リアルオプション -4ページ目

数日前まで話はさかのぼる。


先ず、彼女を部屋へ連れて来れた経緯を記そう。

(たまたま、うまくいったのだが)


彼女の日記によると、現在引越しを考えているとのこと。

理由は大学2年の終わり(2月中)で、契約が終了するため。

で、大学受験生が動き出す前にマンションを探している。


と書かれていたが、察するに理由は別だろう。

大学入学当時と現在では状況が違っており、学内または学外に限らず

そこそこ有名になってきている。

ストーカーなどの心配もあるし、セキュリティのしっかりしたところに住みたいのが本音だろう。


時間もなかったため、彼女の思考から駄目もとで計画を実施した。

ハナには不動産窓口の担当者になってもらう。

就活頃のリクルートスーツをまとい、薄手の化粧をした。

当然ながらお店で説明するなんてことはできない。

強引ながらも街で声をかけることにした。


彼女がレポートを書くときに良く使う最寄り駅のカフェ屋がある。

試験期間中ということもあって、彼女がそこに入ることを確認した。

そして、ハナが同じ店に入る。


これ以降は、ハナから聞いた話になる。

私は先回りして計画の場所へ向かった。


私はハナの家に息を潜めて待機している。

もっと具体的にいうと、トイレに座っているのだ。


玄関のドアが開く音のみに耳を澄ましている。

玄関に姿を最初に見せるのは彼女であろう。

その後ろからハナの声が聞こえるはずだ。


私はTVドラマの銀行強盗のようななマスクをしている。

チープな変声機をセットし、自分の声色を調整する。

そして自分の姿を鏡で確認し、見事な変装ぶりに笑みを浮かべる。


ドアが静かに開く。

「どうぞ入ってください。」とハナの声が聞こえる。

「はい、失礼いたします。」久々に彼女のトーンを感じた。


シナリオどおりである。


ネットではよく耳にする(見かける)言葉である。

炎上がきっかけとなって、そのサイトを知ることもある。

大半の人がそうであろう。


そしてその大半の人たちは、先入観を持って炎上したサイトを見ることになる。

コメント欄の賛否両論については、多数決程度の数しか頭に入らない。

つまり、一方的に批判されていれば、その分非常識な奴なんだろうと記憶に残る。


絶対的なファンを抱えるタレントでさえも自身のブログが炎上することがあるのだから、

素人同然の彼女らのブログなんか容易く、世間の見方を180度変えることができるだろう。


たとえ事実であっても、信じる人がほとんどいなければ、批判される。

例えば、強盗に軟禁されている人が、その状況をブログにアップするであろうか。

そのアップした記事を、誰かが気付いて警察に通報し、犯人が捕まることがあれば、

よくやったと褒められるであろう。


しかし、どこかで情報が欠落し、犯人が逃亡したのなら、ブログをアップした奴は悪者だろう。

事実はどうであれ。


私が今見ている彼女のブログも、もう少しで注目の的になるはずである。