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大規模な修復工事が進められている国の重要文化財「勝興寺」(富山県高岡市伏木古国府)に、総額約3000万円をかけた豪華な案内所兼トイレが完成した。
同寺は04年に本堂を中心とする第1期工事が完了し観光客が増えたものの、境内には小さな公衆トイレしかなく、きれいで広いトイレの設置が待ち望まれていた。
そこで「勝興寺文化財保存活用事業団」が主体となり、高岡市などの助成を受け、今年2月から建設を進めていた。
完成した施設は、平屋建て約70平方メートル。寺社建築では非常に難しいとされる「春日造り」という構造を用いた。外側はヒノキ造り、屋根は銅板によるこけらぶき。部材の一部には工事のため伐採した桜やケヤキなど、境内の樹木も使用されている。
さらに内部は高岡の地場産業のアルミを使用して「未来」をイメージさせ、鉄や陶器の作家によるインテリアを配すことで、過去と未来が共存するコンセプトを実現させた。
ゴールデンウイークに間に合わせるため、わずか2カ月余りで完成させたといい、お披露目式で橘慶一郎市長は「これで観光客に喜んでもらえる」と話した。【青山郁子】