魔王のお見合い! 第二十四話『放火魔!』
「ここがヒメコさんの住むアパートか・・・。」
ヒメコが相談したいことがあると言うので、ヤンはヒメコのもとを訪れた。
ミクの動向も気になるところだったが、恋人をないがしろにすることもできない。
「あ・・・ヤン君!」
ヒメコが迎えに出てきた。
・・・
「放火魔・・・ですか。」
「うん・・・。最近この近くに出没してて・・・。予告状を送ってくるの。『燃やしてやる』って・・・。それがわたしの所にも・・・」
ヒメコは俯いて、不安で泣きそうになるのをこらえた。
「わかりました。今日は僕が外で見張っていましょう。」
「え?でもそんな・・・。」
ヒメコとしては、家の中に一緒にいてくれるくらいで十分だった。
「大丈夫です。慣れてますから。」
「ヤン君・・・」
「ヒメコさんは安心して休んでいて下さい。」
「ありがとう・・・」
ヤンの純粋な優しさに、ヒメコはまた涙をこらえるのであった。
・・・
夜が更けた。
日付が変わろうとしていたが、放火魔が現れる気配はない。
(大丈夫そうだな・・・)
アパートの敷地内の茂みに隠れていたヤンが、一旦ヒメコの部屋に戻ろうとしたときだった。
一人の怪しい男が現れ、挙動不審に辺りを見回し始めた。
(まさか・・・)
ヤンが注意深く観察していると、男が”何もない手の平”から炎を出した。
「待て!」(こいつ・・・魔族!)
ヤンが茂みから飛び出すと、男は慌てて逃げた。
が、ヤンの方が速く、男は簡単に捕まった。
「ぐっ・・・!」
「暴れるな!」
取り押さえた男の顔を見ると、ヤンは驚愕した。
「あなたは・・・!炎魔の・・・!」
男もまた、ヤンの顔を見て驚いた。
「てめぇは・・・!ヤン=クリムゾン!」
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クララの出番が少ない・・・。
ヒメコが相談したいことがあると言うので、ヤンはヒメコのもとを訪れた。
ミクの動向も気になるところだったが、恋人をないがしろにすることもできない。
「あ・・・ヤン君!」
ヒメコが迎えに出てきた。
・・・
「放火魔・・・ですか。」
「うん・・・。最近この近くに出没してて・・・。予告状を送ってくるの。『燃やしてやる』って・・・。それがわたしの所にも・・・」
ヒメコは俯いて、不安で泣きそうになるのをこらえた。
「わかりました。今日は僕が外で見張っていましょう。」
「え?でもそんな・・・。」
ヒメコとしては、家の中に一緒にいてくれるくらいで十分だった。
「大丈夫です。慣れてますから。」
「ヤン君・・・」
「ヒメコさんは安心して休んでいて下さい。」
「ありがとう・・・」
ヤンの純粋な優しさに、ヒメコはまた涙をこらえるのであった。
・・・
夜が更けた。
日付が変わろうとしていたが、放火魔が現れる気配はない。
(大丈夫そうだな・・・)
アパートの敷地内の茂みに隠れていたヤンが、一旦ヒメコの部屋に戻ろうとしたときだった。
一人の怪しい男が現れ、挙動不審に辺りを見回し始めた。
(まさか・・・)
ヤンが注意深く観察していると、男が”何もない手の平”から炎を出した。
「待て!」(こいつ・・・魔族!)
ヤンが茂みから飛び出すと、男は慌てて逃げた。
が、ヤンの方が速く、男は簡単に捕まった。
「ぐっ・・・!」
「暴れるな!」
取り押さえた男の顔を見ると、ヤンは驚愕した。
「あなたは・・・!炎魔の・・・!」
男もまた、ヤンの顔を見て驚いた。
「てめぇは・・・!ヤン=クリムゾン!」
クララの出番が少ない・・・。
魔王のお見合い! 第二十三話『嘘泣き!』
魔王と琴はミクの突然の涙を見て戸惑った。
「ど、どうしたんですか?」
琴が心配して声をかける。
「うう・・・。いいの。気にしないで・・・。ただ、琴さんと魔王様が幸せそうに話すから・・・」
魔王も琴も言葉を失った。
「ごめんなさい。・・・アタシ、仲人失格ね。」
ミクが作り笑いをしながら、涙を拭う。
「え・・・い、いや・・・。」(この空気はまずい!)
