2016年6月15日、当時頻繁に足を運んでいた(今は無き)稲沢の仕事先に行った際に見つけた物件。普段は名鉄名古屋本線の国府宮駅からだったが、この日は行きがかり上名鉄尾西線の森上駅から徒歩で行ってみたら…いくつか小ネタを拾ったのだった。
そいつは、遠目からのファーストコンタクトでは
なんだか判然としなかった。たぶん「アレ」だが…。
接近してみたらば…
やはり「アレ」…すなわち橋を兼ねた堰だった(笑)。現在地はコチラ。
いや、この日ここに至るまでにすでに一件同様の物を見ていたからね…。
上流側より。ちなみに川の名前は光堂川。
写真ではわかりにくいが、スルースゲートの状況を見る限り、どうやらもはや堰としては稼動してないっぽい。
つうわけで、分類に悩んだけど、
一応「道路橋・橋梁」で記事にする。 やはり「橋」じゃないので「ダム・堰堤、樋門、樋管、分水工など」に修正。
錆びついた金属部材と、
無残に割れた木製ゲート。
やはりこれって、現役だったとしたら
機能的に堰が主、橋は従ということになるんだろうな。
こういうとこも
よろしいね~。
現場では銘板もなにもなく、詳細は一切不明だったコイツ。
帰って一応調べてみたら、名称が判明してしまってびっくりした(笑)。
ここは、400年以上にわたって尾張西部を潤してきた「宮田用水」と総称される広大な水利ネットワークの一部となるようで、「宮田用水土地改良区」のHPで確認できたお名前は…「中野立切(たてきり)」。
「立切」。「立切」ときたか。以前一度目にしたテクニカルタームだ。あれは同じ愛知県、豊川市で見つけた物件だった。
その白川立切に比べると格段に規模は小さいものの、「立切」としての姿をそのまま残しているという意味ではこちらが圧倒的だ。もしかして「立切」って、尾張~三河のローカルな土木用語なんだろうか?
上記のHPによると、立切という用語の説明自体はないが、
以前は用水路であったため立切で堰き止め水田に取水していましたが、現在は水田に入れた水が河川や排水路に流れ出るのを防ぎ水位を保つために使われています。まだ一部補給水として使用している所もあります。
との記述がある。この中野立切に関しては、現状を見る限り水位調整にも使われていないようだが。
ちなみに宮田用水全域では、五条川に2基、福田川に5基、三宅川に3基、新堀川に1基、そしてここ光堂川には7基、計19基の立切が存在するようだ。
小粒ながら、なかなか面白かった。
最後に、上流からの遠望。…ボロイな(笑)。
以上。