【2】より続く。
お次はあれ。
ということで、実際この日のメインターゲットはあの橋だった。あれがホットスポットの三件目。
遊歩道からおもむろに接近…
しながらだと、微妙にサイドアングルに恵まれない。
これは、源兵衛川橋梁の直下あたりから撮った遠望サイドアングル。
正対。
高欄はあるが銘板の類はない。それなりに古びた高欄だが、橋そのものとは比較にならないくらい新しいだろう。
で、橋上から下流側を望み…
またしてもけしからんものが目に入る、と(笑)。一体どうなってんだこの一帯は。
実はこの遊歩道、しっかりストビューが入っており、これらの物件たちもそこで発見した。二連石アーチ橋とこの煉瓦アーチを見つけたときはもうテンション爆上がりで、これは絶対見たい!となったわけだが、帰ってから調べてみたら、我が石橋の師匠・宮川さんは当然のように訪問済み、そしてだいぶ昔にたからったさんも記事にされていた。さすがとしか言えないっすな~。
でも、誰かの記事を見て、ではなく自力で見つけたなら、それは自分にとっては新発見、ということなので、全然気にしない(笑)。
ちょっと話が脱線しちゃったが、そこにあるのは、
一目瞭然、煉瓦アーチ。これが、ホットスポットの四件目である。
非常に小ぶりだが、巻厚が四層もある。内部には…石像?仏様ではなさそうな?なんだこれ。
一枚上の写真を見ていただくとなんとなく伝わると思うのだが、位置的には取水/導水のための抗口に思える。1898(明治31)年開通の駿豆線よりも古いのか新しいのかは不明だが。
なんだとしても、現在では土木構造物としてではなく、
すぐに閉塞されており、この謎な石像?が鎮座するのみ。
橋にしてもこれにしても、全く何の説明板もないのが惜しい。彫られているのは子供か?川か鉄道かで、何か悲しい事故でもあったとか?だとしたらあまり手入れされてる感がないのが侘びしいが…。
ところでこれ、もし導水路系だとしたら、閉塞されてはいるものの、その奥も現存はしてるんだろうか。というのも、駿豆線とはエグイほどの角度で斜交しているので、まさかの洞内ねじりまんぽの可能性を感じてしまったもので。一見通常の煉瓦アーチであっても線路下だけねじりまんぽ、っていう例はいくつか知っているからね(記事にしてる中では第272号橋梁くらいか)。
肉眼で確認できることはないのだろうが、ちょっと浪漫あるなあと。
謎煉瓦アーチ前からのサイドアングル。
ここが鑑賞にはベストかな。
九州などで見られる精緻な石アーチと比べ、非常に素朴な印象を受ける。比較しての技術の巧拙は何とも言えないが、これはこれでとっても味わい深い。
なんなら、
アーチの形、ちょっとイビツじゃない?架橋時の支保工の造りからして粗かった?それとも積み方が粗かった?いや、イイねえ~。
いつもなら、ここで川に入って舐めるように観察するところだが、あいにくこの日はスーツとビジネスシューズ。なのでこれ以上やれることは無し。
せめてもう一枚。
わたくしの場合、装備と撮影枚数が比例する感じですな(笑)。
さて、この橋のことを調べても、名称含め、いまいちちゃんとした情報が出てこない。東海地方では(でも)石アーチ橋は希少なはずだが…。
ひとつだけ、意外なところで情報をゲット。この近くで盛業中の老舗洋菓子店であるらしい「パティスリーララ」さんのブログ(一応直リンクは控えておく)内の2013年の記事で、
「作られた時期は古老によると明治の中期か後期ごろ(19世紀末か20世紀初頭)とのことですが、年代や工事に携わった石工などの記録はありません。石橋の研究家も見学に訪れ、このめがね橋が東海地方唯一の2連のアーチ型石橋ではないかと、その文化財としての価値を認めています。」
とあった。そうなると、おおむね駿豆線の開通時期とも近いことになるので、もしかすると一体で整備された可能性もゼロではない、かな?
ちなみに2023年3月現在、土木学会の土木遺産選定からはきれいにスルーされており、三島市の文化財一覧にも記載はない。
結局名称は不明なままなんだが、先行の先輩方に倣って一応眼鏡橋としておく。この呼び方嫌いなんだが(以前もどっかで書いたな)、ここは二連ということで「眼鏡」に偽りは無しということで、まあ許そうかな(誰)。
眼鏡橋のたもとより、ホットスポットのここまでを振り返り。
すぐ向こうに、時の鐘橋が見える。こんなに近接しているのを実感していただけるだろうか。
で、残る一つ、ホットスポットの五件目は、
橋上からの上流側、すぐそこに。
【5】に続く。