http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070503-00000095-mailo-l22


姉歯秀次元1級建築士による耐震データ偽造が発覚し、解体された静岡市葵区御幸町のビル跡地に再建された商業ビル「REVIVE2007」が2日、オープンした。偽装発覚から1年半を経て、かつての12階建てビルは、2階建て低層商業ビルとして再出発を果たした。
 午前7時、1階コンビニエンスストアのオープニングセレモニーでは、ビル所有の不動産管理会社「マルコもちづき」の原光明業務部長が「多くのお客様に愛される店にしてほしい」とあいさつ。関係者とテープカットし復活を祝った。元横綱・三代目若乃花の花田勝氏が経営するレストラン「Chanko Dining 若」と薬局が今月中に順次開店する予定。同ビル隣に住む主婦、清水裕子さん(57)は「偽装発覚後は人通りが減ってさみしかった。にぎわいを取り戻す象徴になってほしい」と話していた。
 新ビルは地上2階建て延べ床面積約1260平方メートル。もとあった12階建ての「マルコ静岡ビル」は04年6月に完成したが、05年11月に耐震データ偽造が発覚。所有者は同規模のビル再建を検討したが、解体費などの負担が重いため断念した。【賀川智子】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070503-00000097-mailo-l22


◇県が立ち入り
 静岡市駿河区のマンション耐震強度不足問題で、県建築安全推進室は2日、設計を担当した「サン設計事務所」(同区石部)を立ち入り調査した。構造計算を担当した「月岡彰構造研究所」(同)にも先月29日に立ち入り調査しており、強度不足にどう関与したかや、同研究所が関係した物件数などを調べた。県は連休明けに国土交通省と協議し、月内にも順次中高層建築物の強度調査を始める考えだ。
 この問題では、市が建築確認し03年に完成した10階建て鉄筋コンクリート造りマンションの強度が、県の基準1・2を大きく下回る0・68しかないことが判明している。月岡研究所が不十分な構造計算書を提出したためで、最後の計算結果のページが差し替えられていた。県の立ち入り調査は3月に続いて2回目で、前回調査では、両事務所とも工事日程などを記した業務処理簿を保存していなかったため、県が指導していた。
 両事務所が過去10年にかかわった物件は約90件が確認されており、県は月岡研究所が単独でかかわった物件についても今回の調査を基に月末にまとめる方針。【稲生陽】

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洋服を中心とするファッション業界で、アート作品とのコラボレーション(協同作業)の動きが活発化している。現代アーティストらが漫画家、手塚治虫の作品をモチーフにしたTシャツをデザインしたり、東京都渋谷区の大手アパレル直営店では毎月アート展が開かれていたり。背景にはアートの雰囲気を取り入れて商品販売につなげたい、との狙いがあるようだ。 

 国内大手アパレル、ワールド直営の洋服店「トーキョー ヒップスターズ クラブ」(東京都渋谷区)で2日、デザインアーティストのアラキミドリさんの展覧会「リコレクションズ・イン・ザ・ブランケット」が始まった。幼少時の記憶から生み出した、新作の証明作品やドローイング、映像作品を2階のフリースペースで無料公開する。

 2005年秋にオープンした同店1階にはジーンズやジャケットなどの洋服以外に、写真集や60年代のロックスターを取り上げたアート本、CDなどを置く。店内では毎月アート展を開催しこれまでにもレゲエ歌手のボブ・マーリーや60年代のキューバを取り上げた写真展で話題を集めてきた。

 ワールドのブランドマネジャー今井孝則さんは「若い消費者は商品が発信する空気感(イメージ)でモノを選ぶ。洋服だけでなく頭の中身(カルチャー)も買ってもらう店」と説明する。

 カジュアル衣料のユニクロは国内外のアーティストにデザインを依頼したTシャツで話題を呼んでいる。デザイナー、建築家、写真家、漫画家などがデザインした個性的なTシャツはすべて1500円。漫画の手塚作品をモチーフにしたものなど遊び心満点だ。ユニクロ広報部では「気鋭のアーティストがTシャツをキャンバスに見立てて、自由なファッションが生まれている。1500円で気軽にアートを楽しめる点も受けているのでは」と話す。

 阪急うめだ阪急(大阪市北区)で開催中のイベント「I●TーSHIRT(アイラブTシャツ)!」では、60年代ポップアートの巨匠、米アンディ・ウォーホルと日本のファッションブランド「ヒステリックグラマー」のコラボTシャツが話題を呼んだ。

