イミテーション文化(?)

世界産業の7%はイミテーション(偽物)といわれている。たばこ、食品から工業製品に到るまで・・・我々の業界(ファッション)なども類にもれず―――、ただこのイミテーションの文化(?)は2000年前からある有史上の産業なのだ。
日本はそれでもイミテーションに対する目が世界でも厳しいほうだと思う。世界のメゾンが限りなく日本進出を果たすのはそんなマーケット特質があるからに違いない。
一口に偽物といってもレベルがあり、イミテーション、インスピレーション、オーセンティック、レプリカ、コピーなど多様な手法がある、これは全てオリジナルに対極するポジションにある。
コピーを欲しがる人々には皆それなりの理由がある訳で、供給者(コピー業者)のみを悪者にするだけの理由は無いとぼくは思う。欲しがる人々がいなければなにも始まらない訳だから。
しかし角度を変えて見た時、本物よりも偽者の方がある意味社会に貢献していると思えるのは僕だけであろうか。
ぼくは大阪で「グランドセイコーを腕にまく乞食」に千円恵んだ。

ファッションの世界でヒットといえばそれは決って二通りだ。
まず「弱者救済」と「強者融合」である。VAN JALという会社は米国のエスタブリッシュメント的ファッションを日本人体系(胴長短足)に合わせて作った(文化への憧れも上手に利用して)。
コムデギャルソンは8割の一般的、あるいはそれ以下の個性的な女性をターゲットに黒色を基本カラーにユニホームマジック(喪服の女性は魅力的…)で彼女等を救ったのである。
「8割の一般人」は巨大なマーケットと言える訳だ。本来上の一割はTシャツとジーンズだけで十分カッコイイのだけどこの方達はより上を目指すので「高級ブランド」が必要になる仕組みという事だ。
じゃあ「真ん中」はあるのか?残念ながら現在この国には一人もいなくなっている。何故かといえばOLがエルメスを持ち、学生がロレックスをはめているではないか!そしてユニクロは大人気だ。