魔王のお見合い! 第二十話『振り回されて!』
「はああ・・・」
魔王が深い溜め息をついた。
「魔王様・・・」
ヤンは、ミクが人間界に来てからというもの、魔王が心配で傍から離れられなかった。
「やっとミクの住む家を見つけたと思ったら・・・今度は高校に行きたい、と言い出して・・・」
「高校!?なんでまた・・・」
「できるだけ多くの人間と接するにはちょうど良い場所だ、と。」
「そ、そうでしたか・・・」
「とりあえず、クララの通う高校に入れようと思うのだが・・・」
「でもクララさんの『お茶の湯大学附属高校』といえば・・・偏差値の高い、いわゆる”お嬢様学校”でしたよね?ましてや、中途入学は厳しくないですか?」
「ああ。しかし、ミクも天才だ。何しろ”魔界一の才女”とも呼ばれていたからな。」
「・・・」
家探しや高校の件も含め、魔王はミクに振り回されていた。
毎日大量に送られてくるメール。
深夜に鳴り響く電話のコール。
その他諸々の迷惑行為によって、魔王に安息のときは訪れなかった。
「魔王様・・・お見合いしましょうか。」
「え?」
「やはり、人間の女性を嫁に迎えるべきです。」(ミクさんには申し訳ありませんが・・・)
「そうだな・・・」
「細かいことは、私にお任せください。」
「頼むぞ、ヤン。」(・・・私は良い部下をもったものだ。)
「はい。では早速・・・」
ヤンが部屋を出ようとしたとき、魔王があっ、と小さく叫んだ。
「ミクには・・・ばれるなよ。」
「・・・気をつけます。」
ヤンは、やや緊張を覚えて魔王府を出て行った。
しかし、魔王の悪い予感は当たってしまった。
「あ。あれは確か・・・魔王様の部下の・・・。どこに行くのかな?」
ちょうど魔王を訪れようとしていたミクに、ヤンが見つかってしまったのだった。
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魔王が深い溜め息をついた。
「魔王様・・・」
ヤンは、ミクが人間界に来てからというもの、魔王が心配で傍から離れられなかった。
「やっとミクの住む家を見つけたと思ったら・・・今度は高校に行きたい、と言い出して・・・」
「高校!?なんでまた・・・」
「できるだけ多くの人間と接するにはちょうど良い場所だ、と。」
「そ、そうでしたか・・・」
「とりあえず、クララの通う高校に入れようと思うのだが・・・」
「でもクララさんの『お茶の湯大学附属高校』といえば・・・偏差値の高い、いわゆる”お嬢様学校”でしたよね?ましてや、中途入学は厳しくないですか?」
「ああ。しかし、ミクも天才だ。何しろ”魔界一の才女”とも呼ばれていたからな。」
「・・・」
家探しや高校の件も含め、魔王はミクに振り回されていた。
毎日大量に送られてくるメール。
深夜に鳴り響く電話のコール。
その他諸々の迷惑行為によって、魔王に安息のときは訪れなかった。
「魔王様・・・お見合いしましょうか。」
「え?」
「やはり、人間の女性を嫁に迎えるべきです。」(ミクさんには申し訳ありませんが・・・)
「そうだな・・・」
「細かいことは、私にお任せください。」
「頼むぞ、ヤン。」(・・・私は良い部下をもったものだ。)
「はい。では早速・・・」
ヤンが部屋を出ようとしたとき、魔王があっ、と小さく叫んだ。
「ミクには・・・ばれるなよ。」
「・・・気をつけます。」
ヤンは、やや緊張を覚えて魔王府を出て行った。
しかし、魔王の悪い予感は当たってしまった。
「あ。あれは確か・・・魔王様の部下の・・・。どこに行くのかな?」
ちょうど魔王を訪れようとしていたミクに、ヤンが見つかってしまったのだった。
魔王のお見合い! 第十九話『定住!』
魔王は目にも留まらぬスピードで駆け、魔王府を出て、さらに10kmは走った。
「はぁはぁ・・・。逃げ切れたか?」(さすがに追って来れないだろう・・・)
魔王は振り向いたが、後ろには誰もいなかった。
(これが魔王のスピードよ!)
「どっち見てるの?」
「なっ!?」
顔を前に戻すと、ミクが目の前にいた。
「無駄よ。アタシには、”これ”があるんだから。」
ミクは背中に生えた、黒い翼を動かしてみせた。
「く、くそお!」
「もう、アタシと結婚するしかないって。」
「い、嫌だ!私は、人間のおしとやかな女性がいいんだ!」
「ふうん・・・。おしとやか、ねえ。」
「そ、そうだ!」
「わかった・・・」
「え?・・・そうか、わかったようだな。」(こんなに素直だったか?)