「えと、私・・・」
「いいの。琴さんは気にしないで。アタシの分も幸せになって・・・」
「わ、私・・・邪魔みたいですね。」
空気の重さに耐えきれなくなった琴が、席を立った。
「ごめんなさい・・・。私、帰ります。」
琴は小走りで部屋を出て行った。
魔王はただ唖然としていた。
「知ってる?」
ミクが魔王の耳元でささやいた。
「吸血鬼の女は、”嘘泣き”が上手なの。」
「なっ・・・!?」
「他の女になんて、渡さないんだから。」
「・・・」
少しの間、二人は見つめ合った。
「じゃあ、アタシも帰るわね。」
ミクが魔王室の窓から飛び立っていった。
「ミク・・・」
ミクが去ったのを確認して、ヤンが部屋に飛び込んできた。
「魔王様、申し訳ございません!私の不注意でミク様に気付かれてしまい・・・」
「いや、仕方がない・・・。気にするな。」
そう言いながら、魔王はミクが飛び去った方を見ていた。
(”嘘泣き”には見えなかったが・・・)
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「ど、どうしたんですか?」
琴が心配して声をかける。
「うう・・・。いいの。気にしないで・・・。ただ、琴さんと魔王様が幸せそうに話すから・・・」
魔王も琴も言葉を失った。
「ごめんなさい。・・・アタシ、仲人失格ね。」
ミクが作り笑いをしながら、涙を拭う。
「え・・・い、いや・・・。」(この空気はまずい!)
「えと、私・・・」
「いいの。琴さんは気にしないで。アタシの分も幸せになって・・・」
「わ、私・・・邪魔みたいですね。」
空気の重さに耐えきれなくなった琴が、席を立った。
「ごめんなさい・・・。私、帰ります。」
琴は小走りで部屋を出て行った。
魔王はただ唖然としていた。
「知ってる?」
ミクが魔王の耳元でささやいた。
「吸血鬼の女は、”嘘泣き”が上手なの。」
「なっ・・・!?」
「他の女になんて、渡さないんだから。」
「・・・」
少しの間、二人は見つめ合った。
「じゃあ、アタシも帰るわね。」
ミクが魔王室の窓から飛び立っていった。
「ミク・・・」
ミクが去ったのを確認して、ヤンが部屋に飛び込んできた。
「魔王様、申し訳ございません!私の不注意でミク様に気付かれてしまい・・・」
「いや、仕方がない・・・。気にするな。」
そう言いながら、魔王はミクが飛び去った方を見ていた。
(”嘘泣き”には見えなかったが・・・)
魔王のお見合い! 第二十二話『ミクの涙!』
「魔王様、お連れしました・・・」
魔王室の外からヤンの声が聞こえてきた。
「どうぞお入りください!」
魔王は、まだ顔を見ぬお見合い相手に期待を膨らませ、意気揚々に呼びかける。
「こ、こんにちは。」
扉からひょっこり現れた女性は、まさに魔王の好みのタイプであった。
童顔なのだが、背伸びしようとしているのか、大人びた服装をしているのが可愛らしかった。
「どうぞ、おす・・・わり・・・」
魔王は途中で言葉が出なくなってしまった。
ヤンの代わりに入ってきたのが、ミクだったのだ。
「ほら、琴さん。この方が魔王様よ。」
ミクに言われると、琴と呼ばれた女性が魔王に軽く会釈した。
「あ・・・え・・・?」(な、なぜミクが・・・?)
「ほら、魔王様!自己紹介でもしなさいよ!」
「あ、は、はい!」(とりあえず、やるしかないようだ・・・)
魔王は一度咳払いして、語り始めた。
「私は、魔王エル=M=デビルです。1789歳ですが・・・人間で言うと35歳です。ええと、そちらは・・・」
「仁科 琴[にしな こと]です。19歳です。」
「こ、琴さん・・・いい名前ですね。今、何をなさっているんですか?」
「あ、美術の専門学校に・・・。画家になりたいんです。」
夢を語る琴は無邪気で、これもまた魔王をときめかせた。
「画家!いいですねえ。あ、魔界の風景はすばらしいですよ!絵になると思います。」
「そうなんですか!行ってみたいです。」
「それなら今度案内しますよ。」(ふふ、作戦通り!)
「本当ですか?お願いしちゃいます!」
魔王と琴は、あたたかいムードの中、しばらく語り合った。
(ミクは邪魔をしてこないようだな・・・)(信用して良さそうだ。)
魔王が安心したときだった。
「うっうっ。」
ミクが突然泣き出したのだ。
魔王のお見合い! はじめて読まれる方へ!
