シネレンズとオールドレンズで遊ぶ! -12ページ目

シネレンズとオールドレンズで遊ぶ!

カメラマンヨッピーのブログ。シネレンズやオールドレンズなどのマニュアルフォーカスレンズをミラーレスカメラに装着して遊び、試写を載せていきます。カメラ界でまことしやかに語られているうわさも再考察していきます。

シュタインハイル ミュンヘン アウトクヴィノン(オートキノン)55mm F1.9 エキザクタマウント

のっけからカタカナだらけで大変です。

シュタインハイル ミュンヘンはドイツの老舗光学メーカーで創業は19世紀である。

日本での知名度は低く、愛好家にとっては希少なレンズであるが、一般市場ではその他もろもろの中のメーカとして扱われる。

エキザクタマウントの多くのレンズがそうであるようにこのレンズもとてもつくりがよく写りも良い。

BiotarのようなピントのシャープネスとSwitarのようなボケのやわらかさをあわせ持つ非常に良く出来たレンズである。

外観もデッケルマウントのSEPTONのようなしっかりとしたシルバーの鏡銅で絞りリングの削り出しアルミのエッジがたまらない。M42マウントのAuto-Quinonの方がシンプルでおしゃれであるが、エギザクタマウント用のオート絞り機構も凝っていて魅力的だ。

シネレンズとクラシックレンズで遊ぶ!

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レンズ本体の向かって右側にある突出部にオート連動スイッチとエキザクタ用のシャッターがある。


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Autom.

N.Auto

と書いてある部分のポッチを引くとマニュアル絞りに切り替わる。

通常はオート絞り(シャッタレバーに連動する方式)である。

写真右上のレバー部分を下に下ろすとシャッターが切られる(エクザクタボディーの場合)

マニュアル絞りを解除するにはポッチを押し込んでシャッターレバーを下ろすと解除できる。


実際このレンズで写真を撮ると、その個性に驚く。

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レンズの作りといいこの写りといいシュタインハイルがただものではないということがわかる。

この写りを初めて見た瞬間魅了されてしまった。
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シネレンズではないが、シネレンズが持つ情緒感を持っているレンズである。

スチールカメラ用のレンズとしては稀有な存在である。
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柔らかいだけの写りかと思いきや中間距離だとこんな硬いボケもする。

気まぐれで奥の深そうなレンズである。


優秀で扱いやすい日本のレンズに飽きてしまったレンズ廃人にはうってつけの魔鏡である。

ただし探すと見つからないのが難点かもしれない。





前回は収差補正時代に入ったアプラナチックレンズまで行きました。

今回は百花繚乱のレンズ設計戦国時代に入ります。


レンズ戦国時代(前編 アプラナート~アナスチグマットへ)


6.対象型レンズ


写真レンズの特性として撮影したレンズと同じレンズで引き伸ばすと、歪曲などを補正できるという特性があります。その特性を生かしたのが対象型レンズです。


1865年にシュタインハイル社(独)はペリスコープを対象型に配置したペリスコープF15を発売する。メニスカスレンズを対象型に配置したこのレンズは、画角が広く歪曲収差を補正していたが、色消しができないため色収差があった。


シュタインハイル(独) ペリスコープ F15 1865年
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翌年の1866年にシュタインハイル(独)とダルメイヤー(英)から、全く同じ構成のレンズが発売された。

トーマス・グラブのアプラナティックレンズを対象型に配置したレンズで、シュタインハイルではアプラナートと呼び、ダルメイヤーではラピッド・レクチリニアと呼んだ。


ダルメイヤー(英)     ラピッドレクチリニヤ F8 1866年

シュタインハイル(独)   アプラナート F8  1866年

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ラピッド・レクリチニア(アプラナート)レンズは理論上球面収差とコマ収差を排除したアプラナートレンズを貼り合わせて色消しにし、それをさらに絞りをはさんで対象型にしたレンズです。球面収差、コマ収差、歪曲収差を補正し色消しにも成功した高性能レンズです。発売後60年にわたり様々なバリエーションが発売された19世紀を代表する人気レンズです。