「うん。アタシも人間界に住んで、”おしとやかな”女性になってやるよ。」
魔王は反応するのに時間がかかった。
「・・・ええ?」
ミクが魔王に顔を近づけた。
「だから、住む場所ちょうだい。」
「それは・・・」
「ちょうだい。」
「・・・すぐに探します。」
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魔王は振り向いたが、後ろには誰もいなかった。
(これが魔王のスピードよ!)
「どっち見てるの?」
「なっ!?」
顔を前に戻すと、ミクが目の前にいた。
「無駄よ。アタシには、”これ”があるんだから。」
ミクは背中に生えた、黒い翼を動かしてみせた。
「く、くそお!」
「もう、アタシと結婚するしかないって。」
「い、嫌だ!私は、人間のおしとやかな女性がいいんだ!」
「ふうん・・・。おしとやか、ねえ。」
「そ、そうだ!」
「わかった・・・」
「え?・・・そうか、わかったようだな。」(こんなに素直だったか?)
「うん。アタシも人間界に住んで、”おしとやかな”女性になってやるよ。」
魔王は反応するのに時間がかかった。
「・・・ええ?」
ミクが魔王に顔を近づけた。
「だから、住む場所ちょうだい。」
「それは・・・」
「ちょうだい。」
「・・・すぐに探します。」
魔王のお見合い! 第十八話『吸血鬼!』
「まさか、魔界美女コンテスト優勝者のアタシを捨てて行くとは思わなかったわ・・・」
ミクが溜め息まじりに、しかし確実に怒りをこめて言った。
「そ、それは・・・」
「まあ、いいわ。さあ、こんなくだらないことなんか止めて、魔界に帰るわよ。」
ミクが魔王の手を引っ張った。
「い、いやだ!私は人間の嫁をもらうんだい!」
魔王がミクの手を振り払った。
「ふふ、その頑固っぷり・・・。相変わらずね。魔王様のそういうところ、好きよ。」
「ヤン、よくわからないわ。」
クララがヤンに耳打ちした。
「ミク様は、先代によって選ばれた魔王様の婚約者です。ミクさんのブラッディ家は名門ですから・・・先代は政略結婚をさせようとしたんです。」
「なるほど、でもミクさんは・・・」
「はい、魔王様にベタ惚れです。」
「そ、そう。でも、ミクさんも人間に劣らず美人じゃない。何故兄さんはミクさんと・・・」
ヤンが身震いをした。
「彼女は・・・おそろしい吸血鬼なのです。」
「き、吸血鬼?おそろしい?」
「魔王様は・・・彼女に血を吸われすぎて、死にかけたことがあります。」
「要するに、トラウマって訳ね、彼女が・・・」
「これだから魔界の女性は・・・!」
「うるさいわね。血、吸うわよ?」
「ひぃいい!それだけは勘弁!」
魔王は慌てて部屋を出て行った。
「待てっ!」
ミクも出て行った。
「兄さんが人間の嫁を欲しがる理由・・・なんとなくわかったわ。」
「・・・はい。」
「それより・・・ねえ、『ドッキリドキュメンタリー』の続き見ない?兄さん、いなくなったし・・・」
「はい、私も続きが気になっていまして・・・。」
ヤンがテレビの電源を入れた。
魔王のお見合い! 第十七話『フィアンセ!』
魔王は、魔王室でテレビを見ていた。
「さあ、今回の『ドッキリドキュメンタリー』、なんと今話題の魔王様を騙してみました!
みなさん、魔王様がお見合い相手を募集しているのは知っているでしょうか?
今回、我々はこのお見合いを利用して、ドッキリを行いました!
題して『魔王のお見合い!』。お見合い相手には、東大のミスキャンパス・・・」
「切ってくれ、テレビ!」
魔王は泣きながら叫んだ。
「は、はい!」
ヤンが急いでテレビの電源を切る。
「かわいそう、兄さん・・・」
魔王が心配で駆けつけたクララが、同情の声をかける。
「ううっ・・・沙緒さん・・・」
さすがに「気にするな」とは、誰も言えなかった。
「だからアタシと結婚すれば良かったんだよ!」
一人の女性が、豪快に扉を開けて魔王室に入ってきた。
「あ、あなたは・・・!」
ヤンが驚いて、椅子から落ちた。
「ミク=ブラッディ!なぜここに!?」
魔王も椅子から落ちた。
「なぜって・・・魔王様を追って。」
「やっぱり・・・」
「何さ!『やっぱり』って!」
「え?え?誰?」
クララだけが、この状況についていけていなかった。
「この方は・・・魔王様の・・・」
「婚約者よ!」
「こ、婚約者!?」
クララも椅子から落ちた。
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みなさん、魔王様がお見合い相手を募集しているのは知っているでしょうか?
