何かが足りない時
料理で、何かが足りないと思った時は、たいてい塩が足りません。ピシッと締まらないのですね。同じようにレイアウトで何かが足りないと思った時は、メリハリ。・・と思って間違いないなと気付いたこの一週間。
全体に要素がすくなくてさみしい感じの時はもちろんなのですが、ごちゃごちゃと盛り込む内容がいっぱいあるときも、粗密を上手につければ、煩雑な感じも和らいで、すっきりするんですね。って、基本的なことですが。
DTPのように、これとこれとこれを入れてレイアウトして、と入れる内容があらかじめ決められているような仕事では、決められた範囲の中でどうやって見栄え良く整理するかが大事。ところが整理を主眼におくと、きれいに並べたけど、いまいち訴求力に欠ける結果になるということも多い気がします。
最初に時間を十分とって、一番言いたいことは何か次は何かって、よーく見定めるといいのですが、残念ながら手探りで作業を進めつつ、進めているうちに、「これがもしかして一番重要なのでは?」と気付くことがあります。それはお客さんの側でも整理しきれていない情報だということもあるし、こっちも最初に瞬時に判断できないからということもあります。だから、途中で一旦立ち止まって方向転換、味付けを考え直す必要が出てきます。
でも、ある程度きれいに整理したものを崩すのはちょっとした勇気が要ります。もう一回バランスとりなおし。辛くなりすぎるかな?と一瞬迷いながら、「えいっ」って塩を入れるように、プチ清水の舞台かも。
ところで、メリハリって言っても、これもいろいろあるような気がします。
色面の面積差でもメリハリつけられるし、ちょっとしたポイントカラーみたいなものでもOK、「間」をとることでもいいし、インパクトのあるたとえば立体的な文字を使うとかでもいいと思う。
色面の面積差でもメリハリつけられるし、ちょっとしたポイントカラーみたいなものでもOK、「間」をとることでもいいし、インパクトのあるたとえば立体的な文字を使うとかでもいいと思う。
「えいっ」って飛び込むのを、楽しんでできたときの充実感は格別です。
ニュートラルな時間
久しぶりになってしまいました。
このところ忙しくしています。
残業って、スポーツのイメージトレーニングじゃないですけど、記録が出るとそこが基準になるという恐ろしさがありますね。子どもがいる身、数ヶ月前まで「7時まで残って仕事してしまった」と思っていたのが、今では「7時に帰れるなんて!」という感覚になっています。
さて、フットワークも軽く、実務的なことに100%の力を傾けている今、何かを考えたり、ゆっくり過ごしたりする気持ちの余裕がなくなっていると感じています。ちょっとの時間にあれもこれもと、やらなくちゃならないことを詰め込んで、自分で忙しくしているという感じでしょうか。その一方で、なにかがやせ細っていくような・・そんな感じです。
先日、月に一回の水彩に行きました。水彩の先生の話はいつも面白く、シュタイナーの人智学の話なども卑近なたとえ話を持ち出しては大いに盛り上がります。わいわいとその辺の雑談のようでいて、どこか本質的なものに触れている感覚が心地よく、いつも帰りには元気になります。
たとえば、ダヴィンチはどうして鏡文字を書いたのか、とか。
それは右手で解剖するためのメスを持ち、左手でメモをとったからなんですね。夜中に墓場から死体を掘り出してきて解剖して人体の研究をしたというから、やましい感じだったのでしょうか。鏡文字にしておけばそのまま暗号のようになって読まれる心配がないということもあったとか。・・というところから、左利きの人っていますよね、という話になり、右手で右上から左下に描くストロークと、左手で左上から右下に描くストロークは、やってみればわかるけど人間の体験として違うんですよ、という話に発展し・・。左利きの人は、右利きに矯正されることが多く、最初から右利きの人より、意識的に生きていると思う、などなど。
パートナーともそういう話をしますが、このところそういう時間がとれずご無沙汰です。
週末と言わず、一日のうちに、ニュートラルな時間を作りたいなと思います。
路傍の石
- うちにあった「路傍の石」を土日に読みました。貧しさの中で必死に頑張る主人公の姿に胸を打たれました。(・・単純な思考回路なので・・素直に感動しました)。その辺に転がっている石のような存在でも、何がしかにならなくても、毎日毎日を一所懸命に生きていくその尊さというのでしょうか、そういうものを感じました。
戦争前の話。貧しい家の子はいくら行きたくても学校にも行けなくて、男親のいない家はお母さんが働きづめで疲れきっている・・なんだか格差の広がった今の日本みたいです。かつての級友の呉服屋に奉公に入り、自分がどうしても生きたかった中学校の制服を着た級友の靴を揃えたりします。主人公の感じたくやしさとか辛さを我が事のように感じました。
いま民主党が、社会セーフティネットを作らなければならないと言っていますが、その必要性にピンとこない人には、この本がいいのではないかなと思ってしまいます。最低限の暮らしの心配や教育機会の心配をしなくてすむ北欧みたいな仕組みになればいいのにと思います。
- 路傍の石 (新潮文庫)/山本 有三
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