学生狂(小説・魔王のお見合い!連載中) -16ページ目

魔王のお見合い! 第五十一話『帰還!』

「お疲れさまです!魔王様!どうでしたか!?」
魔界から戻ってきた一行を門番・ディフがアツく出迎える。
「ああ、勝ったぞ。」
「さすが!ところで、その青年は・・・?」
ディフがアティを見て首を傾げる。
「実はな・・・」
魔王は魔界でのいきさつを適当に説明した。

・・・
「クララ様にも男ができましたか!」
ディフは豪快に笑いながら、アティとクララを交互に見る。
「も!恥ずかしいじゃない。」
クララが顔を桃色に染めて照れる。
「良いことですぞ。ぜひ元気なお子さんを・・・」
「気が早い!」

・・・一行が魔王府の外に出ると、すでに日は沈んでいた。

「それじゃあね、兄さん、ヤンさん、ヒメコさん。・・・アティさん。」
「あ、アティでいいですよ。」(言っちゃった!)
アティが恥ずかしそうに呟く。
「うん。それじゃあね、アティ!」
「は、はい!」(うおおお!感動!)

「本当に良かったのか?同棲できたんだぞ?」
クララがいなくなると、魔王がアティに尋ねた。
「まだ出会ったばかりですし・・・。しばらくは魔王府でお世話になろうと思います。」
「そうか・・・」

「わたしもそろそろ帰るね。」
ヒメコが期待するような目でヤンを見つめる。
「ヒメコさん、送っていきますよ?」
「お願いしちゃおうかな。」(やった!)

「いいなあ、皆。恋をして・・・」
二人の様子を見ていた魔王が、悲しそうに漏らす。

「魔王様にも素敵な恋人できるわよ。」
ヒメコが去り際に言った。
「そうだといいのだが・・・」

魔王は空を見上げた。
見事な満月であった。

(”あの日”も満月だったな・・・)






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魔王のお見合い! 作者から一言!


とうとう五十話です!
感無量であります!

そして・・・
魔王VSジル編も終わり、新章突入の気配!


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魔王のお見合い! 第五十話『決着!』


魔王の唾が、風を切って突き進む。
誰もが呆気にとられたまま、唾は地に着いた。

「な、なんだ・・・今の・・・」
競技場が、どよめいた。

「108.5メートル!」
計測員が、高らかに叫ぶ。

「おおお!魔王様!」
「兄さん!」
歓喜する仲間たちに、魔王は微笑み、手を振った。

「こ、こんなことが・・・」
ジルは頭を抱えてうずくまった。
「僕の特訓は・・・うわあああ!」
泣き出してしまった。

そんなジルを見かねたのだろうか。
魔王がジルの肩にそっと手を置く。
「ウマホネタイン・・・」
「ジル=ヴァレンシュタインだ!」
ジルはぐしゃぐしゃになった顔で、必死につっこんだが、いつものような勢いはなかった。

「さすが魔王様ね!」
「ミク・・・」
「ミクさん・・・」
ミクが上空から現れた。

「さあ、魔王様。アタシと結婚して?」
ミクは唇を可愛く突き出す。
「・・・」
「夕先生にもフられたんでしょう?」
ミクが魔王を軽くにらみつける。
「・・・」
魔王は黙って俯いたままであった。

「はあ。・・・まあいいわ。もう少し人間界にいたいしね。」
「・・・ミク。」
「アタシは一足先に戻ってるわ。」
言い終わるや否や、ミクは飛び去っていった。

「ふははは!」
ミクの姿が見えなくなると、ジルが笑いはじめた。
「僕にもまだチャンスがあるのですね・・・!魔王よ!いずれまた決着は着けましょう!」
言い終わるや否や、ジルは走り去っていった。

「なんだかなあ・・・」
魔王は溜め息をついたが、なんだか満更でもない気持ちであった。




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魔王のお見合い! 用語解説!(クルセイダス家)を更新!


用語解説に、クルセイダス家を掲載しました。

雷神は、魔界でもトップを争う実力をもつ種族でした。
その中で活躍していたクルセイダス家は、超エリート。
おまけに顔立ちの良い男ばかり。

・・・うらやましい。


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魔王のお見合い! 第四十九話『魔王の本気!』


「まさか・・・!」
観客席でジルの”飛ばし”を見ていたヤンは、開いた口が塞がらないでいた。
アティも同様であった。

「105.0メートル!」
計測員が叫んだ。
ヤン達以外には記者しかいないので、計測員の声はよく響いた。

「これってすごいの?」
唾飛ばしを初めて観戦するヒメコが、ヤンに尋ねる。
「はい・・・。魔界新記録です・・・!」
「新・・・。すごいのね・・・」(よくわからないけど。)
「兄さんに勝ち目はあるの?」
クララが心配そうに呟く。

「大丈夫ですよ。」
アティが優しく元気づける。
安心できたのかどうか分からないが、クララはそれ以上口を開かなかった。

・・・
「調子はどう?魔王様?」
「・・・ミク。」
魔王の控え室に、いつの間にかミクがいた。

「アタシのために・・・勝って。」
ミクがねだるように、甘えるかのように魔王に擦り寄る。
「・・・プライドのためだ。」
そう言い放つ魔王の様子は、いつものそれとは違っていた。
『魔王』と呼ばれるにふさわしいオーラを纏っていた。

(これよ・・・!この魔王様よ!改めて惚れ惚れするわ・・・)

魔王は静かに立ち上がり、ミクに目をくれることなくサークルへ向かった。
(105・・・か)

・・・
サークルの上に立つと、周りの雑音が聞こえなくなる。
口の中に広がる唾液に、全神経を集中させる。
呼吸は鼻で整える。

「ぷっ」

競技場にいる者は、いつ魔王が唾を放ったか視認できなかった。
それほどまでに凄まじいスピードで、魔王は唾を吐き出した。





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