今回、我々はこのお見合いを利用して、ドッキリを行いました!
題して『魔王のお見合い!』。お見合い相手には、東大のミスキャンパス・・・」
「切ってくれ、テレビ!」
魔王は泣きながら叫んだ。
「は、はい!」
ヤンが急いでテレビの電源を切る。
「かわいそう、兄さん・・・」
魔王が心配で駆けつけたクララが、同情の声をかける。
「ううっ・・・沙緒さん・・・」
さすがに「気にするな」とは、誰も言えなかった。
「だからアタシと結婚すれば良かったんだよ!」
一人の女性が、豪快に扉を開けて魔王室に入ってきた。
「あ、あなたは・・・!」
ヤンが驚いて、椅子から落ちた。
「ミク=ブラッディ!なぜここに!?」
魔王も椅子から落ちた。
「なぜって・・・魔王様を追って。」
「やっぱり・・・」
「何さ!『やっぱり』って!」
「え?え?誰?」
クララだけが、この状況についていけていなかった。
「この方は・・・魔王様の・・・」
「婚約者よ!」
「こ、婚約者!?」
クララも椅子から落ちた。
魔王のお見合い! 第十六話『ドッキリ!』
(き、緊張する・・・。)(あっ・・・来た!)
「すいません、待ちました?」
「いや、今来たばかりですよ。」
嘘だった。
魔王は二時間も前に、待ち合わせ場所に着いていた。
といっても、沙緒が遅れた訳ではない。
「じゃ、じゃあまず、映画でも見に行きましょうか!何か見たいものあります?」
「あ、”老婆の休日”見たいな。」
「ああ、あれですか!いいですねえ、行きましょう!」
映画館に向かう途中、急に沙緒が魔王の手を握った。
「え?どうしたんですか!?」(沙緒さんの手・・・)(柔らかい・・・)
「あの、手つなぎませんか?」
沙緒が笑顔でさそった。
「あ、は、はい!」(し、しあわせだ!)
二人は手をつないで歩きはじめた。
・・・
思ったより早く到着し、上映開始30分前に席に着いた。
「何か飲み物買ってきましょうか?」(気が利く男アピールだ!)
「あ、おねがいします!わたし、カフェオレで。」
「了解です!」
(これは完璧にラブラブだろう!)
自動販売機の前で、魔王は絶頂の気分だった。
「はい、沙緒さん。買ってきました。」
魔王が満面の笑みで戻ってきた。
「ありがとう!・・・あの、魔王さん、お話ししたいことが。」
沙緒の笑顔が真剣な表情に急変した。
「な、なんです・・・?」(い、嫌な予感・・・)
「実は・・・これ、ドッキリなんです。」
「へ?」
沙緒が何を言ってるのか、理解できなかった。
「このデート・・・テレビのドッキリなんです。」
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「いや、今来たばかりですよ。」
嘘だった。
魔王は二時間も前に、待ち合わせ場所に着いていた。
といっても、沙緒が遅れた訳ではない。
「じゃ、じゃあまず、映画でも見に行きましょうか!何か見たいものあります?」
「あ、”老婆の休日”見たいな。」
「ああ、あれですか!いいですねえ、行きましょう!」
映画館に向かう途中、急に沙緒が魔王の手を握った。
「え?どうしたんですか!?」(沙緒さんの手・・・)(柔らかい・・・)
「あの、手つなぎませんか?」
沙緒が笑顔でさそった。
「あ、は、はい!」(し、しあわせだ!)
二人は手をつないで歩きはじめた。
・・・
思ったより早く到着し、上映開始30分前に席に着いた。
「何か飲み物買ってきましょうか?」(気が利く男アピールだ!)
「あ、おねがいします!わたし、カフェオレで。」
「了解です!」
(これは完璧にラブラブだろう!)
自動販売機の前で、魔王は絶頂の気分だった。
「はい、沙緒さん。買ってきました。」
魔王が満面の笑みで戻ってきた。
「ありがとう!・・・あの、魔王さん、お話ししたいことが。」
沙緒の笑顔が真剣な表情に急変した。
「な、なんです・・・?」(い、嫌な予感・・・)
「実は・・・これ、ドッキリなんです。」
「へ?」
沙緒が何を言ってるのか、理解できなかった。
「このデート・・・テレビのドッキリなんです。」