7、アナスチグマットの誕生


1891年ツァイスのパウル・ルドルフは新ガラスと旧ガラスを組み合わせ、サイデルの5収差すべての補正に成功した。サイデルの5収差の全てを補正したレンズをアナスチグマットといい、このレンズは世界初のアナスチグマットレンズである。当初ツァイスアナスチグマットという名前で発売されたが、その後アナスチグマットという呼び名が一般化したためプロター(元祖の意)という名前に変更された。このレンズ以降アナスチグマットが高性能レンズの必須条件となる。


カール・ツァイス  ツァイスアナスチグマット シリーズⅢ F7.2 1890年
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4枚構成のプロターを対象型にしたドッペル・プロターも作られたが、生産性が低く高価なため3枚構成のものに変更された。



カールツァイス  ドッペル・プロターVIA(組み合わせプロター) F6.3~F12.5 1893年


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このレンズのバリエーションの中には組み換えプロターというものもあり、絞りより前の前群だけでもF12.5のレンズとして使えた。明るさは前群取と後郡の組み変え方によりF6.3やF7.7と変化した。




8、ガウスレンズの誕生

19世紀を代表する数学者カール・フリードリッヒ・ガウスの望遠鏡のレンズを元にアルバン・クラークが1888年に発明した。


1814年にガウスは望遠鏡の対物レンズとして凸凹の構成の色消しレンズを考案します。

このレンズ自体は実用化されていませんが、シュバリエの色消しレンズの20年以上前に色消しレンズを発明していたことは驚きです。
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クラークはこのガウスのレンズを絞りをはさんで対象型に凸凹凹凸と配置します。これをガウスタイプ(ダブルガウス/ドッペルガウス)レンズといいます。


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このレンズは、色消しレンズを対象型に配置することで、歪曲収差や像面湾曲の少ない中心から周辺部までよく写るレンズでした。

その後、1895年にこのレンズの凹レンズを貼合し色消しをさらに強化したレンズが登場します。パウル・ルドルフのプラナーです。光学理論的には優れたレンズでしたが、この時代の技術ではその能力を発揮できませんでした。ガウスタイプが、その真価を発揮するのは戦後のこととなります。


カールツァイス ツァイスアナスティグマットIA F3.6~F6 1895年
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この時代、ガラスの反射を抑えるコーティング技術がなかったため、ガラス1面辺り5%前後の反射が発生していた。そのため面数多くなるガウスタイプレンズはコントラストの低下に悩まされ、より構成の少ないレンズにかなわなかった。



収差補正時代の先駆けとなったアプラナートは対象型となりサイデルの5収差のうち3収差と色消しを実現する。

その後プロターの登場で5収差全てを補正できるようになったが、その反面レンズの構成は複雑化しレンズ枚数も増える結果となった。

そのことによりレンズ反射によるコントラスト低下に陥り、対象型でのレンズ性能の向上は頭打ちとなる。

そんな1893年レンズ界に革命が起こる。

そのお話はまた次回。


1857年から1900年までの約50年間に光学技術が飛躍的に進化したのがわかります。
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レンズ進化表その2 ダウンロード


出典:カメラマンのための写真レンズの科学  吉田正太郎著  地人書館

    小西本店 六櫻社 鏡玉と暗箱  http://www2f.biglobe.ne.jp/~ter-1212/sakura/inde   

    滲みレンズ/Bokeh Lens(レンズ教室、レンズテスト) http://www.oldlens.com/index.htm

    Dr.マスダのレンズ教室 http://homepage2.nifty.com/MINOX/contents4.htm





2013.05.21アプラナートに関する記述を追記しました。 出典を追加しました。

レンズの進化の過程を備忘録としてまとめてみました。



1、写真レンズ誕生前夜


写真の専門学校で1番初めに教わったのがカメラの歴史。カメラの直接の祖先は暗箱に穴を開けた箱『カメラ・オブスキュラ』である。この箱が誕生した経緯は詳しく分からないが16cにポルタ(伊)がカメラ・オブスキュラに凸レンズを取り付けた。このあたりから、ピンホールカメラであった箱は、光学技術を取り入れることになる。