 アートとのコラボは海外高級ブランドが先駆けだ。

 仏「ルイ・ヴィトン」は、現代アーティストの村上隆を起用したデザインを発表し話題となった。エルメスジャポンは東京・銀座のメゾンエルメス8階をギャラリースペースにし、写真展やアーティストの企画を開催している。

 カジュアル衣料から高級ブランドまで、ファッションブランドのイメージ戦略にアートが一役買う動きは今後も広まりそうだ。(滝川麻衣子)

 ●=ハートマーク

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070502-00000059-kyt-l26


多様なジャンルの芸術家や職人が集う京都市西京区大枝沓掛町の西山団地で3、4の両日、作家が工房を開放する「京都西山高原アトリエ村展」が開かれる。20回目の節目を迎えた今年は、自然物を使った造形作品や、シャボン玉の中に入るなど、来場者が参加できるイベントも充実させている。
 同展は地域のイメージを向上させようと始まり、毎年この両日に行ってきた。
 今回は28カ所を会場に、昆虫をテーマにした木工や伝統建築のミニチュア、現代彫刻、ギター、ステンドグラスなどの作家が作品を展示する。
 ほかに、イベントも多彩に展開。雑木や間伐材などを組み合わせたネーチャーアートの体験をはじめ、直径30センチの望遠鏡での太陽観測や、天体望遠鏡づくり(材料費2500円が必要)、和太鼓などのコンサートが行われる。
 また、同団地に住む大道芸人、藤原秀敏さんがつくる巨大シャボン玉に入って写真を撮ってもらうコーナー(写真の送料など必要)もある。
 午前10時-午後5時。参加無料(一部イベントは有料)。無料駐車場あり。



ネーチャーアートの体験会場を飾る作品を準備する出展作家(京都市西京区・西山団地)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070502-00000000-agara-l30


紀南地方で世界遺産の熊野古道や天然記念物になっている神社の森に竹林が侵入し、害を及ぼしている。白浜町の大辺路「富田坂」では、イノシシがタケノコを掘るため、大きな穴が開いたり、石畳が動いたりしている。町は「このままでは貴重な文化財が壊れてしまう」と本年度から本格的な対策に乗り出す。
 町教委によると「富田坂」沿いに竹が茂って古道内に地下茎が侵入。春になるとタケノコが生え、目当てにイノシシがあちらこちらを掘り返している。町教委は熊野古道を歩く人の安全を考え、古道の周囲や中に入ってくる竹を定期的に伐採しているが、イノシシの被害を食い止めるには至っていない。
 このため町は、世界遺産に指定された古道(約100メートル)を修復するため、2007年度予算に調査費約220万円(半額国庫補助)を計上。専門家を交えた委員会をつくって修復方法やイノシシ対策を考える。本格的な修復は08年度になる見込み。
 町教委は「古道に地下茎が入ってこないようにするなどの対策が必要。予算的に厳しい中、文化財を将来に残すため努力しないといけない」と話している。
 このほか、神社の森でも竹による侵害が見られる。県自然環境研究会会長の玉井済夫さん=田辺市湊=によると、さまざまな文化財への侵入が始まっているという。ホルトノキを中心とした森林を形成し、県の天然記念物に指定されている白浜町の「熊野三所神社の社叢(しゃそう)」や、貴重なタブ林として田辺市の天然記念物に指定されている「目良八幡神社の森」などでも確認されている。「今はまだ軽微だが、放置するとやがて貴重な森が壊れてしまう」と心配している。
 県林業試験場(上富田町生馬)によると、竹林の広がりを止める方法として効果があるのは、数年間続けて春先に柔らかい竹を折る▽薬剤を投与して地下茎を枯らす▽深さ50センチほどを板で仕切って侵入を防ぐ―などが考えられるという。
背景に竹の需要減
 紀南では、タケノコが高価な食材だった時代に栽培地が広がった。その後放置したため、竹が野生化して里山などに侵入している。以前は、竹が祭事に使われたり、建築部材に利用されたりして需要が多かったが、現在は生活形態が変わったことで必要性が薄れ、タケノコを採る人も少なくなっている。竹は1日に1メートル伸びるものもあり、地下茎は1年に5メートル広がると言われている。