【前篇】より続く。
では、洞内にお邪魔。
さすがに元国道、しっかりとモルタルで固められているし、もちろん路面は舗装されている。
幅員もこのとおり。
もちろん地域の生命線となる基幹国道としては狭いが、総合的に、ぱっと見よりは全然「ちゃんとした」隧道である。
道路トンネル大鑑によればこの鞍崎隧道、延長は59m、車道幅員4.5m、限界高3.5m。そして1947(昭和22)年竣工。
…となっているが、実はもっと古い、ようだ。こちらをご覧いただきたい。
例のスタンフォード大学収蔵の古地図だが、明治四十三年測図・昭和九年修正測図のこの地図に、すでにこの場所にはっきりと隧道が描かれている。
当日この後に出会うことになる麒山道の隧道たちは明治20年ものということだが、この鞍崎隧道も明治隧道である可能性が限りなく高い。拡幅されたのが昭和22年、とかそういうことなのではなかろうか。
で、抜けた先が…うわー。
東側よりも格段に廃化してる!
これを見ると、やはり東側は鞍崎灯台の保守などで使われるため、最低限保守されてるってことなのだろう。
抜けて振り返り。
日陰なのもあり、同じテイストなのに印象は大きく違う。
坑口前から望む、海側。
平場…というか岩礁というか…あれ、旧々道…ではないだろうな、たぶん。なんか立ってるのが見えたが、見に行くことはしなかった。
明らかに廃化した旧道…。
しかしそれなりの通行の痕跡は明瞭。我々の同業者、および釣り人によるものかと。
向こうに見えるは、赤島の集落。
さくさく歩いて、ものの3分ほど、
現道が見えてきた。短い旧々道探索も終わり~。
抜けて、現隧道前より。
こっちからだと旧道はちょっとわかりにくい感じ。廃のステルス効果、発効中。
あとは、歩いて現隧道を抜け、戻るのみ。
朝陽の射しこむ方へと戻っていくので、洞内の光加減が実にイイ感じ。
こんなん撮ってみたり。
けっこうこういうのも好きだったりする。
いや~間違いない。
今日はいい日になるぞ~(笑)。
その予感は的中、この日も充実した一日となった。よかったよかった。
最後に改めて、新鞍崎隧道と旧道入口を、引きで。
ここを出発してから戻るまで、実は17分しか経っていない。非常にコンパクトでありながらもインパクトある(これ、言葉の遊びね)お手軽探索だった。
しかし…海沿いのネタなのに、ほとんど海が登場しなかったとか、一体どうなのか(笑)。
以上。