16C ポルタの凸レンズ


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2、光学の黎明期


1804年にイギリスのウォーラストンは凸レンズと凹レンズを組み合わせたメニスカスレンズを考案し、これをペリスコープと名づけた。メニスカスレンズにより画角のコントロールが可能になり、画面四隅まではっきりとした像を得ることができるようになった。

1804年 ペリスコープ(メニスカスレンズ)


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3、カメラ誕生


1839年 ルイ・ジャック・マンデ・ダゲールは1839年に銀板を用いたカメラの発明に成功する。

世界初のカメラは1825年にニセフォール・ニエプスが発明している。ダゲールはこの発明を引き継ぎ当初8時間かかっていた露光時間を大幅に短縮することに成功した。この時に使われたレンズがシュバリエの色消し鏡玉で開放値はF14と言われている。シュバリエの色消し鏡玉はペリスコープの弱点であった色収差を補正するためにフリントガラスの凹レンズとクラウンガラスの凸レンズを貼り合わせたレンズである。

1837年 シュバリエの色消しレンズ


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色消しの仕組み
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2種類の屈折率の違うガラスにより分散した光を一点に結像させる。

光の三原色のうち2色で補正されているものをアクロマート、3色すべてを補正しているものをアポクロマートとよぶ。



4、光路追跡計算

ダゲールが発明したダゲレオタイプがF14であっとことを知ったウィーン大学の教授ペッツバールは開放値の明るいレンズを作れば、現在10分~20分かかっている露光時間を飛躍的に短縮できるとして、新しレンズの設計に取り掛かった。

1840年オーストリア陸軍の砲兵部隊から計算の得意な砲手を雇い膨大な光路追跡計算の結果、飛躍的に明るいF3.4のレンズの設計に成功する。ダゲールのカメラの発表からわずか1年という驚異的なスピードであった。その後ウイーンで創業したフォクトレンダーが商品化し発売した。外見は有名なこのレンズである。


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              JCIIホームページより


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ペッツバールの光路追跡計算はその後発展し、コンピューターが登場する1960年代までレンズ設計は人による計算によって行われていました。




5,収差補正


ペッツバール鏡玉の登場によって飛躍的に明るくなった写真レンズですが、問題もありました。

ペッツバール鏡玉は周辺部の収差が残存し、画角も狭かったためポートレート用に用途が限られました。

1856年にルートヴィヒ・ ザイデルは収差理論に関する著書を発表した。その後サイデルの名にちなみレンズに関する5種の収差をサイデルの5収差という。

サイデルの5収差とは

球面収差

コマ収差

非点収差

像面湾曲

歪曲収差

の5つである。

1857年にトーマス・グラブは色消しレンズでありながら、球面収差も補正したアプラナチックレンズを発明する。これ以降写真レンズはサイデルの5収差をいかに補正するかということに重きを置くようになる。


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アプラナチック(アプラナート補正レンズ)


1857年トマス・グラブによって発明されたアプラナチックレンズは、数学理論上球面収差とコマ収差が発生しないアプラナチック凸レンズとアプラナチック凹レンズを貼り合わせて、色消しとし、球面収差とコマ収差、色消しを同時に達成したレンズである。これ以降レンズ設計理論は飛躍的に発展し、様々なレンズが登場する。

その2に続く。


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レンズ進化表その1 ダウンロード


出典:カメラマンのための写真レンズの科学  吉田正太郎著  地人書館

    小西本店 六櫻社 鏡玉と暗箱  http://www2f.biglobe.ne.jp/~ter-1212/sakura/inde   

    滲みレンズ/Bokeh Lens(レンズ教室、レンズテスト) http://www.oldlens.com/index.htm

    Dr.マスダのレンズ教室 http://homepage2.nifty.com/MINOX/contents4.htm





ГР-8A f'=21.6 1:3.5 2W=72°

暗号のような表記を持ったレンズ。

正面から見ると青い虹彩を持ったアンドロイドの目のようです。
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ロシアンレンズらしい紫のコーティング。

ヘリコイドを持たないこのレンズは一体何用のレンズなのであろうか?


