第二次世界大戦下のロンドン。
灯火管制の暗闇に乗じ、伯父のミックと共に空き巣に入ったエリーだが、その帰りに陸軍のラムゼイ少佐に捕えられてしまう。
エリーは無罪放免と引き換えに、国家機密文書を手に入れるための金庫破りに協力する事になるのだが、向かった先の金庫の前には死体が倒れており、機密文書も消えており…。
凄腕の金庫破りであるエリーと、堅物ながら有能なラムゼイ少佐とのコンビによる、ハラハラドキドキのスパイ・サスペンス。
どんな状況下でも冷静であろうと度胸もあって賢いエリーが格好良くもあり、彼女を突き動かす愛国心と正義感(泥棒だけど)に、応援したくなること間違いありません。
そして、上流階級出身のラムゼイ少佐の他、戦場で傷を負った幼馴染のフェリックスとの三角関係も目が離せません。
なお、物語はエリーの視点で描かれていますが、ラムゼイ少佐やフェリックスの目は、エリーをどのように見えているのかなど、男性陣での目線でも見たくなりました。
ただ、それだとロマンス風味が強過ぎてしまうかな(笑)。
また、ロマンス要素とエリーの前向きな姿から全体的に軽めの雰囲気ではありますが、戦時下の重苦しい現実も描かれています。
また、思いがけない展開も待っており、ミステリや冒険小説の楽しさも味わえます。
それにしても、エリーとラムゼイ少佐が恋人のふりをしてキスをする場面などは、エリーが胸の動悸を抑えるように、「ただ恋人のふりをしてるだけなんだと」自分に言い聞かせる様子などはニマニマしちゃいますよね。
こういう場面などをみると、やはりラムゼイ少佐との仲が進展しそうではあるのですが、個人的には一途なフェリックスを応援したいかも(笑)。
てな訳でエリーのロマンスと冒険の行方、今後が気になります。
続編の刊行、待っています!