2020年9月22日、謹慎明け東濃~中濃徘徊の2日目。この日のネタで記事にしているのは、二つのメインターゲットである朝イチの白川付知林道シデノキ旧廃道とその周辺と、午後の飛水峡の飛騨川右岸歩道。
今宵と明日に分けてご紹介するのは、飛水峡の飛騨川右岸歩道探索の直前に訪ねたところ。業界(謎)ではかなりの有名物件なので、すでに多くの訪問レポートが存在するが、近いうちに(というか既に)この一帯に「大きな動き」があるという情報を得たので、ならばわたくしも今のうちに、と急遽記事にしておく。
まずはこれ。
ここは国道41号・七宗第四トンネル西側旧道入口を入ったところ。
現道トンネルの脇を過ぎると、
急激に道が狭まり、なにやら看板が立っている。
まあこのような、
我々には逆効果な内容が(笑)。
国道旧道なので実は幅員は広いのだが、駒止めで絞ってある。今では対岸の大柿集落への生活道路なので、この程度で十分なようだ(しかも大柿集落も今では無住とか…)。
再び幅員が大きく広がると、
大柿集落へ渡る橋(飛山橋)のたもとに。現在地コチラ。
この感じだとかつては左折レーンまであったぽいが、今では空虚なスペースとなっており、そこに車を停めた。
生きた旧道はここまで。この先は、
彼岸の世界。
あの先に、「崩壊の恐れがあるトンネル」がある。まあ、先人たちのレポートを見ているので、どんなものかは知っちゃっているのだが。
さて、ここらで冒頭に書いた「大きな動き」について。それは、国道41号「飛水峡街道」区間(七宗町川並~白川町河岐)の路線改良、その名も「上麻生防災事業」である。
「現道区間では、降雨による通行規制や落石・土砂崩れによる通行止めが多く発生して」いるため、「本事業を推進することで降雨による通行規制や、災害時等における交通寸断リスクを解消し、周辺地域へのアクセス向上に寄与」することを目的として行われるものだ(中部地方整備局岐阜国道事務所ホームページより部分引用)。
山神さんの記事(↓)により知ることができた。御礼申し上げます。
改良区間は、下図に紫色破線で描かれている部分だ。
【中部地方整備局岐阜国道事務所ホームページより転載、加工】
思えば、飛騨川バス転落事故の悲劇以降半世紀以上経っても、永らく国道41号は悲劇が起こった同じ場所をずっと通っていたわけで、ここへきてようやく本格的な対策が打たれたこと自体は喜ばしい。二か所のショートカット部分は、いずれも国道が飛騨川の攻撃斜面に当たっている箇所だ。これを避けることは非常に理にかなっていると思う。
で、オレンジ色矢印で示したのが現在地、飛山橋のたもと。今回紹介しているこの旧道、一見して「ただでは済まなそう」な位置にあるのだが、次回紹介予定のこの先の廃隧道も含め、果たしてどうなるか。
事業は、この旧道近辺での橋脚工事からすでに始まっている(後述)。
とりあえず、今生きている旧道部分(~飛山橋~大柿)については、多少の干渉はあれど残るのだろうが、
この飛山橋とは別に新たな橋を架けるようなので、対岸に渡ってどの位置にトンネルを掘るのか、大柿の集落位置やJR高山本線との干渉回避も含め、案外限られてくるかな。
その坑口位置により、橋の位置(と高さ)が規定されるのだろうが、8月13日付の七宗町町長さんのブログ(さすがにリンクは憚られる(笑)ので、興味ある方は探してみて)によると、すでに国道側の橋脚はほぼ完成、という状態で、写真で場所がよくわからなかったが、ちょっと高い位置に架かるっぽい?旧道への干渉度合いや廃隧道の命運は橋の位置と高さ次第かな…。
個人的に最大の懸念は、山神さんと同じく飛水峡の飛騨川右岸歩道(さきほどの図で黄色の線)にも明らかに影響が及びそうなこと。直接新道に干渉しなくても、工事用道路などが作られたとしたらあっさりと潰される可能性もあるから、心配だ…。
なんにせよこの周辺を訪問される方は、急がれるが吉かもしれない…。
以上、今記事(と次回)を書く動機となった「大きな動き」についてお伝えした。現場に戻る(笑)。
廃道入口は二重のガードレール封鎖に加えて金属フェンス封鎖も。しかし…
こういうパターン、珍しいな。今更この道に用のある人がいると思えないのだが。もしかして、我々への粋な措置?(違
なので、ありがたく通らせていただき、
「通行止」標識の立つ、真正の廃道へ。
二車線幅を有するはずだが、
今やシングルトラック。さすがにメジャー物件、踏み跡は明瞭だ。
このような、
現役時代の忘れ形見が。今やどこを指してる?
その先では、
束の間、かつての幅員を視認できるパートがあって、
そのあたりからは、
眼下の飛騨川、飛水峡が見えた。約12kmにわたる飛水峡の、このあたりはだいぶ端のほうになる。
さらに忘れ形見が立て続けに登場。
幅員減少と高さ制限というナイスコンボの先には…
もうしっかりと見えていた。
【次回】に続く。