入れたマルシオ・リシャルデスがテクニックで前線にスパイス投入。移籍の千代反田、坂本も早々とフィットして、いいことづくめ。柏とは違った方向性ではあるが、これはこれで躍進するんじゃないだろうか。懸案はやっぱり極薄の選手層による控え不在か。ちょっとでもバランスを崩すと、がくっといきそうな危うさはある。
■picture of player 矢野貴章
調子のいいチームでレギュラーをがっちりゲット、日本代表にも定着し始めて、うはうは。次は選挙にも立候補するかというほどの順調ぶりだが、好事魔多し。今後はピッチに落とし穴があったり、ライバルの深井がスパイクに画鋲を入れていたり、対戦相手の中澤が「貴章…恐ろしい子!」と驚愕したり、いろいろあって大変かもしれない。とりあえず体を張ったプレイが売りなので、怪我はしないようにね。



■千葉
■13位
■5.5点
■短評

キャプテンと選手会長が抜けてしまい、タイヤのないままエンジン空ぶかし状態だったが、ここにきてようやく両輪が噛みあってきたかのようだ。守備は徐々にジョルジェビッチがヨーロッパクラスの対人能力を見せつけ、下村が絶妙のバランサーとなることになってようやく安定。ぽんぽん点を取られることもこれからはないだろう。また、攻撃でも貫禄さえ出てきた水野を単体で止められるDFはJ1には一人もいない。工藤がレギュラーに定着したことも大きい。前線でのボールの落ち着かせどころができて、サイド攻撃や羽生の飛び出しが効果的になってきた。走るサッカーと言っても、ボールを動かせないと無意味だからね。さて、ようやく整ったチームでこのまま夏まではぼちぼち勝つだろうが、やっぱり敵は夏場の暑さと疲労。相変わらずすっかすかの選手層で、貧乏チームのくせに代表が5人もいるのもマイナス要素。一口に走るサッカーと言っても、ボールが動かせなくても走れなくても成立しない。難しいね、サッカーは。今年は来年以降の足場固め。水野とか簡単に売ったりするんじゃねえぞ。
■picture of player 工藤浩平
やっと出てきたテクニシャン。ハースが抜けた前線で、ボールをキープして時間とスペースを創造。体は小さいがそのテクニックとキープ力は見もの。埋もれかけていた「姉崎のマラドーナ」がやっと花開き始めた。ただし、ギャルの方々は山岸・水野・巻などの千葉イケメンイメージを持たないで欲しい。顔は次長課長の河本そっくりだ。がんばれ工藤!負けるな工藤!俺たちは工藤が大好きだーー!!!

■通信簿■J1 2007序盤戦 part2

■FC東京
■15位
■4.5点
■短評

ガーロ暗黒帝政時代を経て、太陽王・原が戻ってきた!福西も来た!ワンチョペも来た!さあ優勝だ!というわけには、案の定いきませんでした。優勝争いどころか、降格争い。まず、守備ががたがた。茂庭不在でジャーン放出、代わりに来たエバウドは使えず、徳永、藤山のセンターで何をどうしろと。また、それをフォローすべき中盤も梶山、今野、福西では、今野一人への負担が多すぎる。しかもセンターバックとかやらされてるし。さらに、攻撃も軸が定まっておらず、ルーカス、平山、ワンチョペとそれぞれアクの強いFWが交じり合わず、あちらを立てればこちらが立たないという弱小緩衝国の悲哀状態。そんな状況で順位が上がるはずもなく、停滞。今後は、まずは守備固めといきたいところだが、さて茂庭と今野だけでそれが可能なのか。いっそのこと攻撃に比重を置いて、殴り倒す方針もありかも。そのためにも、今の「プチ銀河系」的な多中心主義を改め、FWはルーカス、MFは福西を中心にし、周囲にそれをサポートできる人間を配置するほうが手っ取り早い。それでも今の状態が成熟するのにこだわるならそれもありだが、完成するには時間がかかるので、ひょっとしたら…(以下J2)
■picture of player 栗澤僚一
足元でもらいたがる選手が多い中盤で、動きながらボールをさばける稀少人種。スケールは大きくないし、いかにも小粒だが、テクニックはあるし、運動量も多い。あまりにも地味なので拒否反応を示すかもしれないが、こういう選手は使うべき。福西を中盤の中心にするなら、絡ませたら面白いんじゃないか。