『魔王のお見合い!』についてですが、短期間に大分更新してきました。
「さすがに今から読み始めるのは・・・」という方もいるのではないでしょうか。
・・・と、勝手に妄想を膨らませ、今回はここまでのあらすじをまとめてみました。
ここまでのあらすじ!(第一話~第二十一話)
人間の女性を嫁に迎えたい魔王・エル=M=デビルは、人間界の一部・日本を占領。新宿に魔王府を建てる。
そして、日本の慣習に則り”お見合い”による嫁探しをすることに。
しかし、腹心・ヤンや人間界で再会した、生き別れの妹・クララ=S=デビルの協力むなしく、お見合いは失敗続き。
そこで、魔王は人間の流行を知るために渋谷へ出かける。
人間界侵攻に関してバッシングを受ける魔王であったが、巨大看板の落下から人間を救い、一躍ヒーローに。
つづく「人間を救う魔王に憧れた」と言う、東大のミスキャンパス・粳田沙緒とのお見合いは、成功したかのようにも見えたが、このお見合いはテレビのドッキリ番組による企画だった。
悲しみに暮れる魔王のもとに、魔界から婚約者・ミク=ブラッディが訪れる。
ミクは美しいが、強引で乱暴な吸血鬼だった。
ミクの魔王に対する愛は確かなものであったが、わがままなミクに魔王は振り回される羽目に。
ヤンの提案により、ミクから逃れるかのようにお見合いを計画した魔王。
しかし、ミクが計画に気付いてしまう・・・。
※上のあらすじには載っていませんが、ヤンには佐藤ヒメコという人間の彼女がいます。
まだまだ話を広げていきたいので、応援してくださると嬉しい限りです。
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「さすがに今から読み始めるのは・・・」という方もいるのではないでしょうか。
・・・と、勝手に妄想を膨らませ、今回はここまでのあらすじをまとめてみました。
ここまでのあらすじ!(第一話~第二十一話)
人間の女性を嫁に迎えたい魔王・エル=M=デビルは、人間界の一部・日本を占領。新宿に魔王府を建てる。
そして、日本の慣習に則り”お見合い”による嫁探しをすることに。
しかし、腹心・ヤンや人間界で再会した、生き別れの妹・クララ=S=デビルの協力むなしく、お見合いは失敗続き。
そこで、魔王は人間の流行を知るために渋谷へ出かける。
人間界侵攻に関してバッシングを受ける魔王であったが、巨大看板の落下から人間を救い、一躍ヒーローに。
つづく「人間を救う魔王に憧れた」と言う、東大のミスキャンパス・粳田沙緒とのお見合いは、成功したかのようにも見えたが、このお見合いはテレビのドッキリ番組による企画だった。
悲しみに暮れる魔王のもとに、魔界から婚約者・ミク=ブラッディが訪れる。
ミクは美しいが、強引で乱暴な吸血鬼だった。
ミクの魔王に対する愛は確かなものであったが、わがままなミクに魔王は振り回される羽目に。
ヤンの提案により、ミクから逃れるかのようにお見合いを計画した魔王。
しかし、ミクが計画に気付いてしまう・・・。
※上のあらすじには載っていませんが、ヤンには佐藤ヒメコという人間の彼女がいます。
まだまだ話を広げていきたいので、応援してくださると嬉しい限りです。
魔王のお見合い! 第二十一話『逆らえない!』
「さて、今日はどうやってお見合い相手を探そうか・・・」
ヤンは周りを見渡した。
人間界の街は人間で飽和している。
魔界では考えられないことだ。
「やはりいつも通り、魔王様が好みそうな女性に声をかけるか・・・」
見渡していると、全身を白を基調としたファッションで身を包む、おとなしそうな女性が上品に歩いているのを見つけた。
ヤンがその女性に駆け寄ろうとした、そのときだった。
「何をしているの?」
と後ろから声がして、同時に肩をつかまれた。
ヤンがおそるおそる振り向くと、ミクが立っていた。
「ミ、ミク様・・・!」(もう駄目だ・・・)
「面白そうなことしてるわね・・・!」
明らかに、皮肉と怒りの言葉だった。
「な、ナンパですよ。」
「嘘は良くないわよ。聞いたところによると、あなた彼女いるんでしょう?誠実さで名高いあなたが、ナンパなんてするわけないじゃない。」
「うっ・・・」
「どうせ、魔王様のお見合い相手でも探してるんでしょう?」
「・・・」
「・・・いいわ。お見合いは許してあげる。その代わり、仲人はアタシがやる。」
「・・・」(どうする・・・!難しい決断だ・・・)
「これは”命令”よ。」
「・・・」(どうすれば・・・!)
「血、吸うわよ。」
「そ、それは・・・」
「じゃあ決まりね。さあ、早くお見合い相手を見つけなさい。」
「・・・はい。」(・・・魔王様、申し訳ございません。)
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ヤンは周りを見渡した。
人間界の街は人間で飽和している。
魔界では考えられないことだ。
「やはりいつも通り、魔王様が好みそうな女性に声をかけるか・・・」
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ヤンがその女性に駆け寄ろうとした、そのときだった。
「何をしているの?」
と後ろから声がして、同時に肩をつかまれた。
ヤンがおそるおそる振り向くと、ミクが立っていた。
「ミ、ミク様・・・!」(もう駄目だ・・・)
「面白そうなことしてるわね・・・!」
明らかに、皮肉と怒りの言葉だった。
「な、ナンパですよ。」
「嘘は良くないわよ。聞いたところによると、あなた彼女いるんでしょう?誠実さで名高いあなたが、ナンパなんてするわけないじゃない。」
「うっ・・・」
「どうせ、魔王様のお見合い相手でも探してるんでしょう?」
「・・・」
「・・・いいわ。お見合いは許してあげる。その代わり、仲人はアタシがやる。」
「・・・」(どうする・・・!難しい決断だ・・・)
「これは”命令”よ。」
「・・・」(どうすれば・・・!)
「血、吸うわよ。」
「そ、それは・・・」
「じゃあ決まりね。さあ、早くお見合い相手を見つけなさい。」
「・・・はい。」(・・・魔王様、申し訳ございません。)