ハンモック好きな猫④
猫妖精のハンモッティのお家におともだちの妖精・マリエッティがやってきました。🧚「ティーちゃ~ん!こんにちは ~!」そこには何と、でか猫たちが…!!驚いたマリエッティに、猫たちはやさしく話しかけます。「こんにちは、マリエッティ…」「ちょっと申し訳ないんだけどね…」と、視線の先には…ミッドサマーが終わるのをあれだけ楽しみにしていたというのに、ハンモッティは寝ん寝ん中だったのです。小さいあんよに小さい手ってをのせて「あの…あたしまた出直します…」 マリエッティがそう言うと猫たちが引き止めます。「せっかく来てくれたのだから少し待っててくれないかな?」「お茶でもどうだろうか?」と…マリエッティ用のかわいらしいクッションをハンモッティのそばに置いたのです… その頃、妖馬の姿のハンモッティが巨大なクリスマスシティの中に在りました。ここにはサンタクロースとトナカイたちがそれはそれはたくさんいて、彼らはチームごとに星の数ほどの荷物の積込と行き先の確認を行い、クリスマスイブの前夜に出発して最短ルートを走りつつ、世界中へクリスマスプレゼントを届けるのですそこに…困り果てたサンタさんと大きなトナカイさんがいるご様子で…「ここは大丈夫じゃから早く坊やを捜しておいで。もう日が暮れてしまった」「おじいさん、仕事が先です。まだまだ積み荷がありますから」「あるにはあるが、ワシがやっておくから大丈夫じゃ」「そんなわけには…」ハンモッティは、サンタとトナカイのやり取りに引寄せられるように近づいてゆき、そっと声をかけました。「あの…何かお困りでしょうか…?」サンタとトナカイは振り返った。「実はのぅ…ワシの大切なこの子の坊やが、遊びに行ったまま戻らんのじゃ。もみの木、くすの木、楓の木、ひのきにブナにミズナラと、この子があらゆる森を捜してきたんじゃが見つからん…」さらに聞くと、日がとっぷり暮れてからでなければ姿を現さない魔物の森だけ行けておらず、サンタはトナカイに仕事よりも子どもを捜しに行くよう説き伏せていたところなのだといいます。「では、私が急ぎ捜して参りましょう」ハンモッティはふたりに歩み寄りました。「その子は何というお名前でしょうか?」「本当によろしいのですか?お見受けしたところ、あなた様は妖精さんですね」「そうか、魔物の森が見えるのか…頼む、ワシからもこの通りじゃ」頭を下げるサンタに、ハンモッティはとびきりの笑顔を見せた。「私もあなた方には毎年お世話になってきましたから。ではご心配でしょうがお待ちください。お仕事にご支障なきよう…」ハンモッティはお母さんトナカイの匂いと同じ匂いを頼りに大きな栗の木の森、みかんやぶどうの樹木の間を駆け抜けます!そして、ハンモッティが実は妖精の王女と知る樹木の聖霊たちは、大切な情報を授けてくれるのです。私の栗の実を持って…そちらを左に…私のみかんも持って…先を右に…私のぶどうも小さなリュックに詰めて、大切な方に会いに行くと…先を左に…樹木たちにお礼を言いつつ、ハンモッティはどんどん駆け抜けてゆきます。あのトナカイのお母さんの匂いを追って…すると…いくつもの森を抜けた先に、すさまじい妖力を放つ、とてつもなく美しい森が現れました。森の入口には!やったー!小さな小さなトナカイの子がいます!そばには輝かしい光の泉が湧き出し、清々しい芳香を放っています。聖なる清らかな泉、トナカイの小さな小さな男の子、ハンモッティが目の当たりにしたのはそれだけではありませんでした。虹色に光輝くユニコーンが、トナカイの男の子に寄り添っていたのですハンモッティは生まれて初めてユニコーンを見ました。幼い頃に何度も同じ絵本を、とーたまに読んでもらっていた大好きなユニコーンお絵描きで何千枚と描いては、いつか会いたいと焦がれてきたユニコーンその、憧れの存在が歩み寄ってきました。「私の願いを叶えてくれますか?帰り道がわからないこの子をお送りしたいのですけれども、私はこの森から出ることができないのです」「ごめんなさい、僕がユニコーンさんに会いたくてここへ…」「ユニコーンさん、そして…」やさしく声をかける。「ガブリエルくん、お母さんとサンタさんの元へ帰りますよ」ハンモッティが促すと…「光栄なことにいろんな木の実やお花などを摘んでここまで遊びに来てくれまして、疲れて歩けないようなのです」「じゃ、私の背中に乗って!お母さんのところまでひとっ跳びだよ」ハンモッティはトナカイの男の子をその身に乗せ、改めて光輝く美しいユニコーンにお礼を言いました。「本当にありがとうございました、あなたがいなければ大変なことになっていたかもしれません」それと、と心の中で呟いた。お会いできて良かった…「ありがとう、やさしく勇敢なる妖精のお嬢さん。どうかこの子のお母様に伝えてください。この子を叱らないでと…」最後までトナカイを気遣うユニコーンのやさしさに胸打たれて、ハンモッティはもう一度礼をすると走り出しました!その直後!ユニコーンが高く飛び上がり…森の木々のてっぺんまではね上がって…お月様に届くぐらいの高さから…銀色の一本角をひとふり…周囲はまるで朝日を浴びたかのように…昼間のように明るくなって…どの森がどの森かが一目瞭然となり…ハンモッティたちが帰りやすいよう、光の道しるべを放ってくれたのですビッグシティに帰り着きました!トナカイのお母さんとサンタが駆け寄り…ハンモッティが事のいきさつを話します。大好きなユニコーンに会いに行ったこと、きちんとおみやげまで持参したこと、あちらに着いたのが夕方であっという間に日が落ちてしまったこと、歩いて歩いて歩き疲れてしまい動けなくなったこと、ユニコーンは坊やのそばで信頼のできる存在が通りかからないか、ずっと一緒にいてくれたことなどなど…「この子は十分反省しています、だからお母さん怒らないでください。ユニコーンさんも叱らないでと言っていました」今度は、ハンモッティが頭を下げました。「本当に何から何まで申し訳ありませんでした、実はもうすぐ出立でしたので気が気ではありませんでした」「なに、他のサンタたちに遅れをとっても構わんので待つつもりじゃったよ」Jr.「おじいさん、ごめんなさい~~」トナカイの母子とサンタは何度もお礼を言いながら、ハンモッティに促されるまま、ソリを準備しました。大きなお母さんがソリの引き役、サンタが案内役、小さな小さな男の子はサンタの横に座ってつぶらな瞳をキラキラ輝かせながらお母さんを見つめています。そして…どこからともなく…壮大な鐘の音が聞こえて…「出発進行!妖精のお嬢さん、ありがとう!ベリー&メリークリスマス!」ハンモッティは空の彼方へ飛び立つみなを見送り、ひとり微笑んでいるのです…これできっと、間に合うはず!必ず、みんなのところへ届くはず!たくさんの愛と共に…大切な 大切な…素敵なクリスマスプレゼントが!「猫妖精のハンモッティ ④」(未刊)