その正体はHidro-Russar(ハイドロ・ルサール) 

GR-8A(ГР-8A ) 21.6mm(水中19.5mm) f3.5 2W=72°(写角)

水中用ルサールである。

ZorkiやFEDやZenitの水中ハウジング用のレンズのようです。

水中で発生する色収差や歪みを補正する設計のレンズです。

当然陸上で使うと色収差が発生します。


コンパクトなルサールとは正反対の長細いレンズです。


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マウント形状はM39とM42両方選べます。

フランジバックはM42とほぼ一緒です。

M39をライカM変換して付けると大幅にオーバーインフになるため、接写リングを入れて調整してあります。

レンズ構成図が手に入らないため推測なのですが、ルサールのマスターレンズをレトロフォーカスでバックフォーカス延長してあるようです。


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レンズの後玉はぎりぎりのところまであります。


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とても長いレンズです。21.6mmという焦点距離のレンズには見えません。135mmと同じ感じのサイズ感です。このレンズにはヘリコイドがないので、ヘリコイドアダプターで代用しています。


写りは一体どんな感じかというと、


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歪みを活かすと立体感が出ます。
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結構寄れます。
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夜もイイ感じです。
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この写真、プリントすると不思議な立体感があって少し驚きました。
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変な色。
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頑張ればシャープな写真も撮れます。
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微ミョーに曲がってます(汗)
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結構ガッツリ歪みます。色も独特です。

でもエルメスのビルの質感は魅力的です。

予想外にやんちゃなレンズです。


そして気になる解像力と色収差は?

この写真で見てみます。
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中心部を拡大すると
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結構解像します。
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右端のビルの色収差。

水中用にチューンされているため豪快な色収差でます。
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Adobe Lightroomで色収差を補正。

科学の力は偉大です。

すっかり消えました。

Lightroomで現像しながら使うのであれば充分実用できるレンズです。

ただ気味悪がられるので、ポートレートには不向きです(笑)





都内のカメラ屋ジャンクコーナーでHexanonを見つけた。35mmでF2.8という平凡なレンズ。

しかし違和感を感じ手にとってしまった。


現行のレンズがそうであるように、多くの35mmF2.8の前玉は控えめである。しかしこのHexanonの前玉はレンズの枠ギリギリまである。

気になって試写してみるとかなりいい!

絞りが不良とあったが、油浮きもなく、レンズも綺麗なのでおそらくマウント側の問題であると思い購入。

絞りの洗浄となると大仕事であるが、マウントの問題なら、すぐ解決することが多いからである。

おかげで格安で買うことができた。

帰ってきて思い出した。Angenieux R1にそっくりだなぁ。

Angenieux R1はスチールでは世界初のレトロフォーカスレンズで35mm F2.5

スペックも近い。

R1はあまりにも有名なのでレンズ構成図はすぐ判明。


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ザ・レトロフォーカスです。


なんとかコニカのレンズ構成図も見つかりました。
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結構ほぼR1じゃないですか。

レトロフォーカスというかR1タイプといった感じです。

前玉から覗くフォルムもそっくりです。
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和製Angenieux R1ですね。

肝心の写りは


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ピント部分はとてもシャープです
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背景のやわらかなボケはクラシカルで僕好みです。
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発色は本家よりビビットです。
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ピンとはシャープでコントラストも高め、発色も良い、日本人好みにチューニングされたR1といった感じです。最短撮影距離も0.3mと、とても使いやすい。
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現代的な解釈で言うと少しうるさいボケですが、これくらい個性的なボケを使いこなすところにクラシックレンズ使いの楽しみがあります。
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逆光には強いようだ。


