本日は 昨日のブログの続きで
金融恐慌について 学んだことについて お話させて頂きます。
何故 深刻な金融恐慌になったのかを知る重要な
キーワードは CDO「債務担保証券」です。
以下の解説は
、岩崎日出俊氏の著書「リーマン恐慌」の中で
の解説分を参考にしました。
わかりやすく書こうとして「長い長い解説」
となってしまいましたが、
何故 金融危機になったのか
にご興味のある方は
頑張ってお読みください。
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銀行から資金融資を受けて事業を立ち上げ、
継続・発展させる間接金融に対し、
市場から直接資金を調達する直接金融の基本は
今や「債権の証券化」にあるといっても言い過ぎではない
そうです。
証券化に必然的に伴うのは、「リスクの格付け」である。
これなしにはどこまでその証券を信用していいのかわからず、
買ってよいものかどうか、その基準がないのだ。
この価格の格付けのために存在するのが、格付け会社と
金融保証会社である。
金融保証会社は通常「モノライン」と呼ばれる。
モノとは「単一」という意味で、証券の支払保証のみを
行うことからこう呼ばれる。
格付会社がつけた格付けと、
モノラインがつけた支払保証を得て
債権は細かく区分されて証券が作り出される。
この証券こそが債務保証債権(CDO)で,
CDOはリスクごとに付けられた格付けの後ろ盾に
守られて売却されていく。
最初に貸付をした会社が心配する
借入人の返済不履行(デフォルト)のリスクは、
CDOを売却することによって、他者に転嫁されるわけだ。
CDOは次々と居場所を変え、
A社からB社へ、B社からC社へ
と転売されていく。
リスクは他社へと無限転嫁されていくことになる。
簡単に言うなら リスクは他人に
「つけ回し」している状態なのだ。
デフォルトのリスクは消滅したわけではなく、
つけ回しされただけなのだ。
順調な時ならば、誰も損をしない形で
うまく回っていたのだが、誰がババを引くのか、
誰のところで最後のカードが留まるのかは
誰にもわからなかった。
デフォルトを恐れる小さなリスクが、
転売先が拡大されていく中で、
「システムのリスク」にまで変化してしまったことが
サブプライムローン問題で明らかになっていく。
「やはり リスクビジネス であったのだ!」
と遅まきながら人々が気付いた時には
リスクはすでに怪物のように
膨れ上がっていたということだ。
少し整理して、具体的に見てみる。
住宅ローン会社は、返済に不安のある低所得者向けにも
積極的に住宅資金を融資していた。
日本では、バブル崩壊後 「土地神話」は消滅したが、
土地の値上がりがあまりにも長く続いたアメリカでは、
土地の値上がりを前提に
本来なら、住宅ローンを組むのが難しいと考えられる
頭金ゼロ、毎月の返済力も乏しい低所得者にも、
将来の不動産の値上がり益で返済可能と考えて
融資が実行された。
多くは30年という長期のローンだった。
ローン会社は、この30年ものローン債権を証券化して
リーマン・ブラザーズなどの投資銀行に売却する。
この段階で、まずデフォルトのリスクは
ローン会社から投資銀行へと移る。
当たり前のことだが、証券にはリスクがくっいている。
この証券はABS(資産担保証券)と呼ばれている。
投資銀行は出自の違う様々なABSを買い集めてきては
それを一つの束にする。
次に、束にされたABSを返済の優先順位ごとに、
今度は輪切りにして区分する。
ちなみに日本と違い、アメリカでは、
ノンリコースローン(非遡及型融資)が主体で、
借主がローンをもう支払えないと思えば、
住んでいる家を手放せば残りのローンを
支払わなくていいという仕組みになっている。
日本人にとっては 驚くべきことなのだが、
不払い(デフォルト)リスクの高い人が
融資を受けて、
もしも支払えなくなったら
「家を明け渡します・・・」と言って、
家を出て行けば それでおしまいにできるのだ。
土地・建物の価格が値上がりしている時なら、
物件を売り払って回収できると考えて作られたローンだ。
しかし、ひとたび バブルがはじけて値下がりしたら
それこそ不良債権の山になることが
最初からわかっているようなシステム下で アメリカでは
サブプライムローンが実行されていたのだ。
ABSの中には、デフォルトがあっても優先的に
元金の支払が約束されているものもあれるが、
サブプライローンのように デフォルトがあれば
元金の支払はしないという約束のものもある。
それらを混ぜ合わせてシェイクして証券をつくってしまうのだ。
シェーカーの中に入っているものが、
スピリッツやフルーツジュースではなくて
ABSだと思えばいいだろう。
切り分けられたABSを新たに商品にすべく、
お化粧するのが格付け会社。
格付けされたら、
次はモノラインが元金の支払保証を付けるという算段を
経て、CDO(債務保証証券)ができあがる。
しかし、ここで 冷静になって考えてみよう。