■清水
■6位
■6.0点
■短評
今年は優勝の期待を受けて一躍臨んだ新シーズン。序盤は可もなく不可もなく。新布陣を試行錯誤したことを考えれば、こんなものだろう。フェルナンジーニョが徐々にフィットしてきていること、枝村の居場所を作ったことで、攻撃にも幅が出てきた。守備が安定している分、大崩れはないだろう。最後まで優勝争いに絡む資格は十分にあり。ただ、怖いのは怪我で、センターバックと伊東にはスペアがいない。前者はまだ若手がいるのだが、後者は控えの杉山浩太がイマイチ頼りにならないため、伊東さん皆勤賞でお願いいたします。
■picture of player 西澤明訓
ここまではほぼ全くと言っていいほど使われていないが、能力は間違いなし。チョ・ジェジンの調子が上がらなければ、頭から使ってみるのもありなのでは。フェルナンジーニョ&西澤のくねくねキープコンビは見ていて面白そう。点には結びつかなそうだけど!!とは言え、その力が必要になるときは必ず来るはず。腐ったり、レンタル移籍でセレッソに戻ったりすんじゃねえぞ。


■柏
■5位
■7.5点
■短評
序盤戦最大の驚き。奇襲とも言える両サイドに菅沼・鈴木達也を配したフランサ・アタックが高いDFラインの相手には面白いように機能。研究されてくると難しそうだが、それでも中心となるフランサの能力が相当高いので、終盤まで持ちそう。懸念されていた守備もなんとか持ちこたえている。不安定で高いラインを、古賀と近藤の個人能力でカバー。あと南もかなりピンチを救ってる。自分のゴールに投げ込むだけが能じゃないぜ!(南談)。ただ、後半戦に向けてはセンターバックの前でボールを狩っていた山根の怪我が痛い。フィルタリング性能の悪化により、DFラインが埃にまみれる可能性もあり。それでも、この勢いなら残留は十分可能。どこまで維持できるか。黄色い太陽の挑戦は続く。
■picture of player 岡山一成
ここまで移籍した古賀に押し出されて全く出番なし。しかし、次の試合は古賀不在でおそらく出場だろう。相手は名古屋で、ヨンセンとの90分3本勝負。体のぶつけ合いなら五分五分か。ねじ伏せろ!そして、彼と南がそろったとき、柏に潜むネタファンタジーが炸裂するのだっ・・・!たぶん杉本にあっさり裏取られてレッドに10000ハヤノ。


■広島
■11位
■5.0点
■短評

誰もが「健康なら」という但し書きの期待をしていた今シーズン、蓋を開けてみたら健康でも駄目でした、というがっくりなスタート。かと言って、悪いサッカーをしているわけではない。昨年からメンバーを変えず、成熟したパス回しと決定力の高いFW、連携の取れたDFは健在。そして、何よりもみんなよく走る。しかし、それでも勝てないのだから、サッカーは難しい。以前にも書いた のだけれど、こういう流動的なチームのやり方にはやっぱり限界があるんだろうか。既に千葉が経験し、これから日本代表が経験するであろう「現代においてトータルフットボールは成立するのか?」という命題。個人的には順位度外視で追求してもらいたいが、そうもいかないんだろうなあ。
■picture of player ウェズレイ
速いテンポのサッカーの中で、唯一の「異物」。その是非についてはHUMEさんが論じている が、この方式は千葉時代の老オシムがハースなどで用いたエクストラキッカー方式(アーセナルのベルカンプ、アンリも同じ形?)。いわゆるトータルフットボールの理想と現実の止揚ポイントだと俺は思う。というわけで、チャンスメイクにゴールにと是非頑張ってもらいたい。ていうか、もう35歳なんだ。あの顔は全く年齢がわからないな。

