その年のクリスマス。
他部署の職員さんから、思いがけないプレゼントをいただきました🎄✨

小さな箱の中には、クッキーと、手書きのメッセージカード。

ぶらうす様
いつも優しい言葉をありがとうございます。
素敵なクリスマスをお過ごしください。
併せて、よい新年をお迎えください。

とても丁寧で、綺麗な字で綴られたその言葉に、思わず涙がこぼれました。

私の心の中はずっと嵐のようで、
依存症の夫から逃げるように日々を過ごしていたけれど、
そんな私のことなど何も知らない方から、
こんなにもあたたかい言葉をかけていただけるなんて……。

胸がいっぱいになって、言葉が出ませんでした。

その日も、ケイトさんから着信がありました📱
本当は、連絡を取りたい。身体の調子も気になって仕方ない。

でも……
私が今ここで応えてしまえば、また助けたくなってしまう。
そしてそれは、"本当に助ける" ことにはならないことも、私は知ってる。

だから、意図的にLINEも既読にせず、電話にも出ない。
一刻も早く、ケイトさん自身の足で治療に向かってほしいから。
自分の人生を取り戻してほしいから。

私が「依存」から抜け出さなければ、
その願いはきっと叶わないと、気づいてしまったから。

だけどね、ケイトさん。

私、やっぱり貴方を愛しています。
どんなに月日がかかっても、また一緒に生きたい。

その日を目指して、私は私の課題と向き合っています。
一つずつ、少しずつ、自分の幸せのために。

💌 ケイトさんへ
もしかしたら、
「もう心が離れてしまった」と思ってるかもしれないけど、
それは大きな間違いです。

貴方のことを想わない日は、一日もありません。
今でもとても愛してるし、変わらず大切な人。

本当は声を聞きたいし、抱きしめたい……
寒い夜には、ふたりで鍋を囲んでのんびり過ごしたい。
凍えた手を、貴方のポケットに入れて歩きたい……
そんな想いがこみ上げる夜もあります。

でも、
私がそばにいることで、
貴方はますますアルコールに溺れていった。
そして、私の心も深く傷ついてしまった。

今は、
どんなに会いたくても、そばにいたくても、
私たちは「離れる」しかないのだと思います。

お互いに、自立した大人にならなければならないから。
お互いの「依存」を乗り越えなければ、
一緒に人生を歩くことはできないから。

寂しくて、切なくて、たまらないけれど……

きっと貴方は思ってるよね?
「こんなに冷たい女だったなんて」って。

でもね、私は離婚なんて、1ミリも考えてないよ。

私はずっと「蒼いケイトの妻」でいたい。
だって、貴方は私にとって特別な人。
一緒に生きると決めて、入籍したのだから。

その気持ちは、今でも変わってないよ。

だから――

一緒に、頑張ろう。
離れていても、一緒に立ち向かおう。
それぞれの「依存症」に。

いつかまた、きっと。
同じ屋根の下で、笑って暮らせる日が来る。
一緒に寄り添いながら、人生を歩いていける日が来る。

私はその日を、信じています。

ケイトさん。
心から愛しています。

貴方は、私のSpecialです。

 

同じようなことで悩んでいる方へ

依存症や悪習慣を匿名で相談・克服したい方向けSNS『クイットメイト』というアプリがあります。
やめたいのにやめられない苦しみは、決してあなただけではありません。
私自身も共依存カテゴリでお世話になっていて、仲間がいる心強さを実感しています。
もし興味があれば、ぜひ選択肢のひとつとして考えてみてくださいね。

 