Angenieux R1はコンディションの良い玉が少ないせいか、フワッとした柔らかい描写が特徴と思われがちであるが、本当はとてもシャープで線の細い描写が特徴のレンズである。ただ、逆光に弱くハレ切りができていないとハレーションを起こしフワッとした描写になる。また発色も控えめなため、そういった印象になりがちである。

今回使ってみた限り、このHexanon 35mm F2.8は逆光に強く、発色もよい。コントラストも高いので全体的には骨太なAngenieuxといった感じである。Angenieuxの弱点を修正していった結果、少し優等生的になりすぎた感じがあるが、充分楽しめるレンズであると思う。なにより中古相場での価格差を考えるとこのレンズの魅力はかなりのものである。



出典 Konica SLR Lenses 1960-1986 http://www.buhla.de/Foto/Konica/eHexanonHaupt.ht




今週は1週間出張でホテル暮らしでした。

最終日の昨日に急に思い立ち部屋を撮ってみました。


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E-P2 Summicron5cmF2 HawksFactoryヘリコイドアダプター

先日も少し画像を載せたが、知り合いのArriflexオーナーの方からArriflexのレンズカタログのデータを頂いた。雑誌の特集ページに載せる可能性があったので公開を控えてきたのですが、先日雑誌も発売になったため、載せようと思います。
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左ページから
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Rodenstock

Schneider

Kilfitt


右ページから
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Carl Zeiss

Taylor&Hobson

Kinoptik

Angenieux

Som Berthiot

レンズ界の精鋭ぞろいです。


まずは

Rodenstock

Heligon
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Heligon 16mm F2

Heligon 25mm F1.5

Heligon 50mm F2

Rodenstockはドイツの老舗レンズメーカー。Heligonはダブルガウス型レンズの名称。

様々なマウントが存在するが、16mm、25mmは専用設計であると思われる。

レンズ構成はいずれも6枚である。



Schneider-Kreuznach

Cinegon

Cine-Xenon

Xenon
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アリフレックスといえばシュナイダーというぐらいArriflex16に標準的についていることが多いレンズである。

Cinegon 10mm F1.8

Cine-Xenon 16mm f2

Cine-Xenon 25mm f1.4

Cine-Xenon 50mm f2

Xenon 75mm f2

Xenon 100mm f2

Cinegonは名前からもシネレンズ専用のようです。Arriマウント、Cマウント、ライカM(ライカキナ8mm用)などがあります。家に歴代のCine-Xenonがありますが

Xenon→Cine-Xennon→Arriflex-Cine-Xenonといったように年代により表記が変わります。

レンズデザインもスチールカメラのXenonと同じデザインから、専用設計に変わります。

25mmは初期だとf1.5ですが途中からf1.4に変わります。

絞りの数も初期の15枚羽からだんだん減っていき最終的に4枚になります。

Xenonは基本的にガウスタイプであると思われる。(レンズは25mm,50mm,100mmが7枚。16mm,75mmが6枚)

Cinegonのみ9枚構成なのでレトロフォーカスではないかと推測される。



Kilfitt

Macro-Kilar

Tele-Kilar
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キルフィットといえば世界初のマクロレンズと言われているマクロキラーで有名である。

Macro Kilar 40mm F2.8

Macro Kilar 90mm F2.8

Tele Kilar 300mm F5.6


Macro kilar40mm /90mmともにスチール用の同レンズとデザインが同じで、仕様も同じと思われる。

キルフィット社はマクロや望遠といった特殊なレンズが強い会社で世界初のズームレンズ”ズーマー”を作った会社としても有名である。レンズ構成は3本とも4枚で、テッサータイプである。




