不二瀧門(仮)(滋賀県近江八幡市長光寺町) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

こんなところに穴表記!?といてもたってもいられずにやってきた。2009年12月6日探訪…って、もう
4年近く前になるのかぁ~。
 
 
場所はコチラ。
 
 
この頃はブログはもちろん、ワイワイマップさえはじめるはるか前。撮影枚数も今とは比べ物にならない。てなわけで、タメもなくいきなり登場。
 
 
 
 
おおおおお!大当たり!!
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マジか!?まさかの石造り隧道!いや、これは…門?なのか?
 
 
 
 
左下の石柱に注目。
 
 
 
 
 
「右 たき道」
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これは、かなり、古いのじゃ?期待で胸がバクバク!ところで、「たき」とは?
 
 
 
 
扁額には
 
 
 
 
「不二瀧」と。
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この上にどうやらそういう名前の滝があるようだ。
 
 
 
 
 
 
 
こちら、反対側の坑口…いや?門構え?なんて言えばいい?(笑)
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翼壁も含めてすべて切石積み。いや、素晴らしいじゃあーりませんか!
 
 
 
 
そして、扁額に衝撃の表記が!
 
 
 
 
 
「霊泉」。そして
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「明治四十年七月竣工
平成十五年七月修復」
 
 
 
なにー!明治製となー!
 
 
 
 
いやいや、驚いた。滋賀県には旧東海道筋に大沙川隧道、由良谷川隧道という二本の明治製石積隧道が現存しており、撤去開削されたものの家棟隧道、家棟川隧道といった、やはり石造隧道がかつて存在していたのだが、他にもこんな明治製石造物件があったとは!
 
しかしながらその表記にあるように、近年修復された…ということは、かつては荒廃していたのだろうか。コレは…非常~にオリジナルが見たかった物件だ。
 
不二瀧というのは人工の滝だが、そこで行をおこなう人もいるらしい。この不二瀧を含む一帯は瓶割山城という山城のふもとにあり、歴史の薫り高いエリア。この隧道は一帯を区切る土塁に設けられたものであり、一種の隔絶された場(修行の場?信仰の場?)への入り口でもある。それこそ明治以前の近世から、なにがしかの隧道状のもので土塁をくぐっていた可能性がある。いや~、すこぶる妄想をかき立てる物件だ。
 
 
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不思議な神聖さを感じる、知る人ぞ知る素敵物件だった。
 
 
 
 
 
 
スゲーもん見つけた!と喜び勇んで念のため調べたら…まさかの先人が。それ以来密かにチェックし続けてきたので、先ごろついにご一緒できたのは感激だったね~。
 
 
以上、完結。