『金庫破りとスパイの鍵』 アシュリー・ウィ―ヴァー | 固ゆで卵で行こう!

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情報局のラムゼイ少佐が再びエリーの前に現れ、テムズ川で発見された女性の死体が身に着けていた、ブレスレットの鍵を開けて欲しいとの依頼を。
犯罪者ではあっても愛国心の強いエリー、数週間前のラムゼイ少佐との冒険での高揚感もあり依頼を受けると、それは敵国へ情報を流すスパイへと繋がるものだった…。



『金庫破りときどきスパイ』に続くシリーズ2作目。

なんといっても主人公エリーをとりまくロマンスの行方が気になります。

前作を読んだ時点では、戦争で片足が義足となった幼馴染であるフェリックス推しだなと思っていました。

ずっと一途にエリーの事を想っており、何かと気遣いが出来て優しく、そしてエリーが自然とくつろげる相手であるのはポイント高いなと。

しかし本作を読むと、うん、ラムゼイ少佐もいいじゃない(笑)。

イケメンだけど四角四面で感情を表さない少佐でしたが、今回は、決して明確に描かれてはいないものの、その眼差しや口調や言葉からも、エリーの事を気に掛けているのが伝わってきて、少佐の事を応援したくなってきました。

とはいえ今のところエリーとフェリックスは殆ど付き合っていると言ってもいい状態で、フェリックスと一緒だと安心感を得れるエリーですが、それでもラムゼイ少佐から目が離せず、胸の奥で自身の感情を抑えて気付かぬようにしているかのようです。

果たして3人の関係はこの先どうなるのでしょうか。

エリーの叔父はフェリックスの事をエリーの相手としては気に入ってないようですし、フェリックス自身も何か秘密がありそうです。

ところで、そんなロマンスの行方はユーモラスな描写もあって楽しいんですが、戦争の影は確実に迫っており、ついにはロンドンへの爆撃も始まり、戦時下の物語である事への緊張感や、エリーたちのイングランドという祖国に対する愛国心や強い心が描かれる様子は何よりも印象に残りました。



さて、亡くなっているエリーの母親の事件についてもほんの少しだけですが、フェリックスの協力もあって進展が。

ロマンスの行方と共にこちらも真相が気になるところで、次巻が待ち遠しいですね〜。