宝輪橋(旧・極楽橋/霊山橋) (京都市東山区清水) | 穴と橋とあれやらこれやら

穴と橋とあれやらこれやら

初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

今日は、京都のお盆の最終日。ギリで、今日やらなあかんネタを思い出した。危なかった~。Kさんに教えていただいて知ったネタだったなあ~。

 

 

 

2020年8月14日、盆休みの一日、早起きして奥様と二人で京都の大谷祖廟へのお墓参りがてら、その物件を訪ねた。かなり異色な物件かと。

 

 

その物件は、

この道の先にあるはず。

 

 

 

 

 

あー、

あれか!

 

 

 

 

 

つうわけでこれが、

今宵のお題。かなり意外な物件ではございませんか?場所はこちら。北側より。

 

 

 

 

 

ご覧のように、

道路に架かる架道橋。

 

 

 

 

 

見上げてもわかると思うが、

人道サイズである。

 

 

 

 

 

南側はもう、

ワッサ~!と。

 

 

 

 

 

これがどうした?っていうお声もあろうかと思うが、これを見ていただきたい。

この橋を所有する大漸寺さんが掲示されている、必読の説明書き。ちょい長いが書き下してみる。

 

この橋は「宝輪橋」(旧極楽橋・霊山橋)と言い、およそ九十五年前の大正十一(1922)年八月にできた橋である。

霊山浄土へ五歩で渡れる。どちらから渡っても彼岸(この世においても心に迷いのない世界)に渡れるという。

渡る前「南無」と唱えて霊山へ

「妙法蓮華」と五歩目の「経」たり

歩幅の狭い方は、七歩・十歩でお渡り下さい。

 

この橋は、下(宝林小路)を人や車が通る道に架かる鉄筋コンクリートの歩道橋としてはかなり古い。

京都山科の疎水(川)に架かる橋は、明治三十六(1903)年七月で国内最古。鉄道を渡る陸橋としては、明治三十一(1898)年の静岡の清見寺跨線橋が最古(補強修復されているためか日本最古とはなっていない)。故に、人や車が通る道(二項道路)に架かる鉄筋コンクリート橋としては日本最古の橋かも?

もし、ここより古い橋がありましたらご一報ください。

大漸寺

 

 

 

 

 

いや~大漸寺さん、

マニアックでありますね(笑)!ご住職、こういうの(土木系ネタ)がお好きなんだろうか。

 

 

以前に松室大橋の記事で書いたのだが、橋梁における「日本最古」ってどんだけでも細分化が可能で、大漸寺さんの主張通り「鉄筋コンクリートの架道人道橋」という非常にニッチな部門であれば、マジでここが日本最古である可能性はじゅうぶんあると思う。

 

この橋は明確な完成年がお寺の記録として残ってるのだと思うが、一般的にはなかなか人道サイズの架道橋でそうした記録がしっかり残ってるものって少ないのかも?

 

にしても、「もし、ここより古い橋がありましたらご一報ください」ってのがイイっすな。家電量販店とかスーパーのチラシみたいで(笑)。

 

 

 

 

 

さっそくお寺にお邪魔して、

渡ってみる。

 

 

 

 

 

これかあ~。

確かに五歩で渡れそうだ。

 

 

 

 

 

とはいえいつもの悪い癖で、さっきの案内掲示を見た際に歩数のことは全然目に入っていなかった。

なので、自分が何歩で渡ったのかは不明っていう…(笑)。霊山浄土には行けなかったのだろう。

 

 

 

 

 

親柱には何か刻まれているように見えたが、

全く判読不能。

 

 

 

 

 

完成から、訪問時で98年、本記事公開時では101年。

そこまで古い橋には見えないが…鉄柵が追加されてるので雰囲気がいまいちなせいかも?

 

 

 

 

 

橋上から見下ろす道路。

案内板によると宝林小路というらしいこの道路、

 

 

 

 

 

この先に石段があり、

車の通り抜けは不可能である。

 

訪問日は8月14日、そして本記事公開は8月16日。この時期、橋をお精霊(しょらい)さんたちが行き来しているのだろうか。

 

 

 

 

 

どうも、お邪魔致しました。

 

 

 

 

 

 

お寺を辞したのと同時に、

檀家に向かわれるのか、若いご住職が出て行かれた。

 

せっかくにこやかにご挨拶くださったので、急いでらっしゃる様子でなければ、橋の話を聞きたかったところだけれど、まあお忙しいわな、お盆なんだから。ちなみにこの時、8時1分~。

 

 

 

 

 

 

つうわけで、お盆終わりに相応しいネタ、よくぞ思い出したなわたくし。自分をほめてあげたい(笑)。