■通信簿■J1 2007序盤戦 part1

さて、J1も7試合が終わり、徐々に各チームの状況が見えてきた。
なので、ちょっと面倒なのだけれど、それぞれのチームに採点をつけてみようかな、と思う。

名づけてJ1序盤戦通信簿

ちなみに、俺は通信簿に「もうちょっとだけでいいから頑張れば、才能が花開く。」みたいなことを書かれたことがあるが、頑張らなかったおかげで、見事に今まで開花していない。努力って難しいね。


評価はサッカーらしく10点満点の6点平均で。
ただ、選手評価と同じく、元々のそのチームの期待値・目標・能力をベースにしているため、必ずしも上位のチームが上に来るわけではない。
あと、今後に期待する選手をピックアップします。
では、適当に。順不同。
つうか、対談含めて、俺、この形式好きね。楽だから。



■横浜FC
■18位
■5.0点
■短評

断固無欠の勝ち点3。全くもって点が取れない。6試合を終えて3点では厳しい。また、自慢の守備もJ1最下位の16失点と日本の石油市場もびっくりの不均衡財政。これでは勝てません。点が取れないというのもかなり深刻なのだが、それ以上に綻びを見せている守備が心配。昨年から継続している4-4の守備ブロックが、J1相手には通用していない。特に中盤でのプレスを掻い潜られて、逆サイドがら空きという状況が頻発。中盤の要が山口、奥というベテラン勢なので、それを運動量でカバーするということもできない。その結果、逆サイドで数的優位を作られて崩壊。また、高い位置でボールも獲れないので、点も奪えない。非常に典型的な悪循環。典型的がゆえに、解決も難しい。いっそ引きこもってロングカウンター1本に賭けるかという選択肢もありそうだが、それを可能にしていた爆発的スピードのアレモンはもう亡く。ちーん(死んでない)。とまあ、取れる選択肢も限られているわけであって、端的に言えばどうしようもない。とも言ってられないので、ともかく奥か山口のどちらかは外して、守備を立て直すしかないだろう。元々の戦力が戦力なので、採点はこれでも甘め。
■picture of player 久保竜彦
もうなんつうか夢も希望もなくJ2降格まっしぐら、死の横浜峡谷なのだが、状況を覆せるとしたらこの男の予想不能の潜在力爆発か。逆に言えば、怪我がちの30過ぎのおっさんに全てを賭けなければいけないほど状況は悲劇的。



■鹿島アントラーズ

■9位
■4.5点
■短評

対談では石塚さん 大推薦の鹿島。外国人総とっかえ、監督も首をすげ替えて、さあ、行くぞ!と元気よく飛び出そうとしたのだが、思いっきり逆噴射。7節終えての勝ち点9も失望だが、その数字以上に内容はよくない。ファボン、マルキーニョスはまずまずだが、ダニーロが全くJのスピードについていけずにピッチを徘徊。あの手の司令塔系がボールをおさめられないと、試合では寝てるだけになってしまう。元々、ゆったりとしたプレスとパス回しから小笠原とか外国人が攻撃を変化させることで成り立っていたのだが、その期待の外国人がポンコツではかなり厳しい。おまけにそれを唯一代替できる野沢が怪我では打つ手なし。前節、ようやく野沢が戻ってきて、柳沢が小爆発を起こしたのだが、勢い余って自分の骨も爆発。タイミングが悪いシーズンってのはあるもので、今年は鹿島の年じゃないなあ、きっと。
■picture of player ダニーロ
この人が早期にフィットする可能性というのは限りなく低いと思うのだが、それでもキープレイヤーに上げたのは、監督のサンターナがこいつをさっさと切れるかどうか、という意味で。久々にこの手のプレーヤーを見ました。いやあ、確かにうまいんだけどね。でも、うまいだけじゃねぇ…。



