三島・源兵衛川のホットスポット【3・4】~眼鏡橋と謎の煉瓦アーチ (静岡県三島市本町~広小路町) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

【2】より続く。

 

 

 

お次はあれ。

ということで、実際この日のメインターゲットはあの橋だった。あれがホットスポットの三件目。

 

 

 

 

 

遊歩道からおもむろに接近…

しながらだと、微妙にサイドアングルに恵まれない。

 

 

 

 

 

これは、源兵衛川橋梁の直下あたりから撮った遠望サイドアングル。


そう、まさかの石造アーチ橋、しかも二連。

 

 

 

 

 

正対。

高欄はあるが銘板の類はない。それなりに古びた高欄だが、橋そのものとは比較にならないくらい新しいだろう。

 

 

 

 

 

で、橋上から下流側を望み…

またしてもけしからんものが目に入る、と(笑)。一体どうなってんだこの一帯は。

 

実はこの遊歩道、しっかりストビューが入っており、これらの物件たちもそこで発見した。二連石アーチ橋とこの煉瓦アーチを見つけたときはもうテンション爆上がりで、これは絶対見たい!となったわけだが、帰ってから調べてみたら、我が石橋の師匠・宮川さんは当然のように訪問済み、そしてだいぶ昔にたからったさんも記事にされていた。さすがとしか言えないっすな~。

 

でも、誰かの記事を見て、ではなく自力で見つけたなら、それは自分にとっては新発見、ということなので、全然気にしない(笑)。

 

 

 

 

 

ちょっと話が脱線しちゃったが、そこにあるのは、

一目瞭然、煉瓦アーチ。これが、ホットスポットの四件目である。

 

非常に小ぶりだが、巻厚が四層もある。内部には…石像?仏様ではなさそうな?なんだこれ。

 

一枚上の写真を見ていただくとなんとなく伝わると思うのだが、位置的には取水/導水のための抗口に思える。1898(明治31)年開通の駿豆線よりも古いのか新しいのかは不明だが。

 

 

 

 

 

なんだとしても、現在では土木構造物としてではなく、

すぐに閉塞されており、この謎な石像?が鎮座するのみ。

 

橋にしてもこれにしても、全く何の説明板もないのが惜しい。彫られているのは子供か?川か鉄道かで、何か悲しい事故でもあったとか?だとしたらあまり手入れされてる感がないのが侘びしいが…。

 

ところでこれ、もし導水路系だとしたら、閉塞されてはいるものの、その奥も現存はしてるんだろうか。というのも、駿豆線とはエグイほどの角度で斜交しているので、まさかの洞内ねじりまんぽの可能性を感じてしまったもので。一見通常の煉瓦アーチであっても線路下だけねじりまんぽ、っていう例はいくつか知っているからね(記事にしてる中では第272号橋梁くらいか)

 

肉眼で確認できることはないのだろうが、ちょっと浪漫あるなあと。

 

 

 

 

 

謎煉瓦アーチ前からのサイドアングル。

ここが鑑賞にはベストかな。

 

九州などで見られる精緻な石アーチと比べ、非常に素朴な印象を受ける。比較しての技術の巧拙は何とも言えないが、これはこれでとっても味わい深い。

 

 

 

 

 

なんなら、

アーチの形、ちょっとイビツじゃない?架橋時の支保工の造りからして粗かった?それとも積み方が粗かった?いや、イイねえ~。

 

 

いつもなら、ここで川に入って舐めるように観察するところだが、あいにくこの日はスーツとビジネスシューズ。なのでこれ以上やれることは無し。

 

 

 

 

 

せめてもう一枚。

わたくしの場合、装備と撮影枚数が比例する感じですな(笑)。

 

 

さて、この橋のことを調べても、名称含め、いまいちちゃんとした情報が出てこない。東海地方では(でも)石アーチ橋は希少なはずだが…。

 

 

ひとつだけ、意外なところで情報をゲット。この近くで盛業中の老舗洋菓子店であるらしい「パティスリーララ」さんのブログ(一応直リンクは控えておく)内の2013年の記事で、

 

 

「作られた時期は古老によると明治の中期か後期ごろ(19世紀末か20世紀初頭)とのことですが、年代や工事に携わった石工などの記録はありません。石橋の研究家も見学に訪れ、このめがね橋が東海地方唯一の2連のアーチ型石橋ではないかと、その文化財としての価値を認めています。」

 

とあった。そうなると、おおむね駿豆線の開通時期とも近いことになるので、もしかすると一体で整備された可能性もゼロではない、かな?

 

ちなみに2023年3月現在、土木学会の土木遺産選定からはきれいにスルーされており、三島市の文化財一覧にも記載はない。

 

 

結局名称は不明なままなんだが、先行の先輩方に倣って一応眼鏡橋としておく。この呼び方嫌いなんだが(以前もどっかで書いたな)、ここは二連ということで「眼鏡」に偽りは無しということで、まあ許そうかな(誰)。

 

 

 

 

 

眼鏡橋のたもとより、ホットスポットのここまでを振り返り。

すぐ向こうに、時の鐘橋が見える。こんなに近接しているのを実感していただけるだろうか。

 

 

 

 

 

で、残る一つ、ホットスポットの五件目は、

橋上からの上流側、すぐそこに。

 

 

 

【5】に続く。