Carl Zeiss

Planar

Sonnar
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言わずと知れたCarl Zeiss

カタログには多く載っているが、現存数は少ない。マウント改造をされてニコンマウントやライカマウントにされているものも多い。

Planar 16mm F2

Planar 25mm F2

Planar 32mm F2

Planar 50mm F2

Sonnar 85mmF2.8

Sonnar 135mm F4

手にする機会がないため詳しいことは分からない。


Taylar&Hobson(Cooke)

Kinetal

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Taylar&Hobson社といえばなんといってもCooke Speedpanchroであろう。

ハリウッドに愛されたレンズSpeedpanchroの16mm版がKinetalである。

Kinetal 17.5mm T2

Kinetal 25mm T2

Kinetal 50mm T2

この他にKinetal 12.5mm T2もある。このカタログで唯一開放値表記がTになっている。一般に絞り値表記に使われるF値は口径比で、レンズの理論上の明るさになります。しかし厳密な露出計算が不可欠な現場では実際の明るさである実測値表示の方が望ましいのです。T値はレンズの実測した明るさで厳密な計算が可能になっています。通常F値とT値の目安の双方とも表記されることが多いのですが、T値に特化してるあたりにこのレンズの製造基準の厳しさが伺えます。


Kinoptik

Angenieux

Som Berthiot
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いずれもムービーレンズ界では有名なメーカーです。

KInoptik Tegea 5.7mm F8

Angenieux Multifocal L4 f2.2

Som Berthiot Pan Cinor 85mm f/2


KinoptikはApochromatレンズで有名なフランスのレンズメーカーです。Apochromartとは光の3波長の全ての色収差を補正したレンズで主に天体望遠鏡などに使われる技術である。極めて高度な光学設計と高価な硝材を必要とするため、ムービーレンズやスチールレンズに応用されることは希である。そのためKinoptikは現在でもファンが多く未だにかなりの価格で取引されている。

このTegea 5.7mmはApochromartではないが、5.7mmという超広角レンズである。固定焦点のパンフォーカスレンズと思われる。カタログにはf/8とあるが、市場にはf1.8(T2)のものも出回っており、単に誤植か当初F8固定だったのかは不明である。レンズ鏡胴部の四角い部分に専用のフィルターを入れて使用する。


Arriflex16のズームレンズといえばAngenieux12-120である。このレンズは17.5mm~70mmのズームレンズである。マルチフォーカルという呼び名はZoomという言葉が使えなかったからであろうか。Angeniuxはレフレックスカメラ用の広角レンズである『レトロフォーカス』レンズでも有名で、Arriflexマウントの広角レンズも多数発売している。


Som BerthiotはフランスのレンズメーカーでAngenieuxと並びズームレンズが有名である。パンシノールと呼ばれるズームレンズは専用の棒でズーミングするのが特徴で、CマウントやDマウント用のパンシノール多数存在する。
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パンシノール17-85とテレキラーと思われます。焦点距離50㎜以上のレンズは35mmカメラと併用することも多くこの望遠レンズも35mmと併用であるとの記述があります。

レンズの望遠化に伴い専用台座を使うことが必須となります。映画『東京オリンピック』の市川崑監督も使っていたようです。カメラは35mmですけど。ちなみに東京オリンピックオフィシャルサイトに映画『東京オリンピック』に使用した機材のリストがありますが、強烈です。必見の価値ありです。

http://www.joc.or.jp/past_games/tokyo1964/interview/interview03.html


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撮影中の市川監督です。くわえタバコかっこよすぎです!!

