おばが経営していたカフェを受け継ぎ、ボストンから小さな港町ドリーム・ハーパーに越してきたジーニーは農場経営者のローガンと知り合う。
二人はそれぞれ相手に好意を抱くのだけれど、ローガンには町の住人の前でプロポーズに失敗したという過去があり…。
ジーニーとローガン、最初から惹かれ合っているので、二人が結ばれていく様子を微笑ましくも楽しく、そして安心して読めるロマンス小説でした。
ボストンの街で働きづめだったジーニーは、ある日、アシスタントを務めていたCEOが職場にて心臓発作で亡くなっているのを発見し、それは自身の将来の姿ではと恐れを抱くように。
そんな時にあった、おばからのカフェを引き継がないかとの提案を受け入れたジーニーは、ドリーム・ハーパーへと移り住み、新しい自分と新しい生き方を模索することに。
そうしてカフェの再開のための準備期間中、毎夜不審な音を耳にするジーニーは意を決してバットを片手に扉を開けると、そこにはかぼちゃ(実際にはひょうたん)を抱えたあご髭の男性ローガンが。
不審な音に関して殺人者やお化けなどの妄想を膨らますジーニーですが、そんなジーニーのくるくる変わる表情や笑顔にローガンも急速に惹かれていきます。
しかしながら一年前に、都会から来た女性と恋に落ち、町の住人の前でプロポーズするも逃げられるという経験をしたローガンは、それがトラウマとなってなかなか前に進むことができません。
そのトラウマを克服するのは変わろうとする自分自身と、何よりジーニーへの本物の愛、そしてジーニーが持っている強さのお陰かも。
そしてジーニーもローガンに強く惹かれていくのですが、町の住人でローガンの友人たちからはローガンを傷つけるような事はしないでとの忠告を。
けれども誰かに頼るだけではなく、自分自身の力で問題を解決しようと決意する姿を見せてくれるので、こういった自立心の現れは現代ロマンスらしさも感じられて気持ちいいものがありました。
そしてジーニーに忠告した住人たちもジーニーの友人となり、ローガンとの仲をあたたかく見守りつつ背中を押す様子もまた微笑ましくも楽しかったですし、町の住人たちのゴシップ好きな様子も可笑しかったです。
それにしてもローガンが早とちりし、誤解し、ジーニーと離れようとする場面なんかは読んでいて叱りつけたくもなりました(笑)。
あ、あと、ジーニーのカフェに対する嫌がらせの正体については予想と違いました。
てっきり○○〇の方だと思っていたんですが、著者にミスリードさせられたかも(笑)。
さて、本書はシリーズ化されており、毎回主人公が変わりながらドリーム・ハーパーの住人たちを描いているそうで、小さな町のロマンス模様をまた楽しめそうです。




















