遥かなる摺子発電所 【7】 (奈良県吉野郡下北山村下桑原) | 穴と橋とあれやらこれやら

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初めまして。ヤフーブログ出身、隧道や橋といった土木構造物などを訪ねた記録を、時系列無視で記事にしています。古い情報にご注意を。その他、雑多なネタを展開中。

 
【6】より続く。
 
 
 
疲労困憊で写真を撮ってなかったため、いきなりだが、
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9時38分、第二の開口部が現れた。
 
この時点で、疲労度はかなりキテいた。闇の中の泥沼行軍は、容赦なく我がHPを減らしまくっていた。
 
いったい、どのくらい進んだのだろうか?
 
 
後日調べだが、なんとなくつかめた。地図をご覧あれ。↓
 
ポイントしているのが、探索スタート地点である落筏路の吐口位置(正確ではない)。落筏路兼導水路隧道は、方向的には地図左上方向(ざっくりと、425のおにぎり表記と「とぼと谷」の間あたり)から延びてきていた。その方向を見ると、2本の谷筋が水色で描かれている。この2本の谷筋に2ヶ所の開口部があるのではないかと思われた。
 
てことは、これまたざっくりとだが、落筏路吐口から1kmほどは進んていたと思われる。
 
 
が、もちろん当日現場でそんなことは知る由もなし。
 
 
ここで、よとと隊長の写真をパkr お借りしますが。
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全然先見えへけどどうするよ?
 
・・・ってなもんか。実にイイ写真だなあ、コレ。あの時の空気感を完璧に切り取ってる。我がヘボ写真が恥ずかしい・・・(笑)。
 
 
ここまで来たのは、隊長とぱぱんさん、ピカさん、わたくし。確かきょくちょ~さんも追尾されてたはずだが、途中離脱されたか?
 
 
いや、ここで何を話したか、もう全く覚えてないけど・・・
 
 
まだあきらめなかったんだな、残念なことに(爆)。
 
 
 
名残り惜しく見上げる、外の光。
 
芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のごとく垂れ下がる、碍子と電線。我ら罪人を引き上げてはくれない・・・なんつって(笑)。
 
 
9時45分、死の行軍、再開。
 
 
 
この第二の開口部からすぐ、このように
激しく漏水する割れ目があった。いや、けっこうな勢い。
 
こんだけの水が恒久的に供給されてれば、この泥沼が改善されることは有り得ない。はあ~。
 
 
 
 
ここからは、よとと隊長、ぱぱんさん、ピカさん、しんがりがわたくし。
 
 
 
 
少し進んで振り返った・・・これ。
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最後の、明かりが、遠ざかっていく・・・。
 
 
 
真の地獄の始まりだった。
 
 
泥濘はその深さ、粘度ともに格段に悪化。長靴キワキワまで沈みこみ、足を抜くのにも一苦労。もちろん、写真を撮る余裕なぞナッシン。きっつい・・・。
 
きっつい。きっつい。キッツいよ。
 
 
自分では撮り損ねたので、ピカさんご提供写真で。
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アカン。
 
コレあかんわマジで。
 
 
 
 
わたくし、単独で離脱。時間がはっきりしないのだが、たぶん10時6分ごろだったと思う。後のお三方は、もう少し奥まで逝かれたようだが。
 
 
その10時6分に撮っていた写真。コレが多分、
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撤退を決めた地点で向き直った時のものだと思う。
 
 
ここからは独り、漆黒の闇を戻った。
 
 
後ろにも前にも仲間がいるのはわかっていたから怖さはなかった。ただ泥濘が鬱陶しかった。
 
 
 
生還への途中に撮ってた写真たち。
 
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謎の腐れ一斗缶。
 
 
 
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開口部から入りこんだ木?なんか禍々しい・・・。
 
 
 
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??何で撮った(笑)?
 
 
 
 
 
 
そして・・・10時23分。
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見えた。
 
最初の開口部だ!
 
 
我、生還セリ。
 
 
 
【8】に続く。