「薬、ありがとうございました。今日、救急車に乗りました。倒れて」

──そんなLINEが届いたのは、ある深夜のことでした。

送り主は、ケイトさん。
翌朝、彼女から何度も電話がかかってきていました。
でも私は、出ませんでした。

電話できる元気があるなら大丈夫だろう。
薬も保険証も渡してあるし、自分でなんとかできるはず。

……冷たいと思うかもしれません。
でも、そのとき私は思っていました。
これ以上関わったら、自分が壊れる。
その感覚は、ずっと胸の奥にありました。

あとから知ったのですが──
あのときケイトさんは、薬の到着を待ちきれず、
義母の降圧剤を勝手に飲んでしまい、意識を失って倒れたそうです。

あれから、1週間くらい経ったころだったでしょうか。

私はクリスマスを「避難用」に借りたアパートで過ごしていました。
布団の代わりに寝袋。
テーブルは段ボール。
家電もカーテンもなくて、がらんとしたワンルーム。

誰にも住所は知らせていませんでした。
もちろん、ケイトさんにも。

だってこの部屋は、逃げるための場所だったから。

「てめぇ、ぶっ殺すぞ」
──そんな言葉を聞かなくて済むだけで、
安心感が全然違いました。

少しずつ落ち着きを取り戻して、
私は「お金の計算」を始めました。

年を越すには、最低限の生活資金が必要。
でも、支出の中にはケイトさんの生命保険料まで含まれていて。
どうしても回らない。

そんなとき、保険契約でお世話になったFPさんに、思い切って相談しました。

「業務の関係で年度末までは今のパートを辞められなくて……
でも、ダブルワークしても保険料までは厳しくて」

すると、意外な一言が返ってきました。

「……そこまで今の職場にこだわる理由って、あるかな?
本当に必要なのは、安定した収入じゃないですか?」

ハッとしました。

ああ、そうだ。
今は「職場の都合」より、「私の都合」が最優先なんだ。

自分の人生を立て直すために、どうするか。
私の「本当の望み」に、立ち返るタイミングだったのです。

市役所のパートは辞めて、フルタイムの仕事にシフトすることを決めました。
それも、あのFPさんのひと言がきっかけです。
本当に、感謝しかありません。

思い返すと──
こんなにも追い詰められた中で、
助けてくれたのは「長い付き合いの人」ではなく、
付き合いの浅い方々や、初めて会った方々ばかりでした。

不思議ですよね。

まるで誰かが見ていて、
「しょうがないなぁ、ちょっと良い人と巡り合わせてあげるか…」
そんなふうに仕組んでくれたんじゃないかって。

神様か、ご先祖様か、亡くなった親友か…
もしかしたら、全部かもしれない。

見えない力に、私は毎日、支えられていました。

そう思えるだけで、
ボロボロだった心にも、少しずつ感謝の気持ちが湧いてきたのです。

ありがとう。
本当に、ありがとう。

そして今、私にできる恩返しは──
私自身の人生を、ちゃんと取り戻すこと。

共依存から、抜け出したい。
心から、そう願っています。

 

その日、珍しく弟からLINEが届きました。

「何かあったでしょ?」

 

あいかわらず、勘が鋭くて優しい弟です。

これまで私は、家族にもケイトさんの依存症のことを話していませんでした。


でも、もう隠していられる状況ではなくて――
思い切って、弟に話しました。

 

というのも、ケイトさんが、私の弟のところにも突然現れていたからです。

 

しかも、持病の降圧剤を持たずに出てきてしまっていて、
「薬を送るように頼んでほしい」と、弟に言っていたようでした。

 

弟は言いました。
「ケイトさん、飲んでると思う」
 

そして、
「人に話せないことだから大変だね。俺で良ければ連絡してね」って。

その言葉が胸にしみて、思わず涙が溢れてしまいました。

 

その少し後、ケイトさんから着信がありました。

 

出ようか迷いましたが――
弟の言葉が頭をよぎって、「今は飲んでいるなら、話さないほうがいい」と思って、出ませんでした。

 

でも、薬のことは気になっていて…。

すると、何度かの着信のあと、LINEが届きました。

「薬を(親戚の)ぼたんさん宅まで送ってください」

 

ケイトさんは複雑な家庭環境で育った人ですが、
その中でも、ぼたんさんのことはとても信頼している人です。

 