■G大阪
■1位
■7.0点
■短評

AFCがない中、本命と目されながらもそのプレッシャーに負けることなく、がっちり首位をキープしているのはお見事。宮本の抜けたDFラインは、山口、シジクレイでかえって強固に。攻撃も家長を前に上げ、バレー・マグノの強力2トップを二川・遠藤が安定したパスワークでサポート。守備の意識も高く、明神・橋本がかっちりと締める中盤は隙なし。安田の左サイドがちと心配だが、彼を育てつつ周りがサポートできる余裕がある。弱点らしい弱点もなく、怖いのはCBが壊れたときと、去年と同じように遠藤がやはり替えが効かないことくらいか。それでも、ACLがないので、本命は変わらず。
■picture of player 家長昭博
五輪予選で忙しそうだが、彼がいるといないとでは攻撃のバリエーションが全然違う。代表で中央を経験したことが生きているのか、プレーに幅が出てきた。綺麗なパスワークの中で、唯一異質な香りを漂わせている(いい意味で)。彼がシーズンを通して一定のパフォーマンスを保てれば、攻撃を止めることはかなり難しい。でも、体力ないから厳しいかなあ。



■V神戸
■12位
■6.5点
■短評

よくやっているな、というのが印象。序盤に茂木をサイドバックに起用したときには「おいおい」と思ったが、前がかりになりがちなチーム構成の中で、バランスのいい守備を構築した松田監督には拍手。トーメ、ボッティ、大久保、近藤とそれぞれのポジションに核となる選手を配置しており、これから大崩はしないだろう。特に、走れる、守れる、さばける、という三拍子そろったボッティは大当たり。彼がこのチームのまぎれもない中心であることは明白。その周りにサポートできる人材を揃えたのも英断。後はもうちょっと点がとれればというところだが、大久保、レアンドロ、近藤が成熟してくれば、そこそこいけるんじゃないだろうか。三浦を怪我で欠いている中では、上出来でしょう。残留の芽が出てきた。
■picture of player 大久保嘉人
おとなしいなーと思っていたら、前節で遂に1枚目のレッドカードをゲット。ざまあみろ。ただ、プレー自体はチーム状況を考えたクレバーなものが多い。やっと適正ポジションのウイング気味の場所で使われて、ボールキープにラストパスに獅子奮迅。元々、サッカー知能は高いんだよね。バカだけど。このまま精進してください。あと、カードは、まあ、多少もらってもしょうがないか。



続くゼェェェーーーット!

■戦評■北京五輪アジア二次予選 シリア-日本

■シリア0-2日本
■短評

ガンバレニッポンファイト!という掛け声くらいしかほとんど記憶に残ってないので、短めに。


とりあえず水野のミドルで先制して、あとは個人技で押し切ったのだが、相変わらず連携は即興気味だし、ラインは深いし、前の試合と比べても特に成熟しているわけでもない。

また、暑さが祟ったのかペースダウンが早く、後半には望ましくない打ち合いの状況に持ち込まれ、いわゆる各の違いを見せることはできなかった。
詳しい内容はここ とかここ とかで確認してください。俺も概ね同意。

ガゼッタさんの言うように、要するに「しょっぱい」。


で、個人技でははるかに凌駕している相手に「しょっぱい」試合をしてしまう理由について考えたんだけど、どうもうまくつながらない。
一緒にこなしている試合数は多い。消化できないほどの前衛的な戦術をとっているわけでもない。選手の能力が低いわけでもない。
はて、何がいけないんだろうか。風水か。方角か。はたまた日露戦争で死んだ曽祖父の霊か。
この不可解な不等式を解く鍵は冒頭の「ガンバレニッポンファイト」にあるのかもしれない。


と、まあ別に気合が足りないとかそういうことを言いたいわけでもない。
そういえば、現地シリアのスタジアムはアウェイだったが、特に日本に対するブーイングもなく、かと言って自国の代表を応援しようというのでもなかった。
異常に静かだったのだ。
どらくらい静かかと言うと、日本人会の子どもたち(?)が声を張り上げて応援してるのがはっきりと聞き取れるくらいだった。
もちろん、日本チームのスタッフの声も、誰が喋ったのかもはっきりとわかる(あの反町さんの怒号!)。
要するに、総音量が少ないため、スタジアムの声が認識可能な状態だった。

なんとなく、前のワールドカップ予選の無観客試合を思い出した。


しかし、その静かな環境でも、ほとんど聞こえなかったものがある。
日本選手の声だ。
ミスをした選手を怒鳴りつけたり、相手のプレーに怒ったり、そういった大声はほとんど聞くことができなかった。
プレーが切れたときに打合せをする様子さえ稀だった。
彼らは作業のように淡々と試合をこなしていた。
まるでパンを切るように、肉を捌くように、あるいは中年夫婦のセックスのように音もなく。