本来、サブプライムローンには、
ちゃんと返済してくれるかどうかわからないという
大きなリスクがあるはずのものだった。
最初のABSがトリプルBのランクだったら、
格付けされて新しく作られたCDOも
当然トリプルBのはずだ。
だが、トリプルBでは危険すぎて誰も買ってくれない。
そこで、リスクごとに輪切りにしていく過程で、
元本支払いの優先度に応じて
「トリプルA」から「シングルB」位まで
細分化してしまうのだ。
こうして大部分のCDOは、
格付け会社とモノラインが
「過去」のない新しい商品にすべく
化粧を厚くしてくれ、
トリプルB程度だったものが、
極端な場合はトリプルAに格上げされ、
元金まで支払保証してくれるものに
変身するのである。
上手に隠されて転売されたリスクは、
やがては、恐ろしいことに、
リスク自体が意識されなくなっていく。
どの商品でも、市場を通す商品なら価格は
容易につけることができる。
市場価格という。
しかし、CDOには 市場価格というものがない。
市場価格なしで販売するには、
買い手が納得するだけの理由を明示した
理論価格を、独自に作成して付ける必要がある。
理論価格は、通常は格付け会社から与えられた格付けを
係数として推定される。
「ところで、このCDOの価格は正しいのだろうか?」
そういうささやきが交わされるようになったのは、
サブプライムローン問題の深刻さがウォール街で
認識されるようになった時期と一致している。
この理論価格は
売り手のリーマンのような投資銀行にとってのみ
有利な値段なのではないか???・・・という
疑問の声は、瞬く間に広がっていった。
疑心暗鬼にとらわれた人々は、
CDOがダンピングされて理論価格の
10分の1に下がっても手を出さなくなった。
10分の1の値段でも買われないものは、
当然ながら20分の1でも
30分の1でも買われはしない。
そして、ついには全く値がつかなくなる。
そこまでの所要時間は恐ろしい程に短いものだった。
その時になって、
「ゲームは終わったのだ」と
誰もが認めざるをえなくなった。
誰も買ってはくれない。
そうなると・・・
このCDOは・・・
そう紙くずの価値しかないのだ。
こうして金融市場はパニックに陥っていった。
CDOは2007年後半から一転して売れなくなり、
CDOを少なからず保有していた投資銀行の損失は
日を追って、というより時間を追ってというべき速さで
拡大していった。
このため世界中で株安が起こり、
金融危機は世界的規模となっていった。
以後、金融商品全般が不安にさらされ、
投機資金は原油に代表される
商品市場に雪崩をうって流れ込んだ。
投資家は、一時は忘れていた「リスク」というものに対して、
今度は極端に敏感になっていったのだ。
また、ハイリスク・ハイリターンの型の金融商品が売れなくなり、
カネが世の中に回らなくなっていった。
そして、有り余るカネを原資とする
M&A(企業の買収・合併)の機会も
自ずと減少していったわけだ。
商業銀行(日本でいう都市銀行)や
投資銀行(日本でいる証券会社)は
100%の子会社(SIV)を作って
CDOなどのサブプライム関連商品への
投資を増大させてきた。
SIVは、中長期の債券やCP(短期、無担保の社債)を
発行して投資家に買ってもらって資金を調達し、
親会社の銀行からCDOを買う形をとった。
さて、CDOがいよいよ暴落すると、
SIVの裏付け資産の時価評価が下落し、
誰もSIVのCPを買わなくなってしまう。
そのためにSIVは経営危機に見舞われるのだが、
SIVに投資した人からすると 後ろ盾となっている銀行が
それで逃げ切るのは許せないわけで、銀行に責任を
とってもらいたいと反撃に出る。
銀行にとってはこれは信用問題でもあるので
SIVの発行するCPを自ら購入するわけだが、
これによって銀行のバランスシート(資産を記録する貸借対照表)に
不良債権が記載されてしまうわけだ。
つまり売り逃げたはずの問題債権が
なんと、めぐりめぐって自分の所に
返ってきたことになる。
こうして銀行には、
値の付かなくなった莫大な不良債権の山が
積み上げられることになった。
銀行は信用創造によって、
産業の血液である資金を提供する役割があるのだが、
融資額は自己資本の10倍~12倍位と決められている。
ということは、
不良債権の処理をして自己資本が著しく減ると、
本来必要な融資を提供する機能を果たせなくなり、
「いわゆる貸し渋り」が起こる。
サブプライローンを端にした金融危機は
このような仕組みで世の中のお金の流れを停滞させ
大不況巻き起こすことになってしまったのである。
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いやー書いている私も 疲れました。
最後までお目を通して頂きましてありがとうございました。
RECOM㈱
代表取締役 田中勇一
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