家造りをする人は 何故みんな不安・心配なのでしょうか?
前回 7つの条件を満たす 引き渡し「完全引渡し」が
心配・不安のない家造りのポイントだというお話をさせて
頂きました。
おさらいすると、
①契約で約束した工期通りに引き渡しが行われること。
契約工期に対して 遅過ぎても、早過ぎてもいけません!
②残工事がないこと。約束した工事はすべて完了していること。
③施主立会完成検査時に 見つけた不具合・キズや手直し箇所の
すべてが 入居までに処理が終わっていること。
④施主のイメージ通りに仕上がっていること。
⑤約束通りの寸法・高さで出来上がっていること。
⑥初めて使う新しい設備がスムーズに使えること。
⑦入居後 不具合を見つけた場合に すぐに対応してもらえること。
この7つの条件を満たす「お引渡し」 を ここでは
「完全引渡し」と呼んでいます。
家造りを考える人にとって 言わば当たり前といってもいい
この事項が 何故守られないのでしょうか?
本日は、①の契約工期が何故 守られないのか?
について理由・原因を分析してみることにします。
住宅の請負契約の中で、住宅会社とお施主(お客様)との間で約束する大事な事項がいくつかあります。
契約金額、建築図面・見積もり・仕上仕様と並んで 重要な約束事項が「契約工期」です。
住宅には、大きさ、内外装仕様によって「標準工期」が決まっています。
住宅会社・工法等によって異なりますが、例えば40坪の家であれば 標準工期は5ヶ月 というように。
標準工期は、打ち合わせがキチンと済んで、工事の段取りがキチンと行われ、現場の職人さん達がしっかり仕事した時に かかる標準的時間を想定し、最後に予定に多少ゆとり(2~3週間程度)を持たせることで決められています。
ということは、施主(お客様)が望む しっかりした住宅をキチンと欲しいという時には この位の時間が必要だと判断して決められているものなのです。
契約書で決める契約工期については 工事が遅れた場合の定めがあります。
天災地変 もしくは 着工後にお施主(お客様)が追加金額をしはらってもどうしても変更をしてもらいたいなどの理由で工事が遅れるような場合は話し合いで工期を延長することができるとされています。
しかし、住宅会社の段取りミス等 、怠慢で工事が遅れ 契約工期が守られない場合はどうなるのでしょう。
お施主(お客様)には、「いついつまでに新しい住宅に住みたい」という事情・理由があります。
賃貸住宅や仮住まいのお客様の場合、工期の遅れればその分家賃がかさむことになります。
工期が遅れれば お客様に心理面・金銭面で大きな負担をおかけすることになります。
そのため 通常 請負契約には 契約工期が遅れる場合は、違約金が発生するという定めを行います。
それでは、契約工期が 早すぎる場合はどうでしょうか?
標準工期には、ややゆとりを持たせてあるので、順調に工事が進んだ場合 思ったより早い・・・ということはあり得ます。
その場合でも せいぜい2~3週間位でしょうか。
これが1ヶ月どころか2ヶ月近く早いなんてことも よくある話なんです。
どうしてこのようなことになるのでしょうか?
工事がとても短い工期で行われる場合 大抵の場合 施主が望んだわけではなく 「全く住宅会社の都合」で行われています。
では、どのような都合でしょうか?
住宅会社(特の大手の場合)は、半期半期で決算を行い 売上の目標を立てています。
多いのは3月決算、9月決算というところでしょうか。
例えば もし あなたが 標準工期でいって5月中旬頃完成 5月20日引渡しという計画で住宅の請負契約を締結しているとします。
契約を締結した時点で、3月末決算の住宅売上が不足している場合 これをなんとか3月末に完成させて「お引渡し」つまり「集金」させてもらえないか・・・
等という話が住宅会社の社内 特に支店長当たりが 営業に耳打ちしてくるのです。
住宅会社はお施主(お客様)に対し「決して無理な工程は組みません!」「大丈夫です・・・」と連呼し 人柄のいい営業マンにお客様を説得させて 工期を大幅に短縮させることを承諾させるのです。
さて このまま工事に突入するとどうなるでしょうか?
住宅会社は 決算の時に集中して売上を立ててきます。
ということは、このタイミングで あなたの家だけでなく同時に多くの住宅が一斉に工事を行う”建築ラッシュ”になります。
当然 工事監督一人当たりが 担当する現場の数も通常より多くなります。
しかも 現場において一日にすすむ工事の量も 通常よりかなり多くなります。
そして、見積・発注・検査の業務も集中してきます。
このような状態で、建売ならいざ知らず、一棟一棟「異なる仕様つくりの注文住宅」が建築できるでしょうか。
注文住宅には 施主の希望・要望がたくさん詰まっているので
タイミングよく現場に行って大工さんに指示を出していかないと、
図面に込めた施主の意思が反映されない可能性があるのです。
もしこのような状態であっても
「完全引渡し」の7つ条件が整うのであれば、
何も心配したり不安に思う必要はありません。
しかし、
もう勘の良い方なら、お気づきになった方もいらっしゃるかもしれませんが
工期が異常に短縮されることは 大いに問題があるのです。
むしろこちらの「無理な工期短縮」の方が 怖いことが多い位なのです。
何故このような無理な工期短縮が行なわれるのでしょうか?
どうも住宅会社の中には
施主の満足 < 自社の決算売上計上
と考えてる会社があるようなのです。
そうでなければ、無理な工期短縮を提案するはずがありません。
無理な工期短縮の「ひずみ」や「ツケ」は 「お引渡し時」建物に現れます。
それは、②のテーマ 「残工事」の問題です。
決算に合わせて 集金したい住宅会社は、まだすべての工事が完了していない、つまり「残工事」があるにも関わらずなんと「引渡し」をしてしまおうと考えるのです。
次の項目では「残工事」を残した引渡しが起こす問題点 についてお話させて頂きます。
RECOM㈱
代表取締役 田中勇一
RECOM新築用web http://www.recom.ne.jp/
RECOM不動産web http://recom-fudosan.com/