別に常に大声を張り上げろというわけではない。某ライターの言うように「鬼軍曹」が必要だとも思わない。
しかし、時には声を張り上げる必要もあるだろう。サッカーというスポーツは高いコミュニケーション能力を必要とするスポーツなのだ。
そして、試合というのはトレーニングの反復練習ではない。
時間とともに千変万化する試合の流れの間に、「何が必要で」、「何がダメで」、「どうすればいいのか」といったことを認識し、味方に伝えなければならない。
そのためには、試合中の「話し合い」「声かけ」というのが非常に初歩的だが、重要な手段になる。
うまくいってるのなら、黙っててもいいだろう。だが、昨日は明らかに悪い時間帯も多かった。
しかし、その間、彼らは一貫して沈黙し続けた。
結果的には勝ったのだが、これではチームの成熟なんか進むわけがない。


もしかしたら、声を出す、っていう行為を精神論と結びつけたがるかもしれない。
そりゃ、無意味な声出しなんてのは論外。「ディーフェンス!ディーフェンス!」なんて愚の骨頂。
でも、本当の声出しは違うんだよね。それは立派な個人戦術・集団戦術の基礎。
アイコンタクトの微妙なニュアンスも必要だけれど、女を落とすには言葉に出して言う求愛も必要だってこと。

もし、声出しそもそもが出来ないってことであれば、いいボイストレーニングの(以下略)


■picture of player シリアのGK
国立で見たときもそうだったんだけど、この人の時間稼ぎはすごい。開始1分から時間浪費。負けててものったりおっとり。怪我のふりもしてみたりする。とにかく遅い。超マリーシア。もはやその時間稼ぎは芸術の域に達していて、中東の様式美。しっかし、臆面もなくこういうことやれちゃうキーパーがこの年代にいるんだから、深いよなあ、中東。

■日本代表■初選出選手の紹介

そんなこと書いてたことすらさっぱり忘れてたんだけど、ネリチャギさんに言われて思い出したので、日本代表トレーニングキャンプの新顔を紹介してみるぜ!


■西部洋平
清水の守護神がやっとのことで代表招集。堅守の清水の中で、冷静なゴールキーピングが持ち味。それもそのはず、清水に来る前は浦和の怒号にもまれてます。それに比べたら日本平なんてそよ風程度(のはず)。とは言うものの、実力としてはJでアベレージといった感じ。キーパーの層は非常に熱く、生き残ることは並大抵ではないが、「普通の人」として頑張って欲しい。意外とこういう人が第三キーパーで最後まで残ってたりすることが往々にしてある。


■内田篤人
調子の上がらない鹿島から、唯一の選出。U-22では「いらない」って反町さんに言われたのに、なんでもう一つ上のカテゴリーには呼ばれてんの、一貫性が実は取れてないんじゃないの、という釈然としない思いはあるが、ボールを持ったときの攻撃能力は加地よりも上。ただ、オフザボールの動きと守備に課題があるため、今回の招集はオシム軍曹のトレーニングを受けさせるためか。将来のための投資。しかし、1988年生まれがA代表とか鼻血が出て卒倒してしまいそうだ。


■森勇介
うわー、来ちゃったよ。まあ能力的には問題ないので、その性根を叩きなおすのが今回の招集の目的か。化けたらとんでもない選手になりそうな感じはあるのだが、なんかオシムに難しいこと言われても「わかんねっす」とか言いそうな気がする。とりあえず、現段階で公式戦で使うのはかなり怖い。(この文章は大久保が代表に呼ばれたときもそのまま使えます)


■太田吉彰
ちょっと遅いくらい。磐田の攻撃の核。サイドから前線を幅広く駆け回り、チャンスメイク、フィニッシュに獅子奮迅。とんでもないスピードを持っていて、今の代表には珍しいタイプ。山岸あたりと同じ使い方になるんだろうか。課題は守備か。運動量ではまだ山岸のほうが上だけに、どれだけ1試合を通してそれをキープできるか。ただ、羽生的な瞬間カンフル剤としての使い方もありだと思う。