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ありえないっす・・・。



出典

公益財団法人 日本オリンピック委員会 公式サイト 

http://www.joc.or.jp/reconstruction/


毎日新聞







銘板とはレンズ前面の刻印のこと。レンズ名だけでなくレンズのスペックも記されている。

この銘板を読むことにより、そのレンズの歴史やストーリーが見えてくる。

レンズ選びが楽しくなるそんな記事にしていこうと思っています。

第一回はクラッシックレンズ界で最も有名なレンズ。ズミクロン 5cm F2から行きたいと思います。

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とても美しいクロームのボディーに繊細な刻印が印象的なレンズ。

無限遠のロックや絞りのクリック、沈胴させる時のトルク感などその全てが洗練されている。

名盤は黒い塗装の上に白い刻印で刻まれている。
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その繊細な文字がこのレンズの特徴をよく表している。

ドイツ写真産業黄金時代の技術の高さを感じさる。

"Ernst Leitz GmbH Weatzlar"

GmbHとはドイツ語で『有限会社』(Gesellschaft mit beschränkter Haftung)の意味。

WeatzlarとはLeitz社創業の地。

エルンストライツ有限会社 ウエッツラーというところであろう。

エルンストライツとは言うまでもなく創業者であるエルンストライツ1世の名であり、同社の名前でもある。

よく同時代のライバルとしてあげられるContaxがCarlZeiss財団であったのに対し有限会社とは中小企業的な感じがするがドイツにおいては大企業でもしばしば有限会社の形態をとっているという。

この時代のLeitz社は創業の地で当時、世界最高のレンジファインダーカメラの名を欲しいままにしていたM3の生産をしていた。その後1970年代に日本の一眼レフカメラ攻勢により経営難に陥った同社は、スイスのウィルドに買収されてしまう。その後1990年にLeica Camera AGとして再出発することになるが、工場はソルムスへと移ってしまった。

Wetzlarとは創業から黄金期までのライカの象徴の地と言える。

Summicronの名前の由来は諸説あるが、ラテン語のSumma「最高のもの」と、同じくラテン語 のMicron「小さい」から作られた造語であるという説が有力である。

設計者はバルナックライカ時代のライカレンズの生みの親マックス・ベレーク博士から直接指導を受けた直弟子の最後の1人ウォルター・マンドラー博士。ノクチルックス50mmF1の設計でも有名である。このレンズ以降F2のレンズの多くがレンズ構成に関係なくズミクロンと呼ばれることになる。
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Summicron F=5cm 1:2 Nr.1192513

固定鏡胴の後期型はSUMMICRONの表記が大文字に変わっている。

f=5cmというのは言うまでもなく焦点距離であるが、5cmと50mmだと焦点距離の許容範囲に差があるのだそうだ。5cmの場合±9mmくらいまでは許容されるのだそうだ。ちなみに1:2というのはドイツ式の表示方法でアメリカ式だとf/2 f=5cm日本式だと5cm F2となる。

沈胴Summicronでよく話題に上がるのがシリアルナンバーであろう。

僕も現物は見たことないが82万代のプロトタイプズミクロン(Summitar*5cm f=1:2名である)をはじめとしてアンダーミリオンと呼ばれる92万代のトリウムレンズのバージョンがあるそうだ。

アンダーミリオンのトリウム玉は銘板の表記方法がSummitar式なのだそうだ。Summitarではレンズ名もメーカー名もレンズ先端が下に揃えられているが、Summicronではレンズ名とメーカー名が反転している。


シリアルナンバー表を見ると


プロトタイプズミクロン

Summitar*f=5cm 1:2

Nr.812242 - Nr.813231 (1950年)  990本


アンダーミリオン

Summicron f=5cm 1:2

Nr.915001 - Nr.930000 (1951年) 15000本 (酸化トリウムを使用)


Nr.959001 - Nr.960000 (1952年) 1000本


Nr.993001 - Nr.996000 (1952年) 3000本


ちなみに僕の所有のレンズは1954年製で5000本生産された最初期のM型Summicron(LakN9)であることがわかる。アンダーミリオンに92万代が多いのはその圧倒的な生産本数を見ればわかる。