今回は、どうやらそのぼたんさん宅を拠点にしている様子でした。

私は迷いながらも、ぼたんさんにショートメッセージを送りました。

「ご迷惑をおかけしております。ケイトさんから薬をそちらに送って欲しいと連絡があったのですが、お送りしてもよろしいでしょうか?」

 

すぐに返ってきた返事は、想像以上に重いものでした。

「毎日飲みっぱなしで、みんなトラウマになってます。こっちが疲れて大変です。薬はないとヤバいんじゃないですか?任せます。」

 

私は胸が痛みながらも、こう返信しました。

「皆さん休めないですよね。情けないです…。薬と保険証を宅急便で送ります。もしそちらで入院することになっても、保険証は必要だと思いますので。」

 

薬を発送した2日後。

ちょうどその日は、私の引っ越しの日でした。

 

ようやく、不安に怯えずに眠れる部屋を見つけて――
バタバタと手続きを進めていたところに、思わぬLINEが届きました。

「薬ありがとう。今日、救急車に乗りました。倒れて」

 

心がざわついて、スマホを握りしめたまま、しばらく動けませんでした。

朝の光に包まれて目覚めた今日は、ちょっとだけ心が軽くなっていました。

 

ホテルの朝食が…なんだか美味しく感じられたんです。
ふわっとした食パン、ほんのり塩気のあるソフトフランス。オレンジジュースに、卵とマカロニのサラダ。そして食後のコーヒーまで。
「一日一食でも、こんなにちゃんと味わえるんだ」

って、久しぶりに“自分の感覚”が戻ってきた気がしました。

 

でも、食後に書類を広げてみたら、現実が押し寄せてきて……
「何から手をつけたらいいの…?」
思わず、深いため息が出てしまいました。

 

まず考えたのは、お金のこと。

明日には給料が入る予定。残りの所持金は62万円。
このお金で、今のアパートの家賃と、新しく借りた部屋の家賃、生活費…
それに、ケイトさんの職場が立て替えてくれてる健康保険と年金の支払いもある。


もう、頭がクラクラ。

傷病手当を申請しても、支払いは12月20日までの分で、振り込まれるのは2月末…。
その前に2回分の支払いが来るなんて、もう「どうにでもなれ!」って叫びたくなりました。

 

そして、悩みの種の中でも一番重たかったのが…
ケイトさんの生命保険。

どうしても今は固定費を抑えたい。


思い切って、契約時の営業さんに連絡しました。
正直に、恥ずかしいくらいに全部話して…。


そしたら「明日お会いしましょう」と言ってくださって😭

…勇気出して、相談して、本当に良かった。

 

午後にはケイトさんが東北の実家にいることを確認して、久しぶりにアパートに戻りました。

最後の洗濯をして、傷病手当の申請に必要な書類をまとめて。


やることを一つ一つ片づけながら、「大丈夫、大丈夫」って自分に言い聞かせて。

 

そしてもう一つ大事なこと。
ケイトさんが入院予定だったアルコール専門病院の先生に電話。


タイミングよく先生と直接話せたのは、本当にラッキーでした。

先生には、気分の波が激しくて、時に暴力的になることもあると説明したうえで、

「本人がその気になったら連れて行ってもいいですか?」と聞くと、

「ベッドの空きや受付時間もあるので、事前に電話で確認してから来てくださいね」

とやさしく教えてくれました。


「一人で先に行ってもらって、後から私が手続きする形でも大丈夫ですよ」とのこと。
少し…少しだけ、ホッとしました。

 

さて。
これからどうなるのかは、わかりません。

でも私は、もうこれ以上、自分をすり減らさない。


誰になんと言われても、自分の心を守ることを最優先にする。

この時、私は心の中で強く、静かに決めました。

いびきをかいて寝ていたケイトさん。
でも、午前1時半ごろ。
ゴソゴソと支度する音で目が覚めました。

 