■柏木陽介
これも妥当。ただ、U-22では(以下略)。非常に賢い選手。前線を駆け回り、少ないタッチでゴール前で変化をつけられる逸材。見た目地味だが、そのセンスはこの年代ではずば抜けている。羽生タイプ。守備力もあのポジションなら十分すぎるほど。将来的に代表の攻撃の核となっていく選手になるだろう。現状で羽生以外に似たようなタイプがいないため、このまま生き残る可能性もあると思う。トップ下を置くなら中村タイプよりもこのタイプが現代表ではフィットするだろうしね。


■近藤祐介
全国のライトな代表ファンからは「誰だよお前!」と総つっこみを受けそうだが、選出はきわめて妥当。FC東京時代から体の頑強さには定評があったが、「あまりにも当たりが強すぎて普通の競り合いがファウルになる」という都市伝説のような不器用さが災いして、出場機会を得られず。神戸に移ってからは、その無尽蔵の運動量でレギュラーをゲット。ボールがある時よりもない時に動き回り、守備にも貢献。そう、選出は当然、巻・矢野の人柱枠。まだまだポストプレイやヘディングの入り方などに課題は多いものの、この3人の中では一番スピードがあるし、高さはそれほどないが、単純な体のぶつけ合いなら巻よりも強いかもしれない。怪我が絶えない&殺人的な運動量が必要というポジションでもあるしね。そういや、この人22歳なんだけど、オリンピック代表の資格はないの??


■まだ呼ばれてないけど、オシムさんがこのブログを読んでいたら(読むわけない)一回くらい呼んでみてください思いつきリスト
増川、杉本、菅野、茂原、坂本、古賀兄、鈴木達、谷口、市川、高木和道、深谷、高橋大輔

■プレビュー■J1第6節2日目

全然当たってねーじゃねーか!!つうか、名古屋とガンバ負けるなんてわかるか!(これは逆切れといいます)


続いて2日目。


■柏-浦和
どこで止まるかイエロートレイン。今回はミノルーニーこと菅沼と李くんが不在。特に菅沼はフランサアタックのレシーバーとして機能していただけに、これは苦しいか。かと言って、浦和の状況がいいわけでもない。浦和は明らかに4バックに戸惑っているし、中盤で守備的な人間が啓太だけというのは、さすがに厳しい。もっと走れる選手、たとえば酒井とか入れてみたら、と思うんだけど、そんなことしねえんだろうな。ACL後でおそらく疲れていると思うし、それ以前に慣れない布陣のためか、運動量が少なすぎる。まあ、1-1くらいじゃないのかな。フランサ1点、トゥーリオ1点。


■川崎-清水
こちらもガチンコ上位対決。これは面白い。川崎はマギヌンが好調、ジュニーニョ・我那覇というラインも復活。ACLもあるが、まだシーズン始まったばかりなので気合でがんばれ。清水は最初の壁。優勝するためにはここを乗り切らなければならない。中村、谷口の中盤に対して、伊藤、枝村が先手を取れるか。藤本が違いをつけられるか。中盤の争いで五分に持ち込めれば、サイドは互角。後は決定力。そろそろフェルナンジーニョが爆発しそう。1-2で清水。


■大分-FC東京
大分はなんだかよくわからないのでパス。アウグストは戻ってくるの?そんで、東京はどうすんだろうね。平山君、梶山くんと伊野波くんがおりません。戦力は豊富にあるのだが、あちらを立てればこちらが立たずというどうにも悩ましいチーム状態。変にワンチョペや平山に期待するのではなく、計算の立つルーカスを前線の軸に据えればいいのに。そして中盤の軸はヤクザに決まっておろうが!今節は平山がいないので、ルーカス1トップができますね。でもこの前それで負けたんだっけか。迷走は続く。シャムスカカウンター炸裂で、2-0で大分。

