学校英語教育の最大の悲劇とは? | ニッポンを元気にする英語!

ニッポンを元気にする英語!

日系企業で計4回10年超の海外生活を経験(注:その後外資系企業を経て独立起業)する中で、世界における日本のプレゼンスが年々落ちてきていることに強い危機感を覚えています。英語学習に資する情報発信を通し、少しでも日本人の実用英語力の底上げに貢献できれば幸いです。

断言します!それは、英文法に対する誤解とその軽視にある、と。

 

「英文法を学んでも英語力が伸びない。だから教える時間を削っても良い/教えなくても良い」

 

この考えは完全に間違っています。

 

そもそも、私たち日本人(非英語ネイティブ)が長じて、母語とは全く異なる文構造を持つ英語を学ぶのに、英文法という「英文が成り立つための基本ルール」を拠り所にせずして、どうやって習得できるというのでしょうか?

※ちなみに、幼児期から大量に英語のシャワーを浴び続けることのできるネイティブならいざ知らず、多少時期を早めて小学校高学年ぐらいから英語の学び(注:より正確には英会話に偏った取り組み)を始めたとしても、結局は母語(日本語)の習得機会を毀損するのが関の山だと私は考えています。日本人は日本語とその文化をしっかりと身に付けてこそ、世界に対して大いなるバリューを発揮できるので、まずはそちらを重視すべきです。いずれにしても、学校教育の現場で英文法を「正しい方法で学ぶこと」は私たち日本人英語学習者にとって絶対に必要不可欠だと思います!

 

英文は、基本文型と呼ばれる「主語S/述語(動詞)V/目的語O/補語C/修飾語Mの英文要素の異なる組み合わせ(注:諸流派あるも日本の学校教育では5通りを採用)」でできています。この基本文型を構成している各要素が多種多様に変化することにより、私たちが普段よく目にするような英文が形作られているのです。より具体的には、基本文型を「骨格」に、そのかなめとなる動詞(注:時制、法助動詞、態等によりこれも適宜拡大)を「背骨」に、英文の基本構成要素(主語/目的語/補語の一部をなす名詞表現)を「重要な手足の骨」に、そしてその名詞表現を拡大/代用させている各種英文法項目とその適用結果を「筋肉」に、それぞれなぞらえることができます。以上の4者が組み合わさることにより、長く複雑な英文という「立派なカラダ」を作り上げているという訳です。

※上記については、下記過去記事で取り上げた阿部友直氏の著書(「英語文型完全トレーニング」)から引用させて頂いています。ご関心のある方はぜひご参照ください。

今、私イチオシの英文法トレーニング本!

 

しかるに、学校英語教育の多くの現場では、例えば、基本文型を「単なる分類学のための知識」として、また、英文の各構成要素に多種多様な変化を起こす様々な文法項目を「(歴史テストの穴埋め問題の如く)互いに脈絡のないバラバラな知識」として、それぞれ学んでしまっています。すなわち、学校英語教育の現場で出会う英文法は、「生きた英文構造の読み解き(聴き解き)プロセス」とは基本的に無関係に記憶されている、いわば死んだ知識であると言っても過言ではないのです。

 

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ここで、皆さんに、同じ基本文型(第3文型SVO)を持つ2つの例文をご覧いただきましょう。

 

[A] I study English.

 

[B] Research that looked at how men and women are able to perceive emotion in other people’s faces lends support to the idea that the male brain has evolved in a verbally isolated environment, which would have been the case when hunting over long distances.

 

同じ基本文型を持っていながら、例文[B]の方が圧倒的に例文[A]より読みづらく感じたのではないでしょうか。それは、例文[B]の各英文要素が拡大/変化した結果として、その括り(切れ目)が見えにくくなって文型認識自体を困難にしており、かつ、個々の要素の意味も理解しづらくなっているためです。

※例文[B]は、過去記事(「今、私イチオシの英文法トレーニング本!」)の中でご紹介した阿部友直氏の著書(「英語文型完全トレーニング」の前書き部分)から引用させて頂きました。

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これに対して、英文を実際に読む(または聴く)という「生きた場面」を通して、英文を英文として成り立たせている英文法項目を基本的な7つのポイント(下図)に集約し、それ基づいて英文を文頭からその語順通りに要素分割しながら読み解く(または聴き解く)訓練を繰り返すことで、英語ネイティブ並みの速度と正確さで英文を自然に理解できるようになる能力(=「英語脳」)が身に付くようになる、と私は考えました。

 

 

この方法論を分かり易く体系化し、どなたでも簡単に習得できる「学習支援システムソリューション」として確立したものが、私が提唱している「『英語脳』の高速インストール・メソッド」なのです。