鼻歌をうたいながら、外出していくケイトさん。
そして3時に帰宅して、何事もなかったかのようにお風呂に入っていました。

 

――もう、限界だ。
明日、出社すると同時に家を出よう。
そう心の中で覚悟を決めました。

 

少しずつ続けていた家探し。
ついに「もうアパート契約しよう」と決意しました。

とはいえ、貯金も収入も少ない私。


払える範囲の部屋なんて、すぐには見つかりません。
それでも…このままの生活を続けるわけにはいかない。

 

ケイトさんが東北の実家へ向かったのを確認して、
私は最低限の荷物だけを持って家を出ました。

 

今夜から、またホテル暮らし。
いつ戻ってくるか分からない相手と生活を共にするのは、もう無理です。

 

仕事を終えてチェックインしたあと、不動産会社へ。
翌日の内見予約がとれました。

 

夜、ホテルに戻ると一本の電話。
ケイトさんの義弟からでした。

 

正直、「出なきゃよかった」と思いましたが、出てしまった…。

電話の向こうでは、彼も混乱している様子。


一族全員が巻き込まれて、

誰もが「お前がなんとかしろ」と責任を押しつけ合っている状態でした。

 

「お義兄さんの話がまったく理解できなくて…。
どうしてこうなったのか、教えてもらえませんか?」と。

 

「ひと月に何度も実家に戻っては、両親から5〜6万円借りてるんですよ。
本人は“ぶらうすが金を渡さないからだ”って言ってます」

 

それを聞いて私は、できるだけ冷静に説明しました。

  • ケイトさんが際限なくお金を使うので、私が資金を管理していたこと

  • 「出ていけ」「別れる」と何度も言われたこと

  • アルコール依存症の入院直前に逃げ出したこと

  • 家の家具がボロボロにされていること

  • 私が恐怖から逃れ、知人宅やホテルを転々としていること

義弟は「わかりました、家族で相談してまた連絡します」とだけ言って、電話を切りました。

 

でもそのあと、私はぐちゃぐちゃに混乱しました。
私に、これ以上何ができるの?
まさか「連れて帰ってくれ」とでも言うの?

逃げてばかりで、自分と向き合おうとしない人を、私がどうにかするなんて――もう無理。
というか、したくない。

 

「殺すぞ!」って叫ばれる生活をこれ以上続けたら、私が壊れてしまう。

 

私は今、自分のことで精一杯です。
新しいアパートを借りたら、すぐにバイトを始めなきゃ。


支払いは待ってくれないし、心休まる時間もない。

どうしても答えが出なくて、
精神科で働いているケイトさんの従姉妹にショートメッセージを送りました。

 

すると、すぐに返信が。

「ケイトとは連絡を断って。
私にできることはないと言ってください」

――それを見た瞬間、心の奥がスッと静かになりました。
これでいいんだ、って思えたんです。

 

彼女は、私が“イネイブラー”であることをわかっていた。
助けるほどに、依存が深くなっていく…そんな関係。

 

しばらくして、義弟からまた電話。

「もし本人が入院に同意したら、病院まで連れて行ってもらえますか?」

私は答えました。


「本気で治療に向き合うつもりなら、手続きや荷物の支援はします」と。

義弟は、「わかりました。また連絡します。


もし東京に戻らないようなら、地元の精神科に連れて行こうと思っています」とだけ言って、電話を切りました。

 

この電話で何が解決したわけでもないけれど、
少しだけ、自分の立ち位置が見えた気がしました。

 

同じようなことで悩んでいる方へ

依存症や悪習慣を匿名で相談・克服したい方向けSNS『クイットメイト』というアプリがあります。
やめたいのにやめられない苦しみは、決してあなただけではありません。
私自身も共依存カテゴリでお世話になっていて、仲間がいる心強さを実感しています。
もし興味があれば、ぜひ選択肢のひとつとして考えてみてくださいね。