■プレビュー■Jリーグ第6節1日目

第6節勝手に全試合一言プレビュー


■大宮 - 名古屋
まだ未勝利の大宮。とにかく点が入らない。トップにボールが収まらないのでどうしようもないのだが、新加入のサーレスがその鍵となるか。ただ、ひたすら引きこもって吉原のカウンターもありじゃない?とは思うのだが、それでも苦しい。名古屋はU-23で抜けた本田の穴をどうするか。おそらくアタッカータイプの阿部が入ることにはなるのだろうが、まあ大宮ならさほど問題ではないか。前節でショッキングな敗戦をしたが、「困ったらヨンセン」という選択肢がある限り、大崩れはしないと思う。かくも電柱は偉大なり。順当に名古屋が勝ちそう。


■横浜FC - 鹿島
苦しむ2チーム。横浜FCは久保が案の定有給消化に入ったので、トップが新加入のシウバと新人の難波。これは苦しい。シウバは依然フィットせず、中盤も山口と奥が奮闘して入るが、火の車。とにかく攻め手がない。セットプレーに活路を見出すしかないか。同じく鹿島も悩んでいる。新加入のダニーロが予想通りのポンコツっぷりを見せて、幽霊状態でピッチを徘徊。その煽りを受けて攻撃はびっくり機能不全。おまけに今節は増田も不在。興絽などの日本人選手を最初から使うべきだと思うけど、そんなことしないんだろうなあ。0-0のスコアレスドロー。


■広島 - 甲府
今節一番の殴り合いになりそうなカード。浅いライン同士の高密度な中盤での戦いは、細かいミスが得点に直結しそう。ただ、広島は青山が国に徴兵で召集され、アンカーが誰もおりません(いるの?)ので、代表なんて全く関係ない甲府が一枚上手か。ただ、そうは言っても前線の決定力の差は歴然。早めに甲府が決められない限り、佐藤、ウェズレイに蹂躙される可能性大。5-3とかあほみたいなスコアで広島。


■新潟 - G大阪
上り調子の新潟と、前節に川崎の挑戦を無難に乗り切ったG大阪。新潟は新戦力がフィットしてきたらしいが、あんまり見てないので知らない。G大阪は代表で家長がとられちゃうけど、まあ、それが致命的になるようなチームでもないし、普通に遠藤が上がって橋本・明神のロマンスグレーボランチでシャットアウト。G大阪がやられるとしたらごりごり縦に放り込まれて、って形だと思うので、新潟みたいにつないでくるチームはかえって楽のような。順当にG大阪でしょう。


■神戸 - 千葉
うだつのあがらない両チーム。神戸はどう考えてもDFが手薄。ボッティがなんとか中盤を保たせているが、素人の茂木をサイドバックにせざるを得ないDFは相当すかすか。千葉の運動量に対抗できるか。また、そろそろサイドに追いやられた大久保の機嫌が悪くなってきているはず。千葉は前節完璧とも言えるゲームを披露し、下村、ジョルジェビッチがフィットし始めている。ただ、今節は攻撃の核である水野、レギュラーCB水本が召集令状。代わりに入る朴、斉藤がどれだけできるか。また、羽生の出場も微妙。ただ、前節のサッカーを続けられるのなら、千葉でしょう。


■磐田 - 横浜FM
前節は内容のいいサッカーを見せながら、浦和の執念に押し切られた磐田。しかし、神出鬼没のガテン系としてチームに前線の預けどころを与えていたカレンが不在。西、林も怪我ということで、謎の太田ワントップか?それはいくらなんでも無理。横浜FMは戦術も戦略もないので、山瀬頼みのハンマーパンチサッカーで頑張ってください。両方守備はそこそこ堅いので、0-0もしくは1-1。

■戦評■J1第4節 広島-横浜FM

■広島1-3横浜FM
■短評

リアクションサッカーからアクションサッカーへの変貌をもくろむ広島と、そもそもなーんも形が出来てない無からの構築を試みる横浜FMの戦い。


横浜FMは地獄の3トップを結局諦め、オーソドックスな中盤ボックスの4-4-2。DFが右から田中隼、栗原、中澤、田中祐、MFが底に山瀬兄、河合、右に吉田、左に山瀬弟、FWが坂田、大島の補強は結局なんだったの2トップ。広島は固定メンバーのまま。3バックが森崎和、戸田、盛田、中盤の底に青山、右に駒野、左に服部、センターハーフに森崎浩、柏木、2トップがウェズレイ、佐藤。両チーム苗字かぶってるやつ多すぎでわかりづらい。