1952年に生産された4000本がトリウム玉かどうかは未確認である。


引き続き調査を続行します。



出典


写真レンズの歴史 
 ルドルフ・キングズレーク著
 雄倉保行 訳
 朝日ソノラマ
 

アサヒカメラ ニューフェース診断室
ライカの20世紀
 

カメラマンのための写真レンズの歴史

吉田正太郎著 地人書館


ライカのレンズ 写真工業社









<p>レンズ界のKING&QUEENといえば、Summicron とSwitar ではないかとおもう。両レンズともずば抜けた解像度と美しい写りを両立している。最近Summicron の調整に成功したので、山崎さんに磨いてもらったズミクロンは、完品と言ってもいいほどの写りを取り戻した。そのため念願だったこの2本の撮り比べをしてみようと思う。

まずは復活したズミクロンです。

Summicron 5cm F2
シネレンズとクラシックレンズで遊ぶ!
開放
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F4
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開放
シネレンズとクラシックレンズで遊ぶ!
F4

SummicronのF4の写りは素晴らしく、解像度、立体感のバランスが絶妙です。

サンプル写真(等倍)

等倍で見ると、よくわかります。


Summicron 5cm F2


M型ライカ用沈胴Summicron 5cm F2は1954年発売のLeicaM3用の標準レンズとして設計されたレンズである。その最大の特徴は解像度で開放からかりっとした描写はM3とともに新時代の写りであった。特に初代ズミクロン(沈胴、固定鏡胴)は採算を度外視した贅沢なつくりで、6郡7枚というつくりであった。俗に空気レンズという貼合面を剥がして空気間隔を作り、屈折面を増やす手法がとられ、複雑な収差補正が可能になっている。この技術を使う為にコーティング技術は不可欠で、その当時最新のコーティング技術もふんだんに使われている。ガラスも構成レンズの殆どが新種ガラスで7枚中5枚が新種ガラスです。写りは全体的に硬調で力強い写りである。ライカといえばズミクロンといえるほどあまりにも有名なレンズで、その写りからもレンズ界のKINGというにふさわしいレンズである。</p>

ALPA SWITAR 50mm F1.8

16mm高級ムービーカメラBolex用のレンズとして有名なレンズである。特にMacro Switarは世界一の標準レンズという声もある。ALPA用SWITAR(MacroSwitar)は唯一の一眼レフ用SWITARである。Bolexの設計者であるジャック・ボゴポルスキー(<span>Jacques Bogopolsky)がアルパの初期設計にかかわったことからラインナップされたという。変形ガウスタイプの5郡7枚でアポクロマートレンズであるといわれている。シャープな解像度ととろけるような優美なボケが最大の特徴で、レンズ界のQUEENといえるレンズである。</span></p>


以下は撮り比べ写真です。

同じモチーフを撮ってます。

Summicron

ヘリコイドアダプターでマクロ化してます。
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中央部拡大
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SWITAR
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少し二線ぽいボケが絵画的です。
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解像力がありながら柔らかい描写です。


Summicron
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解像力の高さから少しうるさいのボケですが立体感が助長されてます。
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拡大してみると、写りの安定感がわかります。

黒がしっかり締まりメリハリのある写りです。

SWITAR


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Summicronよりうるさいボケですが、柔らかいため全体が調和して見えます。

現代レンズにはまず見られない高次元での調和です。
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Summicronに負けずこちらも安定感です。

黒の階調が多いためあまり黒が締まりません。Summicronとの写りの印象の違いは黒の締りにもありそうです。


Summicron
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解像度、メリハリ、立体感全てにおいて高次元のバランスを持っています。
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拡大すればするほど写りに驚きます。
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花びらの白の中のもトーンがあります。


SWITAR
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柔らかい描写です。ズミクロンと双璧をなす、すばらしい写りです。

ハイライト、シャドウともにズミクロンよりわずかに階調が広いようです。


Summicron

お互いを撮ってみました。

まずはズミクロンの写り
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エッジのたった解像感です。解像度番長の面目躍如です。


SWITAR

次にスイターの写り
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控えめながら高い解像度です。女性的というのがわかります。


シネレンズとクラシックレンズで遊ぶ!

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削り出したようなエッジがSummicronならば、細密画のような繊細な写りがSWITARのようです。



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