学生狂(小説・魔王のお見合い!連載中) -21ページ目

魔王のお見合い! 第三十五話『崖っぷちのポニョリータ!』



「俺なんか・・・俺なんか!」
「よせ、ポニョリータ!その薬を飲んだら、二度と人間には戻れないぞ!」
「ああ、それでいいんだ!こんな世の中、まっぴらだ!」

魔王も夕も、息をのんで映画に魅入っていた。

「よせ!せめて俺に金を返してからにするんだ!」
「知るもんか!200万も返せるかよ・・・!それに・・・」
「それに・・・?」
「闇金にも手を出しちまって・・・。700万ほどな。家は差し押さえになっちまった・・・」
「じゃあ、臓器でも・・・」
「知るか!こうなったら・・・」
ポニョリータが手に持っていた薬を一気に飲み干した。

「ば、ばか!」
ポニョリータから、煙が生じる。

しばらくして煙が晴れると、一匹の魚がピチピチと飛び跳ねていた。

「ポ、ポニョ!・・・じゃなかった。ポニョリータあああ!」
友人の嘆きもむなしく、ポニョリータは跳ね回るのみであった。

・・・
「うう、ポニョリータ・・・」
「はい、ハンカチです。」
映画館から出ても泣き止まない魔王に、夕がハンカチを差し出した。

「ありがとう・・・。ぐすっ。」
泣き止む様子はない。

「先生!」
魔王にも、夕にも聞き慣れた声であった。
「え?」

二人が振り向くと、ミクが微笑みながら立っていた。


魔王のお見合い! はじめての方へ!2!


ここまでのあらすじ!続編です。

ここまでのあらすじ!(第二十二話~第三十四話)


魔王を愛するミク=ブラッディの登場により、仁科 琴とのお見合いは失敗に終わる。

話は変わり、ヤンが恋人の佐藤ヒメコの周囲で起こっている放火の犯人を捕まえる。
犯人ヴォルグ=ヴォルケノは魔界の者であり、滅亡した炎魔の生き残りであった。かつての炎魔頭首、クリムゾン家に恨みをもつヴォルグであったが、クリムゾン家の末裔であるヤンがクリムゾン家への誤解を晴らした上で、放火事件は解決した。


また、魔王の妹クララが在籍するお茶の湯大学附属高校にミクが編入し、人間のおしとやかさを身につけようとする。

しかし、クララが担任教師の紬 夕を魔王とお見合いさせたことがミクに発覚。ミクは夕と魔王の初デートを邪魔しにかかる・・・。





かなり大雑把なあらすじです。
重要なのは、クララとヤンは魔王が人間の嫁を迎えることに賛成
ミクは魔王を自分のものにしようとしている、ということです。



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魔王のお見合い! 第三十四話『それぞれの!』


「すみません!わたし帰りますっ!」
「おい!くらら!」
顧問の制止を振り切り、クララは急いで剣道場を出て行った。

・・・
「もしもし、ヤンですが。」
「ヤンさん!ミクさんが・・・!」
クララが息も絶え絶えに、電話越しに叫んだ。
「どうしたんですか?」

クララは事の次第を、ヤンに伝えた。

「なるほど・・・。止めなくては・・・!」
「今、魔王府に向かってるから・・・。わたしも一緒に行くわ。」
「・・・魔王様には?」
「ううん、伝えてない。電話に出ないの・・・」
「そうですか・・・」

・・・
「夕さん!」
魔王が”ハチ公前”で待っていると、夕が駆け足でやってきた。
「すみません、待ちました?」
「全然!」
前と同じ嘘をついた。
「ならよかった!じゃあ、映画観に行きましょうか。」
「はい!楽しみですね。」
二人は和やかな雰囲気で歩き出した。

・・・
「魔王様、みーっけ!」
ミクが二人の様子を上空から見ていた。
「デートの待ち合わせと言ったら、ハチ公前だもんね。ここに来て正解だったわ。」

ミクは二人の後を追いはじめた。




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魔王のお見合い! 用語解説!を更新!


用語解説に、魔界格闘大会を載せました。

これについては、多分本編ではこれ以上触れないと思います・・・趣旨が変わっちゃうので。
ちなみに、『DRAGON BALL』でいう天下一武闘会のような大会です。

・・・そんなわけで・・・『DRAGON BALLよろしくね!

魔王のお見合い! 第三十三話『まさか!』


「もしもし、魔王ですが。」
「ううん、兄さん?なんでこんな夜遅くに・・・」
クララが眠そうな声で電話に出た。

「ミクに変わった様子はなかったか?明日、デートなんだ。」
あまりにも心配で電話したのだった。

「とうとう明日か・・・。ミクさんは大丈夫だと思うけど。」
「それならいいが・・・」
「そういえばミクさん、わたしと同じ剣道部に入ったよ。」
クララは魔族とのハーフということもあって、全国屈指の実力者だった。
「剣道部・・・。何か恐ろしいな。」
「そうね・・・。やっぱり純粋な魔族は強いわ。」
「ミクは魔界格闘大会でもトップランカーだからな・・・」

そのあとも取り留めのない話が続いた。
クララは「明日は朝早くから部活だから」と言って、再び眠りについた。

・・・翌日。

部活が始まる時間になっても、ミクが来ない。

「先生、ミクさんは・・・」(嫌な予感・・・)
「ああ、休むそうだ。怪我をしてしまったらしい。」
顧問の先生が、やや深刻な顔をしていった。

確かに事態は深刻なことにになりそうだった。




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