【5】より続く。
激しいボケボケ写真で恐縮だが、
薄ぼんやりとした明かりが近づいてくるにつれ、ハッキリした。
まさかの、天井に穴。
この開口部は、つまり、
通気口、または明かり取りのいずれか、あるいは両方。
この導水路隧道兼用の落筏路は、筏師たちも一緒に下ったと言われている。碍子が残っていたことから、電気は引かれて一定間隔で明かりはあったのかもしれないが、人も通過するとなれば、やはり空気(酸素)のことは気になるところ。となると、やはり通気口か?
とにかくこの開口部のおかげで外光を拝めたのは良かったが、登れるようなものではまったくなく、外の様子は知ることができない。そして、(最初の写真でもわかるように)おそらくこの開口部から入りこんできたのであろう土砂や岩で、洞床がほぼ埋め尽くされてしまっていた。
このことが、困った事態を引き起こしていた・・・。
フラッシュ焚いたら全然違う印象に見えるが、
この開口部の向こうで足を止めている仲間たち。
そこに合流して見れば・・・
弩★水★没。終わった!?のか!?
上の写真はピカさんご提供。左からきょくちょ~さん、おろろんさん、YO314さん、わたくし、ぱぱんさん。おっと、ぱぱんさんの頭上にこうもりさんが(笑)。
弩水没のその先は、果てしなき漆黒の闇の世界。コレはハードル高ぇわ~・・・
が、よく見ると・・・誰か・・・
やっぱり逝っちゃってるよ、よとと隊長。色んな意味で(笑)。
そりゃそうだ、あのお方がこのくらいであきらめるはずがない(笑)。
けっこうな水深なのだが、洞床が中央に向けて緩傾斜がついているため、端はなんとか長靴でチャレンジできそう。つまり側壁に沿っていけば、まだ進める!
遅れてはならじと(笑)
ぱぱんさんに続いて突撃!
こちら、ピカさんご提供写真。
入水直後のわたくし。死出の旅へ(笑)。
もちろんピカさんも続かれた。
ちょうど上の写真を撮られた時に何をしてたかと言えば、
こんなのを撮ってました。
強烈な泥濘。いきなりこの状態に少々ひるんだが、このくらいで退いてられっか!というわけで、
9時14分、泥の海に突撃開始。
マジ地獄の始まりだった。
最初のうちは、写真を撮る余裕があったのよ。
改めて、側壁を撮ってみた一枚。
何十年も水流にさらされてきたことを考えれば、けっこういい状態かと。上質なコンクリートが使われたのかな?
いつしか洞内はまた、
「天井レス」(笑)に。
相当に堅牢なんだろうか。たしかに崩落は一度も見なかったな、確か・・・。
・・・。足元は、ひたすらに
微妙な深さの水、そしてその下に隠れた軟泥。
この泥が、いけねぇいけねぇ、もういけねぇ(爆)。
最初のうちはこのような軟泥だったのだが、
徐々に、
カレールゥ的なビジュアルに(爆)。
が、コレ、見かけほどしっかりしてるわけじゃない。
足を置いて、次の一歩を出そうとした瞬間に、
ズボっと沈む。
そして、がっちりと長靴を咥えこむので、抜くのがまた一苦労。体力と精神力をガッツリと削ってゆく・・・。
たちまち、写真を撮り続ける気力は奪われた。
この日ひしひしと感じた、泥濘の脅威。局面や状況によっちゃあ、マジで危険だ。
9時34分に撮ってる写真。
なんか、怖い。
まったくどこにもピントが合ってないこの写真を見ると、今でも鮮明に思い出せる。あの泥の感触・・・。独りだったら、相当精神的にヤバかったと思う。
あー!
きっついよーー!!
めっちゃ歩いた気するねんけど!
もはや距離も定かでない。
苦闘を続けること約25分。次なるアレが登場。
【7】に続く。