この試合で注目したのは、広島については、どうやって引いた相手を崩すのか、という点。そして、横浜FMは何をどうしたいのか、という点。結局、試合としては横浜FMが勝つには勝ったのだが、その注目点については、どちらもはっきりとした解決点はなかった。


まず、広島。先制点を開始早々に見事な必殺カウンターから先制点を取ったので、これはもう後は引いてカウンター狙えばいいだけなので、確認することができないかな、と思ったのだが、何を思ったのか、田中隼のアーリークロスから大島を完全にフリーにしてしまい、同点。これで、特に戦術的目標のあるわけではない横浜FMはある程度アバウトに引くことしか出来ないので、広島がどうやって崩すのか、という点を確認することが出来た。で、その結果なのだが、あと一歩というところか。FWが左右に開く、柏木がアクセントをつける、中盤の組み立てにCBが参加する、青山がミドルを狙う、大きなサイドチェンジをする、というお手本のような組み立てを見せるのだが、結局点は取れなかった。相手がたとえば甲府だの新潟だの千葉だのだったらあっさり点を取れたのかもしれない。しかし、最後の最後に横浜FMの中澤、栗原という個として強烈なCBコンビを崩すことが出来なかった。そして、後はカウンター気味にどっかんやられて、釈然としない敗北。これはこれでアンラッキーで片付ければいいのかもしれないが、そう問題は簡単でもない気がする。俺の脳裏をよぎったのは、オシム千葉(じじいのほう)がリアクションからアクションへとギアをシフトしようとして苦心した時期だ。一時期の千葉も圧倒的にボールを支配し、チャンスを量産したが、偶然としか思えないような失点で憤死していた。千葉では結局これは解決できないまま老オシム体制終焉を迎えたが、広島はどうだろうか。戦術的には徹底して正しいことをやっていても勝てるというわけではないのがサッカーの面白いところではあるのだが、それをただの偶然とか不運で片付けられるのだろうか?それとも、自分のような素人には読み取ることのできない、流動的サッカーの限界点なのだろうか?


逆に横浜FMは何の意図も目的も感じられない、即興詩人を思わせるインスタントサッカー。とりあえず、守備はなんとなく引いて、攻撃は特定のアイデアを持つ選手がなんとなく変化をつけて、なんとなく個人技で打開して、なんとなく点を取る。必然性の全くない3トップをやめたのだが、かといって2トップにも何か意図があるわけでもない。両サイドに入れた吉田と山瀬弟も何か戦術的タスクを背負って出たわけではない。プレスの開始位置も、動きの連動性もない。攻撃ではどうやって山瀬兄を前に送り出すのかということが、最大の焦点だと思うのだが、そういう仕組みも、リスクマネージメントも用意されていない。このチームには何も目的がないのだ。この緩んだゴムのようなチームを見て何かを思い出すさないだろうか?そう、ジーコジャパンだ。特定の個人しか攻撃を打開できないことなど、特に酷似している。たとえば、この試合で変化が起きたのは、サイドバックのオーバーラップと、山瀬兄の即興芸だった。両サイドバックと山瀬の位置に、それぞれ、加地とアレックス、中田英を当てはめてみると、驚くほどしっくりくる。ポゼッションをしながら、結局点を取ったのがカウンター気味なのも、ジーコジャパンに似ている。おそらく、このチームは駄洒落が監督でいる限り、シーズン終盤までこんな感じなのだろう。ただ、個人能力は低くないため、降格とかそういうことは絶対ない。しかし、これだけのメンバーを揃えていて、余りにも志が低すぎるなあ、とは思う。個人的には、ジーコジャパンを1年クラブチームで続けたらどうなるか、というのは興味があるのだけれど。


■picture of player 山瀬兄
体のキレがあるのか、中々いい動き。ただ、ジーコジャパンの中田英のように、アバウトな戦術を殺人的な運動量でカバーするしかないため、潰れるのは時間の問題か。このチームの問題は、彼にブレーキをかける仕組みも助けるメカニズムも存在しないことなのだが。真っ白な灰になってしまわなければいいのだが。